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『ガイズ&ドールズ』(10)

2010.4.29(Thu.) 17:00~19:55
シアタークリエ 1階10列下手側

23日ソワレで見た席とたった1席しか壁側に入っていない席。
23日ソワレで”微妙な出来”と言ったのは絶対に席のせいではなく。

「舞台を見るなら楽前が一番」とはよく言ったもので、「GUYS&DOLLS」8回目、文句なしのベスト中のベストです。

内君はいつもよりずっとスカイだし、玲奈ちゃんはいつもよりとてつもなくサラだし、錦織さんはいつもどおりネイサンだし、由美子さんはいつも以上に異常にアデレイドだし、アンサンブルさんの熱気も半端なく、リピーターが多い客席も、なんだかこの日は異様なほどに作品に対してホームな雰囲気。

ずっと見ていて感じるのですが、初日に比べてずっと拍手の入り方が上手くなってきているのを実感します。むろんそれは舞台の完成度にも左右されると言いますか、この日の出来そのものに送られる拍手というのは言うまでもないのですが。

この日のお芝居、いつもは舞台を上下に引っ張る(という印象がある)ネイサン&アデレイドに対して、左右に引っ張るスカイ&サラという感じで、両カップルが上手いこと噛み合った(自分にとっては)初めての回。

●気づいた日替わりよもやまごと。

◇アデレイドの登場シーン
いつもは窓越しにナイスリーだけ手を振っていたんですが、この日はベニーも手を振ってた。
とかいってベニーは「GUYS&DOLLS」チューンの前に「あの女のせいでいつも仕事が半端になる」って、「あの女」呼ばわりしていたりする。
単純に頭上がらないだけなのかも。

◇台所用品は人をつつく道具じゃありません
サラ&アデレイドの初対面シーンとなるニューヨークの夜明けの街角。
別名ちんどん屋こと(笑)アデレイドの結婚お祝い付き衣装。

「結構重いのよこれ~」と発する台詞はつい最近生まれた由美子さんのアドリブなのですが、ただでさえ笑い取りまくってたシーンなのに、更に笑い取り確率上昇。

で、スカイと話すアデレイド、台所用品で「うりうり」って感じでスカイをいじってて内君、苦笑い。

あまりに内君が素になりすぎて、アデレイドがシーン的に放っぽり投げて下手側に消えていく(今日はなんか「やっほう」とか言ってた・・・笑)後、内君だけでは回収しきれず(「彼女幸せそうだな」の台詞が含み笑い付きで会場の笑いを誘ってたりする)、その後「彼のこと、本当に愛しているのね」という台詞、玲奈ちゃんが絶妙な間の取り方で回収してくれてます。

◇アデレイドの嘆き
曲の中で惚悦に浸るときに「わぉ」とか言ってて前方席からも笑いが。
この曲にアドリブの入れようがあるとは思ってもいなかった。

◇サラの後悔
スカイをひっぱたいちゃった後、後悔するように手を眺めて・・・という仕草を公演中盤でしていたサラ。「サラは実はここで既に恋をしていた」ことをはっきり見せるように変わっていたのですが、公演後半になって、ちょっと動きに変化が。

上手側にある台にもたれかかるかのようにうつむきながら、声色変えてサラの心情を歌い上げるあたりは玲奈ちゃんの得意中の得意なところ。なんで最初からこれじゃなかったんだろうな。

◇書いとかないと忘れる変化
サラの登場シーン、「誘惑に負けないで」とお色気誘惑中の女性(は実は眼中になく)浮浪者風の男を諭すサラ。

いつからか、ここが指さしじゃなくて手の平になりました。
煙草や酒は指さす悪事なのに対して、誘惑されそうになってるのは悪事じゃないから、という感覚なのかも。

◇酔っぱらいちゃん
あまりに酔っぱらいすぎて、鼻歌歌いながら噴水に歩いてくるサラ(笑)。
「もし私がベルなら」も超絶にスローテンポで歌ってる(酔っぱらい仕様)なもんだから、オケさん合わせるの大変大変。

ハバナシーン、スカイが赤い服の女性に誘われてるのを発見したときに一瞬でサラが敵を見つけたかのように目が鋭くなるのがツボ。たまには悪女やってみたらいいのに。

今日の体育座りはなぜか上手側に向かってちょこんと座ってた。このシーンのサラはいちいち全てが可愛すぎる。

◇今日のたましい
ネイサン「面白いこと書こうと思ったら『魂』って書いちゃったよ」
ベニー 「なんだ初めて書けたじゃねえか」(会場内爆笑)

・・・で、回収しないネイサン。会場笑いっぱなし。
それにしてもベニー、それ既にボスに対する言葉じゃない
って分かってます?(笑)

◇今日のコクれ
ネイサンのベニーいじりStage2。

ネイサン「奥さ~ん、ひひひ、(以下、下ネタの腰振り付き。)
あっち向いて●●●●、こっち向いて●●●●」(一応、自主規制)

で客席笑い止まらず、舞台上も笑いこらえる人多数。

こんな劇場全体アウェー状態でもベニーは耐えなくてはいけません。

ベニー「これからは良いギャンブラーになります」
カートライト将軍「どうです、すっきりしましたか」
ベニー「それはもう。奥さん。」(会場内爆笑)

・・・そーきたか!しかもそれをベニーがやるのが面白くてたまらない。
最近ベニーの株が急上昇中です。

元祖面白系のナイスリーもその後、

いつも 「夢でした」 だったのを、
アドリブで「dreamでした」に変えててこっちも笑い取ってた。
みんな自由すぎる。

「ハレルヤ!」も悪人そろって両手右上45度に上げてるし(前からやってた記憶ないんだけど)。

「清く正しく生きましょう」を歌ってるときに、ナイスリーの楽譜が上下逆だったのを指摘するラスティ、芸が細かすぎて笑える。

◇今日の「結婚しよう」
今日の白眉はここ。

アデレイドの由美子さんが上手から、サラの玲奈ちゃんが下手から出てきてご対面のシーン。

アデレイド「何、そのイザヤって昔の男?」(本読んでる割にキリスト教とは無縁なのね)
サラ「イザヤは偉大な予言者ですっ!」
アデレイド「そんな昔の男のことなんかで泣くことないでしょう」(何気に好きな台詞だったりする。そういやアデレイドは嘆いても泣きはしなかったりする。)
サラ「(うつむいて蚊の鳴くような声を出して、アデレイドともども客席中が注目する)」

が本来の流れなんですが。

玲奈サラ、ここでまさかの高音伸ばしに失敗。なんか喉に引っかかったらしく噎せてしまいます。
一瞬、由美子アデレイドも怯みますが、そこは百戦錬磨の女優さんでございまして。

アデレイド「どうしたのよサラ、まさかあんたスカイのことが・・・」
といつもより台詞多めにして時間を稼ぎ、サラの背中をさすりに行きます。

ここでサラはまだ立ち直れずに顔を伏せているんですが、アデレイドとしては「サラは顔を見せられないぐらい(スカイを好きになったことが)恥ずかしい」という芝居に思わせようとします。
サラを手助けできるのはただ一人、アデレイドしかいませんから。

サラ「(落ち着きを少し取り戻して)びえーん」

何とか泣きに持っていけて一安心、かと思いきやまだ完全に回復しきってない玲奈ちゃん。

アデレイド「だいっきらいだったあの男のこと、今でもだいっきらいよ---!(いつもより超長め)
あーすっきりした(会場内笑)」

玲奈ちゃんの回復待ちで時間稼ぎ、目立つことやって客席の注意を自分に来るようにコントロール。
いやはや、凄い物を見せてもらいました。

客席からの笑いで何度も中断されそうになりつつも、シーンとしてちゃんと成立させていたわけですから凄いものがあります。

最後は玲奈ちゃんも何とか持ち直し、サラ&アデレイドのデュエットは素晴らしい聞き応えでした。

◇カテコ1回目
メイン4人が最初に出てきて、上手側・下手側からアンサンブルさんを招き入れるいつもの光景・・・なはずなんですが。

由美子さん、下手側にがちょーんってやって引っ張ってるのはなんのお遊びですか(笑)

◇スタオベ
この日はいつもゆっくり立ち上がるスタオベが、既にカテコ2回目から。
ためらいなく立てるこの日の出来だったと思います。
で、このカテコ2回目、内君が「ありがとうございました」と挨拶して幕が閉まったので、本来ならこれで終わるはず・・・・なのですが。

この日の舞台の完成度がそうさせたに違いない、いつまでも続く拍手の中、自分が見た回では初日以来のカテコ3回目。
さっき「ありがとうございました」と言って終わらせたはずなのに、挨拶をすることになって困る内君。

「えーと、どうすればいいですかね(会場内温かい笑い)。明日千秋楽ですが、今日までみんな怪我なくこれて嬉しいです。あと1回ですが、初心を忘れず千秋楽までやりきりたいと思います。本日はありがとうございました」との挨拶とともにカンパニー一同がお辞儀して終了。

この3回目カテコ、まさかないと思っていたのか、アデレイドが出遅れてずいぶん出て来ず、ネイサンを心配させていました。幕が上がるまで随分あったから楽屋戻ってたのかも。

それにつけても明日は千秋楽。
これを超えるものが見られるのか、心配しつつも楽しみです。
連休のまさに谷間、休むのにバツが悪い思いもしましたが(期せずして今日から7連休)、ある意味ディズニー(*)以上に夢の国なシアタークリエ版「GUYS&DOLLS」のフィナーレを見届けてこようと思います。

(*)多分本人同士も知らない話ですが、玲奈ちゃんと由美子さんの共通点はディズニー好きなことだったりする。
(←今回は多分一緒にTDLは行ってないと思われる。)

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コメント

笹本さん前楽のときのカテコで、腕組んでるとき内くんの脇腹をコチョコチョつついてましたよね…。1部も2部も。彼女は涼しい顔で何もしてませんよ的な表情でしたが、内くんは脇腹弱いからビクンビクンッしてましたけど…。不愉快でしたよね。

投稿: むー | 2010/05/03 01:20

むーさん、いらっしゃいませ。

それは気づきませんでした。

スカイとサラはカーテンコールで腕を組むことはそれほどは多くなかったかと思いますので、そのように見えたのなら凄く珍しい光景ですね。

投稿: ひろき | 2010/05/03 16:05

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