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『ウーマン・イン・ホワイト』(4)

2010.1.15(Fri.) 13:30~16:45
青山劇場 2階E列上手側

再演WIW、まだ5回目上演なのに既に2回目観劇(笑)
トークショーに釣られて今月の休暇はこの日に決定。

前回の観劇からたった3日しか経っていないのですが、笹本さんの落ち着きが戻ってきました。このマリアン役では特に繊細に発揮される、感情表現の豊かさは当たり役と名付けるに相応しいものがあります。

前回見たときは、舞台上方にあるオケピが、指揮者・塩田さんの頭しか見えなかったのですが、2階席最後列から見ると、オケピの高さとそんなに変わらないので、同じ作品を見ているように思えません。
配置的には銀河劇場でオケを上に上げたときの印象に似ています。

今回からネタバレ発動です。ご注意くださいませ。






初演を見たときにマリアンの一番好きな曲は「All For Laura」だったのですが、今回の再演の好きなのは同じ音符で奏でられる2幕20場後半の「このままではいない」。

「All For Laura」は初演以降も「Jewel」複数回、山野イベント(註:サンタ姿)だけでなくCDでも何十回と聞いていて。
こっちもこっちで再演ならではの笹本さんの感情の苦しさが伝わってきて素晴らしいのですが、マリアンの「強さ」を改めて認識させるのは「このままではいない」の方かと。

自らの失敗でローラを苦しめたことはこの2曲の前シーンともに共通してはいます。

「All For Laura」では「(自らを)全て(ローラのために)捧げた『はず』よ」という歌詞に、「自分は100%ローラのために生きてきた」と言えない、マリアンの懺悔が含まれています。

「このままではいない」の前には、「All For Laura」でローラに全てを捧げることを心に決めたマリアンにとって、”痛恨の失敗”が存在しています。
その失敗を乗り越える、そのためのエネルギーが凄くて。
ローラのために生きてきたマリアンがローラを失ったとき、「諦めることをしなかった」からこそ、あの結末が導き出されたのだと。

「All For Laura」→「このままではいない」→「あの子のために」(ロンドンのハートライトの部屋でハートライトにすがる)→「これが私」と続くマリアンの気持ちの動きが、決して不自然でなく見せられているのはさすが笹本さんです。

ただ、前回も書いたのですが、初演に比べてちょっと弱いのは「マリアンがローラのためになぜそこまでするのか」というところ。
「支え合って2人生きてきた」のは確かにそうだろうけど、前回もあった、フォスコ伯爵がマリアンに投げかける、「あなたは影で生きるのですか」という言葉の方を強く感じてしまうのです。
ある意味、フォスコの誘惑が初演以上に強いので、マリアンがフォスコから逃げまくってる方が印象に残りまくりでして。

この辺はフォスコ伯爵が1幕からマリアン狙いまくり。ってのが影響しているように思えます。
岡さん→笹本さんの再演版を見てしまうと、上條さん→笹本さんって実はずいぶん淡泊だったんだなぁというのを今更ながらに思い出します。

初演はマリアンとハートライト、ローラの関係が絶妙だったのですが、再演はハートライトは歌は抜群なのに気持ちが伝わりにくいし、ローラは頑張ってるけど「努力賞」の域を抜け出ていないし、マリアンとフォスコの息の合いすぎた敵バトルが突出して良いんですよね。

そういえば、玲奈嬢がトークショーでいみじくも語ってた「同世代が多いのでOFFとONの切替が難しい」という感想はまさに暗喩的。

笹本さんと岡さんの芝居の呼吸って、笹本さん・井上芳雄さん間と同様に「何も言わなくても合っちゃう」レベルに達している(ように見える)ので、それと比べてもしょうがないのでしょうが。
OFFで垣根がなさ過ぎる分、「作品内で必死に距離を取ろうとしている」という話を聞くにつけ、この作品にこのキャストは、かえってハードルを高くしただけのような気がしています。

作品の感想はまた日曜日に見るのでそこでまた。

ということで、この日のトークショーです。

●トークショー(16:15~16:45)
この日の登壇者は笹本玲奈さん、岡幸二郎さん、和音美桜さん。司会は指揮者の塩田さんです。正直な本音を言っちゃうと塩田さんの司会ってあまり好きじゃない・・・
「こんな素晴らしい作品、キャストを相手に振ってる自分って凄いでしょ」が表に出すぎというか、そりゃ凄い人なのを否定するつもりはないんですけど。

○出会いは1回だけ
 塩田「岡さんと和音さんは初共演ですが、いかがですか」
 岡「会うシーンたった1回しかないんですよ」
 和音「注射打たれるところなんですよそれ(笑)」

○岡さんから質問です
 岡「サボテンのシーン、あれ初演からあんなに
    笑い起こってましたっけ」
 玲奈「あれはわりかし前から鉄板ネタですよ」
 塩田「初演で笑い待ちがこんな長かった記憶はないですよ(笑)」

○ここはロンドン
 玲奈「同世代が多いので、稽古場でのOFFからONへの切替が
     大変で」
 岡「そういえば玲奈、台詞がお友達モードにならなかったっけ」
 玲奈「(笑)『ハートライト、任せて!』と言うところを
    『だいじょーぶっ!』て言っちゃってめちゃくちゃ焦りました」
 岡「いつからここはミーマイになったんだと思いましたよ(笑)」

○いつもより大きい
 塩田「オケは出演者の前にいないから、
     久しぶりに(等身大の)皆さんの姿を見ました(笑)」
 岡「この作品の何が難しいってオケと合わせるのが、
     小さいディスプレイ越し」
 「ただでさえこの作品の曲、難しいのに」
 和音「音と歌声が合ってないと思ったら合ってたりしますね」

○24(22)歳で初めて
 玲奈「台詞で噛むことは(今まで)ありましたけど、
     歌で噛んだのはこの作品が初めてです」
 岡「音符凄い多いもんね」

・・・このメンバーにしては随分無難なトークショーというか、岡さんが思ったより弾けてくれなかったのでちょっと拍子抜けです。岡さん司会の方が絶対良かったのになぁ、ってこんなところで言ってもしょうがないんですが。

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