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『ウーマン・イン・ホワイト』(3)

2010.1.12(Tue.) 18:30~21:20
青山劇場 1階F列下手側

笹本さんの役で1、2を争う好きな役がこの『ウーマン・イン・ホワイト』のマリアン・ハルカム役。

当初、初日は平日ソワレということで回避したのですが、イープラスで舞台写真版チケットというモノについつい釣られてしまいました。
まぁ、ただのインクジェットで、光沢紙でさえありませんでしたが(爆)

2年半ぶりの再演、前回は日程の都合が付かずに2回しか見られなかったので、今回は倍の4回の予定。

そうは言ってもこの作品、音楽は最高なのですが、物語は1回見るとネタバレてしまう致命的な弱点を抱えてまして。文庫まで買ったけどストーリーはお世辞にも面白み満載とまでは言えないかな・・・

ただ、今回2年半振りに見て久し振りに思い出したことばかりでしたが。
「All For Laura」って1幕ラストじゃなかったんだ、とか。
かように人間の記憶はあてにならないものです。

今回、プリンシパルはマリアン役の笹本玲奈さん、フェアリー役の光枝明彦さん以外は総入れ替えで、かなり空気が変わっています。

一番化学変化が大きかったのが別所哲也さんから田代万里生さんに変わったハートライト役。初演の笹本さん&別所さんの年の差が醸し出す空気とはがらっと変わっていました。個人的に好みなのは初演かな。マリアンがちょっと背伸びした感じが好きだったので。マリアンも初演よりは圧倒的な存在感が心なし薄まった印象です。

その代わりにハートライト登場時に笹本マリアンが別所ハートライトに話しかけた「こんなお若い方」という腹筋のこらえどころがなくなったのは幸いです(苦笑)。

メイン4人が同年代(笹本さんだけ「(2つ)年下」)なだけあって、どことなく高校生の恋愛のような空気を感じます。

才色兼備な生徒会長が笹本マリアン、有能な補佐・副会長が田代ハートライト。書記が内気な大和田ローラで、会計が勝ち気な和音アン、みたいな(笑)
野心家のパク伯爵が校長で、策謀家の岡フォスコが教頭で、生徒会と全面対決みたいな(爆)

ま、余談はそれぐらいにして。

とにかく歌上手キャストを集めまくっただけあって、歌には隙がまるでありません。
「EVIL DEAD THE MUSICAL」以来2度目の大和田美帆さんがちょっと心配でしたが、十分に合格点だと思います。

ただ、これは相性の問題があるのでどうしようもないのですが、姉妹という組み合わせでは初演の笹本&沙也加に対抗できる空気はまだ出し切れていない感じ。初演の2人は理屈抜きで姉妹って感じでしたが、再演の2人は理屈で姉妹って印象。
実際のところローラとアンが似てるのは明らかに再演でして、マリアン・ローラは父が違う姉妹ですから、似てなくても不思議はないですが(2人とも母親に似たら、似てしまいますが)。

話を戻してしまいますと、笹本マリアンと田代ハートライトは同級生チック。
なので、別所ハートライト版の時に「フォスコに勝ち目はないぞ」と年上感を入れて励ます感じとは代わり、「フォスコに勝ち目はないな」と同士を励ます感じになって。ここは初演も再演も甲乙つけがたい、変わらないいいシーンになっています。

「女はね、やるときはやるのよ」は別所ハートライト版というか、どうも田代ハートライト版だと「私だってやるときはやるのよ」の方がしっくり来る感じがします。それだとマリアンにしては自虐的すぎる気もしますが、ローラのためなら何が何でも、がポリシーのマリアンならそれもありかなと。

キャスト変更で一番楽しみだったのはやはり、笹本マリアンが岡フォスコを誘惑するシーンです。
一部、「これタナボタ企画じゃないの?」と思ってしまったのは、終演後にも口に出しちゃいけないことなんだろうな、きっと。

マリアンがフォスコに「サボテン(ネタバレ→※サボテンとはヒゲのこと)を抜いていただけます?」とお願いした後、時を置かずして出てきて、綺麗にサボテンがなくなっていた(ネタバレ→※鬚が剃られていた)時に会場が大爆笑になったのは笑いました。
きっとそこ、本来は笑うところじゃないです。が、この舞台はミステリーなので笑う場所ここしかありませんけど。

個人的に笑ってしまったのは、これ初演からある台詞なのですが、パーシヴァル&フォスコの密談を誰かが聞いていたことに気づき、「あのすばしっこさはマリアンに違いない」とフォスコが断言するところ(笑)。

さすがすばしっこいものを捕まえることが趣味(としか思えない→ネズミ飼ってる)なフォスコ伯爵らしい目の付け所です。

ともあれ、笹本マリアンが岡フォスコの誘惑シーンから対決シーンに移行してからというもの、「ルドルフ」で痺れたとおりの出来。
まさに他人を射貫く笹本マリアンのあの視線を正面から受け止めるシーンはある意味後半の白眉です。

騙され、最愛の妹を苦しめることになってしまった自らの不甲斐なさをも、全てパワーに変えたあの視線の威力は、初演の上條さんに対してよりもずっと、再演の岡さん演じているフォスコに対しての方が強いように思われました。

ある意味、いつも一緒に演じている役者に「裏切られた」ように客から見えてしまうからかもしれません。ちょっとした本末転倒ではあるんですけれども。

今回、東京の会期が2週間弱ということもあり、4回見ようとすると平日まで休んだ上に今週は3回も見るというちょっとしたハードローテーションです。
物販ではパンフレット(1800円)が、久しぶりに見た「役者他からの応援メッセージ版」(地下1階に降りていく階段に内容サンプルが貼られています)。
各メンバーへの応援メッセージは以下の通りです。

笹本玲奈さん(←内野聖陽さん)
田代万里生さん(←安蘭けいさん)
大和田美帆さん(←河原雅彦さん)
岡幸二郎さん(←G2さん)
和音美桜さん(←彩乃かなみさん)
パク・トンハさん(←石丸幹二さん)
光枝明彦さん(←大澄賢也さん)

ちなみに内野さん→笹本さんが内容的に面白すぎます。

初日現在ではパンフレット購入者特典として、田代さんが渋谷でWIWのプレイベントやったときの笹本さんCD(All For Laura、On My Own、命をあげようの3曲を「Jewel」から音源抜き出したもの)をプレゼントしていました。

カーテンコールは4回で、3回目に笹本さんと、笹本さんからの無茶振りで「新加入メンバーを代表して」田代さんがご挨拶。

笹本さん
「ご観劇いただきありがとうございます。新たなメンバーを迎えて、個性的なキャストとなっております(会場内笑い・・・笑われて焦る玲奈嬢)。キャストスタッフ一同24日まで一丸となって頑張っていきます。それでは、新加入のメンバーを代表しまして田代さんから」

田代さん
「(振られるとは思っていなかったらしく狼狽しまくり)僕自身この作品がミュージカル3作品になるんですけど。

・・・と、ここで会場内の微妙な空気に一瞬戸惑って笹本さんに助けを求めると・・・

『どうぞ言ってください』と両手広げて堂々の座長OKを出す笹本さん。
さすが、れなぞう(パンフ参照)。

この作品が最高傑作です!(←それ言って大丈夫なの?)
今月青山劇場でやっております。僕も毎日ここにいます(会場内笑い)。またいらしてください」

・・・田代さんまで天然?
たしか笹本さんが天然キャラだったはずなんだけどなぁ。
立場は人を変えるのね。

でも笹本さん、座長の責任を背負いすぎというか、初演比で周囲を見すぎで落ち着きなくなっちゃってる気がするのはちょっぴり心配。軌道修正上手な人なので、軽く心配、程度ですが。

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