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2009年12月

2009年もお別れ。

年末大晦日恒例の、一年間振り返り企画です。

これを書くために1年間のアクセス履歴とか観劇履歴を振り返っていると、あぁ1年経ったんだなぁ・・・と改めて認識させられます。

●アクセス数から見た2009年
 当BLOGの開設以来5年間では、最も少なかった平成19年以来の下から2番目ですが、平成18年とほぼ同水準ということで、若干の微減といったところです。

  2009年(平成21年) 30,085回※
  2008年(平成20年) 32,944回
  2007年(平成19年) 21,640回
  2006年(平成18年) 30,996回
  2005年(平成17年) 66,481回

  ※お陰様で、大晦日に30,000に到達しました。厚く御礼申し上げます。

 日別アクセスの上位です。

 1位 6月 1日(月) 377回 
          『この森で、天使はバスを降りた』(2)up日
 2位 1月 2日(金) 341回
 3位 8月30日(日) 326回 『エル・スール』(3)up翌日
 4位 7月23日(木) 299回 『スペリング・ビー』up日
 5位 4月19日(日) 268回
 6位 7月27日(月) 287回 
           『Live@クリエ~由美子ライブ』(3)up翌日
 7位 6月29日(月) 269回 『EVIL DEAD THE MUSICAL』(2)up日
           『ミー&マイガール』(6)up翌々日
 8位 4月 2日(木) 261回
 9位 9月 2日(水) 241回 観劇記録(2009年7~8月)up翌日
10位 10月 9日(金) 237回 『レ・ミゼラブル』(2)up日

 去年の10位が243回でしたので、おおむね地ならしすると去年並みということになります。瞬間最大風速の1位は、去年472回というものすごい値でしたので、それを除けばこちらもおおむね前年並み。
Blog的に後半の盛り上がりがさほどでなかった認識があるのですが、それも影響してか上位は年前半に固まっています。

 訪問者数の上位です。

 1位 10月 9日(金) 173人 『レ・ミゼラブル』(2)up日
 2位 6月29日(月) 172人 『EVIL DEAD THE MUSICAL』(2)up日
           『ミー&マイガール』(6)up翌々日
 3位 10月 1日(木) 136人
 4位 7月23日(木) 126人 『スペリング・ビー』up日
 5位 11月30日(月) 118人
 6位 11月 9日(月) 117人
 7位 6月15日(月) 114人 『ミー&マイガール』(5)up日
 8位 6月26日(金) 109人 『EVIL DEAD THE MUSICAL』(1)up日
 9位 7月27日(月) 108人
           『Live@クリエ~由美子ライブ』(3)up翌日
10位 9月 2日(水) 106人 観劇記録(2009年7~8月)up翌日

 ここの数値が小さいほど、新しく入ってきた方が多いということになります。上の中で、極端に低かったのは10月9日(137人237回=1.36)と6月29日(172人269回=1.56)で、この2日間は特に、リピーター率の低い日ということになります。

●検索キーワードから見た2009年
 ※2009年12月31日現在の集計に誤りがありました。以下は再集計後の値です。

 1位 826回 高橋由美子
 2位 798回 笹本玲奈
 3位 590回 バンデラスと憂鬱な珈琲(「バンデラス」を含む)
 4位 355回 篤姫
 5位 270回 井上芳雄
 6位 262回 新妻聖子
 7位 165回 回転木馬
 8位 163回 EVIL(類義語の「DEAD」は161回)
9位 158回 堤真一
10位 157回 淫乱斎英泉

 当初の集計では1位は笹本さんでしたが、改めて再集計した結果、今年も1位は由美子さんでした。
(但し、「笹本」とだけの検索が115回(21位)あるので、これを加えると笹本さんが1位になります)

 12月後半の「ガイズ&ドールズ」発表は、作品名で一気に検索が入りましたので、どちらも出るとはいえキーワード上位争いにはほぼ無関係に終わりました。

 11個中、人名は5つ。次点の11位に新妻由佳子さんが入り、新妻家から2つ入ったのが目を惹きます(新妻由佳子さんは新妻聖子さんのお姉さん)。
 新妻家のなんかいい話 その1(姉編) その2(妹編)

●観劇数から見た2009年
 舞台(映画上映舞台を含む)は、39作品63回。去年が21作品46回で、その時点で史上最多ですから、更にそれを上回った自己最高になります。
 というか、そこまで頻繁に見た記憶はなく、特に年後半にペースダウンした印象しかないんですが、後から振り返って正直自分にびっくりしました。

 ○作品別、複数回見たもの。
  6回 バンデラスと憂鬱な珈琲
     ミー&マイガール
  4回 EVIL DEAD THE MUSICAL
  3回 淫乱斎英泉
     レ・ミゼラブル
     エル・スール
     回転木馬
  2回 屋根の上のヴァイオリン弾き
     この森で、天使はバスを降りた
     エンジェル・イアーズ・ストーリー
     Nine The Musical

 複数回観劇が実に11作品。例年に比べると多い上に、1回観劇も28作品あったわけで、基本的に量が多かった年でした。

 ○劇場別回数
  10回 帝国劇場
  7回 サンシャイン劇場
  6回 世田谷パブリックシアター
  5回 シアタークリエ
  4回 天王洲銀河劇場
  3回 本多劇場、日生劇場、あうるすぽっと

 これもだいたい例年と同じです。贔屓が出なかったのになぜかTOPの帝劇が不思議ですが、妙に池袋率の高かった今年でした。三軒茶屋6回は副都心線が出来たらやたらに便利でした(半蔵門線から副都心線への乗り換えは意外に楽で、しかも副都心線渋谷駅は現在100%始発)。

 ○多く見たキャスト
  こちらもだいたい固定化していますが。

  4位 7回 新妻聖子さん
   去年は10回でしたので減少。というか年前半に1度も見ません
   でした。
   彼女はその期間映画を撮っていたので当たり前なのですが。
   NINEが2回、スペリングビー、骨歌、レミゼ、FCお茶会、映画
    と各1回。

  3位 8回 井上芳雄さん
   ミーマイ6回と組曲虐殺、NHKホール公録1回で合計8回。
   「シェルブールの雨傘」は風邪ひいた12月ということもあり
   観劇せず。
   エリザを除いて全作品観劇継続中でしたが、例外が出来
   ました。
   レポはしませんでしたが、組曲虐殺の小林多喜二は素晴らしい
   演技でした。

  2位 17回 笹本玲奈さん
   1年中ほぼ満遍なく見ていました。
   そのお陰と申しますか、銀座山野でクリスマスプレゼントを
   もらえた3人のうちの1人になってしまったのは、
   ちょっとしたひとり言です。
   ミーマイが6回、屋根ヴァ、回転木馬、レミゼが各2回、
   山野楽器イベントが2回、回転木馬イベント、FCイベントが1回、
   NHKホール公録が1回。

  1位 19回 高橋由美子さん
   やっぱり落ち着くところに落ち着いたと見るべきでしょうか(笑)。

   今年の観劇はTOPSの「HIGH LIFE~アケミ」のゲスト出演から
   スタートで、バンデラスの千秋楽まで見ましたが、意外に月に
   欠けがあり。
   2,3,5,6,12月と見ていません。去年は4作品12回でした。
   バンデラスが6回、EVILが4回、淫乱斎英泉、エルスールが
   各3回、由美子ライブ(Live@クリエ)、HIGH LIFE、苦情の手紙
   と各1回。

 ○私的ベスト3
  1位 『この森で、天使はバスを降りた』/シアタークリエ、5月
   個人的には作品には恵まれなかった今年にあたって、1作品
   選ぶとしたらこれかなと。
   ”クリエが森になった”というキャッチコピーがなぜ浸透しな
   かったのか不思議で仕方なかったぐらいの作品。
   ハーモニーといい作品の構成といい、大塚ちひろ嬢の魅力
   といい、バランス的に素晴らしい作品でした。

  2位 『淫乱斎英泉』/あうるすぽっと、4月
   これぞ芝居!これぞ役者!ってのを見せてもらった充実感
   からの2位。
   由美子さんのポジション的には、この作品も「エル・スール」
   もある意味似通ったところはありましたが、何気に天真爛漫
   キャラのこっちの方が好き。

   今年の由美子さんは年長キャラが多かったというか、例外なく
   若手の見守り役、って形だったので、一つぐらい最年少キャラ
   やって欲しかったなぁ。
   来年、藤谷美紀さんがやる「細雪」の四女みたいな役。

  3位 『バンデラスと憂鬱な珈琲』
    /世田谷パブリックシアター、11月
   芝居としては当然異端なのではありますが、アミューズメントに
   特化したといいますか遊びに徹した割り切りが、まさに娯楽って
   感じでした。
   というかシスカンパニー1作目がこれというのは世間一般的に
   ずれているという自覚はあります(苦笑)。

  番外 『Live@クリエ~由美子ライブ』
    /シアタークリエ、7月
   これをランク内に入れてしまうと必然的に1位になってしまうので
   番外。
   20年も応援し続けられると思わなかったし、去年秋の絶望
   に似た気持ちを考えると、天にも昇るようなプレゼントで
   ありました。
   ライブそのものの出来も素晴らしかったですし、隔年ぐらいでは
   見たいものです。

   めでたく「Live@クリエ」も第2弾が出たようですし、いっそのこと
   クリエ常連になってもらえれば。


 2009年、色々な出来事がありましたが、個人的に一番衝撃だったのは、年末も年末、12月28日に公表された桜井幸子さんの引退。

 由美子さんと堀越学園の同級生ですが、明確に「引退」と明示した発表をした初めての同期のはず。むろん、フェードアウト組も何人もいますが、堀越1991年度卒業生は、夏川りみさん、稲垣吾郎さん始め意外に細く長い芸能人生なのです。

 桜井さんは歌手デビュー(1990年)前からずっと知っていて、「高校教師」も見ていたし「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」でいじられている彼女も知っていて、最近こそずいぶん見ていなかったとはいえ、ピュアな感じを出せる希少な女優だと思っていただけに、ここへ来ての引退は残念。

 彼女の性格からして、翻すようなことはまずありえない(とことん思い詰める性格)ですし、あえて印象を言うと芸能界的ではなかった感じ。
 それからすると思ったよりずっと長い女優人生だったな、という感じがします。

 2009年はアイドル時代から同じ時代を生きてきた永作博美さんもお嫁に行ったし、アラサーからアラフォーあたりの年代の女優さんにとっては、皆さんそろそろターニングポイントを迎えるような年代なのでしょう。

 由美子さんにとってみれば2009年最初に事務所が変わったのがある意味、由美子さんなりのターニングポイントだったのでしょうが。

 桜井さんと由美子さんが対談した、18年前の「BOMB!」の記事(1991年1月号)が手元にありますが(桜井さんの巻頭特集)、ある意味、気難しさのエピソードに事欠かない桜井さんにあって、これほどまでにナチュラルだった対談は、知りうる限りこれしかなかったなぁ、としみじみしてしまうのでした。

(ちなみにこの対談では、由美子さんが桜井さんのことを「最初、(さっこのことを)宮沢りえちゃんかと思ってた。ごめんね」と謝っていたりする(笑)←桜井さんと宮沢さんはテレビドラマ「スワンの涙」で共演してた)


●そして2010年
 最近、見る作品の決まる時期がどんどん遅くなっている気がします。
 とりあえず、4月の「ガイズ&ドールズ」は帝劇まで行ってチラシを確保。
 (今のところ、劇場外側は1F表玄関のみにチラシあり。)

  1月    ウーマン・イン・ホワイト(青山劇場)
  2月    LIVE MOMENTS(新妻聖子ライブ)(よみうりホール)
  3月    明日の幸福論(劇団HOBO)(中野テアトルBONBON)
  3月    それぞれのコンサート(東京国際フォーラムホールC)
  3月    Frank & Friends(BUNKAMURAオーチャードホール)
  4月     ガイズ&ドールズ(シアタークリエ)
  4月~5月  レベッカ(帝国劇場)
  6月    キャンディード(帝国劇場)
  7月~8月  ピーターパン(東京国際フォーラムホールC)
11月~12月 モーツァルト!(帝国劇場)

 またここに色々な作品が割り込んでくるのでしょう。
 とりあえず1月1日、早起きして読売新聞朝刊を見ねば、2010年の予定が決まりまへん。

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『ガイズ&ドールズ』(1)

2010年4月シアタークリエ公演。

作品公式→こちら

この公演決定の第一報は、クリエ公式ではなく、意外なことに由美子さんのblogでした。
芝居の第一報が由美子さんのblogというのはあまり記憶になかったのですが、東宝制作の作品という、高橋由美子さんにとってはほぼ自社作品ですから、タイミング的に少し早かったのでしょう。

この作品のメインヒロインはサラになるわけですが、夕方頃に主役のスカイがジャニーズJr.の内博貴さんということが明らかになって、ここで由美子さんの役は踊り子のアデレイドになることがほぼ確定。さすがにスカイよりサラが1回り上ってのは相手の事務所さんがOK出すはずもなく(爆)。

せっかくだから泉見君スカイで由美子さんサラとか見てみたかったけどな・・・

で、じゃぁサラ役誰なんだろうと若手を見回すと、4月は若手の皆様作品が決定しまくってまして。12月にクリエでジャニーズ相手役だった神田沙也加さんは新感線だし、大和田美帆さんは5月が新国立だし、大塚ちひろさんは帝劇ヒロイン(「レベッカ」)だし・・・・といくら考えても思いつかず。

発表があって初めて「あっ」と。

玲奈ちゃんって若手なのね(笑)

そんなイメージいまやまるでなくなっちゃってるから、そういえば肝心な人を忘れてたわけです。
笹本玲奈さんFCのイベントが去年夏にあったときに、「まだ発表できない作品が2つあって楽しみにしている」旨、ご本人が話されていたのですが、1作が先月発表の「ピーターパン」再登板、もう1作が笹本さん自身宝塚版を10回見たとカミングアウトしているこの作品、ということなわけです。(先週の山野楽器のイベントの際には、この作品は情報公開前なので一言も口にせず。)

というわけで期せずして女性陣は笹本&高橋の私的垂涎キャストに落ち着いたのですが、この2人、役者としてのタイプが割合似ている印象がある分、共演イメージが薄かったりします。
(アニ銃をやりそうでやらない笹本さんと、普通に似合いそうな由美子さんのピーターパンとか、そんな話。)

もちろん初共演というわけではなく、2003年8月~9月の『レ・ミゼラブル』(笹本エポ&由美子ファンテ)と、2004年8月~10月の『ミス・サイゴン』(笹本キム&由美子エレン)の2作で共演したことがあるために、今回は4年半ぶりの共演となります。

とはいえ、この2作で2人はほとんど接点がなく、レミゼは2幕最後の「エピローグ」からカーテンコールまでのわずか1場だけ、サイゴンは舞台上下で一緒に歌うシーン(1幕)と、直接対決シーン(「キムとエレン」)の2場だけなので、共演経験がある割には芝居でがっつり組んだ印象がほとんどありません。

とにかく2人の演技と歌は知りすぎるほど知っているだけに、一緒の場で聞けるのは嬉しい限り。
メインは笹本さんなので美味しいところは持っていくんでしょうが、活きのいい若手と切磋琢磨して欲しいところです。

個人的には堅物サラが出かけたハバマではめ外すあたりが笹本さんだとどうなるのかが楽しみでしょうがなかったりする(ちなみに彼女自身は日本酒専門だそうで、他のアルコールはあまり飲まないらしい)

ただ、開幕前に宝塚版を映像で見るかどうかはとても迷ってるところ。頭の中真っ白で見るべきか、それとも予備知識入れておくべきか、うーん困った。

由美子さんの相手役は錦織さんになりますが、年上の方とのカップルで外したことは一度もないので、そこはまったく心配もなく。

フライヤーに「早く結婚して!」と書かれちゃうのがとある場所で「ご本人の境遇とあまりにマッチしてて」とか書かれていて噴き出しちゃうかと思いましたが、そうでもしないとご本人の結婚願望が復活しないでしょうねぇ(爆)。

由美子さんは印象よりずっとジャニ所属のタレントさんと組んでいますからね。
ドラマこそ稲垣さんだけ(「最高の恋人」)ですが、舞台では佐藤アツヒロさん(「地獄八景・浮世百景」)と諸星さん(「EVIL DEAD THE MUSICAL」)ときて今回ですから。

それにしても何にしても心配なのはシアタークリエの660という少なすぎるキャパ。
日生でも大丈夫なんじゃないのメンバー(この作品は過去、日生でやったことがある)なのにねぇ・・・・某FCさんが頼みの綱なんだけど・・・・

バンデラスも何気にチケ入手難でしたが、HOBO公演をはさんで次がここまで入手難公演になるとは予想外。チケ取りの腕を磨き直しておかないととんでもないことになりそう。

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『Nine The Musical』(2)

2009.12.16(Wed.)
18:30~21:45 ル・テアトル銀座
1階17列下手側

年末進行のありえない忙しさの中、先週末は風邪までひいて遅れたレポ。

本編話をちょいと。(ネタバレ大あり)




以前の「nine」を見ていないので、前演出版との比較は出来ないのですが、今回は存在感が突出してる妻・ルイーザを抜きには語れません。

前回も書きましたが、ルイーザが愛人に対して対する行動が、いかにも正妻ぽくて。
というかカルネとクラウディアに対する行動の仕方の対比が興味深くて。

色気で押すカルネに対して、旦那は「甘えたがってる」と見抜いて彼女のための服を持たせるのですが、それがシスターという。
見方をひねってみるなら、旦那が求める「身を委ねたい願望」をカルネの元に向かわせて満たせたのにもかかわらず、実は衣装はルイーザ自らが選択したものであると。
カルネがグイドを満たしているそれ自体が、ルイーザの作り出した空間であるという図式が、ルイーザにとっての優越感なのでしょう。

翻ってクラウディアの場合は「私(ルイーザ)では彼を満たせられない」と話してクラウディアをグイドの元に向かわせます。
ここにおいてルイーザは最初から白旗を上げているように見えるけれども、クラウディアの心の揺れを認識していて、グイドに深入りすること自体を望んでいないことを逆手に取っているように見えます。クラウディアにグイドを任せるように見せることで、クラウディアはその重圧に耐えかねて逃げ出すだろう、と試しているように見えたりした。

というかルイーザを新妻さんがやってることでなんだか「笑顔の裏にとてつもない黒い陰謀」が見えるようで不思議です(笑)。
他の役ではそうは見えたことないんですけどね。微笑みながら男だけでなく女も意のままに操るような感じが、最近の彼女は醸し出せるようになってきたように思えます。

ルイーザにとって、「グイドの妻」をクラウディアが演じたこと自体も心穏やかじゃなかったでしょうが、それより「自らの私生活をさらけ出した夫」に対する怒りが歌で叩きつけられます。
それは妻である自分を見せ物にした夫に対する怒りなのでしょうが(「私の人生は喜劇じゃない」って台詞が如実に語っていますが)、自らの私生活を妻も含めてさらけ出さなければならないほど夫が追い詰められていることに対する呆れにもちょっとだけ感じました。




そして本編も終わり、この日はトークショー付。

下手に樹里咲穂さん、中央に新妻聖子さん、上手にシルビア・グラブさん。
このメンバー、「なるべく皆様に綺麗な夢をお持ち帰りいただけるように」と新妻さんがblogでおっしゃっていましたが、無理に決まってるじゃないですか(笑)

演出のG2さんからの質問に答える形式で30分。
で、そのうち正味20分が新妻さんの食いしん坊ネタ(笑)。

●八百屋舞台
樹里さんいわく、「八百屋舞台は初めて」。残り2人が意外!という受け答えをしていたのが印象的。
シルビアさんいわく、「聖子と私はレミでやってるからこれが普通」。

●結婚したくなりましたか
新妻さんへのQ。
新妻さん答えていわく、「質問とはちょっとずれるかもしれないですけど、blogの読者の方から『新妻さん、結婚指輪が写っちゃってますよ!』ってコメント貰った(笑)」

「や、小道具なんですけど。」

「そういえば3人3様だね」とはシルビアさん。
上手から既婚者、未婚者、そして結婚経験者。

「結婚は良いよ!」と”固まった”笑顔で言う樹里さんを見て新妻さんが一言。

「こわいーーーーーーー」

や、そこまで反応しなくて良いよ(爆)

●えんぴつくん
スタイル抜群の樹里さんのあだ名は自称「えんぴつくん」だそうだ。
「緩いから4Bなんですよ」ってあたりが味わい深すぎて笑ってしまう。

ちなみにいくらスタイルが良いからといって、横から脇つまむのやめましょうよ、正妻殿(笑)

●電子レンジの女
「稽古始まっても電子レンジの前で満面の笑顔でチンするのを待ってる」とシルビアさんにバラされたのは、当然ミュージカル界の大食い女王(爆)の新妻さん。

「ご自由にーーーー!」と歌った後、早替え場で会ったシルビアさん、新妻さんからリンゴを差し出されて驚愕したそうで。

この日の幕間、樹里さんの楽屋を「非常事態かのようにノックする音」があって出たら、樹里さん差し入れの美味なシュークリームに感動しまくった新妻さんだったそうで。

「なんかオニオンスープの匂いがするな・・・」と思ったらまず新妻さんを探して「やっぱりね」とシルビアさんは納得する(笑)

稽古場で樹里さん、新妻さんは隣同士で、何しろ食べることにかけては新妻さんも凄いが樹里さんも凄いんだそうで、「とにかく食べ物が目の前に溢れていた」とはシルビアさん談。「80%私の持込でした」とは新妻さん。

ちなみにシルビアさん、樹里さん共通の感想として、「そんなキャラの聖子がすました感じで正妻として佇んでいるのが面白い」んだそうで、ま、たしかに地がそれじゃそう思われても無理はないですわな。
「末っ子キャラで可愛がって貰ってます」と新妻さん談。

・・・ま、そんなこんなである意味ものすごく予想通りのアフタートークショーでした。nineである必要性が一つもなかった気がしますけれども。

あまりに暴走しすぎて、あの挨拶上手の新妻さんが「締めなんてできないですよぉ」と断ったのを初めて見ました。結局「全員で締めましょうよ」と提案した揚げ句に、シルビアに「でも最後は聖子ね」と言われて玉砕(笑)

笑いをこらえつつも何とか綺麗にまとめた新妻さんは、何だかんだ言ってもさすがでした。
(「9つのきらびやかな宝石の輝きを、また劇場に見にいらしてください」だったかと)

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『ミー&マイガール』(7)

2009/12/14(Mon.) 18:30~19:45
山野楽器銀座本店7F JamSpot
「ミー&マイガール」CD発売記念イベント

笹本さん8ヶ月ぶりの銀座山野でのイベント(前回は4月下旬)。

で笹本さん、何とまぁサンタクロース姿で登場です。
「史上初のコスプレ、最初で最後」とは本人談。
嘘か誠か、司会者氏が事務所に送りつけたそうな。

ちなみに彼女自身、銀座山野の常連さんなんだそうで、地下1階にはしょっちゅう出没して海外ミュージカルCDとかいっつも取り寄せてもらってるそうで、「超好き」な店だそうです。その割に地下1階のフロアマネージャーは「一度も会ったことないんだよなぁ」と言ってたらしいですが・・・

曲は3曲。
M1.「スマイル!スマイル!」@ミー&マイガール
M2.「もしもハートを取られたら」@ミー&マイガール

ここまではサンタ姿でも何の違和感もなかったのですが、次が・・・

M3.「All For Laura」@ウーマン・イン・ホワイト

「この服でこの曲っていじめですよね」(笑)と本人談。
た、確かに・・・
後ろにいたピアノ演奏の方も笑ってるし。

歌い出しちゃうとマリアンなので何着てようが関係ないとはいえ、ちょっと(どころじゃない)ぐらいに不思議な光景です。

玲奈嬢「ロイドウェバー怒っちゃいますよ」
司会者「や、『これが日本の文化です』って言いますんで(笑)」

この日の進行は曲3曲をはさんで、大部分の時間が「心理テストコーナー」。
ともすれば平凡になりがちなコーナーなのですが、司会の方の妙に味がある進行と、ありえないほどの玲奈ちゃんの自爆で、会場内大笑いでした。

質問全部覚えていないのですが、何しろ玲奈ちゃんの答えだけでとんでもなく・・・

Q:謎かけ、A:玲奈嬢答え、N:ネタばらし、C:玲奈嬢追加コメント、S:司会者コメント

Q「森の中で家を見つけました、何の家ですか」
A「お菓子の家」
N「自分が住みたい家」
C「腐っちゃいますよ」

Q「家に入ると、人がいました、どんな人ですか」
「60歳ぐらいの男性、Tシャツに短パン」
N「将来の自分の姿」
C「(大撃沈、会場内爆笑)」

Q「家の中に入って一言。何と言いますか」
「すっげー、劇場みたいだねー(@サリー風)」
N「プロポーズの時の返事」
C「なんでーーーぇ?(会場内爆笑)」

Q「森の中を歩いていました、人に会いました、どんな人ですか」
A「白雪姫の鏡の向こう側にいる人」
N「将来の結婚相手」
C「あーやっぱり・・・多分結婚相手だろうな、と思って浮かんだ人言うの止めたんですよ。この人なんですけど(と右にいる司会者を指して)」
S「事務所に怒られるので流しますね」

以下、Qを忘れた分
A「好きな食べ物はイカの塩辛。楽屋に籠もるので差し入れはご勘弁下さい(笑)」
 「お酒は日本酒しか飲めない。結婚相手はお酒が飲めない方がいい」
 「酒の肴にれんこん」
 「昨日の夜食はたこ焼き(だけ)。ソースとマヨネーズをかけるのが大好き」
 「たこ焼きとちゃんぽんは冷蔵庫に常備してます」
 「銀だことか大好きです」
 「なんかもうイメージ崩れまくりですね、今日のことは忘れて下さい(笑)」

N「うさぎの○○」
A「今欲しいもの」
「(心理テスト中なの忘れて答えの重大さに気づき超うろたえる(笑))」

もう何が何だか、玲奈嬢本人比史上最強にフリーダム。

心理テストの後はプレゼントコーナーということでクイズ&ジャンケン。
クイズなんですが・・・・

Q「ミー&マイガールの世界初演はいつ?」
 「(1)1917年 (2)1937年 (3)1987年」
A「(2)の1937年」
C「(3)は日本初演、宝塚での上演ですね」
S「よくご存知で」

Q「ミー&マイガールの日本初演はどこ?」
C「(大撃沈、会場内爆笑)」

クイズが1問消えました(笑)

Q「ウーマン・イン・ホワイトのローラ役は誰?」
 「(1)光枝明彦さん (2)和音美桜さん (3)大和田美帆さん」
C「光枝さんはぜひ見てみたいですよね」
S「大和田さんってどんな方ですか」
C「シャキシャキしてて・・・(中略)・・・ローラということで・・・(←ふと我に返る)
S「話を振った私が悪かったです」

クイズがまた1問消えました(笑)
大和田さんの話振られて、危ないなーと思ってたらやっぱり玲奈ちゃんやらかしました。

クイズの中で意外な難問は
Q「来年再登板が決定した『ピーターパン』、何年ぶりの登場でしょう」
 「(1)6年 (2)7年 (3)8年」
A「(3)8年」
でした。
2003年がレミゼデビューで前年にピーターパン卒業だから(2010-(2003-1)だから8だな・・・と計算できてしまった自分に苦笑。

結局7問のうち5問しか有効問題が残らずに、でもなぜかすんなりジャンケン3回でクリスマスカード3名ちょうどで終了。

そういや新妻さんもFCイベントでついつい「パットナム大会スペリングビー」とか鼻歌歌った直後が「スペリングビーって何大会でしたでしょう」ってクイズで撃沈してたなぁ。
この似たもの同士さん。

これからの作品について。

●ピーターパン
衣装合わせしたんですけど私はピーターパンなんじゃないかって。
本当そう思いました。

でも・・・・・・・・・・・・・
充希ちゃん17とか18とかでちゅよとかろれつ回ってない(笑)

でも・・・・・・・・・・・・・
最後で「ウェンディは大人になったから飛べないんだよ」って25歳で言うの???
頑張ります、だそうな。

やっぱり若さに対する怖さはあるのね。
年齢的には「母親や父親の気持ちが分かってくる年代なので、母親や父親の気持ちを掴むのが目標」だそうです。

●ウーマン・イン・ホワイト
同年代(田代さん、大和田さん、和音さんは同学年。つまり笹本さんだけ年上)なので、とにかく4人集まるとまるで部活。

今週末のTBS系「エンプラ」で稽古場風景が流れるそうなのですが、何しろ盛り上がりまくるので、「こんな明るい物語じゃないのに」と。
「釣られちゃいかん、わたしは36だ」とか我に返るそうで、主演も大変ですな。


稽古中ということもあって曲数抑え目のイベントではありましたが(前回「Jewel」の時は5曲、うち1曲はメドレー)、何しろ無料(CDは買ってますが)イベントですのでこんな感じかな、と。
今年17回目(!)の生の笹本さんも、今年は見納め。
今年の観劇をまだ残しつつも、来年の観劇は笹本さんでスタートの予定です。

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『Nine The Musical』(1)

2009/12/13(Sun.)
13:00~15:30 ル・テアトル銀座
1階2列センターブロック

---多分見た人しか分からないネタ,START---

紫のバラの人じゃなくてごめんなさい>紫吹さん

まさか客席いじりを食らうことになるとは。
ポーカーフェイスって言われるとは思わなかったですよ(笑)
黙ってたら黙秘権使われちゃったとか言われるし(笑)

間近で見た紫吹さん、綺麗でした(をい)。

しかし、こんな席をくれた某出演者FC偉大なり。

---多分見た人しか分からないネタ,END---


当初「Right In The Piazza」再演だったはずの12月のル・テアトル銀座。

一部女性キャストを残し、またキャストを増やしての演目替え。
とはいえ、いかにも銀座風のセンスの良さを前面に出した作品となりました。

松岡充さん演じる映画監督グイドを取り巻く9人の女性。

演出のG2さんいわく「女性には9つのタイプがある」のだそうで、「その中で絶対に正妻」と断言されたのが正妻・ルイーザ役の新妻聖子さん。

2日前には徒歩10分の有楽町・朝日ホールで綺麗な青のドレスを着て登場→写真、スクリーンの中では田圃に顔から突っ込んでいた人が(笑)、たった中1日で黒のドレスを着て正妻として立ってるというのは、いささか場面が変わりすぎであります。

それにしてもG2と新妻さんの相性は最強というか、ここまで正妻らしく作れるとは思ってなくて。
新妻さんご本人が頭の回転のとてもいい方なので、「浮ついた感じのない」ポジションにぴったり合うのですね。

女たらしのグイドの周囲に集まる、それぞれ別の魅力を持った女性たち。
嵐のように荒れ狂うルイーザの心中はいかばかりか。

新妻さんの歌は折り紙付きなので全く心配していないのですが、今回は彼女にはあまりなかった役者歌をこれでもかというぐらい深く掘り下げています。

1幕の「My Husband Makes Movies」(私の夫は映画監督)も良いですが、2幕の「オン・マイ・オウン」もとい「Be On Your Own」が絶品です。

タイトルを和訳すると、(→ちょっとネタバレなので白反転)「ご自由に」なのですが、あえて「勝手にすれば。」と訳すとTOEIC945点の新妻さんにちょっとぐらいは誉めてもらえるでしょうか(爆)。

お相手の女優は、マリア役の入絵加奈子さん(新妻さんも言及されていますが、「ミス・サイゴン」のキム役の先輩にあたります)以外は皆身長の高い、すらりとした方ばかり。

身長という意味では不利な点もあるにもかかわらず、きっちりと正妻らしい立ち姿を見せていたのはあっぱれです。

物語に出てくる女優の中では、清楚な感じのクラウディア(act by貴城けいさん)の存在感が目を惹きます。貴城さんは今年「ミー&マイガール」「屋根の上のヴァイオリン弾き」と今作、と今年3作品目の観劇。
私にとっては宝塚退団後の全作品を見ている唯一の宝塚OGなのですが、3作のうちでは今回がいちばん良かった。「優等生的なクラスのマドンナ」というG2さん評がしっくりきますが、ルイーザが行動を起こす引き金になるクラウディアの役どころ、その引き金を引いたかのようなルイーザの行動。

色気系ではシルビア・グラブさんが担当してますが、新妻さんが良すぎて貴城さんも普通にいいので、シルビアさんはちょっと割を食った印象。

今回の衣装もそうなのですが、シルビアさんを色気系にしてしまうとなんかリアリティって面で生々しすぎる感じがちょっと苦手です。これは「ダンス・オブ・ヴァンパイア」でも感じたのですが、似たように思えるシルビアさんとマルシアさんの違うところというか。


以下、ちょっとしたネタバレで。




この物語はグイドを綱引きする女性たちの物語で、それこそ入れ替わり立ち替わり女性が出現しますが、ルイーザはシルビア演じるカルネの元にはグイドを行かせるのですが、それは恐らく「カルネはあくまで愛人であり、正妻として自分は勝っていられる」という自信あってこそ、と思えます。

それに比べるとクラウディアは正妻であるルイーザが唯一、一目置いていた女性に見えます。他の女性とは遊び(で正妻の私が勝つけれど)、でもこの人だけには勝てないかもしれないという。

ルイーザは「自分ではグイドを支えられない、でもあなたならできる」とクラウディアをグイドの元へ行かせます。そこでグイドはある意味クラウディアを選んでしまうことで、ルイーザは胸に秘めていた感情を爆発させてしまいます。

今回、新妻さんが演じたルイーザは、何となく「モーツァルト!」のコンスタンツェ役に似ています。最近、新妻さんが時折、松たか子さんに見えることがあって。

今回、シスターの服装を着た新妻さんは、ちょっと前に松さんが日生劇場でやった「ジェーン・エア」での役と佇まいがそっくりで。
今なら新妻さん、コンスタンツェが出来るかも、とふと思ったのでした。



物語は波瀾万丈の末、落ち着くべきところへ落ち着きを見せます。
松岡さん演じるグイドが語った2幕最後の言葉は、どん底を見た男の、何とか踏みとどまった様として印象的で。

完全なネタバレになるので言葉の内容は省略しますが、ある意味、人と人との関係の、究極の理想なのかもしれません。



しかしこのご時世でS席のみ、12,000円也って強気ですねぇ。
リピーター割引で、会場内で10,000円で売ってますが、リピートには辛い作品かなぁ。

新妻さんは凄くいいし、貴城さんも紫吹さんもいいけど、樹里さんが中途半端な役どころだし、シルビアさんは前述の通りだし、入絵さんは役柄的にちょっと違う気がするし、それでこの金額ねぇ・・・

ま、また行くんですけど(爆)。

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『アンダンテ~稲の旋律~』(1)

2009/12/11(fri.) 10:30~12:40
有楽町・朝日ホール 2列目上手側

完成記念有料試写会に、新妻FC枠で参加。

この日は平日昼間、午前中と午後に試写会ということで、よくある「夕方18時30分開始」の類の試写会と時間が違って、予想通りというか客層がまるで違う。
基本的にシニアの方、ご夫婦など年齢層が高め。

最近、芝居関係だと販促の嵐というか平日にごろごろイベントが入ってきますが、さすがに行きたい物全部行ってたら、財布も仕事も問題ありすぎってことで、月1回が休暇というペースにしてます。
今月はこの試写会を休暇日に決め、雨の降りしきる中、有楽町へ。

この作品の主演、新妻聖子さんは舞台挨拶の後、徒歩5分のル・テアトル銀座の「nine the musical」の初日ということで、この日は試写も見られなかったようで、売れっ子は辛いですね(公演は13日に見る予定)。

この日は試写会ということで開始前に出演者メインどころから6名。原作者の旭爪あかねさん、ロケ地の千葉県横芝光町町長氏、そして監督、プロデューサー。でここに司会もいるので11人が登壇。

新妻さんのみ青色のドレスで、他の方は期せずして皆黒系統。

「トークの達人」新妻さんはこの日はさすがに緊張していたようで、今までから想像つかないほど緊張しているのが丸わかり。無難に無難に挨拶。

「いつもの舞台のお芝居と違うので、毎日が緊張で、監督さんに手を取り足を取り教えてもらった」とのこと。実際に映っている映像を見てもわかるぐらいですから相当なもの。

隣におわすは、新妻さんとは「ミス・サイゴン」で共演経験のある筧利夫さん。
が、今回はその話はあえてかどうか触れず、いつものキャラで暴走しまくります。
両隣の新妻さんと秋本奈緒美さんが噴き出すのをこらえているのがかえって面白かったりする(笑)。

ちなみに監督さんが苦労談を問われて曰く、「天気と筧さん以外は順調でした(笑)」という話だそうで。「筧さん言うこと聞いてくれないんだもん」と冗談まじりにおっしゃっていました。(監督さんと筧さんは同じ大阪芸術大学の出身。ちなみに新感線の古田新太さんもここの大学出身です)

「『農業は非効率です。』って筧さん演じる農業家さんが言うシーンがあるのですが、『映画ってなんて非効率なんだろう』と思った」と言って笑いを誘ってみたりします。

存在感と笑いを持っていったのは松方弘樹さん。
「50年近く役者やってると、『あっ』って指を指されることの方が多いんで、海とか山とか、自然の中にいるとほっとしますね」と。で、「いつもは漁師をやってますが、今回は農業をやってます」ってくだりが最強です。

意外にキャラが立ってたのがロケ地・横芝光町町長の佐藤町長。映画の中にも出演されているそうですが(実は見つけられませんでしたが)、映像の中の横芝光町の空気を体現されているような感じで、地元の全面協力という言葉がお題目に聞こえない印象でした。

ちなみに横芝光町がロケ地になったのは、原作者の旭爪さんが農業体験をしたのがこの町だったからだそうです。

ただ、列車だけは同じ千葉県の小湊鐵道を使っており、映画で横芝光町駅となっている駅は、上総鶴舞駅(市原市)が使われています。2日間だけ実際に営業しながら駅名を変えて撮影したんだそうで、列車に乗っていたお客さんは何が何だか分からなかったとか。新妻さん、顔知られてるわけじゃないからなぁ(先日NHKの「歌謡コンサート」に出たから多少顔と名前は知られたかも)。→参考リンク

稲を相手にするわけですから撮影は1年がかりで、今年5月から10月まで。新妻さんが主演に起用されるのが決まってからも、正直ここのところの経済情勢でちゃんと映画が見られないかもと心配していたので、とりあえず上映にはこぎつけられたようで何よりです。

ストーリーは新妻さん演じる主人公・藪崎千華がひきこもりから農業と出会って再生していくまでの物語。千華を受け止める農業家・広瀬晋平役が筧利夫さん。千華の元同僚(というか恐らく先輩)にあたる女性・堀川逸子役に秋本奈緒美さん。晋平の農業の師匠にあたる農業家が松方弘樹さん。とこの4人がメインとキーパーソンということになります。

映画初出演で初主演の新妻さんですが、千華の役作りは「自分の中にある千華らしい部分を表現するようにした」と舞台挨拶で話していたのですが。

基本的に彼女は能動的というか陽気というか、苦労とか悩みとかをあんまり表に出さないタイプの人なので、「そんな私にも悩みはある」という側面で切り取った新妻さん、という意味で、今まで見慣れた彼女のはずなのに、ずいぶん違ったように見えました。
引き籠もってたところはなんか貞子みたいだったし(爆)。

いやーしかし千華が荒れまくるシーン、あれ撮り直しあったら大変だろうな・・・(場面の詳細はネタバレのため省略)。

千華が農業と向き合って再生していく・・・というストーリーが直線的に続くとちょっと飽きちゃうかもな、と思っていたのですがそこはそれ。ちゃんと一ひねりしてあって、ヒロインたるもの悩まずに終われるわけはありません(笑)。

遠目に、いじらしく、諦めたかのように晋平を見つめる感じが良い表情だったなぁ。

最後のシーン、千華が自らのハードルを跳び越えて田圃の中(!)のピアノを弾くシーン。「あの千華がこんなに立派になって。」と母親役の方の気持ちが分かるような気がします。

そして最後のシーンから主題歌のシーンに移行してからが新妻さんの真骨頂。
本編95分を力業でねじ伏せる姉妹初の共作。主題歌、「アンダンテ~稲の旋律~」。
作曲が実のお姉さん、新妻由佳子さん。作詞は新妻さん本人。
主題歌をコンペしたら姉も応募してて、皆が気に入ってこれになったそうです。

本人いわく「姉による妹いじめじゃないか(笑)」とFCイベントで言っていた、超絶スコア。この曲をまともに歌える歌手なんてそうそういないと実感です。
FCイベントで生で聞いて今回2回目(歌の途中で「え、まだ上の音階行くの?」と思ったらマジに上まで行って仰天した)。
姉と妹の無条件の信頼というかが伝わってくる曲なんですね。
姉も妹の力量と魅力をきちんと理解しているし、妹も姉の思いをきちんと受け止めている感じで。

新妻さんの歌詞も良いんですよ。イベントで英語曲に日本語詞を付けるのが彼女の得意技ですが、今回は何しろ千華が歌詞書いてるような感じですからね。

「思うようには生きてゆけない」って歌詞がいちばん好きかな。
昔の新妻さんだとここを全力で歌ってたと思うけど、彼女の歌い方もデビュー時に比べると随分変わりましたからね。抑揚で転回させるのが実に上手になりました。テクニックっぽさが減ったのは、余裕が出来たからなのでしょう。

本編の千華ちゃんは自分に自信がもてない少女だったわけですが、ピアノと自分なりに向き合うことを決めたことで一つハードルを越えて、そして最後に歌い上げるところが、新妻さんではなくて千華ちゃんの「乗り越えた喜び」を表現しているかのようで、ものすごく印象的でした。

最後の主題歌が新妻さんじゃなかったら、映画本編の感想もかなり違ったかもしれない、と思うほどに千華ちゃんPVの主題歌の威力は絶大でした。

さすが歌姫。

この映画は単館上映型の作品で、最終的には全都道府県での上映を目標としているとのことで、東京は1月23日から2月12日まで、東中野のミニシアター、ポレポレ東中野で上映されます。(横芝光町では1月中旬から上映、以後全国各都道府県上映)→作品公式

最後のシーンを見にまた行こうかな。

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