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『バンデラスと憂鬱な珈琲』(6)

2009/11/29(Sun.) 14:00~15:50

世田谷パブリックシアター 2階B列上手側

楽しかったこの舞台もとうとうこの日が千秋楽。
一般発売時に無理して押さえた千秋楽のチケットを拝みたくなります。

この日、当日券は整理の列の番号を見る限り60枚ぐらいは出たようで、10枚が椅子席以外は全部立ち見。

立ち見は公演後半から出だしましたが、1階最後列だけだったいつもの時と、この日はさすがに違ってなんと舞台すぐ近くまで延々立ち見の列。もう入れられるだけ入れたって感じです。

○満面の笑みやっぱりあそこ

堤さんの満面の笑み、前回自信がなかったんで書かなかったんですが、やっぱりact5「ジャック&ベティ」でジャックに対する満面の笑みでした。
そういえば、バンデラスがジャックを説得してベティのことを「好き」と言わせたところの「おーし、よく言った」がこの日はひっしと抱きしめての賛辞。
よっぽど泣きながらパン食う女がイヤだったんでしょうか(笑)

この日のこのシーン、ジャック役の中村君が勢い余ってかぶってた赤い帽子をすっ飛ばし。ベティはベティでパン入れてた袋を落っことし(これは確かいつも)。
立つときに拾って立った中村君と、そのままにした小池さんの対比が、やっぱ舞台慣れの違いだなーって感じでした。

○死んじゃうかと思ったよ

act8「ダイナー」の、日々長くなるローラースケートは、楽日になって再び舞台上から落下寸前に。
その時についナンシーが言った台詞がこれ。

客爆笑、みたいな(かっつみー風にどうぞ)

なんか素が混じり合った動揺具合で、バンデラス@堤さんもナンシー@由美子さんの脇をいじって遊んでる(爆笑)。←いーなー(爆)

で調子に乗って由美子さんも変顔で動揺しまくって、目を白黒させて客席を煽る煽る(笑)。

あんな盛り上げ方でくると思ってなかったんで超新鮮。

まだまだとか自身で言ってるのに、さすがやりますなベテラン。

○打ち上げ昨日じゃないの?

act6「ロシアの秘密研究所」のネフチェンコ氏(堤さんと気づかれていない観劇レポが多い)、この日は千秋楽スペシャルにて「打ち上げ行ってきまーす」

ちなみにシスカンパニーさんのところの打ち上げは外部のスタッフにも評判なほど豪勢なのだそうで、以前書いた、北村社長の著書にも書かれていましたが、とにかく黒子のプロフェッショナルここにあり、という感じだそうで。やっぱり名前が通るところのやることってのは、他と違うのね、と納得したものでした。

そういえばこの日初めて、北村社長がどなたかが分かりました。
ちょうどお客さんと話をしていましたが、演劇プロデューサーというより、老舗旅館のやり手の女将さん(念のためですが誉めてます)という感じのお方でした。
この舞台の出演者が誰も頭が上がらない人がこの人かぁ、という変な納得の仕方をしました(笑)。

○おばあちゃん

act4「駅」でバンデラスに足を引っかけられる(←濡れ衣)おばあちゃん。
これを見て最初に思い出したのが、10年前、由美子さんがアイドル時代に

「夢はかわいいおばあちゃんになることです」

と言ったことでした。

実生活はともかく、こんな年齢でもう実現してしまいましたがな。

○堤さんが歌って踊るのは今日が最後です

いつものカーテンコールが3回、その後客席から演出のマギーさんが上がって一言。
会場爆笑&拍手、みたいな。

カーテンコールではいきなり舞台脇から銀色の紙吹雪が噴き出して、由美子さんが素でびっくりしていたのが何気に萌えポイントでした。

結局この日のカーテンコールは4回。
返す返すも由美子さんアナウンスでの追い出しが体験できなかったことが心残りだなぁ。土曜日はほとんど3回アナウンス(3回目がネタで追い出しモード)だったみたいですが、そういえば土曜は回避ばっかりだったなぁ。

カーテンコールはみんな満面の笑みで爽快って感じ。
3回目の去り際に由美子さんは小さくガッツポーズ、小池さんは投げキッスと好対照。

そういや由美子さんは本人的に大変だったらしく、「終わった-!」って感じが他の方に比べて倍増(笑)。
克実さんとは正に気の置けない仲間って感じだったし、何気に段田さんと絡めたのが面白かった模様。

そういえば段田さんって初見かと思ったら「ロマンス」で井上芳雄氏&松たか子さんの時に見てた。
同じ役者さんだったとは(←印象の違い、って意味で)。

あと、歌詞が全部覚えられなかった(爆)

なんか分からない横文字が「To Be King」だったことが分かってちょっと感動。

よりによって由美子さんが歌ってるから聞き取れないはずがないのに千秋楽までわからなかったとは不覚。

歌のシーンでソロがあるのは声が通る克実さん、ネタとして堤さん、専門家として由美子さんということでわかりやすい布陣でした。

小池さんと由美子さんの綺麗なダンスもいいシンメトリーでした。

小池さんは高校時代に創作ダンス部にいて、由美子さんは中学時代クラシックバレエをやっていたという違いはありますが、軸がしっかりしている点ではなんか共通するものがあります。

2人とも声が通るのは、まっすぐ立てるから声が直角(客席に向かってまっすぐ)に出るからだと思う。
その意味でタイプが似てる小池さんが一緒に見られたのは、色々な意味で勉強になりました。
できる人と一緒に舞台に立つと、やっぱり進歩すると思う。役者も客も。

今回は出る人出る人本当に凄かった。

堤真一さん。
ドラマでは絶対に主役をやらせないと北村社長が断言した方。
それゆえか舞台での輝きは流石の一言でした。
野獣郎の時の魅力と、また違う魅力を見せてもらえました。
またどこかで、できれば相手役として拝見したいです。

高橋克実さん。
舞台では初見だった、実は格好いい役者さんだと言うことに気づきました。
バラエティで見せる格好悪さは、ただのテクニックだと言うことにいまさらながら気づかされました。
入籍はしなくていいので今後ともよろしくご贔屓に(笑)。

中村倫也さん。
活きの良さにかけては貴方に勝る人はいません。
1幕の貴方の突っ込みが、この舞台の方向性を決めていました。
潔いまっすぐな芝居を、また別の舞台で見られることを楽しみにしています。

村杉蝉之介さん。
立っているだけで笑える役者を見たのは、初めてです。
存在感とは、個性とは、そんなことを身をもって理解させてくれる希有な才能だと思います。
どことなく有川マコトさんのキャラにも似ているような気がしましたが。
また笑わせてください。

小池栄子さん。
あなたの実力を生で体験できたことは、とても貴重でした。
突破力のある演技、通る声、想像の斜め上を行く動き。
小池栄子ワールドを存分に体験しました。
活きの良い若手にうかうかしていられない、そういう刺激の元になってくれたことに感謝しています。
でも次はもう少しお手柔らかに(笑)

高橋由美子さん。
実質上初めてのコメディということで、戸惑う部分も多々あったように思います。
それでも、与えられた職務はきちんと全うしたことには、心からの拍手を送ります。
絶対に崩れない安定感という長所と、崩すことで起きる笑いとの整合をどう取るか。
その意味で、由美子さんのこれまでの演技プランからはいちばん遠い作品だったのかもしれません。
限界を知ることこそ、次へのスタート。来年も、変わらぬ成長を見せていただきたいです。



いやーしかし、内容がないとか、何も残らないとか言われつつ1ヶ月間存分に楽しませていただきました。
三軒茶屋去りがたし。

年がら年中これやってたらさすがにどうかと思うけど(笑)、たまにはこんな肩の力をいっさい入れなくて済む芝居もいいな、と。

あとどうでもいい後悔で、世田谷パブリックシアターがあるキャロットタワーの向かいに美味しそうなお店を見つけたけど、ランチ時間外で食べられなかった・・・
次の昼公演の時こそは、と変な目標ができて終わったのでした。

前回から1年ちょいしか経ってないから、また来られたらいいなぁ。

あとはWOWOW放映ですね。
今日がちょうど松たか子さんの「ジェーン・エア」で、これが9月公演で11月末放送。
パルコでやってた「印獣」が11月5日撮りで1月8日放送。
バンデラスは11月17日撮りだから、1月下旬かな。

12/1追記
WOWOW公式に出ました。

1月29日(金)深夜0時放送となります→こちら

深夜0時というのがどっちか分からなかったのですが、番組表を全時間帯で見る限り、
「1月29日(金)24時」、つまり「1月30日(土)午前0時」のようです。

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コメント

ひろきさん! 遊びに来ました(^^)
6回も見られて、本当にうらやましいです。
あのミュージカルの歌詞まで拾ったなんて!信じられません。
私も拾います、WOWOWの放送で。

本当に楽しく、贅沢な舞台でしたね♪
私は・・・堤さんの歌と踊りがこれで最後であることを願います。(愛するがゆえ)

由美子さんは(昔からですが)歌も上手で芸達者ですね。
さらにベテランの貫禄もほのかに漂いつつ、かわいらしさを失わなくて素敵です。

こんど野獣郎談議しましょうネ!!

投稿: 観世 | 2009/12/02 10:37

観世さん、いらっしゃいませ。ご訪問ありがとうございます。
6回見ても歌詞を覚えられない自分の記憶力に落胆しています(苦笑)。

愛するがゆえに・・・という気持ちはよく分かります。
あくまで余興で一度きりだからいいという割り切りを持って見てる感じでしょうか。
このメンバーであえてコメディをやったのも、一度なら良いと思いますが、
次はシリアス物で見たいですね。

堤さんとの絡みではベーカー国務長官にぐーの音も出ないバンデラスが
何気に好きでした。
美泥の掌の上で楽しそうにはしゃぐ野獣郎が好きだったんで。

”ベテランの貫禄とかわいらしさ”と素敵な表現をしていただき
とても嬉しいです。

野獣郎談義、ぜひやりましょうねっ。

投稿: ひろき | 2009/12/02 22:26

私なんか由美子さんはどの役も完璧に演じられていたと思うんですが、ファンの目はまた別なんですね。
関係ないけど友達同士で飴を渡すときは
「どうぞ、スーッとしますよ」「スーッとしなくて結構ですから」
という一連の不毛なやりとりが定番となった一ヶ月でした♪

中村くんはACT5もいいけど実はACT1が好きだったりしました。間の取り方とツッコミ具合が若いのに長けているという印象で。
全然興味なかったんですがSISの『えれがんす』も彼がオバサマ方にどんな風に揉まれるのか興味津々で(笑)、行っちゃうかもしれません。

話がずれてごめんなさい!

投稿: がら | 2009/12/06 20:14

がらさん>

由美子さんは完璧に演じていた、とは思うんです。
対する小池さんは自由に演じていたわけで、見た人の評価は小池さんの方が良いと。
そこにちょっとだけ、もやもや感が残っているだけで。

ファンとしての欲目というのか、やっぱり年齢のせいもあってファンがひがみ根性になっているんですね。ちょっと反省するところはあります。ファンならファンらしく応援するところがあってしかるべきでしょうから。

中村君のAct1は”ぐれぃと”でしたね。
あの台詞の挟み方は抜群というか、0.5秒外れても面白さ半減するようなところでしたから。
ダイナーでの由美子さんの突っ込みと双璧だった気がします、あのAct1。

中村君、「えれがんす」に出るんですね。木野花さんも出るし、気になりますね。

投稿: ひろき | 2009/12/07 00:10

小池さんの評価は確かにいいんですが、それは由美子さんと比べてどうこうではなく…
私と私の周りに限定して言えば、ですが、小池さんの演技を観たことがなかったので舞台の人として期待をしていなかった分、驚きが大きかったのだと思います。
由美子さんはその点舞台ファンにも既に認知されていますからね。

みんな紅二点の全く違うカラーを堪能してましたよ。

木野花さん! 月影先生!
まだ全部観てないんですよー。Kさんが踊っててびっくりしました。観たら感想入れます♪

投稿: がら | 2009/12/07 00:54

がらさん>

こんばんわ。

確かにおっしゃる通りで、由美子さんの場合は舞台ファン的には安心のブランド(爆)と申しますか、外しはしない役者さんという認知のされ方がされていますね。

好対照って意味でこれ程の両雄はなかったですね。

紅天狗視聴中ですか。感想お待ちしております。

投稿: ひろき | 2009/12/07 02:38

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