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2009年11月

『バンデラスと憂鬱な珈琲』(6)

2009/11/29(Sun.) 14:00~15:50

世田谷パブリックシアター 2階B列上手側

楽しかったこの舞台もとうとうこの日が千秋楽。
一般発売時に無理して押さえた千秋楽のチケットを拝みたくなります。

この日、当日券は整理の列の番号を見る限り60枚ぐらいは出たようで、10枚が椅子席以外は全部立ち見。

立ち見は公演後半から出だしましたが、1階最後列だけだったいつもの時と、この日はさすがに違ってなんと舞台すぐ近くまで延々立ち見の列。もう入れられるだけ入れたって感じです。

○満面の笑みやっぱりあそこ

堤さんの満面の笑み、前回自信がなかったんで書かなかったんですが、やっぱりact5「ジャック&ベティ」でジャックに対する満面の笑みでした。
そういえば、バンデラスがジャックを説得してベティのことを「好き」と言わせたところの「おーし、よく言った」がこの日はひっしと抱きしめての賛辞。
よっぽど泣きながらパン食う女がイヤだったんでしょうか(笑)

この日のこのシーン、ジャック役の中村君が勢い余ってかぶってた赤い帽子をすっ飛ばし。ベティはベティでパン入れてた袋を落っことし(これは確かいつも)。
立つときに拾って立った中村君と、そのままにした小池さんの対比が、やっぱ舞台慣れの違いだなーって感じでした。

○死んじゃうかと思ったよ

act8「ダイナー」の、日々長くなるローラースケートは、楽日になって再び舞台上から落下寸前に。
その時についナンシーが言った台詞がこれ。

客爆笑、みたいな(かっつみー風にどうぞ)

なんか素が混じり合った動揺具合で、バンデラス@堤さんもナンシー@由美子さんの脇をいじって遊んでる(爆笑)。←いーなー(爆)

で調子に乗って由美子さんも変顔で動揺しまくって、目を白黒させて客席を煽る煽る(笑)。

あんな盛り上げ方でくると思ってなかったんで超新鮮。

まだまだとか自身で言ってるのに、さすがやりますなベテラン。

○打ち上げ昨日じゃないの?

act6「ロシアの秘密研究所」のネフチェンコ氏(堤さんと気づかれていない観劇レポが多い)、この日は千秋楽スペシャルにて「打ち上げ行ってきまーす」

ちなみにシスカンパニーさんのところの打ち上げは外部のスタッフにも評判なほど豪勢なのだそうで、以前書いた、北村社長の著書にも書かれていましたが、とにかく黒子のプロフェッショナルここにあり、という感じだそうで。やっぱり名前が通るところのやることってのは、他と違うのね、と納得したものでした。

そういえばこの日初めて、北村社長がどなたかが分かりました。
ちょうどお客さんと話をしていましたが、演劇プロデューサーというより、老舗旅館のやり手の女将さん(念のためですが誉めてます)という感じのお方でした。
この舞台の出演者が誰も頭が上がらない人がこの人かぁ、という変な納得の仕方をしました(笑)。

○おばあちゃん

act4「駅」でバンデラスに足を引っかけられる(←濡れ衣)おばあちゃん。
これを見て最初に思い出したのが、10年前、由美子さんがアイドル時代に

「夢はかわいいおばあちゃんになることです」

と言ったことでした。

実生活はともかく、こんな年齢でもう実現してしまいましたがな。

○堤さんが歌って踊るのは今日が最後です

いつものカーテンコールが3回、その後客席から演出のマギーさんが上がって一言。
会場爆笑&拍手、みたいな。

カーテンコールではいきなり舞台脇から銀色の紙吹雪が噴き出して、由美子さんが素でびっくりしていたのが何気に萌えポイントでした。

結局この日のカーテンコールは4回。
返す返すも由美子さんアナウンスでの追い出しが体験できなかったことが心残りだなぁ。土曜日はほとんど3回アナウンス(3回目がネタで追い出しモード)だったみたいですが、そういえば土曜は回避ばっかりだったなぁ。

カーテンコールはみんな満面の笑みで爽快って感じ。
3回目の去り際に由美子さんは小さくガッツポーズ、小池さんは投げキッスと好対照。

そういや由美子さんは本人的に大変だったらしく、「終わった-!」って感じが他の方に比べて倍増(笑)。
克実さんとは正に気の置けない仲間って感じだったし、何気に段田さんと絡めたのが面白かった模様。

そういえば段田さんって初見かと思ったら「ロマンス」で井上芳雄氏&松たか子さんの時に見てた。
同じ役者さんだったとは(←印象の違い、って意味で)。

あと、歌詞が全部覚えられなかった(爆)

なんか分からない横文字が「To Be King」だったことが分かってちょっと感動。

よりによって由美子さんが歌ってるから聞き取れないはずがないのに千秋楽までわからなかったとは不覚。

歌のシーンでソロがあるのは声が通る克実さん、ネタとして堤さん、専門家として由美子さんということでわかりやすい布陣でした。

小池さんと由美子さんの綺麗なダンスもいいシンメトリーでした。

小池さんは高校時代に創作ダンス部にいて、由美子さんは中学時代クラシックバレエをやっていたという違いはありますが、軸がしっかりしている点ではなんか共通するものがあります。

2人とも声が通るのは、まっすぐ立てるから声が直角(客席に向かってまっすぐ)に出るからだと思う。
その意味でタイプが似てる小池さんが一緒に見られたのは、色々な意味で勉強になりました。
できる人と一緒に舞台に立つと、やっぱり進歩すると思う。役者も客も。

今回は出る人出る人本当に凄かった。

堤真一さん。
ドラマでは絶対に主役をやらせないと北村社長が断言した方。
それゆえか舞台での輝きは流石の一言でした。
野獣郎の時の魅力と、また違う魅力を見せてもらえました。
またどこかで、できれば相手役として拝見したいです。

高橋克実さん。
舞台では初見だった、実は格好いい役者さんだと言うことに気づきました。
バラエティで見せる格好悪さは、ただのテクニックだと言うことにいまさらながら気づかされました。
入籍はしなくていいので今後ともよろしくご贔屓に(笑)。

中村倫也さん。
活きの良さにかけては貴方に勝る人はいません。
1幕の貴方の突っ込みが、この舞台の方向性を決めていました。
潔いまっすぐな芝居を、また別の舞台で見られることを楽しみにしています。

村杉蝉之介さん。
立っているだけで笑える役者を見たのは、初めてです。
存在感とは、個性とは、そんなことを身をもって理解させてくれる希有な才能だと思います。
どことなく有川マコトさんのキャラにも似ているような気がしましたが。
また笑わせてください。

小池栄子さん。
あなたの実力を生で体験できたことは、とても貴重でした。
突破力のある演技、通る声、想像の斜め上を行く動き。
小池栄子ワールドを存分に体験しました。
活きの良い若手にうかうかしていられない、そういう刺激の元になってくれたことに感謝しています。
でも次はもう少しお手柔らかに(笑)

高橋由美子さん。
実質上初めてのコメディということで、戸惑う部分も多々あったように思います。
それでも、与えられた職務はきちんと全うしたことには、心からの拍手を送ります。
絶対に崩れない安定感という長所と、崩すことで起きる笑いとの整合をどう取るか。
その意味で、由美子さんのこれまでの演技プランからはいちばん遠い作品だったのかもしれません。
限界を知ることこそ、次へのスタート。来年も、変わらぬ成長を見せていただきたいです。



いやーしかし、内容がないとか、何も残らないとか言われつつ1ヶ月間存分に楽しませていただきました。
三軒茶屋去りがたし。

年がら年中これやってたらさすがにどうかと思うけど(笑)、たまにはこんな肩の力をいっさい入れなくて済む芝居もいいな、と。

あとどうでもいい後悔で、世田谷パブリックシアターがあるキャロットタワーの向かいに美味しそうなお店を見つけたけど、ランチ時間外で食べられなかった・・・
次の昼公演の時こそは、と変な目標ができて終わったのでした。

前回から1年ちょいしか経ってないから、また来られたらいいなぁ。

あとはWOWOW放映ですね。
今日がちょうど松たか子さんの「ジェーン・エア」で、これが9月公演で11月末放送。
パルコでやってた「印獣」が11月5日撮りで1月8日放送。
バンデラスは11月17日撮りだから、1月下旬かな。

12/1追記
WOWOW公式に出ました。

1月29日(金)深夜0時放送となります→こちら

深夜0時というのがどっちか分からなかったのですが、番組表を全時間帯で見る限り、
「1月29日(金)24時」、つまり「1月30日(土)午前0時」のようです。

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『エンジェル・イアーズ・ストーリー』

2009/11/28(Sat.) 18:00~21:00
サンシャイン劇場 1階19列上手側

名古屋・神戸と進んできたキャラメルボックス2009クリスマス公演、この日が東京公演初日。

事前に取ったチケットは来週の日曜日でしたが、ブログライター企画に当選ということもあり、この日が初見となりました。

キャラメルボックスを見るのは年にだいたい2回というのが最近の傾向ですが、クリスマス公演と縁が薄かった自分も、去年の『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』に続いて2年連続のクリスマス公演観劇です。

東京初日明けたばかりなので、あんまりなネタバレは避けます。

ブログライター取材の模様は後半、ということで。




今回の作品、見る前と見た後でいちばん印象が違うのが、父と娘の関係です。
父役は西川浩幸さん。娘役は渡邊安理さん。

先月DVDが出たばかりの『嵐になるまで待って』のメインの2人です。
この作品はキャラメルボックスファンで好きな作品として1、2を争うのですが、頼り切る安理嬢と、頼られ切る西川氏の関係があたかも本当の父娘のようで。

そんな、”この組み合わせならぜったい良好な父娘関係”という先入観を木っ端微塵に吹き飛ばす今回の作品。

作品に役者イメージが引きずられるのは良くあることとはいえ、ここまで直近でひっくり返ると、インパクトは大きいです。

”反抗期の娘さん”というと、キャラメルの女優さんでは個人的偏見として實川さんがいの一に思いついてしまうのです(imaged by『広くて素敵な宇宙じゃないか』)が、幸か不幸か新宿へ岡田達也さん・畑中さんとともに出張中ということで、こんな組み合わせの父娘が実現したわけです。

キャラメルボックスの芝居といえば、どちらかというと”家庭円満”な印象を受けるのですが、そこからすると今回、家庭不和-というより、実は端的に言えば父親が家庭の中での居場所を失っている-という前提が、何か”キャラメルボックスらしくないな”と意外な印象を受けたものです。

安理さん演じる娘は父親に内緒で塾のバイトを始めて。
多田さん演じる息子は父親に内緒でフォークデュオを始めて。

仕事ばかりで娘や息子のことを気にできなかったのは確かに自分だけど・・・と不安になる父親が、怪我をして頭を打って、その拍子に「心の声(エンジェル・イアーズ)」が聞こえるようになる、それがこの作品の導入部です。

「心の声」と言われてしまうと条件反射で新妻聖子さんや笹本玲奈さんの歌声が響いてくる(@2005年帝国劇場「マリー・アントワネット」)しょーもなーな自分ですが、それはともかく、強制的に聞こえてくる「心の声」とどう向き合うか、がこの作品の大部分の時間を占めることになります。

「心の声」とは「もう一つの声」。
自分に対して発せられる「肉声を伴った声」とは似ても似つかない言葉。
表面的には詫びていても、「心の声」では嘲っていたりする。人間不信になるには十分なシチュエーションです。

今回の作品ではこの「心の声」を、役毎にそれぞれ本役と役者さんが演じています。

つまり、1人の役者に対してもう一人の役者がつく、メイン&アンダーみたいな関係です。実際の登場人物が5人しかいないのに、役者は10人いたりする。
それを1人で受け止める西川さんも大変ですが、10人分の動きを見る客席も、ものすごい集中力を必要とされます。

ブログライター取材の時も話に上がったのですが、『「はい、止めまーす」って西川(さん)が言うと客席が受けて、でそこで客席の緊張が解けたのがはっきりわかる』と加藤P談。

正直、ストーリーを聞いたときに、ここまでの緊張感で見ることになるとは思ってなかったお芝居だったので、初見のこの日、見ている側からしても結構タイトな芝居でした。

恐らく、役者1人のタイミングがずれただけでもガタガタになりそうな芝居。
名古屋、神戸で練られてきたせいなのか、この日の東京はテンポも崩れることなく良かったです。

で。
この作品で「心の声」として提示されている、「気持ち」の話。
ちょっとネタバレが入りますので、ご注意ください。



「他人の(声に出されない)気持ちを受け入れることができるか」というのが今回の作品の命題なのだと思うのですが、ミソなのは「他人の本当の気持ち」ではなく、「他人のもう一つの気持ち」であるところ。

これは西川さん演じる主人公以外で唯一「心の声」を聞ける設定の白神看護師(Act By前田綾さん)が言っていて明らかになるのですが、この二つには天と地ほどの違いがありまして。

主人公の父親が、大量の「心の声」を聞きながら、それでも壊れないでいられたのは、看護師の存在も大きいでしょうが、この2つの違いこそが、”救い”だったのではないかと思うのです。

つまるところ「心の声」が「本当の気持ち」と思い込んだからこそ、表面的な言葉との落差に落ち込み、自分に自信をなくしかけた。
でもそうではない、と言われたからこそ、「発せられる言葉も、100%嘘ではない。心の声も、100%本当ではない」ということに気づくわけです。

そうであるならば、心の声に振り回されすぎる必要もないわけで。

心の声が聞こえていることに怯えた妻(西川さんの実際の伴侶でもある大森さん)と、心の声が聞こえていることに怯えもしなかった、息子のデュオの相手(左東さん)との対比は、なかなか興味深いものがありました。


普段生活していく上で、「情報は多ければ多いほどいい」と思っていた以前の私。
この作品を見たから思うわけでもないのですが、最近はそれが違うんじゃないかと思いつつあります。

この作品で言う「心の声」は位置付け的には、「表面的な声」と別の情報という意味で判断材料の一つになり得ます。以前の自分なら、「心の声」を聞けることに興味を持ったかもしれません。

が、結局のところいくら情報が多くなろうが、処理能力を超える情報とは、判断を混乱させる材料でしかないわけで。

「人は人の評価の中でしか生きられない」は誰が言ったかの名言ですが、
「人の評価の中でしか生きられない」生き方も、生き方として貧しすぎる。

他人の評価を無視して生きてはいけないけれども、他人の評価だけに動かされては自分を見失って本末転倒。

そんな視点から今回の作品を見ていると、劇場で配られたミニパンフレットに載っている成井さんのエッセイが、とても味わい深く染み入るものがあります。

なんか、西川さんのこの作品で演じたそのものが、成井さんの生き写しかのようで。



作品の後半、トラブルに巻き込まれる娘のために、父は走ります。
傍目には過保護としか思えないような父の様子。
父に対して心を閉ざしている娘は、その気持ちを変えようとはしません。

言葉だけで「心配してる」と言われても、「今更干渉しようとしないで」と拒絶されます。

ここからラストシーンに持っていく展開はさすがは泣かせ上手のキャラメルボックスと言いますか、絶妙に良いです。

最後の父娘シーンも良くて。
本当の意味で娘に向き合えた父の様子を、娘が自然に受け入れて。
元の鞘に収まったことが、何より素敵な作品でした。
終わりよければとは良く言ったものです。

ちなみに、今作の舞台となった、池袋から西武池袋線で1駅・椎名町は、会社の同僚が住んでいるのでよく行きますが、とりあえず110番しなくても目の前に交番があります。坂口さんが遊びまくって演じた、用件が通じない110番しなくてもだいじょーぶ(笑)

学習塾はあるけど1階しかなかったなぁとか、どうでもいいことを思い出しました(笑)。

椎名町というのは帝銀事件の余波で町名そのものが消えて、駅名にしか残っていない街で、今は豊島区長崎となっています。




役者さんとして印象的だったのは細見大輔さん。

私にとってはこの人は「死んでしまえ」の人ですが(act at『嵐になるまで待って』)、その後あまりの(笑いの方向に)突っ走り方に絶句した、『すべての風景の中にあなたがいます』を見ていただけに、今回の役どころでのはじけ方も違和感なく壮絶に笑えました。

岡内さんともども、サンシャイン劇場に寝っ転がった役者はそうはいませんことよ。

筒井さんとの「表の声」&「心の声」のコンビで、上の手摺りに細見さんだけ掴まれたのが笑い所でした。

後ほど成井さんいわく「筒井(さん)と組んでいる時はいじめるがごとく(細見さんが)派手に動いている」そうです(笑)


小林千恵嬢も良かった。

ちっこくて威厳があるキャラは基本的に好きです。
大きくてスマートな女優さんも好きですけどね。前田さんとか。

ちなみに三浦さんが千恵嬢の心の声をやっていますが、さすがにこの組み合わせは意図的だそうです(成井さん談)。三浦さんは身体は大きいけど気が・・・・みたいな(笑)

そんなこんなで終演。本編は約2時間です。
初日名物の「当日券半額お知らせ」も終わって終演。

そそそっとブログライター取材スペースへ向かいます。

まずは成井さん&加藤さん登場で取材スタートです。

●地名シリーズ継続
「今回の作品、役名は青森県の地名で統一されている」@成井さん

あ、そういえば。

三沢に八戸、黒石に十和田、陸奥に弘前。

意外と難物なのが白神(白神山地は青森と秋田にまたがる世界自然遺産)、と尻屋(下北半島の北東端の尻屋崎。)です。

去年のクリスマス公演『君の心臓の鼓動が聞こえる場所』は北海道でしたから、1つ南下したことになります。

そのきっかけは、成井さんが「亡くなった(ノアの)三沢選手の名前を出したかったから」青森県となった、のだそうです。

●台詞作りが大変
「普段の声と心の声で台詞量が普段の倍」@成井さん

そりゃそうですね。

その対応方法は2つで、「心の声を役者に考えてもらった」のが一つで、もう一つは「もともと表の役者(普段の声を発する方)の台詞だったものから削って持っていった」とのことで、なるほどどっちも実に効率的です。

偏見かもしれませんが、キャラメルボックスのお芝居って、成井さんの書いたものを、つけた芝居を、忠実にたどる印象があるのですが、「心の声は書かないで役者に任せました」とおっしゃっていた成井さんの言葉に、「今までと違う」何かをちょっと感じたりしました。

●聞こえていないふりをすること
この芝居の中で心の声が聞こえる設定なのは、西川さんと前田さん、2人だけ。
つまり、他の役者さんは心の声に反応してはいけないわけです。
これ、実際に客として見ていても恐ろしいほど難儀です。

逆に言うと、このお芝居を名古屋・神戸で見た人が「情報量が多すぎて消化しきれない」部分があっても何の不思議もないというか。1つ1つの言葉を「これはこの人には聞こえていないからあの人はこういう動きをするんだ」って見ていくと、ものすごく疲れます。

で、そこからすると演じる人はもっと大変なわけです。
むしろ西川さんは全てが聞こえるからまだいいのかもしれないと思うぐらい、「一部だけ聞こえることを不自然に見せない芝居」って難しく見えます。

この点に触れていたのは阿部さん。
彼は言葉が話せない設定で、間に入った安理さんが通訳しない限り、他の人とコンタクトできない。で更に心の声は多田さんがやってるので、そことも合わせることになる。

ある意味、ものすごく役者の呼吸の合い方が試される芝居。
劇団員だけでやった作品がこれというのも、意味が分かる気がします。

もう一面として多田さんが触れていた点が、役者の立つ場所の話で。
表の声をやる役者は前側、心の声をやる役者は後側。印象としては前側の役者の方がやりやすいように思えるけど実はそうではないと。前に立つ役者は後に立つ役者の動きが見えないと。
これも、芝居の速度が役者間で揃っていないとできないという意味で、ある意味今回の作品はとても『キャラメルボックスらしい』芝居と思えます。



期せずして2回見られることになったこのお芝居。

キャラメルボックスの劇団員だけだからできる、
心地よい緊張感をもつ空間。
今まで通りのキャラメルボックス、いつもと違うキャラメルボックス、
どちらも楽しめます。
12月25日まで、東池袋・サンシャイン劇場にて。

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『バンデラスと憂鬱な珈琲』(5)

2009.11.23(Mon.) 14:00~15:50
世田谷パブリックシアター 1階K列上手寄り

えと、バンデラス病です(笑)

この日5回目は、知人から譲って貰った、けっこう良い席での観劇。
この辺の列だと、メガネかけてオペラグラスなしでも何とかいけるので有り難いです。

補助席10席出して、そのうえ立ち見席20席出して、超満席状態での祝日マチネ。
立ち見席は開演30分前でも何とかなったみたいですんで、案外「劇場にさえ行けば見られる」状態のようで、見る方からすれば有り難いものです。結構あっという間なので着席必須とも思わないですし。

前回からちょうど1週間ぶりのこの作品。

日替わりネタを中心に。

○克実さんスタートダッシュ失敗
Act1「決断」で、中村倫也さん演じる将校に言っていわく

「ほら密談するのに別の用語を使うだろう?」
「マクドナルドで045・・・・あっ」

会場内で笑いが起こるのは、リピーター確定です(爆)。

克実さん、ネタ舞台でネタを先にばらしちゃいけません。

ここのシーン、大統領夫人(これ演じるは小池さんですが、由美子さんと勘違いしていた人がいてびっくり。似てないと思うんだけど・・・)が克実さん演じるダズラー元帥のことを将校に「だってこの人がかっこいいから・・・」って言って克実さんが満面の笑み、盛大に噴き出してしまう。

で何が良いってここでの中村倫也さんの突っ込み(「何にやにやしてるんですか!」)、これこれこの突っ込み!と拍手したくなるぐらい絶妙に上手いです。

○村杉さん変幻自在
Act4「駅」で、確かこれ前回からあったシチュエーションなんですが、
バイト@段田さんで埒があかずに、西口に回ってバイト@村杉さんに鼻であしらわれるバンデラスこと堤さん。

あそこで両手広げて「バンデラーーーーース!」ってやるのが大爆笑。
16日もやってたから確実に17日のWOWOW映像にも残ってるから、また爆笑したい。
(放送日時は未定)

○堤さん満面の笑み
シーンがどこだったかすっかりど忘れしたんですが、「にかっ」って感じの堤さんの満面の笑みが脳裏に焼き付いて離れない(注:私は男です。ノーマルです(笑))

たしか今まではこの満面の笑みなかったはず。
次回確認してこよう。

○ようこそここへ
act8「ダイナー」の由美子さん乗車ローラースケート。

16日に見たあたりから、ほとんど下手端っこまで行くのがデフォルトになってますが、かつ、カウンターまでコーヒーカップ持って行くときのよろよろ&堤さん誘導の長さが伸びる伸びる。

ローラースケート全然滑れないのかと思いきや、カウンター内に行く時は普通に滑れてる。なんかその運動神経に安心してみたりして。

ダイナーは由美子さんのかけ声が絶妙なのもポイント。
「おっ、かっこいー」
ぜんぜんバンデラスに気がないのがまたいい(笑)

○日替わり台詞
act9「鬼軍曹」で、由美子さん演じるマチルダと、小池さん演じるルイーダが堤さん演じるバグス軍曹に言葉責め(笑)する場面。

バグス軍曹のタイプはマチルダ<ルイーダだそうでございますが、この時のマチルダの突っ込みが日々変更中。

当初は「図星かよ」だったのですがこの日は「当たりかよ」。

この「かよ」パターン、何か妙にツボです。


席の関係もあるのか、この日の席は最後の歌の歌詞がかなりはっきり聞こえてこれも高ポイント。記憶力が減退したのか、ほっとんど覚えてないけど。

由美子さんのソロ、「Good-Bye ダンカン、気にするな」は前後の歌詞と繋げてみると味わい高すぎて噴いてしまった(直後の「君は君でよくやった」ってのが絶妙な馬鹿の仕方で・・笑)。

Act12の村杉さん退場後のオイチ(由美子さん)はこの日は上手側を見やりつつ、意味ありににやっと笑いつつ、で、定番の結局「どろん」だけで終わらせる・・・
オイチはオチキャラなのになんでか愛おしい。ちょっぴりぶかぶか気味な衣装も(爆)。

それにしても、あんだけ言いにくい台詞だらけなのに、この日は台詞で噛むこともなく。
このクラスの劇場なのに普通にマイク使ってないんだもんねぇ。
皆さん良く声通ること。


劇場ではパンフレットの他に、シス・カンパニ-代表、北村明子氏著の新書「だから演劇は面白い!」を販売中。
初日・2日目は見過ごして、9日に行ったら売り切れだったのでネット書店で買ったのですが(16日以降は劇場で再度発売中)、内容が凄いです。
この方、手がけた舞台全部黒字にしてるらしいんですが、色んな意味で衝撃的なアクティブさでした。

ちなみに役者さんのアサインも基本はこの方が「見たいと思う」かどうかだそうで、由美子さんのどこに目を付けて今回呼ばれたのか、ちょっと聞いてみたい気がします。

堤さんとの野獣郎、克実さんとのショムニ、どうもそのどっちでもないような気がしてしょうがない今回の役どころなんで。

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『ピーターパン』(1)

今日、ふとwebの更新情報をチェックしているとちょっとしたびっくり事が。

毎年夏に上演されている「ピーターパン」、来年の公演が発表されたのですが、びっくり仰天、かつて1998年から2002年まで5代目のピーターパン役を務めた笹本玲奈さんが出演です。→こちら

8月のFCイベントで「皆さんがびっくりする役」って言ってたのはこれですか。
はい、びっくりしました(笑)。

2007年からこの役を務めている高畑充希さんも続投で来年4年目。
2010年公演は笹本さん、高畑さんのダブルキャストということになります。

ウェンディは今年に引き続き神田沙也加さんということで親友コンビ再び、フック船長も同じく今年に引き続き橋本じゅんさんです。

たぶん更新してるだろなーと思ったらやっぱり更新してた→こちら

この作品、笹本さんが演じていた当時は見られず、今年初見だったのですが、それが何しろ高畑&神田&橋本の最強バージョンだったので、”このコンビ定着するかも”と思っていたりしました。
が、何とまぁ最強兵器(爆)の笹本さんをWで持ってくるとは意外な盲点でした。

たしかに笹本さんももう24(来年は25)だし、「永遠の少年」のピーターパンをやるにはほぼ上限の年齢になりつつあるし、高畑さんが4年間経験して安定したからこそ、ここで笹本さんと一緒にやっても得るものはあっても潰れることはないと判断されたんでしょう。

もともとのメインは「ピーターパン日本上演30年記念」のお祭りということなんですが、ちょっと前ならここで呼ばれるのは榊原郁恵さんだったりしたわけですが、演じるともなるとさすがに笹本さんしか持ってきようがない(郁恵さんは多分ゲネプロの時のプレス前ゲスト)ですからね。

笹本ピーターパンといえば当時「宙返りの達人」とも言われて「超人」とまで称されたことがあるお人。
10代から始めて、女優さんを長くやってると「10代の自分が最大のライバルなんです」ってことになる(うちのご贔屓さんもそうなんだけど・・・)んで、案外と試練だったりするんですよね、これ。

歌はともかく、あれだけのアクションする役は彼女には最近なかったりするわけで、現役とはいえ年下の高畑さんと比べられてやいのやいの言われたりするわけで。

そんな彼女自身のコメントはこちら

で高畑さん→こちら

でもでも、どっち向いても楽しめそうな笹本&高畑Wのピーターパン、とても楽しみです。
古田新太さん(笹本さんピーターパンデビュー時のフック船長。笹本さん自身「古田さんに鍛えていただいた」と言ってます)にぜひ客席に来ていただいて存分にいじって欲しいです(笑)。

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『ウーマン・イン・ホワイト』(3)

丸の内オアゾ OO広場

作品宣伝イベント、丸の内オアゾのX'masイベントの一環です。

開場時間までちょっとの間を利用して、笹本玲奈さんの手書連載が載ってる山野楽器「Jam Spot」を仕入れに山野楽器日本橋髙島屋店へ。

このフリーペーパー、毎月15日配布開始で、9月以来、15日に山野楽器を覗くのが通例になっているのですが、今月の15日は日曜日。
やはりというか、15日が休日の場合は配布が1日遅れになるそうで、ようやくこの日にGetです。

丸の内オアゾに着いてみると、既に70人近い人出。かつ、着席用の整理券を既に配り終わったらしく、立ち確定。足が痛いっ。

トークとALWの歌でつづる、「MUSICAL BOX VOL.2」の企画ですが、歌があったのはアンサンブル4人のみ。そういえば「ミス・サイゴン」でトゥイ役をやっていた神田恭兵さんが既にWIWの初演にでていたのは気づきませんでした。まぁ、アンサンブル桟の名前全部覚えているわけにもいきませんが。

司会はTBSアナウンサーさん(お名前失念)で、まずは笹本さん、岡さんとのトークですが、わずか数分で2人は退場し、アンサンブルさん4人の歌。ALWから「オペラ座の怪人」「アスペクツ・オブ・ラブ」「キャッツ」他、全部で4曲。
というか劇団四季PRイベントなんでしょうかこれ(爆)。

WIWからは「収穫祭」が歌われましたが、何かこの曲の歌詞、たまに「さーあ就活だ」に聞こえるんですよね(巨大爆)。

さてさて。

笹本さんに岡さんのトークと来れば、期待するのは岡さんのアウトロートーク&玲奈いじりです。

今日の名言

2幕、岡さん演じるフォスコ伯爵を、笹本さん演じるマリアンが誘惑します。
この日のイベントではそのシーンの具体的な内容は語られませんでしたが・・・

笹「だって今さら岡さんとそういうシーンってねぇ・・・
  (どうしていいかわかんなくなっちゃいますよ)」
「がっつり絡みます」
笹「(割り切るかのように思い切って)見所はそこ(誘惑シーン)です」
岡「なにしろ学生服姿で稽古に来てる時から知ってますからね」

岡さんと笹本さんのいつものノリを知ってる前方列のみなさまからは含んだような笑いが、ちらほらさざなみのように(笑)

んー、初演を見てない人が司会やるとこの辺が膨らまないんだよなぁ。

内輪受けもやり過ぎるとまずいけど、「この組み合わせであんなことやこんなこと」は十分に売りなのにな(感覚がおかしくなってるのは自覚してる)

この舞台での抱負を問われて。
笹「24歳、今の自分にしかできない役を演じたいと思います」
岡「(お姐風に)42歳、今の自分にしかできない役を演じたいと思います(会場爆笑)

岡さん(笑)

この日、妹ローラ役の大和田美帆さんは新型インフルエンザ感染のため欠席。でその大和田さんについて笹本さんいわく、「すっごく儚げなキャラで」って・・・・・・え?(笑)

大丈夫かなー猫かぶられてんじゃないのー(笑)

てな訳で。
「実は大和田さんが年上なんですけどお姉さんの気持ちになりまして」だそうな。

岡さんのしゃべりもいつものごとく滑らかで、笹本さんをいじるのかと思いきや、司会のTBSアナウンサーを俎上に上げちゃいまして。

大和田さん欠席の話するときに、「彼女は今日のフジテレビの『グータンヌーボ』に(収録済みで)出ますんで」と言ってたんですが。

岡「けっこう良いキャラしてますよね」
「TBSアナウンサーなのにフジテレビの告知するなんてなかなかないですよ」
(中略)
ア「(岡さんに押されぎみになりつつも)岡さんはまだしゃべり足りないようですが
岡「いえいえ、大丈夫ですよ。何ならあと30分とか」
ア「会場の都合もありますんで、それは後で個人的に
「個人的にって(ぼそっ)」

オチが上手くオチすぎ(笑)

この日のイベントは、そんなつらつらしたトークも混ぜつつ、最後は笹本さん・岡さんも含めた6人でのX'mas Song「サンタが街にやってきた」で幕。

事前にホリプロチケットセンター・ぴあ・ローソンチケットでの予約で、当日着席&キャストとの集合写真撮影&オアゾお食事券2000円分、ってのをやってたのですが、見たところそれで捌けたのは20枚ぐらいだったようで(ちなみにローソンは無抽選、それ以外は抽選との触れ込み)、当日イベント終了後は無抽選で集合写真撮影権がつく旨がアナウンスされていましたので、恐らく事前予約分も無抽選だったのでしょう。

笹本さんと岡さんの歌がないということで、残念な面も否めませんでしたが、笹本さんの負担がとても大きいこの舞台。
初演のプリンシパルがほぼ総代わりとなって、なおさら笹本さんの負担が大きいだけに、舞台俳優きっての笹本共演経験を持つ岡さんがいてくれることのありがたみを、骨の髄まで感じました。

笹本さんがこの舞台で全力疾走するには、岡さんが必要なんだな、としみじみ納得できたことが、何気にこのイベントでいちばん印象に残ったことだったような気がします。

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『バンデラスと憂鬱な珈琲』(4)

2009.11.16(Mon.) 19:00~20:50
世田谷パブリックシアター3階A列

3階席とはいえ、念願のセンターブロック。
ここ世田谷パブは劇場の造り的には天王洲銀河劇場と似た印象を持つのですが、後方席でも縦に長いせいか、客席との遠さをあまり感じないのが一体感あって好きです。

この日、前日からの歯痛でどうなることか気をもんだのですが、幸い仕事を定時に上げられ(というか無理矢理上げて)、歯医者行ってから三軒茶屋に直行。当日券ではなくあらかじめ取ってあった席だったので、19時三軒茶屋は楽勝で有り難いです。

今回は作品同様、つらつらと各場面ごとにたどります。
で、当然ネタバレ全開です。あらかじめご了承くださいませ。




○Act1/決断
高橋克実さん暴走、小池栄子さん実は暴走、中村倫也さん実直って気の毒よねぇ
のAct1。
小池さんの「ぎっちょんぎっちょん」が妙にキャラに合っててツボです。
しかし克実さん、「不毛地帯」@本人談なのに、格好良い。
”元帥”って言葉がなんであんなに似合うんだろう。

横浜の市外局番の話は最初聞いたとき爆笑したけど、たしかマクドナルドのそれって、「8番行ってきます」じゃなかったかなぁ(←バイト経験ないので自信ナシ)。

というか副題は完全に「暴走」だと思うAct1。

○Act2/コピ・ルアク
この作品のタイトル「珈琲」がほぼ唯一意味がある形で登場するAct2(Act11の「緊急会議3」で現実逃避に珈琲が登場しますが)。
ここは堤さん、村杉さん、高橋由美子さんの初登場シーンになりますが、「糞」という印象のみを残して(苦笑)、すぐ次のAct3に突入します。というか切れ目なし。

○Act3/緊急会議
ここが劇始まって初めて、全員が登場するシーン。
何しろ引き金引いた克実さんまでロシア大使で登場してますから(笑)。
堤真一さんだけ登場が遅いわけですが。

とりあえず何度見てもロシア大統領の正式な名前が覚えられません(爆)。
覚える気ないとも言いますが(苦笑)。

・・・と思ったらそらで「シフラスタフスキー」って呟いた自分。
あぁ、この舞台に毒されてしまった(←ちなみに合ってる)。

ま、早口言葉みたいな物だから言えませんけど。

とりあえずいかにも有能そうなベーカー国務長官@由美子さんに萌え(をい)。

○Act4/駅
51役中、いちばん年齢の高い役が出てくるのがここ。由美子さん演じる老婆が出てくるシーンです。コケ方にも段々年期が感じられます。

つけ麺は美味しいよね。

それだけ(爆)。

○Act5/ジャック&ベティ
小池さんが泣きながらパンを食べるこのシーン、見る度に容赦がなくなってます。
なんかじーっと眺めていたら、パンはどうもメロンパンみたいな感じです。
そんなこと分かったって1円の得にもなりませんが(笑)。

堤さんの

「おれはおぢさんじゃないっっっっっ」

の魂の叫びが何気に好き過ぎです。

「最近近づいてきているが『まだ』違う」

という台詞を次に思いついてしまうあたり、最近見ていない癖に新感線系の台詞回しが染みついちゃってるんでしょうか(爆)。

○Act6/ロシアの秘密研究所
オチにはいちばん大切なこのAct6ですが、実は全シーン中ここがいちばん苦手です。
「うぃーん」の段田さんは大好きなんですが、なんか起伏なくて眠くなるんですここ。

てな訳で次っ(早っ)。

○Act7/バンデラスラン&緊急会議2
ここは何しろ「ぼそぼそした物」スペシャルの粉撒き散らし大会でしょう。
由美子さんの即席お母さん役に反抗する段田大統領が可愛すぎます。

そういや、後々「上から目線でお聞き下さい」@ベーカー国務長官って台詞がありますが、なんかこのお母さんネタみたいに保護者目線で諭す役が、由美子さんには妙に合ってます。

こんな役ばかり合うからおばさんぽいとか言われるんでしょうけどね(ちなみに前から)。

なお、この日、克実さんが堤氏を銃で狙うシーン、馬の後のシーンではなぜだか銃声が聞こえませんでした。はて。

○Act8/ダイナー
そして今度は場外のママさん、またこのハマリ方と来たら悲しくなるやら嬉しくなるやら。というか素で明日からバー開けそうです(笑)。

「つれないねぇ」とかの呟き系も上手いし、「お、かっこいい!」の見栄切り系も歯切れ良い。

そういえば下手側に突っ走る由美子さんのローラースケートの滑走距離が、見る度にどんどん伸びていって、堤さんがあわてて抱き抱えに行ってます。

かと思えば、戻ってカウンターの上にコーヒー(ゼリー)置くまでのわたわた度もどんどん増してます。なんか、ローラースケート上手いとか下手とかそういうのと関係なしに、わたわたしてることで笑いを貰ってます。ここでの笑いの取り方は、由美子さんは身についちゃったようです。

○Act9/鬼軍曹

ぱーてぃ、ぱーてぃ。

・・・・それだけ(笑)。

○Act10/列車での出来事
終幕への壮大な前振り。

JAC出身は分かったけど、あとのネタで笑える堤さんフリークが羨ましい。

演技指導で由美子さん演じるマクベス夫人を堤さんが勢い余って思いっきり突き飛ばして舞台から落ちそうになった回があったらしく、そこによほどの罪の意識があったのか(苦笑)、この日は突き飛ばしてすぐ抱き抱えてたりしたのがちょっぴり噴いてしまった。

克実さんあたりが舞台後の飲み会で突っ込んでそうなんだけどなー
俺の由美子を勢いよく突き飛ばしすぎるなよ」とか何とか。
で由美子さんが「また言ってるよ」みたいに返すとか何とか。
そういや三軒茶屋の飲み屋で代わる代わるご一行様が目撃されてるようで。
元気ですな。

○Act11/緊急会議3

ついに判明、「うっうっうわきっ、ふっふっふりんっ、していますっ」
てな。

この日は珍しく由美子さんに台詞噛みが出現。
大統領に言い寄るシーンで一瞬どもってしまったのが残念。
今日はカメラが入る日ってことで、前日失敗してるからめっちゃ緊張するんだろうな、外に全く見えないんだろうけど(緊張していても全然そう見られないのが悔しいんだそう)。

○Act12/絶体絶命
痴話喧嘩の仲裁やったり、三角関係の恋愛相談に乗ったり、交渉ごとと言えなくはないものを乗り越えてきたバンデラスが、実はほぼ唯一まともに交渉したのがここ。
「駅」のシーンでは全くの交渉不調しまくりでしたから。

オイチのよろけシーンは、前回見たときは、他blogで聞いたところによると、実はライトに手が当たって「あちっ」と手を引っ込めたって話だったらしく、この日よく見てみるとライトとは結構な距離があります。あの時はそうすると随分と派手なよろけ方したんだなぁ。

初日・2日目にあった「仕える人が見つかりました」台詞は完全に闇に葬られたかのようで、村杉Mr.ビーンの余韻に華麗に乗っかって「どろん」するのが定着してしまいました(何気に笑いがけっこう起こる)。

○Act13/対決
ここのオチは上手いなぁといつも思います。
前シーンで大統領がフロリダ州・エグリン空軍基地へたどり着けない、という話が振られていて、それでもここに現れるってところが、見てる方からすればインパクト大きいです。

初見の時は特に印象深かったのですが、「旅芸人の集団」とここの政府要人勢揃いがまさかリンクしてるなんて思いませんからね。ひねり方が上手いなぁ、といつも感心します。

旅芸人集団の仲の良さでW高橋でハイタッチしていたり、村杉君の背中を叩いてたり、何気にここのチームワークの良さはこの舞台のメンバーのチームワークそのもののようで、ラストともに結構好き。

で終わるかと思ったらAct9の鬼軍曹ともリンクさせて、かつAct6のロシアの秘密研究所とも繋げるんだからつくづくやり過ぎってぐらい出来すぎてます。

「舞台とはカタルシスである」

なんかそんな言葉をふと思い出してしまうのでした。

○Act14/マクベス
たどりつきますたるミュージカルシーン。

克実さんが満面の笑みで歌い出すところの会場の笑い方にちょっと噴きます。
で、必死で止めようとするつっつんがもっと笑えます。
最後までミュージカルに抵抗してるのね。

追い詰められて初っぱな「仕方ない」で歌い始めるのも出来すぎてまして。
この作品、主役であるからには嫌いな「歌」も歌うのも「仕方ない」と。
そんな風に思えてしまって苦笑い。

歌わせたのは所属事務所の代表取締役社長様か、はたまた某国務長官様か。

軽快なミュージカルシーンで、いつもと変わらぬ歌声の、超短時間の由美子さんソロも堪能して最後は複数回のカーテンコールで幕。

そういえばカーテンコール2回目、由美子さんがわざと姿勢崩しながらちょっぱやで上手側に消えてくかっこいい消え方が好きだったりします。

この日は平日にしては粘って3回のカーテンコールがありましたが、そこで終了。

一度は由美子さんの「本日の公演は全て終了しました」を拍手に浴びせかける土休日バージョンを見たいもんです。
(拍手がいつまでも終わらないので「本日の公演は全て終了しました」を会場側が半ばウケ狙って何度も放送して会場が沸く、ってのが土休日にはたまにあるそうです。)

そして堤さんのカーテンコール、いつのまにやら半・投げキッスみたいなものが発生してまして、会場のそこかしこから声にならない悲鳴が。
結構派手に突っ走ってます、堤さんも。

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『バンデラスと憂鬱な珈琲』(3)

2009.11.9(Tue.) 19:00~20:45
世田谷パブリックシアター 1階補助席

会社をダッシュで抜け出し、向かいましたる三軒茶屋。
世田谷パブリックシアターがあるキャロットタワー3階に着いたのは、18時ちょうど。
前には5人の列。何とか当日券にセーフです。

すでに2回観劇、会期中にもう2回の観劇を予定しているというのに、あぁ悪い癖。前売りが完売なので、当日券がダメだとショックが大きくなりそう。
一かばちかで挑んだ最短ルートアクセスに勝利っ。

というわけでそうとう浮かれてますが(爆)この作品、色んな意味で飽きがきません。時間が経つのがあっと言う間です。

2日目の3日に観劇して以来、ちょうど1週間ぶりのこの日。

そしてネタバレいっぱいです。ちょーご注意くださいませ。。




開演前の注意アナウンスは高橋由美子さんが担当。ちょっと前にNHKでナレーションもやった彼女ですが、どちらかといえば上擦るか沈むかがいつもなのに、とてもリラックスモードな様子に期待がもてます。そんな見方してるのここで1人だけでしょうが。

このお芝居、7人の役者で51役を演じています。
単純に比較しても別に意味はないのですが、先日見た、「レ・ミゼラブル」が、主役(ジャン・バルジャン)以外全員が複数役をやる舞台ですが、28人で約70役。
それを考えると、7人51役ってもはや別世界です(笑)

3回見たこともあって、役毎に登場場面を思い出してレミゼを見習って香盤表(笑)を作ってみたのですが、役者が役名を名乗ってるとも限らないので、名前と場面がつながらないつながらない。

バンデラスとかダズラー元帥とか、間違いなく発音できないけどシフラスタフスキー大統領とかその辺はインパクトで擦り込みされてるんですけど。

役者さんごとに振り返ってみます。

●堤真一さん/全4役・登場9シーン
もっとも登場場所がわかりやすいのが堤さんです。主役だから当たり前ですね。
バンデラスは全役中最多の6シーンに登場します。

バグス大佐の「鬼軍曹」と言われながら乗せられて「パーティ、パーティ」って踊るところが最強にツボです。
ネフチェンコが難易度高。ACT6「ロシアの秘密研究所」の頭にょき研究員氏です。

そして最後のシーン、新感線の罰ゲームでもないのに堤さんが歌うとな。
ネット上の衝撃、気持ちはよく分かります。

●高橋克実さん/全11役・登場12シーン
役数最多、登場シーンもいちばん多い役者は実は堤さんではなく克実さん。
ま、堤さん演じるバンデラスを狙ってる男A、男B、男Cというのも3役で計算してますけど(笑)。

引き金引いたダズナー元帥と、ロシア大使のキニスキーを両方やってるってのも、狙ってるんでしょうが普通で考えるとありえないですよね。むろん、それが面白いんですが。

●小池栄子さん/全9役・登場12シーン
登場シーンは克実さんと同じ12シーンですが、役としてのインパクトの平均で行けば彼女は突出しています。

インパクトが薄いのは大統領夫人・ジェーンぐらい(それでも「ぎっちょんぎっちょん」はかなり秀逸)で、他はキャシーの「ロボットのマネしますから」も、女性駅員の「イケメンよりつけ麺よ、だじゃれじゃないからね」も、ベティの「泣きながらパン食い」も、超スタールのベロニカの「きゃしゃーん(他に擬音思いつかず。爆)」とインパクトの嵐です。

難易度ではスーザンとマリア。前者はバーのお客(振られた女)、後者は某SP(こら)を取り囲む旅芸人集団の一員です。

●村杉蝉之介さん/全7役・登場11シーン
基本的に飛び道具で使われるキャラクターの村杉さん。
インパクトでは、絶対に正しく名前を呼んでもらえないシフラスタフスキー大統領が筆頭でしょうか。Mr.ビーン(役名は「執事」)も笑いが起こってます。

難易度ではトガシです。最初さっぱり分かりませんでした。パンフレットの役名紹介が登場順だったので、チーズ副操縦士(Act9/鬼軍曹)と執事(Act12/絶体絶命)の間ということで、こちらも旅芸人集団の一員です。(「それ面白いですかねぇ」とか座長に突っ込んでる役)

●中村倫也さん/全7役・登場10シーン
登場シーンは他の人に比べてちょっとだけ少ないのですが、何気にこの芝居をしっかり支えているのは彼かもしれません。バンデラスと首脳陣を結ぶオーエンは意外なことにやり手に見えます。

役としてツボなのは意外にジャック(Act5/ジャック&ベティ)。
あの車の痴話喧嘩の暴力振るう彼なのですが、年齢がぴったり役にあっているせいか、ありえないほどのリアリティです。

トニー操縦士から空軍兵士へ、舞台上での早替えは印象的。超効率的に早替えして次シーンへ進みます。

●段田安則さん/全6役・登場9シーン
大統領があるので役数が少ないのですが、サノバチェフ博士の「うぃーん」が妙にツボです(笑)。
全役者中、最後までmy香盤表が埋まらなかったオマリーとダニー。
前者が旅芸人集団(Act10/列車での出来事)、後者がバンデラスに銃を突きつける、50歳にして中学生の役のオーディションを受ける男(Act12/絶体絶命)です。

浮気が確定的になり、由美子さんが演じるベーカー国務長官が「夫人の浮気」を宣言した後の呆然とした大統領の感じもなかなか味があります。
このシーン、この日の由美子さんは溜めに溜めまくって「うっ、うっ、うわきっ、していますっ」って感じの直立不動コントでした。

●高橋由美子さん/全7役・登場11シーン
まず、極めて不本意ながら、まず最初に何たることか由美子さん演じる役のうち、ナンシーとマチルダの区別が付きませんでした。
ちなみに前者がめぞん一刻の朱美さん、もとい場末のママさん。
後者が実年齢物ともせず女子高生(vsバグス大佐)です。

そこ以外は由美子さんの場合はわかりやすいです。

ベーカー国務長官はバンデラス以外の役としては最多の5シーン(2/3/7/11/13)に登場するやり手(村杉君演じるフレディ国防長官も5シーン)。

いきなりの指令で戸惑うバンデラスを説き伏せる役目がベーカー国務長官ですが、そういえば8年前、由美子さんが美泥で堤さんが野獣郎だったときは、

 美泥「可愛いねーちゃんの言うことは何でも聞くんじゃなかったの?」
 野獣郎「問答無用ってか!」

でしたそういえば。

今回も反論を許さないところは同じですが、完全な理詰め説得で説き伏せています。
大人の関係ですか。
かつ、政府内では大統領の次の第二順位なんでしょう、国務長官。

老婆もこれまた実年齢感じさせない(爆)おばあさん。このシーン、笑いがきちんと入るんです。確かに、こういうおばあさんよくいます。駅よりむしろ郵便局でよく見かけます。

女忍者オイチはよろけ方が初日・2日目に比べてますます年期が入ってきまして、客席から拍手が起こるほど。なんですかあの頼りげのなさと来たら、愛玩キャラったらありゃしないです。「いつもより多くよろけております」状態でした。

この日は、バンデラスを見捨てていなくなるところで、初日・2日目にあった「仕える方が見つかりました」と言ってからドロンする、その台詞がなくなってました。

なぜなら直前にいなくなる通称・Mr.ビーン氏が奇声上げて上手に消えてって、客席・舞台含めて笑いが止まらなかったんで、時間節約で由美子さんが台詞すっ飛ばしました。
結果、あえてすっ飛ばしてオイチが右往左往して、かえって面白いシーンになってました。

マクベス夫人はバンデラスいわく血の匂いが足りないらしいですが(というかその時点では座長の妻)、最後のマクベスミュージカルシーンでの白いドレス、とても良いです。

今回、嬉しかったのは由美子さんに「白」を着せてくれたことですね。
ポスターでも白が基調ですが、より若く躍動的に見えますし。

ここ、テイストが限りなく新感線の「花の紅天狗」のラストシーンです。

由美子さんはここのシーンで、わずか2小節、合わせて10秒ほどのリードボーカルポジションをばっちりと決めてくれます。入り方がとてつもなく難しい歌い出しですけど、さすがはミュージカルで培った音程取りの名手で、それに続く皆さんも随分歌いやすそうな感じです。それにちょうど背がいちばん小さいので列のいちばん前というのがしっくりきます。中央で見たかったなぁ、図式綺麗だろうなぁ。

あとAct8「ダイナー」でのローラースケートのママさん・ナンシー。
日に日にローラースケートで舞台下手側に走る距離が長くなっております。
そろそろ舞台下に落ちそうで、堤さんよろしくお願いします。


・・・と、そんなつらつら書いてきたお芝居、次は16日ソワレです。
座席表見る限りは後方とはいえ中央みたいで、ラストの楽しみ大です。

今日最後の余談。

今回のお芝居、

『バンデラスと現実逃避な珈琲』

な気がしましたが気のせいですか。

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『レ・ミゼラブル』(3)

2009.11.1(Sun.) 12:00~15:10
 帝国劇場 1階C列上手側

2009.11.8(Sun.) 17:00~20:45
 帝国劇場 2階M列下手側

2009年レミは早くも8日でmy楽。

エポ総代わりが囁かれる中、今期は新妻さん2回、笹本さん1回で終了。

1日は新妻FCで取ってもらった超前方席での観劇。

レミゼは両手を何回も使わないと終わらないぐらい回数を見ていますが、3列目なぞ1,2を争うほどの前方列。役作りがとても丁寧になった新妻エポニーヌを存分に堪能しました。

新妻さんはご自身のblogで盛大に「卒業」を匂わせていますが、今年の新妻さん楽は12月公演の「nine」稽古入りのために、平日の11月4日ということで。最近平日の休みを多く取ってしまっている自分にとってはさすがに厳しく、諦めました。とかいって要は、楽よりも誕生日(10月8日)を取ったってことなんですが(爆)。

自分がレミを見始めたのは、高橋由美子さんがファンテーヌを演じることになったからで、その初日である2003年7月6日は新妻聖子さんが舞台女優としてデビューした日でもあります。6年が経ってレミに欠かすことのできない存在になった新妻さんが、惜しまれつつその役を離れる(ように思われる)時に出会うとは、感慨深いものがあります。
(ま、スペシャルキャストとして復活する可能性は大ですから、見納めとまでは行かないと思いますが)

エポニーヌ役者は楽屋が一緒なので、10月公演の時に集まった3人(新妻聖子さん、坂本真綾さん、知念里奈さん)の共通の話題は「もう30だねぇ」だったそうで。

まだ20代を半分残している笹本玲奈さんはその月、隣の日生劇場だったので、期せずして「アラサーエポお茶会」だったらしいです(笑)。

日は変わり8日、この日は笹本エポニーヌの2009年my初日にしてmy楽。
笹本エポも2003年からずっとで、確か2007年だけ見てないけど、あとは毎年必ず1回は見てるわけですが。

役作りがかなり変わった印象を受けます。
今まではスタイルの良さを活かした「スマートなエポ」だった笹本エポですが、今回は意図的に汚しているというか、自らが「汚れ」キャラであることを隠していない感じが新鮮です。
小綺麗になったミュージカル版エポニーヌより、かなり原作に近い感じの役作りです。

1幕、マリウスとやりとりするところの笑顔と、つれなくされた後のむすっとした顔の超高速早変わりは、どこからともなく「ツンデレエポ」(笑)と名付けたくなります。

今年、玲奈ちゃんがドラマ「ぼくの妹」で見せたツンデレお嬢様・大河原春奈役ですが、今回のエポは立場こそ「お嬢様」と「浮浪者(寸前)」という大きな違いはあるとはいえ、「ちょっかいをだしてかまって欲しがっている」雰囲気がとても似ています。

女性のいじらしさの出し方を春奈役でパーフェクトに掴んでしまったらしく、完璧にいじらしいです、今回のエポニーヌ。

あの役(春奈役)も最初は嫌われ役だったそうですけど、演じてる間に演出とも話をしてたら、妙にコメディチックな愛されキャラになっていったそうですし、役者は役を豊かにして、役は役者を豊かにするのですね。

エポ話に戻すと、何気にツボだったのが、2幕のマリウスに背後から襲いかかる(笑)シーン。
気づかれないように後ろから抱きつくのですが、笹本さんは背が高いので、肩の上から腕を入れてく感じがとても自然で。その上、実は「一大決心をしてマリウスの気を惹こうとした」というか、実は実は一晩中マリウスに関心持ってもらうにはどうしたらいいか寝ないで考えてたかのように見えちゃった(←暴走は自覚してます)のがおちゃめで、で何かもういじらしくて。

オンマイオウンの最後で「愛してる」って言ったときに一瞬ふと笑って、すぐ現実に戻って「でも、一人さ・・・」って呟くのがとても感動。

もう1箇所、今回の笹本エポの役作りで印象的だったシーンが、コゼ&マリ対面シーンの門前で待つエポニーヌの前に現れるテナルディエ一味とのシーン。

テナ一味に襲われて組み伏せられてた後、大の字になってるシーンをコゼットに見られたエポニーヌというのは、愛する人守るために身体を張った結果とはいえ、惨め以外の何物でもなくて。
ただ、コゼットはそれを変にあざけるような女性じゃなかったから、エポニーヌも負けを認めるしかなかったのかもしれない、とふと思わされて。

マリウスを守るために身体を張ったエポニーヌをコゼットが指差して嗤うようだと、さすがにエポニーヌも「あんな女にマリウスを取られてたまるもんですか」っても思うんでしょうが(爆)、今期コゼットの中ではいちばんのノーマルコゼと思える菊地コゼだったのも、ある意味シンプルに見られた理由かもしれません。(あそこでコゼがさやコゼだったりすると、余分な邪念ばっかり見えてしまう。玲奈嬢相手だけになおさら。)

ベガーズの後にエポニーヌが過去を振り返る「コゼット、思い出す」という歌声、体育座りした玲奈エポ。
今まで見たどんなエポニーヌよりも、「過去にコゼットを虐げた」ことをはっきり見せたエポニーヌだったように思う。コゼットに対する引け目をかなり感じたかな。
というかそういう風に感じたエポニーヌはかなり新鮮でありました。

あと、この日の笹本エポニーヌには何気に「革命闘士」の風味が少し感じられたこと。
ワンデイモアで微妙に女アンジョルラスがいる感じがするというか、マルグリット(byMA)味というか、前作の屋根ヴァから引きずって何気にパルチザン気味というか・・・
正直、あのシーンのエポニーヌはマリウスしか頭にないハズだから、ちょいとそこは違うような気はするんですが。

ともあれ、いじらしくただマリウスだけを見つめ続けた少女・エポニーヌが、愛するマリウスの腕の中で死んでいく「恵みの雨」。その時の満ち足りたエポニーヌの表情は、とても素敵で。
見た目のバランス上は浦井君あたりと見てみたかった、今期・笹本エポニーヌの「恵みの雨」でありました。

その他のキャラクターで目を惹いたのは、8日ソワレの菊地コゼ。ご結婚おめでとうございます。
この日の別所バルジャンは本気で離れたくなさそうだった。

コゼットもバルジャンを愛して、バルジャンもコゼットを愛して・・・1日ソワレの辛島コゼも悪くはなかったけど、菊地コゼは多少歌に不安は残っても尋常じゃなく可愛い。
で、ちょっと前までは菊地コゼは可愛さがテクニックな部分がちょびっとだけ感じたんですね。今期の菊地コゼは可愛さに媚びがなくなったのが良いです。コゼットは役を利用していくらでも媚びられるだけに、やり過ぎると濃すぎて嫌みになるというか。その罠に嵌っているのが今期のサヤコゼかな、と思ったりします。

ちなみにそんな日の一こま、笹本玲奈さんblog「れなにっき」より。こちら
やー、玲奈ちゃんも美香ちゃんも何気に面白い。
藤岡君、女心を射止めるのはそんな細かいところからですか(笑)

何はともあれ、これにて2009myレミ、そして2009my帝劇はともに楽。
まーやエポが見られなかったのは残念ではありますが、今月の私は世田谷が待っているので(爆)。

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『バンデラスと憂鬱な珈琲』(2)

2009.11.2(Mon.) 19:00~20:45
世田谷パブリックシアター
2階席最前列下手側

G2さんの『地獄八景~浮世百景』以来の世田谷パブ。
この日が初日です。

堤真一さんが出るということで超入手難だったこの作品、各所に保険をかけたら観劇日程が超アンバランスになり、なんと次は明日のソワレ、その次が千秋楽という始末(爆)

※16日のソワレも無意識で取ってありました(苦笑)

何しろネタ舞台なので、ネタバレ見ちゃうとものすごーく初見のわくわく感が薄れるようで心苦しいのですが.....。

ちなみに全体的な印象だと、「もっと腹よじれるほど笑うかと思った」って感じです。もちろん笑いは多いのですが、ど直球の笑いはそこまではなかったかも。

観劇前に配られる紙には、役者ごとの役柄が複数書かれています。要はシチュエーションコメディって感じです。

開幕前にそんな壮絶なネタバレあってのスタートです。

んで、ここからは核心を極力外すように苦心しての<薄いネタバレ付き>各キャスト感想。




○堤真一さん/バンデラス(ネゴシエーター)他、全4役
今回の出演者中、由美子さん以外で唯一舞台で見たことがあるお方。
8年前、劇団☆新感線と東宝芸能の共作だった「野獣郎見参」の野獣郎役。由美子さんのある意味相手役でした(あの作品の相手役は古田新太さんとも言えるので)。

何しろ初見にして唯一が野獣郎ですから、”いつもの堤さん”というものを私は知りません。

”世界の危機を救う”バンデラスがどこか滑稽に見えるのは堤さんのキャラクターのおかしみ故なんだろうなぁ。「おかしみ」って呼称がこれほどまでに似合う人を私は他に知りません。

○段田安則さん/アメリカ合衆国大統領他、全6役
反則キャラその1(笑)。
誰だったか、立ってるだけでものすごいおかしいって話をしていたことがありますが、計算しているかしていないかの絶妙の立ち位置で笑いを持ってく。
かっつみーほど爆発力はないけど、さすがでございます。

○小池栄子さん/アメリカ合衆国大統領夫人他、全9役
存在感抜群、さすがバラエティ経験豊富なだけあって、持っていきどころを知ってます。スタイルの良さも羨ましい限りですが、瞬発力も中々のもの。正直、食われるかなーと思っていた以上の出来でした。

○高橋克実さん/アメリカ合衆国空軍ダズラー元帥他、全9役
反則キャラの王様(笑)。
つか笑わせようとして笑わせるって凄い才能だと、この人を見ているとつくづく思います。「笑えっ!笑えっ!」ってプレッシャーかけられれば普通客は笑えませんよ。
でもそこを超越するのがかっつみー。

○高橋由美子さん/アメリカ合衆国ベーカー国務長官他、全7役
正直、現段階では小池さんに食われてる部分があるかと。
とある場面で言えば、完全な当て馬的なポジションです。
(あそこはもっとはじけてこそだと思うんですけどね。)

今までの作品で言えば、「空中ブランコ」のサトエリとの関係を思い浮かべるとだいたいの想像は出来るかと(ちなみにこの日見に来てたらしい)。

小池さんがインパクトキャラで得をしていることを差し引いても、ちょっと不慣れな感じが。
端的に言えばバラエティ慣れと舞台慣れの違いですかね。

今までやったことがない役で慌てているせいか、いつも以上に台詞が早台詞だったのが気になるところ。
とはいえ演じながらの調整力は信頼しているので、これからぐんと変わっていくと思います。

国務長官の制服の凛々しさは素敵です。

○村杉蝉之介さん/アメリカ合衆国フレディ国防長官他、全7役
○中村倫也さん/アメリカ合衆国トニー操縦士他、全7役

なにげに2人のキャラ違いがどうにも把握できない自分。
役をシャッフルして、「さてどっちの人でしょう」やられたら絶対分かりません。
(ちなみにパンフレット曰く、見てて面白い人が村杉さんらしいです)

話のオチが上手いことしてて、それできたかぁ、と腑に落ちるのがさすが。

で、最後の大団円が爽快でいいです。
華麗なダンスで踊りながらの歌はいいですなぁ。

男性陣を中央に、対になるように上手側に由美子さん、下手側に小池さんと、シンメトリーが美しいです。
いやーEVILみたいに激しい踊りでなくて本当に良かった(爆)

つっつんも××し。
会場内から大拍手が起こっていましたことよ。
みんな期待していることは同じなのね。
嫌がる主演を××させるようなのは、またもやどこぞの国務長官の陰謀なのでしょうか。

歌は由美子さんがリードする側ですが、なんか最後の曲、歌詞全然聞き取れないんですけど、まぁ楽しいからいいか。

そんなこんなでまた18時間後には世田谷パブです。
勢いで取ったら1階3列目という超絶前の席。

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