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『屋根の上のヴァイオリン弾き』(2)

2009.10.8(Thu.) 18:00~21:20
日生劇場2階B席 センターブロック

待望の笹本ホーデル登場、なのに、初日を逃し、1週間経っての観劇。
とにかく平日18時開演が厳しすぎて、日程調整が大変です。

当初観劇を予定していた10日土曜日のソワレは17時開演、
この日の新妻FCのイベントが池袋16時30分終わり。
あわてて取り直したチケットがこの日、レミゼとのマチソワ。

台風でも地下(東京メトロ・東京都交通局/有楽町・日比谷駅)でつながってるからいいやーとか思ってたら超快晴(笑)

この作品の初見は2004年の市村テヴィエ×笹本チャヴァで、1回のキャスト変更を経て、今回、笹本さんが次女ホーデルに昇格。

実は5姉妹だったこの家族、その中でメインを張るのは3姉妹ですが、さらにメインをもっていくのが次女役。

この3姉妹が実力者で揃うのは極めて難しくて、2004年に笹本さんが三女・チャヴァをやったときには、あまりの存在感と泣かせの上手さで、次女を壮絶に食っていたことを思い出します。(ちなみにその時のホーデルはキム仲間の知念里奈さん。)

2006年はホーデルを剱持たまきさんがやって、彼女もそれなりに上手い役者さんなのですが、ホーデルのハードルの高さを実感した印象が強くて。

それだけに、今回の笹本ホーデルへの期待値は尋常ではなかったのですが、さすがとしか言えない素晴らしい出来。

何が嬉しいって、こんなに玲奈嬢の満面の笑みが見られることなんてないですから。これだけ若いうちから、眉間に皺寄せる役しかやらないんですから(笑)。サリー@ミーマイともちょっと違う感じ(サリーはどことなく「ここが自分の居場所じゃない」って表情をずっと見せてるから、笑顔にもちょびっと影がある)。

貴城けいさんとの元ライバル、現姉妹となった組み合わせは、2人してガチャピン着ぐるみを着てたという仲の良さ(笑)を活かしたかのような相性。
笹本さんはお母様が宝塚出身(今回母親役の鳳蘭さんとも共演経験あり。)のためか、姉や姉に近い人に宝塚出身者を組ませられる相性の良さが、仕事がとぎれない一つの理由でもあるのでしょう。

貴城さんはミーマイが初見でしたが、今回の方がもっと素敵。
相手役が持ってき上手の植本潤さんってことで得してますが。
父親の固い壁を意外な馬力で突き破り、劇中ゴールイン。
意外に父親・母親を心配させてないのは長女なんですね。

ところで意外だったのですが背が高い!
5人姉妹が並ぶシーン、ものの見事に背の順でした。
(2006年版では、次女の剱持たまき嬢が背が一番高く、パンフレットで市村さんに「ごめんなさい」してました(笑))

この3姉妹の仲の良さは、「月刊ミュージカル」の対談でも如何なく発揮されていますが、しっかり者を演じることが多い笹本さんが、実際にお姉さんがいるだけに姉役の貴城さんを立てて頼ってる様子が軸になっているので、「仲が悪いと思われがちな」(チャヴァ役の平田さん談・・笑)次女と三女も仲が良くて。

言われてみると、2004年も2006年も、確かに次女と三女はどことなくぎこちなかったかな。
2004年は長女・香寿さんと三女・笹本さんの関係が強固で、次女・知念さんは入りにくかった感じだし、2006年は長女・匠さんと次女・剱持さんの舞台経験者コンビからは三女・安部さんはどうにも浮いていた部分があったし。

家族の「愛情」や「絆」をテーマにしているからこそ、飾りじゃなく表に出てくる空気が、とても幸せそうで楽しそうで。母親役の鳳さんの包容力も、父親役の市村さんの変わらない威厳の弱さも、どれもが本当の家族のように見えてしまって。

ホーデルの見せ場、2幕、パーチックを追ってシベリアへ旅立つアナテフカ駅での、父との別れ、「愛する我が家をはなれて」。
この曲、笹本さんのFCイベントで既に聞いていたのですが、稽古開始前のその時でさえ、相当な完成度で。これで芝居が入ったらどうなることかと、期待しまくっていたわけです。

予想通りというか、笹本さんは泣かせ系の歌い方をしているわけですが、技術に溺れる寸前の絶妙なところで抑えていて、しかも市村さんとの父娘の関係がどハマリで。

「お父さん子なので、パーチックより父親が好きに見えたらどうしよう」と心配した笹本さん、あなたは勘所を実に正確に理解しています(笑)
ただでさえ泣かせのシーンなのに、市村&笹本で、それであのホーデルの歌声だから・・・反則過ぎます。

で、そんな中にあって、ちょっと弱いのは男性陣。つまるところ三姉妹の相手役ということになるのですが、その中、経験量もあって長女の相手役・モーテルの植本潤さんはさすが。ちょっとなよっとし過ぎな感じもありはしますが、元々この役こういう役ですもんね。前任に駒田一さんがいらっしゃるので大変そうと思いきや、きっちりこなしていたあたりはさすがです。

次女の相手役・パーチック役は、今期のチャヴァ同様に東宝ミュージカルアカデミー出身の良知真次君。
んー、さすがに前回、吉野圭吾さんのやってるのを見ているせいか、どうにも物足りなさ満開。
前回の剱持&吉野コンビもそれなりに良かったのですが、返す返すも笹本&吉野コンビで見てみたかった。ホーデルとパーチックの当たりはどっちかなんだよなぁ。

三女の相手役・フョートカ役は、中山卓也さん。三女の新人・平田さんが意外な健闘を見せる中、ちょっと存在が弱い感じ。今後の進歩に期待したいところ。
平田さんは伸びしろを感じるので、姉役の貴城さん、笹本さんに引っ張ってもらうだけじゃなくて、男性側からもサポートが見込める役者だったら良かったな。

・・・・と、さんざ書いたのですが、2004年、2006年と市村版を見てきて、今回こそ集大成!と思えるベストキャスト。市村さんがいみじくも言っていますが、笹本さんはこの作品でツァイテル、ゴールデまでやれそうな感じ。レミゼはエポだけになりそうな笹本さん(ちなみにレミゼは、知念さんがグランドスラムに最も近い)ですが、屋根ヴァのグランドスラムは笹本さんに決まったようですね。

あ、2回目チケット取ってないや。さっさと日程調整しよう(笑)。

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