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『エル・スール』(3)

2009.8.28(Fri.) 19:00~20:55
本多劇場 D列上手側

2回目観劇にして、この作品の本多劇場my楽です。
土日と平日昼間は無理なので、この日をmy楽に選びました。

ネタバレ前に、この日はずいぶんとドラマがありました。

○トンネルを抜けた先には・・・
元西鉄ライオンズ、豊田泰光氏がいらっしゃったのでした。

この日、作品中で守備の微妙さを「日本一のトンネル」とか台詞で入れられてしまっている、プロ野球ニュースでおなじみ豊田氏が観劇。
終演後、たかおさんから紹介があり、会場中から割れんばかりの拍手が送られ、豊田さんも頭を下げておられました。

○カメラスタンバイ
上手側と下手側に各1台、初日にはなかったビデオカメラ(ハンディカメラに近い)が据え付けられていました(多分この日限定。終演時に撤去していました)。
機材から見てそこまで高いものではないようで、恐らく記録用の映像撮りなのでしょう。その割には細かいエピソードが多かったのがこの日の特徴なのですが・・・・

○棒は凶器だってば
お芝居ほとんど最後に、たかおさん演じる少年(のお歳を召した男性)と、少年がキャッチボールするシーンがあるのですが、たかおさんの投げた球を少年が取り損ねてしまい、ボールは上手側に立っている棒にちょっと当たってしまいました。

すると、その棒、けっこう勢いよく1列目の客席にまで倒れてきてびっくり。
さぞ直撃された方はびっくりしたことでしょう。

このタイミング、全キャスト(少年以外)が下手側におり、誰も止められる人がおらず。
少し後に上手側に移ったタイミングで由美子さんがさりげなく立てかけ直そうとしますが、棒に安定感がありません。焦りつつも何とか立てかけ直せて由美子さんがその場を離れた瞬間・・・また倒れてくるぅぅぅ・・・!

という時に、隣にいた有坂来瞳さんが冷静に棒をキャッチして今度こそ立てかけ直して無事終了、ナイスフォロー!

由美子さん、あと一歩で残念(笑)
有坂さん、けっこうやりますな貴方も(笑)

しかしこの舞台、2日とも山のように招待が出てるんですが、商売として成り立っているんだろうか本当に・・・

てな話もありつつ、さてそろそろ、話的な本題へ突入。
つまり、本格的にネタバレモード移行です。
よろしくお願いします。





つくづくキャストがどハマリのこの作品。
初日は物足りなかった有坂さんも美少女ぶりに拍車がかかって生き生きとしてきたし。

由美子さんが演じるユカリですが、この日は最初はちょっと微妙。
台詞噛んでたし、初日に比べると・・・とか思っていたけれど、少年に過去を明かすシーンからはギアをトップに入れての爆走。自称(笑)セクシーユカリさんも、特に2幕の白の衣装は娼婦なのに清潔感もあり、なかなかな眼福です(爆)。なんかジムの成果らしきものもちらほら。(巨爆)

この作品を見ていて、注目すべきはユカリの包帯の有無。
包帯をしている=ヒロポンを使っている、という表現になっているので、包帯の有無は大変に重要です。

シーズン後半の秋頃は包帯外して西鉄ライオンズを応援しているし、清水伸さん演じる現893のパシリに「私はあんたよりまともになるんだかんね」と啖呵切るあたり(あぁいう憎たらしい物言いは上手いよなぁ・・・)は明らかに左手に包帯はありません。

娼婦館・大浜パラダイスを抜け出すべく、ラーメン屋に始まりうどん屋等々の掛け持ちをして、努力し続けるユカリ。

ところが、少年と再会した年始め。
ユカリは酒に溺れています。そう、由美子さんが地でやっているんじゃないかと思うほどに(笑)。
少年が注射器の存在に気づきます。

運送会社で働き始めて「いい職場」だなと思っていたその時、実は過去、社長さんがお客として一度来ていて、気づかれてしまう。迫られるのに嫌気が差して、殴って馘に。

「パンパンがにじみでる。」

最初は嫌な男と寝る気を紛らわせるために打っていたものだったのに、いくら努力しても過去から逃れられない、その絶望から抜けられずにまた打ち始めてしまう。

日本シリーズ優勝のお祝いに、ユカリが少年に買ってあげたグローブを、この年始、少年は受取を拒絶する。

「嘘つきに物はもらえへん」

過去から逃れられない心の弱さに負けたユカリにとって、未来そのものを体現していた少年にこう拒絶されたことが、ユカリにとっては大きなショックであり、だからこそ立ち直れもしたのでしょう。

この作品は西鉄ライオンズが「皆の希望」として引っ張っていったというストーリーになっていますが、もう一面として、”大人”や”社会”や”過去”と接しながら、ぶれなかった少年を中心に配することで、その少年もまた「皆の希望」であった、と表現しているのだろうなと思えます。
ユカリだけではなく、少年の周囲の人々は皆、少年のピュアさに未来の希望を見ていたと。

その分、由美子さん演じるユカリが言う、「変わらんもんもいっぱいある。変わったらいかんもんも、変わらないかんもんも」がそれぞれ果たしてどのようなものだったのか、なんだかちょっと唐突に感じもしたのでした。

ただ、理屈ではなく感情で受け取る舞台なのかもしれない、と二度見て思えたから、また1ヶ月後の大楽・湘南台で再会したときに、感情で素直に受け止めてみたいものです。

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