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『Live@クリエ~土居裕子&小原孝コンサート』

2009.7.31(Fri.) 18:30~21:00 シアタークリエ1列目上手側

開場以来、2年近く経つのに芝居では2回(「レベッカ」、「この森で、天使はバスを降りた」)しか行ったことがないこの劇場に、今週3回目。

すっかりお得意さんになってしまって、なぜかこの企画でシアタークリエの評価upしまくりです(笑)。

26日の由美子ライブだけはセットリストがまともですが、今回は28日同様、セットリストがアバウトなのはご勘弁いただくとして・・・確実に、数曲抜けてます。

というか、セットリストを終演後に1枚のチラシでいいから配ることとかできないでしょうかね。私の知る限り、やっているのは演劇集団キャラメルボックスだけですけど、ライブを振り返って余韻に浸るのには、ものすごく小さい投資でできる、いいことのように思うんですけどね。今回はライブのパンフもないわけですし、しかも今回は一回きりですから、セットリストが出て残念、ってことにはならないでしょうし。

・・・と言っていたら、公式サイトにセットリストが上がっていました→こちら

東宝芸能さん、素晴らしいお仕事振りです。

【1幕】
・ ハバネラ/カルメン
・ 踊り明かそう/マイ・フェア・レディ
・ Wild Bird/この森で、天使はバスを降りた
・ ジブリメドレー
  ・ 優しさに包まれたなら/魔女の宅急便
  ・ ルージュの伝言/魔女の宅急便
  ・ 君をのせて/天空の城ラピュタ
・ 童謡特集
・ こぶとり~おはなしのうたの一
・ 6月しとしと涙雨
・弾き語り For You ライブ版(小原さんソロパート)
  ・ 土曜の夜はバーボン・ストリート/ウィリアム・ギロック
  ・ エリーゼのために
  ・ もしもピアノが弾けたなら
  ・ UFO
  ・ 舟唄

【2幕】
・ トルコ行進曲
・ 波の歌
・ さとうきび畑
・ 父と暮らせば(朗読)
・ 一本の鉛筆
・ 花の街
・ ドリーム/シャボン玉とんだ、宇宙(ソラ)までとんだ
・ ふるさと with 月「かぐや」映像 by JAXA
・ アンコール
  ・ ボレロ
  ・ 私のお父さん
  ・ 逢えてよかったね

この「Live@クリエ」シリーズ、
26日の高橋由美子さんの「女神の歌声」に始まり、
28日の辛島小恵さんの「聖女の歌声」を経て、
31日の土居裕子さんの「天使の歌声」で幕を閉じました。

クリエの音響の素晴らしさに酔いしれながら、各日とも堅実なステージ構成で、さすがその辺りは東宝芸能さん、手堅い仕事をなさいます。

多分、単独で歌ってもきっと何とかなる顔ぶれ(28日だけはもっとgdgdになっていたかもしれませんが(苦笑))でしたが、それでもしっかりとした構成に支えられ、良さを全面に活かしたステージングでした。

この日は、コンサートでは初めて拝見する土居裕子さんと、全くの初見になる小原孝さん。土居さんは舞台としては「マリー・アントワネット」と「この森で、天使はバスを降りた」2作を見ています。

この2人の掛け合いが抜群に面白い。小原さん単独でもとても面白いのですが、何というのかお互いの波長が合ってるので、信頼し合ってるのがダイレクトに伝わってきます。それがなぜかクリエの最前列で見ているので、なんだかとても嬉しくなってしまいます。うーむ、現金だ。

1曲目「ハバネラ」は「カルメン裕子」として客席からスポットライトを当てて登場。「この森~」で夫役だった宮川浩さんがおっしゃっていましたが、裕子さん、何気に結構お茶目です。そいでもっておとぼけさんですから、卑怯です(笑)。

で、いっぱいいっぱい(本人談)で踊った「踊り明かそう」。

聞いたその時、「あれ、どっかで聞いたな」とか思ったら、昨日放送のNHK-BS「永遠の映画音楽」で、公開録画(7月17日収録)見たときに笹本玲奈さんが歌ってた曲でした。あまりに印象が違いすぎてちょっとびっくり(つか笹本さんに英語歌詞は合わないんですってば)。

5月クリエで上演されて、恐らく今回の「Live@クリエ」のこの日の実現のきっかけでなったであろう「Wild Bird」を経て、ジブリメドレーへ。

「突然ですけど、私ジブリのファンなんです」

姐さんいきなりすぎます(笑)

どれも良かったけど、この中では「優しさに包まれたなら」が一番良かったな。
ジブリアニメを一切見ない私ですが、土居さんの歌声はバックに背景を見せてくれるから好きです。

ここでいきなり、土居さんが昔「うたのおねえさん」をやっていたという話になり。

土「みんなー、元気-?」
客「(しーん)」
土「あれー、元気がないなー。もういちどー。みんなー、元気-?」
客「元気-!」

土居さん、「悪ノリしちゃいまして。」と言ってました(笑)
我に返って恥ずかしそうにしてた土居さんがすごく愛らしいです。

その後は土居さんがお休みに入り、1幕は小原さんのソロ。

NHK-FMで小原さんがパーソナリティで放送されている「弾き語りFor You」の生放送版という企画をされたのですが(ちなみに実際には放送されません)、放送を真似て「弾き語りFor You」と言ったときに会場から笑い声が上がり、「ここ笑うとこじゃありません」と冷静に突っ込んだのが何だか面白かった(笑)。

ちなみに小原さんと土居さんの出会いのきっかけは、この番組で8月の恒例行事となっている「愛と平和のメッセージ」特集で土居さんの曲をかけたところ、本人が聞いていて小原さんに電話をかけてきた、というものだそうです。

この小原さんの話の中で出ている「UFO」と「舟唄」。
前者はまさにピンクレディーですし、後者は八代亜紀さん。

これ、作詞家の阿久悠さんと小原さんが知り合ったときに、「小原さんは日本語でピアノを弾ける方ですね」と言われて、いつか阿久悠さんの曲をピアノカバーしたいと思っていたと。

「でも、いつかやるということは、
今やらないということなんですね。」

これは深い言葉だったなー

「言い訳は今をやり過ごすための口実」とは良く言ったもので、小原さんの人生経験の深みが表現されていて、じーんとくるものがありました。

「UFO」の時に土居さんが踊って出てきたらどうしようかと思いましたが(爆)、そういうこともなく1幕終了。

そういえば「UFO」の時のMCがこれまた秀逸で、「ある特定のお歳以上の方は反応されると思いますが」とか言って笑わせたあげく、「踊ってくださってもかまいません、隣の方にご迷惑にならない範囲で」と言っててそつがなさ過ぎます。

2幕はトルコ行進曲でスタート。
土居さん歌う歌詞が「だばだばだー」なんです(笑)
まさか1曲丸々それで通すとは思わなかったですよ。

朗読も交えた戦争関連の曲も、個人的にはどうもこの手の曲はそういう展開そのものが苦手なのですが、土居さんの人となりの大きさというのかで、自然に胸の奥に入り込んできます。

土居さんのコンサートは初めてなので、いつもこういう構成なのか分かりませんが、ミュージカル方面はほとんど歌われず、「土居さんの美声であんな曲も」という、会場の一部が抱いていたであろう夢は現実になりませんでしたが、土居さんの音楽座初期作品にあたるそうな「シャボン玉とんだ、宇宙(ソラ)までとんだ」から「ドリーム」。

多分これって、26日の高橋由美子さんのライブのデビュー曲「Step By Step」を聞いたときの由美子ファンの心情と、寸分違わぬ感情なんだろうなと思ってみたり。なんかそんな感情のシンクロを感じてしまう。

10年も15年も前の曲を、
過去を否定せずに”今の”自分で歌える。

きっとそれは、本当に限られた人だけに与えられた勲章なのだろうなと思うと、1週間という短い時間に、そんな出来事に2回も肌で感じられたことは、とてもとても感動するものでありました。

土居さんも由美子さんも、女優から入って歌もやっている、という点では共通する部分もあり、土居さんのコンサートを見ていると、「由美子さんが歌もやるようになった時の理想型」のようなものを感じたりして。目から鱗が落ちるものがありました。

2幕最後、月を周回していた「かぐや」の映像をバックにした「ふるさと」。
JAXA提供の、月から地球が出てくる映像は、素晴らしかったなぁ。

もちろん土居さんの歌もとても素敵で、映像の邪魔なんか一切しない。
それは小原さんのピアノにも言えて、映像の邪魔も土居さんの歌声の邪魔も一切しない。
お互いがお互いを讃え合って認め合って、お互いに頼りながら必要としながら、ベストを尽くす空間。

力まず騒がず慌てず、ただシンプルに「良いもの」を作るために協調してできあがったこの日のコンサート。

素晴らしいキャスト・スタッフワークにただただ感謝です。

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コメント

レポ、ありがとうございます。
私も詳しくはないですが、発売されているCDを観る限り童謡とか唱歌が歌われるのは予想がつきました。
ご本人ブログやら宮川さんブログやらを見ると、土居さんはどうやら相当に天然さんらしく、そんな土居さんに冷静に突っ込む小原さんの図が勝手に想像出来てしまいました。レポを読ませていただくと、やっぱりそんな感じで。

個人的には「女神」と「天使」は逆のような気がしないでもないのですが、たぶん私のイメージの中で「天使」より「女神」が大人な感じがするからでしょうか。

投稿: ぴらふ | 2009/08/02 08:45

ぴらふさん、コメントありがとうございます。

土居さんが天然という情報は既に仕入れてあったので、思った通りではありましたが、いきなりあの土居さんを見ると面食らうかもしれません(苦笑)。

土居さんが新妻聖子さんのラジオに出た時も、きっと同じような感じだったのでしょうが、残念ながらその週だけ聞き逃してしまいまして。新妻さんに突っ込まれる土居さん、という貴重なものを聞き逃してしまったのが返す返す残念でした。

「女神」と「天使」はおっしゃることはよく分かります。

今回のライブで歌声を聞いたときの第一印象が、由美子さんが「女神」で土居さんが「天使」でした。ただこれって、曲によって行ったり来たりするのですね。

お2人ともそこは共通していたのですが、凛々しい時は「女神」になり、優しいときは「天使」になる。その比重が、由美子さんは「女神」側が多くて、土居さんは「天使」側が多かったという印象だったりしたので。

その辺は、今まで見た役柄の印象というか、土居さんの「支える役」と、由美子さんの「自分で立つ役」との印象の違いかもしれません。

投稿: ひろき | 2009/08/03 01:59

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