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『苦情の手紙』

2009.2.13(Fri.) 19:00~20:15 博品館劇場

ずいぶんとご無沙汰しました。

仕事がとっても忙しくて、この日は休日出勤の振替でなんとか休みを確保。
仕事に出てたら平日の19時はたどりつけるかどうか不安だったんで・・・

今年の観劇初めは去る1月15日の新宿・シアタートップスの劇団HIGHT・LIFE公演『アケミ』(感想を書く時間がありませんでしたが、ハートウォーミングな素敵な作品でした)。この時の日替わりゲストが高橋由美子さん&山路和弘さんだったからですが、2作品めも引き続き由美子さんです。

この作品は毎日キャストが入れ替わる、PARCO劇場の『Love Letters』と同じような企画で、演出家が入った稽古が3時間1本勝負と、そんなところまでそっくり。

ちなみにこの作品の演出の中野俊成さんは、アイドル時代の高橋由美子さんと文化放送で仕事されたことがあるのだそうで、20年ぶりの再会だったそうです→こちら。演出家のお墨付きももらったこの回。

この日のキャストは、センターに石井一彰さん。上手側に紅一点の姐さん、高橋由美子さん。下手側に賑やかし役、花組芝居の植本潤さん。この中で共演経験があるのは由美子さんと植本さんだけ(『SHIROH』の寿庵役と甚兵衛役)

石井さんと由美子さんはお2方ともレミゼ・サイゴンキャストですが、時期がすれ違っているために初共演。
私自身は石井さんはフイイ、トゥイともに見てます。

この作品、そういえば去年、紅一点を木下あゆ美さんが演じたことがあり、どうしても都合がつかずに見送り、悔しかったのを思い出します。
木下さんの声も独特の色があるので、由美子さんの演じた女性(サカシタさん)と印象がかぶったかもしれないので、かえってよかったのかも。

けっこうネタバレ命風の作品なので、今後ご覧になりたい方でネタバレNGの方は回れ右でお願いします。






さて。

この作品の主軸は2つあり、センターの植本さんいわく「男1」と、その男性に苦情の手紙を出す女性との関係。
もう一つは「男1」と「男2」の数奇な関係。

今回のキャストは物語的なところは由美子さんが引っ張り、笑いどころは植本さんが引っ張り、男はその2人の間でおろおろ。

他のキャストを見てないので比較しようもないのですが、ホンもいいせいかテンポがよく、時間が早く過ぎます。人気作というのもなるほど納得。

台本がある故に緊張が見られた由美子さん(本人談)と、台本があろうがただひたすらにフリーダムな植本さんのコントラストがおもしろい。

じゃぁメインの石井さん(植本さんが「この芝居は石井君を売り出すためのものなんで」とぶっちゃけてましたが(笑))が薄いかというとそういうわけでもなく、必死に振り回される気の小さい男性役をうまく見せていました。間の取り方が上手いです。

この物語の中でタイトルでもある『苦情の手紙』は女性から男1へ大量に出されます。
「203号室の」で始まる手紙、私の部屋も203号室なので他人事と思えません(爆)

分単位までこと細かに記述される苦情の数々が、観客に思わせることとは

この女性は何というツンデレだ

であります(笑)

由美子さんは役柄的に、責められる役が多いのですが、はじけさせてナンボだと思ってるので、容赦なくマシンガンのように毒舌ぶっ放すのは見てて気持ちいいです。
あれだけの苦情を言えばイヤな女性に見えてきそうですが、どことなく「苦情を言うことでしか他人と関われない」哀しさが見えてくるようで、ちょっぴりしんみり。

”フリーダム”植本さん演じる「男2」は、「男1」が出会い系サイトに引っかかったサイト側のかもねぎつり上げ役。
実は女装の達人、植本さんの”七色の声色”であの手この手での出会い系メール再現に会場内大爆笑。さすが植本さん、胡散臭い役やらせると天下一品ですがな(褒めてます)

さすが「SHIROH」で寿庵を毎回笑いオチさせてただけのことはあります。
(植本さんと由美子さんはそれ以来の飲み友達ですが、「SHIROH」副音声いわく、「真っ黒トークなのだそうですが。)

そういえば植本さんが由美子さんについて

「もの凄い行動力の持ち主で、しばしば呆気にとられる。俺より全然男前。」

コメントしてて噴いた。

もっと噴いたのはこの記事、由美子さんの名前をリンクすると石井君のHPが開き、石井君の名前をリンクすると由美子さんのblogが開くことなんですが(笑)

由美子さんネタもう一つ

和服とクロックスってどういう光景なんだろう、見てみたい。
どこか世間一般とちょっとずれた感じの由美子さんの一面を見たようで面白い。

話を元に戻して。

実はひょんなことから「男2」から「男1」が仕事の引継ぎをした、元は同じ会社の人間だったことがわかり、”名も知らない人だから騙せた”男2はそんな稼業から足を洗うことにしたというのですが、実はそれは「男1」を騙すトリックだったという(笑)

「男2」から押し売り商法で変なものいっぱい買わされて、それをお詫びにと「女性」に持って行く「男1」が笑えます。

その時の「女性」の反応もなかなか。

羽毛布団だったのですが、

「羽毛2%、ナイロン93%、
じゃ、後の5%は何だっていうのよ!」

・・・いや突っ込み所間違ってます、姐さん(笑)

しっかし、ぼったくりモード満々ですねぇ。

夜遅くの階段の音が響くから、「22時までに帰ってこい」と厳命する女性の迫力に逆らえない男1。

しかしこの日の帰宅は23時46分(細かいよ姐さん)

なんと帰ってこない男1に業を煮やした姐さん、警察に捜索願を出してしまいました(笑)。

この日は東池袋でデート(このアパートは練馬区東大泉の設定)だったのが、実は男2の仕組んだ美人局の罠で、金目の物を全て巻き上げられて歩いて帰ってきた・・・・

警察沙汰になったことで会社もクビになり、男1の後任は男2という、何という運命の皮肉さ。

そんなこんなで男1はアパートを出て行くことになったのですが、引っ越しすることを告げられた時の女性の慌て方が、”本当の気持ち”を表現してたんだなぁとしみじみ。

誰が言ったか忘れましたが「『苦情』はコミュニケーション」なのだそうです。

人と人との関わりが薄くなる現代で「苦情を言おうとすること」、それが実は「他者と意識して関わろうとする意思表示」なのだそうです。

隣に誰が住んでいるか知らない、階下に誰が住んでいるか知らない、そしてこの「男1」と「女性」もおそらく一度も顔を合わせることなく同じアパートの住人という関係ではなくなった・・・

その後この「女性」がしたことは「苦情以外でコミュニケーションを取ろうとした」一つの形だったのかもしれません。

オープニングとエンディングの音楽以外、ほとんど全てをキャストの声だけで動かす朗読劇。
植本さんの飛び道具的声色にさんざ笑わされ、石井さんのいかにも弱腰な男の「受け」の声色と由美子さんの「強気なようで寂しがり屋な」女の「攻め」の声色が上手いこと絡み合い、実に満足のひとときでした。

またこのキャストで見てみたいなぁ。

「この3人では最後の」とか微妙に困ったことを言わないように、
石井君(笑)

「来てもらってありがとうございました」と言ってる石井君に
「お越しいただいて、でしょ?」と小声で注意してる由美子さん(笑)

終演後の挨拶、石井君のアップアップな状態(↑のような状態)に突っ込みを入れている由美子さんは、やっぱり姉御そのものだったのでした(苦笑)。

・・・かつての井上芳雄氏をフォローしていた「バタフライはフリー」をちょっと思い出したかも。
由美子さんの役回りはいきのいい若手の指導役なのかもしれません。

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コメント

ひろきさん 由美子さんが
ニッポン放送出演されるとのこと
わたしの地方では、ニッポン放送が
聞き取りにくいので
OAの様子教えて下さいね。
誰かyouTubeにUPして下さると
いいのですが
ここに書き込みをしてすみません。

投稿: てるてる | 2009/03/08 17:39

こんばんわ。

3/11の由美子さんのニッポン放送出演ですね。
私はPC使ってTV録画、ラジオ録音してるんです
が、今回は辛うじてぶつからないので何とか
なりそうです。

さすがに今回の作品は自社制作ということも
あり、今までではありえないぐらいの番宣
出演の多さですね。

どういう形にするかはわかりませんが、
何かしらの形で触れられればと思います。
(そのためには録音失敗しないようにしない
と・・・)

投稿: ひろき | 2009/03/10 01:52

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