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『篤姫』(5)

2008.10.19(Sun.) 20:00~45 NHK総合ほか

本編を生で視聴したのは前回、実に数ヶ月ぶり。

今回はようやくの唐橋登場回ということで、楽しみにしていました。

おおまか予想通りの出番でしたが、瀧山に紹介されたときの役説明がなぜか「御中臈」ではなく「御年寄」になっており(職階では「御年寄」の方が上、つまり重野と同格)、ちょっとそこだけびっくり。

NHKストーリーブックには「御中臈」ってなってたんだけど、まさか「御中臈」と「御年寄」の区別付かないでテロップ作ってるなんてことはないだろうなぁ・・・

唐橋演じる高橋由美子さんは基本的にかつらは似合う方なので(今まで見た作品で唯一の例外は水谷豊さんの奥さん役だった「潮風の診療所」ぐらい)、予告写真でも上手いことはまってましたが、実際に見てもまぁまぁの仕上がり。

瀧山、重野までの威厳はないけれど、他の女中よりはちょっと上の感じが上手く見えていて、初回としてはこんなもんかな、という感じ。

ただでさえ幕府が時代に取り残されつつある幕末に、将軍様もいない江戸城の、しかもさらにその奥の大奥が、いくら天璋院が英明な女性といえどどれだけの情報を掴んでいたのか、という点はいささかの疑問符が付くわけで。

その意味では、大坂の事情に詳しいという設定をもって何とか登場させられた唐橋の登場意義はあるわけですが、その回に家茂様は大坂城で亡くなってしまうわけで。

「公方様の様子を知るにも上方の事情に通じていれば好都合」という理由での唐橋の登場意義は、実はこの回(42話)限りで終わってしまったわけですが(苦笑)。

以前も書きましたが、唐橋のもともとの存在意義は、相当の部分が重野(一部瀧山)に持って行かれているわけで、既にここからどう存在感を発揮しようもないところもあるので、ある意味消化試合といいますか、制作発表に出てなければこのままなくなってたかもしれない役なぐらいな空気が存分にするわけですが。

実際のところ、番組冒頭のクレジットにしても単独キャストにしては最下位の場所で、「出さなきゃいけないから出しましたが。」という空気が強い印象。

何しろ大河二度目なのに、大河初登場のお琴(原田夏希さん)やお龍(市川実日子さん)より扱いが下というのは、いかにも登場時に色々な問題があったことを伺わせます。

誤解を恐れずに言えば、スケジュールの都合で出番が後になったこと(それにまつわる諸々の調整が必要になったこと)に対してNHKが罰を与えているような感じさえ受けます。

果たして今後出番らしい出番をもらえるのか、それともほどほどに空気で終わるのか。

嘆願書を届けに行く時は幾島に持って行かれるだろうし、本当の最後のシーン(天璋院が亡くなるシーン)のためにだけ存在する、とかならないように淡い期待を持ってみます。

ともあれ、42話を通してみるとお龍とお近(ともさかりえさん)の霧島での人妻語らいシーンが実に良い味を出しています。旦那に浮気されて「愛されてる気持ちになれない」と旦那を許せないお近に対して、京で夫の龍馬の危機に直面し龍馬を救ったお龍が、実に自然に諭します。

「生きてさえいてくれたなら、いいじゃありませんか」

死に直面し、夫のために身を張ったからこそ言える妻の台詞は、実に重くて。

夫の帰りを待ち続けたお近も、それは辛かったのだろうけど、夫の危険はどこか別の世界と感じていたお近にとっては、自らの立場(夫が愛人を作っている)を受け入れる効果的な話になっていたと思います。

しかも、この回は家茂が亡くなる回。

大奥から、天璋院が、和宮が、和宮の夫である将軍・家茂の快癒を祈り続けます。
唐橋が提案した漢方医の派遣も実らず、家茂はわずか二十歳(満二十一歳)で亡くなります。(なお西洋医がリウマチと診断したのに対し、漢方医は脚気と病名を正しく診断しており、意味がないわけではなかったのですが)

わかり合えなかった天璋院と和宮が、家茂の死に直面し、目と目で通じ合って崩れ落ちる姿。

家茂が将軍であるからというよりむしろ、身内の大切な人を失ったことへの気持ちの共有。

「生きてさえいてくれたなら」

そう、天璋院も和宮も思っただろうことを思うと、この回の脚本の巧みさが見えてくる気がします。

とうとう幕末へラストスパート。

家茂&和宮の「幕末ベストカップル」もこの回で終わり、江戸城無血開場、天璋院逝去までまっしぐら。
あと9回、気づいてみるとゴールはあともうすぐなのですね。

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