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『MUSICAL MOMENTS』

2008.9.20(Sat.)17:00~20:40 帝国劇場2階B席
/「ミス・サイゴン」

2008.9.22(Mon.)18:30~19:15 山野楽器銀座本店7階イベントスペース
/「MUSICAL MOMENTS」発売記念イベント

前半は「ミス・サイゴン」もう何回目か忘れましたが、確かそろそろ20回。
後半はアルバム発売記念イベント。

最近恒例の、1週間以内に2回見る大会、今回は新妻さん編。
ここのところ隔週で新妻さんと笹本さんのいずれかを週2回ずつ見ているということでして・・・(爆)

○新妻スナイパー登場

19日ソワレは新妻キムの見納め・・・のつもりで確保した回でしたが、照井クリス(新妻キムと案外合うんじゃないかと思っている大人のクリス。)との組み合わせを10月唯一の回(かつ、今回のサイゴン唯一のS席)として追加したため、ラス前の回となりました。

今回の再々演で、キムからクリスよりむしろ話題にあがることが多いのではというトゥイとの関係について少し。

この日見ていて、「愛していればわかりあえる」(@MOZART!)という言葉が不意に思い出されて、トゥイからキムへの愛情は「愛されているなら受け止められない」という感情だよなぁと思い至り。

トゥイに愛されることを拒絶したキムが、クリスへの愛ゆえにエレンに拒絶される

というのも運命の皮肉を感じてしまいます。

「せめて今夜はタムを連れに来て」という言葉の後、夜を徹してキムは待ち続けたのだろうかと思うと、キムに切なさ倍増。

そういえば、トゥイを「撃ってしまった」シーンの話。

先日見た笹本キムの回で、銃がトゥイの背中にすっぽり収まってしまい、あわれキムは銃を確保できないまま逃げざるを得なかった回があったのですが、この日の新妻キムはさすが笹本キムの上を行きました。

新妻キムは最近、クリスに対して弱々しいのですが、それゆえにトゥイに対しても正面から拒絶するような仕草は少なく、その意味ではかなり笹本キムに近づいています。

トゥイに対する「愛されるなら受け入れられないけど、大切な人であることに変わりはない」という心情ゆえに、「トゥイを撃って『しまった』」という感情表現が表面に出ています。

以前は新妻キムはトゥイを撃った後、トゥイが倒れてから駆け寄るパターンだったのですが、最近はトゥイが倒れる前に抱きかかえる、いわば「笹本キム方式」に変わっておりまして、先だって笹本キムが陥った罠をどうクリアするか、実はちょっと楽しみにしていたのです。

で、この日の新妻キムの達人技といえば、
トゥイのことを抱き抱えるんだけど右手で持ってた銃を、腕の中を通して左手ですっと引き抜いてたんですね。その様がすごく自然で。

ここ、本来は我に返ってタムを連れに行き、銃を(あの人の形見を)必死で持って行くキムというストーリーなはずなんですが、

もはや、
笹本キムは見失った銃を自分の手元に召還する魔術師

新妻キムは標的を抱きかかえながら、冷静に銃を回収する凄腕のスナイパーになっちゃってます(笑)

・・・話が進化してるんだか何なんだか、見る度にストーリー的には分からなくなっていくシーンです。
そりゃ、熱いのは熱いんでそれでいいっちゃいいんですが。

○「夢」の行き先

「ミス・サイゴン」という作品を見ていると、ふと忘れてしまうけれど実は重要なキーワードと思われる言葉、それが「夢」ではないかと思います。

アメリカ兵が戦場に絶望してうたかたの「夢」(意味合いとして「快楽」に近い)を求め、ベトナム女性がアメリカに連れて行ってもらうことだけを「夢」みる(こちらは「切望」とか「哀願」に近い)、そこを仕切るは隙あらば自らがアメリカ行きを実現せんとするエンジニア、これも「夢」(これは「野望」に近い)。
それら同床異夢が交差する「ドリーム・ランド」。

複数の「夢」の中が交差する中、その場に身を置くことになったキムも「夢があるのよ、果てない夢が」・・・と歌っているのですが、よくよく振り返ってみると、キムの「夢」の内容が表現されたシーン、タムが出現するまでは存在しないのではないかと。

「夢」という空想から嫌がおうでも離れざるを得なくなった時、皆「現実」と向かい合わざるを得ない。
それを象徴しているのがキムが自ら選んだ最後だったのではないかと思うのですね。

キムはタムをアメリカ人にする「夢」のために、自らが障害となる「現実」を受け止め、自ら最期を選ぶ。

クリスとエレンが導いた「援助しよう」という結論がどれだけ自分たちだけの「理想」であったかをキムの最期を見ることで知り、「現実」と向かい合わざるを得なくなるクリス・エレン夫妻。

タムをパスポートに、キムの兄としてアメリカに渡ろうとしたエンジニアの、アメリカ行きが閉ざされた「現実」。

キムはおろか、クリスとエレンまでも運命を変えてしまったジョンが、何も手をさしのべられない「現実」。

キムが「現実」を選んだことは、キムを知る皆が「現実」と正しく向き合わなければならない、ということを示しているようにも思うのです。

理想はいくらでも言えるけれども、戦時中だったからこそ「現実」と離れてはすべては絵空事。
この作品がいつも「生々しい」のは「現実」を這いつくばっているからだと思わされます。

○さて、舞台は日比谷から徒歩10分の銀座へ

2日間、間が開いて、7月に発売されたCD「MUSICAL MOMENTS」発売記念イベントin銀座山野楽器本店へ。

銀座山野楽器さんは7階のイベントスペースでCD発売記念イベントを良くやっているのですが、この種のイベントに参加するのは初めて。

入場券は予約先着順配布だったのですが、新宿店ではあっという間になくなり、銀座本店に聞いてみたらラッキーなことにまだ残っており、しかもその時に電話予約さえ応じてもらえた、たいそうありがたい話でした。

この日の入場は午前中に配布された入場整理券(予約品の購入時にもらった入場券をさらに当日、地下1階で交換した物)順ということで、仕事終わりではとても座席に座ることは叶わず(ちなみに座席数は約110、全部の定員が160)、立ち見での観劇となりました。

正直な本音を言ってしまえば、仕事帰りの立ち見は正直きつい・・・のですが、実際には待ち時間含めて1時間強でしたので、まぁ何とか耐えられた感じです。

立ちんぼだったので、握手会(後述)の頃には朦朧としていて何しゃべるか考えつかないぐらいでしたが(言い訳)。

閑話休題。
アルバムジャケットと同じ衣装で新妻さん登場。

19日ソワレ後のトークショーは、新妻さんにしてはテンション抑え目で、
最近は「お疲れでは?」と思う節も何度かある新妻さん。
(イベントがあると必ずその日の夜にupされていたブログは、最近では翌日になることも多いのです)

さすがにこの日はキムをやっていないだけあって、元気いっぱいでした。

お衣装は清楚な感じです・・・が、来てる人は今更騙されそうにありません(笑)
新妻トークの洗礼を浴びてない人はごくわずかな模様。(たぶん人数にして1桁)

男性女性半々ぐらい、女性は30代中心、男性は30代以外に、20代から60代まで、見た感じずいぶん幅が広いです。

M1.I'll never fall in again/プロミセス、プロミセス

このアルバム、『ミス・サイゴン』の共演者の中でも聴いてる人が多いそうで。
同じキムのソニンさんや、エンジニアの橋本さとしさんも聴いているそう。

その橋本エンジニアお気に入りの曲がアルバム4曲目のこの曲。

新妻さん曰く、「男の人はこういう曲が好きなんだ」という感想だったそうです。

つか、橋本さんはこの曲かけて自家用車で帝劇入りするのだそうです(笑)

M2.Light in the Piazza/Light in the Piazza

M2は同名のミュージカルからのタイトル曲。
舞台通りに歌ったらCDレコーディングスタッフが全員呆然としたのだそうです。

『聖子ちゃんに何が起きたの』って正気扱いされなかったと(苦笑)。

その時初めて、『舞台を見たことがない人には前提が伝わってないんだ』ってことに気づいたそうで、言われてみれば舞台から新妻さんを見ている我々には想像できない世界です。
むしろその辺りを、ミュージカルファン向けに偏らない作りにしたからこそ、このアルバムの出来のバランスが良い気がします。

ちなみにこの作品、「ぜひ再演したいので楽しみにしていてください」と力説していました。新妻さんにしろ、笹本さんにしろ勢いがある人は思いきった発言が出来ますよねぇ。

M3.on my own/レ・ミゼラブル

M3の後のMC
『悲しい曲だね』と、レコーディングの時にスタッフの人に言われたんですが、
『でもこの女の子死んじゃいますよ』って言ったら口をあんぐり開けてました。
(会場内爆笑)

『奈落の底に突き落としちゃいました』
(会場内大爆笑)

しかしこの会場、新妻さんの歌声を聞くには小さいというか、何しろ相変わらずのフルスロットルな歌唱にマイクですから・・・
この会場、歌に関してはマイクいらなかったんでは。

ちなみに、この日は以上3曲。
この日入らなかったアルバム内の曲は全部ライブ(11月15日に品川ステラボールで行われるライブ)では歌う予定だそうです。

その他トークより。

『私だけに』は何バージョンなんですかとよく聞かれるんですが、『オリジナルの権利(貸して)ください、って言ったのでそれ以上のことはわからない、と』、何はともあれオリジナルキーなのだそうです。

この日、入場者160人中、10人に未公開キム&タム写真(サイン入り)のプレゼントがあり、CDの中で一番好きな曲を言ってもらっていたのですが、そのうちのお一人がこの曲を上げており、

『いつか本舞台で拝見できるのを楽しみにしています』と言ったのはGJ。
会場内からも大拍手が送られていました。

ちなみにこの時の抽選は、入場整理券の番号を新妻さんがアトランダムに読み上げる方式なのですが、抽選箱さえない(笑)。

何しろ当選番号の決まり方がこんな感じで・・・

新妻さんが産まれた年が1980年なので「19」と「80」
今日の日付から「22」
1桁が出てないから「4」
30番台が出てないから「30」
ラッキーナンバーということでぞろ目の「88」

・・・何という行き当たりばったり(笑)

それでも実は最後の10人目は決めてきたそうで。

「Number sixty-six!」

・・・会場内がどよめくのも道理でして、これ「ミス・サイゴン」の1幕、ドリームランドでジジが引いた当たりくじの番号の言い方そのまんま。
Niceな盛り上げです。

新妻さんってば「ジジはお持ち帰りできませんが」とベタながらど真ん中の直球で会場内を涌かせます。

開始当初、『ちょっとの歌とたっぷりのトーク』と言った看板に誤りはなく、その通りの内容でした。

この後は握手会があってお開き。
緊張しちゃって言葉が出てこなかったのは、まだまだだなぁと。
先日ゲストに出てたときにメール読まれてたから、ネタにしても良かったんだよなぁ。
(NHK『ラジオビタミン』9月8日放送分)

ちなみにいかにも新妻さんらしい答えでしたので再録。

Q「今まで言われて『嬉しかった言葉』と『悔しかった言葉』は何ですか」

A「・・・(ずいぶん考えた末に)
『嬉しかった』のは舞台を見てもらって「感動しました」とか「良かったです」とか、そういう言葉。

『悔しかった』のは、まぁ本人に向かってそんな言葉は投げかけないと思いますが(まぁごもっともです)、舞台を見に来てくれたのに無言で帰られちゃうと「え、何かダメだった?何かお気に召しませんでした?」と思ってしまう」

・・・だそうです。
後者はなるほど彼女らしい返事で興味深かったりしたものです。

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コメント

初めまして。
いつも楽しみに読ませていただいている者です。
照井クリスを是非語って頂きたいな…でも観劇予定はなさそうだし…と100%あきらめていましたら、信じられないことに、なんとなんと!!(笑)
うれしくて初書き込みしてしまいました。
…ではこれからも楽しみにしています。

投稿: 華子 | 2008/09/23 01:03

華子さま、はじめまして。
コメントありがとうございます。

照井クリスはプレイベントで見て以来、実は気になっていた存在なのですが、ご存知の通りしばらくお休みされていたので、予定に組み入れられなかったのです。

今回のサイゴンキャスト中、未見キャストは知念キムと照井クリス(+ジジ1名)のみ...それなら新妻キムのマイラストと組み合わせちゃおうということにしました(本音は今期の新妻キムに合うクリスを探してます)。

土日で組むのに大変苦心しました。
そんな観劇は10月11日(土)のソワレです。

その節はぜひご高覧くださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: ひろき | 2008/09/23 01:46

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