『ミス・サイゴン』(4)
2008.8.3(Sun.)17:00~19:50 帝国劇場2階B席
2008.8.7(Thu.)18:15~21:05 帝国劇場1階A席
2008.8.11(Mon.)19:00~19:40
渋谷マークシティ1階オープンスペース
何の因果か週に2回も笹本キム。
日曜日は井上クリス、木曜日は藤岡クリスと、クリス相性比べの2回でもあります。
再演でベストカップルといわれた井上クリスとの組み合わせ。
それでいて今回の再々演で新たなベストカップルと一部で噂だった藤岡クリスとの組み合わせ。
正直に本音を言ってしまうと、藤岡クリスとはちょっとぴんと来ない相性でした。
再演の時の井上クリスとの組み合わせは、見た瞬間に”衝撃”を感じたほどの相性の良さでしたから、それに比べるとインパクトに欠けます。
というか藤岡クリスがのっそりとした感じで、井上クリスを見慣れた立場からすると-実はGIに近いのかもしれないけれども-違和感を感じてしまうのですね。
そういえば井上&笹本コンビのミーマイは来年6月帝劇の後、7月中日劇場(名古屋)だそうです。
この2回、ちょっとしたハプニングが諸々あったので、日ネタ中心に。
笹本キムはもともと段取り型タイプの女優さんですが、今回は毎回何が起こるかわからないぐらい、毎回の演技が違います。
○トゥイの乱入
・クリスより銃を抜くタイミングが遅いトゥイ(3日ソワレ)
・クリスの腰にしがみつくキム(同)
トゥイは3日が初見の石井トゥイ、7日が毎度恒例の泉見トゥイ。
トゥイはこれで全員コンプリートですが、乱入してクリスに銃を突きつける所で、トゥイが銃が抜くのが遅いのはどうなんだろう。
あそこはまさか銃を抜かれるとは思わずにクリスが不意打ちを食らうのが緊迫感があって好きなんですけどね。ま、トゥイが威嚇のために銃を出してるから言えることですが。
ここはクリスの抜くタイミングも役者ごとに違って、再演のデフォルトは「クリス出遅れ」で、井上・石井・サカケンともにほぼ同じタイミングだったのですが、今回は井上君がそのままのタイミングなのに対し、藤岡君はトゥイとぴったりと言うほど同じ。
トゥイが泉見君だと、威嚇とはいえ本当に撃ちかねない感じもするんで、「同時」はありかなと思う。でも「トゥイが遅い」はいくらなんでも違うと思う・・・
笹本キムはこのシーンで全体的に後ずさることが多くて、2日ともクリスの後ろに回ってました。がっしりとした体型の藤岡クリスは、ビジュアル的には「キムが守られてる」感じでいいです。
○同棲の承諾
キムが「いいわよ。」って答えるシーンです(サン&ムーン)
ここ、再演とずいぶん違うんですが、この言葉を発する時に再演時はほぼ皆、満面の笑顔だったのですが、今回はソニンの影響らしく、ほぼ全キムがここでは戸惑いの表情を見せています。何しろ一寸前に知り合った相手が「暮らそう一緒に」と言ったところでいきなりの承諾を満面の笑顔でするのは違うよなぁ、と思っていたんでここは納得。
ここ、キムがクリスに対して信頼したタイミングがずれているんですね。再演とで。
再演の時は「キムが純粋な少女だからってそこまで簡単にクリスを信用するのかい」みたいな感じでしたから、「かみのユニコーン飾るわ」と言ったタイミングが「キムの決心」と考えると、収まりがいい感じ。
○母は強し
トゥイを乗り越えていくキムの試練のシーンですが、
・トゥイに迫られたとき肱打ちで拒否するキム(3日ソワレ)
や、たまたまそういう動きになっちゃっただけなんですけどね。
トゥイはキムにとっては(元)許婚なわけで、トゥイに対してそこまで冷たく見えるのはどうなのだろう、と一寸思ってしまうのです。
が、4キムの中で実はトゥイへの愛情度が一番高いと思う笹本キム、とんでもないものを見せてくれました。
・トゥイが倒れる前に抱き抱えるキム(7日ソワレ)
タムを剣で殺めようとするトゥイに、我を忘れて拳銃を撃つキムですが、ここでトゥイが最後まで倒れなかったのを見たのは初めて。
何しろ、撃ってすぐキムが駆け寄り、抱きかかえているんですから(驚)
多分、あれはトゥイ死んでないと思う・・・・
トゥイを撃った時にはキムはタムのことしか頭になくて、撃った後で我に返ってトゥイを殺めたことに絶叫するわけだし、トゥイは”キムに撃たれた”ことしか分からずに死んでいったからこそ、キムの悪夢に”呪い”として登場するわけで。
倒れこむ前にトゥイは死んでいたと思いたい。
暴走もいいけど、あれはさすがにやりすぎじゃないかと思う。アングル的には下手すると「愛するキムの腕の中で死んでいった」ことが記憶に残る、まるで「逆・恵みの雨」状態だから・・・
今期の笹本キムにはトゥイへの愛情を感じるんですが、むしろ自らの手でトゥイを撃ってしまったからこそ、すがりつく先はクリスしかなかったのかもしれない、と感じます。
笹本キムの好きなところもう一つ。
「私にはあるのよ~」でとても強くなるのがいい。「命をあげよう」が感情マックスなのではない感じが成長したんだなぁと思う。むろん、力量的にそれができるようになったという意味も含めて。
○歌詞に初めて納得
クリスがラブラブモードで頭がいっぱいになったところの、ジョンからの冷や水。
・ベトナム政府は待っている 「だが」 アメリカは軍隊をよこさない
(7日ソワレ)
うん、すごくわかりやすい。
岸ジョンは変に台詞とか略さないのがいいです。あぁこうだったのかというのがよくわかる。
ここで「だが」を言ってたジョンは、再演からずっと誰もいなかった(少なくとも自分の観劇経験にない)のですが、ちょっと曲からは字余りになる「だが」の言葉、ベトナム政府がアメリカに見捨てられたという政情を端的に表現していて、今までで一番納得。
○命をあげる場所
キムが「命をあげよう」と歌う場所、あそこが「ドリームランド」の跡地ということを、先日ふと気づく(朽ち果てた看板が、下手側にぼろぼろになって立てかけられています)。
20回見て初めて気づいたのは、鈍いのか・・・
○生意気だぞ口を慎め
「荒海に投げ出され」をキムではなくエンジニアが歌う今期。
キムが「邪魔よっ」というかのように突き飛ばすキムがいたような記憶があるんですが、誰だっけ。
最近回数が多い笹本キムではお目にかかってないから、ソニンあたりはやりそうな気がする。
で、お題、これを今期本気で思ってしまうのが笹本キム>生意気だぞ口を慎め
だって本当にエンジニアによいこよいこしてみるみたい(笑)
その中でも筧エンジニアとの組み合わせが最強。
他のエンジニア以上に、キムに本気で腹立ててるからなぁ。
いつもより強烈に顎つかみかかってます、みたいな(笑)
○笹本キムは背が高い
意外に思われがちですが、笹本さんは背が高いのです。165cmということで、キムで一番小さい新妻さんと10cmも違います。
再演時もそうだったのですが、エレンとの背の差は、リアリティへの最大の壁。
それもあってか、シルビアエレンとのシーンで、笹本キムは妙に前屈み。
シルビアさんは笹本さんとさほど背が違わない163cmなのですが、意識してキムをエレンより小さく見せているのかもしれません。
ちなみに、再演の時はキムとエレンの背は圧倒的にキムが高く、
高橋エレン(153cm)はキムの誰よりも背が低く、
ANZAエレン(158cm)は新妻キム(155cm)以外より背が低く、
石川エレン(163cm)は笹本・松キム(いずれも165cm)より背が低く、
キム・エレンの12通りの中でエレンの背が高いのは3通りしかなかったのです。
(なお知念キムは162cm)
今期はキムが笹本(165cm)、ソニン(163cm)、知念(162cm)、新妻(155cm)
エレンがシルビア(164cm)、浅野・鈴木(163cm)、RiRiKa(162cm)
キム・エレンの16通りの中でエレンの背が高いのは8通り、同じが2通りということで過半数。
ビジュアル的な説得力という意味をもってしても、今回に一日の長があるのでしょう。
○はてさてここから渋谷レポ
閑話休題。
ここからは東宝ミュージカル初、オープンスペースでのイベントとなった「ミス・サイゴンin Shibuya」、行ってきましたのでレポを。
つか渋谷暑いよー
渋谷マークシティは気温以上に熱いよー
本音です(笑)
昼間は仕事があるので夜だけですが、仕事帰りにたどりついた渋谷マークシティは人・人・人で大混雑。恐らく500人ぐらいしか入らないイベントスペース(※)がほとんど人で埋め尽くされ、ほとんどのキャストの顔が見えない場所しか確保できず(でも橋本エンジニアは背が高いから見える(笑))。
※ちなみに昼夜合わせて3000人の動員だったそうです。
この手のイベントでは極めて珍しいことに、キムが2人いるというのが驚きで、製作発表以外で「ダブルキム」というのは全く記憶にありません。ファン感謝デーは終演後ですからキム1人しかいないのは当たり前ですし、プレイベントも新妻さんだけだったし。
「17歳で初めて~」を新妻キム&笹本キムでユニゾン、という世にも珍しいもの(※)が声でしか聞けなかったのは残念ですが、とにかく帝劇の舞台以上に全てが熱く、無料イベントとは思えないほどの大判振る舞い。
※笹本さんのブログで本人言ってますが「出会って5年目、初めて公の場で新妻さんと一緒に歌った」だそうです。やっぱり。
無論、昼もソニン&知念のダブルキムユニゾンでした(今日のワイドショーで流れるのはこっち)。
イベントはその「火のついたサイゴン」(青組アンサンブル/池谷ジジ/新妻・笹本キム)で始まり、キム&クリスのデュエット「世界が終わる夜のように」は意外なことに新妻キムとの組み合わせでの藤岡クリス。
藤岡クリスはイベントバージョンで突っ走りまくってましたが、必死についてく新妻キムがなんかいじらしい(笑)。
キムのソロ「命をあげよう」は笹本キム。
再演時には歌についていくのがやっとだった彼女も、今回は一皮も二皮も剥けて堂々たる歌唱で満場の拍手をさらっていました。
笹本さん自身はブログで「渋谷でキムデビュー」と書いていましたが、よく考えると先月、新妻さんが「渋谷でキムデビュー」している(NHK「今宵ゴージャス」)ので、テレビとイベントでメインを分け合った形ですね。
若手ミュージカル女優として常に比較されるお2人ですが、2人して自分のブログに2人並んでる写真をどかーんと載っけているのを見ると、なんだかほっとします。
新妻さんブログ→こちら
ちなみにこのお2人、噂によるとファンクラブイベントを同じ日(8月31日)にやるらしく、両方兼任のファンの人からは「踏み絵」と言われてました(笑)。
で、この日のイベント、笹本キムの更にその上を行ったのがサカケンジョンの「ブイ・ドイ」。
今まで聞いた「ブイ・ドイ」の中で一番良かったかもしれないというぐらい凄かった。
サカケンが声量があるのは今知った話ではありませんが、何か物凄いものを聞いてしまった感覚。
この日ここまで一番の拍手というのも納得がいきます。
トリを務めるのは大阪芸人、もとい橋本エンジニアによる「アメリカン・ドリーム」。
帝劇でさえほとんどない手拍子がここまで大きいのは野外仕様ですか?(笑)
このイベント、オープンスペースの割に帝劇リピーターが7割ぐらいはいると思われる(挙手をざっとみた感覚では)んですが、や、帝劇でこのぐらい拍手してもいいんじゃないですか、いつも。
ちなみにこの「アメリカン・ドリーム」、実はイベント特別仕様。
「miss、SHIBUYA!」まではいいとして、
「何でも買えるぜ、渋谷マークシティ」(会場大爆笑)
・・・・さすがは大阪芸人。
2000枚用意した特製うちわを昼間1500枚配ってしまい、夜にほとんど配れずみたいな話もありましたが(ちなみにうちわを帝劇に持参された方は、S席当日券(13,500円)が9,000円になるそうです(4名まで、1回限り)。つまりは常時得チケですね。)なにしろ初の試みで手際が至りきらなかったところは次への課題にして欲しいなと思います。
せっかくのオープンスペース、リピーターで前方が埋まっちゃうのも変な話。
初見の人をがっつり掴まえられるサイゴンの音楽だからこそ、初見の人を立ち止まらせられるイベント、期待してます。


Comments
ひろきさんこんにちは。
8/16-17「ミスサイゴン」観劇に行きまして、トゥイの乱入のシーンの銃が気になって観てしまいました(笑)
私が観た3回はすべてクリスが銃を先構えだったんです!
で、思ったんですけど、クリスはGIなのでトゥイがポケットに手を入れた時に、銃が出てくると体が勝手に判断して銃を構えるのではないでしょうか
前線には出ていないとはいえ、訓練を受けたGIと民間教育のベトコンとでは構えるスピードに差があって当然かと。
それとは別に、トゥイを打ったあと、
・倒れる前に抱きかかえてしまう笹本キム
・冷静にまぶたを閉じさせる新妻キム
の違いがあまりにもでびっくりしました
新妻キムは計画殺人みたいで怖かったりして(笑)
長くなってすみません。また読みにきますね
Posted by: 小凛 | August 25, 2008 at 04:52 PM
小凛さま、こんばんわ。
銃の出すタイミングは、再演の「クリスもたもた」に身体が慣れてしまったせいか、今回の「クリス優秀!」にはちょっぴり違和感です(笑)
新妻キムが「計画殺人」というのは新鮮な視点でした。トゥイを殺めてしまったこと自体に発狂してそうな笹本キムと、ある意味予定通りであるかのような新妻キムの反応は対照的ですね。
新妻キムは先週2回見てますので、気づいたこととかまたupできたらと思います。よろしければご覧いただければ。
Posted by: ひろき | August 26, 2008 at 02:39 AM