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『ミー&マイガール』(4)

2008.6.8(Sun.) 11:00~14:10 東京宝塚劇場1階4列目下手側

私が舞台を最初に見たのは1993年のことなので、今からもう15年も前の話(日本青年館での高橋由美子さん主演、『新アンの愛情』でした)なのですが、それ以来あまたの作品を見ながらも一度も縁のなかった世界が2つありまして、その1つが「宝塚」(もう1つは「四季」です)。

東宝作品を見ていると、何しろ「東京宝塚」が「東宝」ですので、宝塚OBはたくさん出ていますから、宝塚OBにはぜんぜん違和感はないんですが。
もう10人近くの宝塚OB見ているかなぁ。
森奈さん、一路さん、愛華さん、純名さん、涼風さん、月船さん、久世さん、香寿さん、思いつくだけで8人。

場所は日比谷の日生劇場の隣、シアタークリエの向かいということになるわけですが、いつも「有楽町」(要は帝国劇場)が多い自分にとって、この「日比谷演劇映画エリア」は心持ちいつもと違う気持ちになる空間です。

この作品は直近では2006年に東宝版として再演されており、その時は井上君&笹本さんのゴールデンコンビが定着するきっかけになったわけですが(共演自体は2004年の「ミス・サイゴン」のクリス&キムが最初)、ひたすらハッピーエンド、悪者一切出てこない、いかにもの古典的ミュージカルですが、好きなミュージカルの上位に確実に食い込む作品です。

そんなこともあり、初宝塚は月組で上演される、この『ミー&マイガール』になった次第。
ぶっちゃけてしまえば、東宝版の再演が待ちきれなくて宝塚版のチケットを取ったら、先月の帝劇『ルドルフ』でいきなり東宝版の再演(来年6月帝劇)が発表になって泡吹いたわけですが(笑)。

東宝版と宝塚版を比較するという禁じ手にトライしますが、予め申し上げておきますが、あくまで個人的な主観による好き好きですので、その辺はご了承いただきたく。

かつ、いつものネタバレモードです。

宝塚版を見てびっくりしたのが、東宝版と随所に歌詞が違うのですね。和訳そのままがどっちだかは存じ上げないのですが、東宝版に慣れたせいか、東宝版の方が好きかな。
(この文章は、東宝版お2人が「題名のない音楽会」で歌った動画を見ながら書いてます)

「ミー&マイガール」の「二人で『もっと』果てない旅へ」というところがこの作品では一番好きでして、『もっと』の物言いが笹本サリーのほとんどすべてを表現していると言っても過言ではないという…
ここ、宝塚版では「二人でハッピー」になってるんですね。
そういえば、この作品、「一人のラッキーより二人のハッピー」ってサブタイトルがあります。

ストーリーを簡単になぞってしまいますと、名門フェアフォード家の跡継ぎであることがわかった、下町育ちのビル(東宝版は井上芳雄さん、宝塚版は瀬奈じゅんさん)が愛するは同じ下町育ちのサリー(東宝版は笹本玲奈さん、宝塚版は彩乃かなみさん)。
マリア伯爵夫人からはサリーはこの家にふさわしくないと言われるが、ビルはサリーを忘れることなんてできず・・・

てな話。

東宝版を見ていたときは「一人のラッキーより二人のハッピー」ってサブタイトルは、あったことも忘れるぐらいだったんですが、宝塚版は歌詞にも「二人でハッピー」という言葉がある通り、ここがかなり重視されて演出されているような印象。

ビルは好みからすると宝塚版の瀬奈さんの方がいい感じ。来年の再演で井上君がどこまできっちり作ってくるかにもよると思いますが、2006年時点の井上君にはコメディはちょっと苦しい部分があって、笹本さんにずいぶん押されていたので、今段階で記憶を呼び覚ましても、ここは宝塚版に軍配を上げます。

サリーは非常に難しいところなんですが、1幕が東宝版の笹本さん、2幕が宝塚版の彩乃さんかな。

今回の宝塚のプレス冊子で彩乃さんがいみじくも語っておられるのですが、娘役の方にとって、1幕のような「下町じゃじゃ馬系」は苦手なようで、確かに見ていても魅力が前面に出ていないような気がしました。
笹本さんは「下町じゃじゃ馬系」は得意中の得意のキャラクター(地だからでしょうか(笑))ですから、ここはさすがに分が悪すぎ。

あの「すっげー」に笹本サリーのもう一つのコアがありますからねぇ(笑)

宝塚娘役出身で、あの手のを恥ずかしげもなくやれるのは、拝見したことがあるOBの中では森奈みはるさん(『花の紅天狗』でこれ以上のキャラをやってました)ぐらいかなぁ。
森奈さんの宝塚当時のことは存じ上げないのですが。

笹本さんは最近おっしゃられませんが、エポニーヌに受からなければ宝塚も考えた、と以前話していたことがあるのですが、基本は男役の系統だから、2幕の「女の子らしく」存在するところについては娘役トップの彩乃さんの方がどう見てもしっくり来ます。

つまるところ、彩乃さんが1幕で男っぽさを、笹本さんが2幕で女っぽさを上手く表現されれば、今まで以上に素敵な作品になるとは思うのですが、そんなことを言うのが超贅沢というぐらい、レベルの高い場所で東宝版、宝塚版ともに出来上がっているんですけどね。

宝塚版の銀橋も大階段もレビューも思った以上に楽しめて、音楽はもちろん好きなテンポの曲だし、「初宝塚」をほとんど意識することなく見られました。

彩乃さん演じるサリーはとにかく可憐で美しい。笹本さんの2幕最後の「おしとやかな女性として生まれ変わる」シーンが着せ替え人形的に似合っていなかった(大変失礼)のに比べれば、ありえないほどの可憐さはさすがにトップ娘役。


シーンによって男性と女性の役の区分けがわからなくなるのは、宝塚を見慣れていないからなのでしょうから、そこは致し方ないところではあるんですが。

この作品、東宝版含めて5回だか見ているんですが、今でも拍手のテンポがとりにくいのがこの作品のお楽しみソングにあたる「ランベス・ウォーク」(1幕トリ)。

客席に踊るように促すのは東宝版の塩田さんオリジナルなんだ(笑)と当たり前のことに感心しつつ、なんだか曲の動きに拍手がずれることにかけては私的にはこの曲の右に出る曲はない!と今のところ思ってます。

ビル、サリー以外ではジャッキーがいかにもな感じで良かったかな。
東宝版は宝塚出身・純名りささんで見たのですが、来年の再演版はジャッキーは樹里咲穂さんで見てみたい(実際に96年中日劇場版がそうだそうなのですが、これだけ映像化されていません)。

何しろあの「ウェディング・シンガー」のホリーですよ。井上君を誘惑するのにこれ以上の適任者がおりますでしょうか(爆)。ビルがスルーすることに違和感がないし(笑)。

宝塚版のジョンを見ていて、なぜか東宝版のジョンに石川禅さんが浮かんだ私。村井さんもジョンにぴったりだとは思うのですが、ご本人、ミュージカルはそろそろもういいみたいなことを劇場でおっしゃってたことがあるんですよね(ロビーでそういうことを語ってるといろんな人が聞いていますよ(笑)。その時のお話の相手はヒギンズ教授でおなじみ石井一孝さんでした。何の芝居だったか忘れたけど、笹本さんが出てた作品なのは間違いないです・・・と思ったら、日本青年館の「タナボタ」でした。岡さんが変な女装した年の(笑))

宝塚版はDVDがきちんと出るのが羨ましい。てかこの作品も宝塚大劇場での公演が今月DVD化されるのですが、欲しいとか思っちゃったりしてる自分(笑)。

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