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『ルドルフ』(2)

2008.5.21(Wed.) 13:30~17:40 帝国劇場 1F最後列中央他

10日以来2度目の観劇。

実は、前日の20日に昼夜とチケットを取っていたのですが、後輩がこの日付で退職し、その引継ぎ担当に任ぜられていたため、泣く泣くぶっちぎってしまいました。

それならばと急遽取った休み。マチネ、帝国劇場へ足を運びます。

ちなみに今日のレポはそれなりに長いです。

その理由は上の時間にあります。
この作品の上演時間は休憩含んで3時間弱です。

さて。

というわけで本編。いつものごとくネタバレですので、嫌な方は、後半まですっ飛ばしてください。

前回が2階席最後列中央(B席)、今回が1階席最後列中央(A席)ですが、あの帝劇の広い舞台を縦横に使っているので、スケール感を考えると、後方席が意外な程にお得感があります。
中途半端に高い、帝劇真ん中あたりのS席より、もしかすると満足感を感じられるかも。

この席で見る「愛してる、それだけ」(1幕最後の笹本マリーのソロ)は鳥肌どころじゃない勢いだし、「明日への階段」は初回以上に、井上ルドルフのオーラ全開。

”進歩的な皇太子”として民衆に嘱望されながら、皇帝である父、そして首相であるターフェに実権を奪われていくルドルフ皇太子。

ルドルフのどこが「進歩的であった」のかは、初回では見えてこなかったのですが、2回目を見てみると、公演中に井上ルドルフの存在感が増してきているのも手伝い、「自分らしい皇太子になるべき」とマリーに言われた言葉の大きさが、実にきっちりと表現されていました。

「皇太子らしく生きる」ことが、ルドルフにとっては苦しみ以外の何物でもなく。
それを強いる父・フランツ皇帝にも、妻・ステファニーにも、心を開くことはできず。
「自分らしく生きる」ことに踏み出せなかった自分の道を切り開いてくれた、

「自分らしい皇太子として生きる」という言葉。

マリーからの一目ぼれで始まったルドルフとの関係、
ルドルフがマリーを離せなくなったのも、わかる気がします。

ルドルフがハンガリー独立派と通じていたことが発覚した翌日のドイツ大使館での舞踏会。

ルドルフはあれだけ着るのを拒んだプロイセン・ブルーの軍服を着て、マリー・ヴェッツェラとともに現れます。

ルドルフはオーストリア・ハンガリー王国が利用されるだけのプロイセンとの同盟には反対で、何度もフランツから促されたのにもかかわらず、プロイセン・ブルーの軍服を着ることはこれまではなかったのです。

が、このドイツ大使館での光景を見たときに、なるほど、と思ったことがあるのです。

プロイセン・ブルーの軍服は、ルドルフにとっては「主義主張にこだわることはしない」気持ちの現れであり、自らの今までの生き方への終止符。

自らの国が時代に乗り遅れぬよう、必死に国を変えようとしてきたルドルフが、挫折を味わった時に、「マリーと一緒に舞踏会に出る」ことと、「プロイセン・ブルーの軍服を着る」が同時に併存していることに興味深いものがあります。

つまるところ、自らの主義主張、そしてもちろん自らの立場を捨てても、マリーが大切なのだということ。
その気持ちこそが、マイヤーリンクへの2人の旅立ち、だったのかもしれません。

ブログめぐりをしていると、マリーの役どころは賛否両論で、比率的には「否」が多いかなと思います。

マリー役は「好きで好きでしょうがない」という”若さ”を見せる女性のように思われるのですが、笹本さん自体、年齢不相応なほど、演技が若くない(裏を返せば「堂々としている」とかいうのですが)という点があり。
また、演出の亜門さんのスタンスとしてマリーは「大人っぽく」がコンセプトらしいので、ミュージカルのメイン客層を占める女性層に、”この”マリーで「不倫」を肯定してもらうのには、ちょっと無理があるのではないかなとは思います。

しっかり者キャラが定着しすぎたのかなぁ。
若い未熟さを若い時に表現できなくなるというのも、何と言うか、気の毒と言うか、もったいないというか。

25ぐらいの人が演じるまでの役を全部笹本さんが引き受けていますからね。
ま、実は今回のマリーは18歳って設定で、ルドルフとは一回り違うんですが、そう見えない(笑)

女性のお客さんからはその意味でおいしい役どころはステファニーになるのですが、知念さんは役にはあっているものの、それ以上の段階までは踏み込めず、チャンスを逃しかけているのは気になるところ。ここで準ヒロインがヒロインを食うようにならないと、年齢的にも厳しい時が続くでしょう。

なんだかこの日。ルドルフが井上さんということもあり、ステファニーを見ているとコンスタンツェに見え、マリーを見ているとナンネールに見えたりして。

知念さんはナンネール役を噂で聞いたこともあるけれど、あの声質は合わないと思っていたので(由美子さんと同じ張り上げ系の声でも、知念さんの発声は聞いていて安らぐような声調ではないので)、夫とのすれ違いで夫を救えないキャラという、今回のステファニーと同系統、コンスの方が合うような気がします。確かあまり踊れなかったと思いますが(余計か)。

しかしこの作品、音楽を聴いていると、妙に昼メロみたいな音楽が押し寄せてくるかと思いきや、「愛してる、それだけ」とか「明日への階段」みたいな昼メロとは全く縁のない曲も出てきて、面白いは面白いんだけど、いずれにせよ後に残らないのは何でなんだろう。
聞き倒して楽しむタイプのこの手の作品、CDが欲しいと毎回思うんだけど、今回も多分CD出ないんだよなぁ。

何にせよ、平日マチネにして1階はほぼ9割近い入り、3回目のカーテンコールでスタンディング8割ですから、リピーターは掴んだような感じで、千穐楽に向けて中々いい空気になっていると思います。

あと2回、25日ソワレはもちろん、毒舌コンビ司会の女性ゲストファン感謝デー狙い。
30日マチネでラストにする予定ですが、1日は日曜だし、当日券も考えようかな。

帝劇1階奥には、井上&笹本コンビにて「ミー&マイガール」の再演(来年6月)の告知もあり、舞台写真も掲げてあり、このコンビ好きにはたまらない今月の帝劇です。

ちなみにこんな動画もありますが→こちら



さて、閑話休題。

この日はマチネのみの公演ということで、公演終了後に「笹本玲奈の小部屋」が開催。

午後5時から午後5時40分まで、2階喫茶室に「小部屋」ならぬ椅子が50脚並べられました。

と、こんな詳細に書いてる時点でわかりますが、なぜか当選です(笑)

無論、狙ってこの日に休みを取ったのですが、この手ので当選したのは初めて。

定員50人の中で3人が当選に気づかずに帰り、残り47名。

夫婦が3組ぐらいおられましたが、男性1人というのは私だけで、しかも最前列中央って何の話ですか(爆)
↑そこにいた人はこれで絶対人が特定できる

客層からして想像通りというか、井上さんファンが多数で、浦井さんファンがいて、新納さんファンがいて、岡さんファンがいて・・・みたいな構成。
私は笹本さんファンと答えましたが、あの感じだと超少数派でしょうね(最前列だから後を振り返れない)。

あの場ではきっと数少ない笹本さんファンだから、最前列もありがたく頂戴しました(別に選択権は無いのですが)。

井上さんファンにしろ、浦井さんファンにしろ、新納さんファンにしろ、相手役として笹本さんという存在は実に羨ましい存在だと想像するのですが(実際にブログでも何箇所もそんな記述を見かけます)、無用に嫉妬されずに、むしろ頼りにされているのは上手い役回り。

男の私から女優さんを「いい女優さんだなぁ」と思う時、その相手役の男性俳優さんを「羨ましいなぁ」とは思っても、「あれだけ凄い役者なら嫉妬とか抱きようもないや」と同時に思ってしまいます。
多分、それと同じような感情でしょうね。

井上さんより実は6つも年下(浦井さんよりも4つも年下)なのに、この作品でマリーがルドルフを叱咤してるところ、普通に同年齢程度に頼りがいがあるという不思議。

「小部屋」へこの日、緑色のワンピースで登場した笹本さん。

喫茶室側に東宝演劇部の男性が司会で座り、向かって逆側に笹本さん、その左にHDDプレイヤー&ディスプレイ(つまりビデオ上演用)。
事前に応募用紙に書かれた質問に笹本さんが答えていく形で進行します。

その間に、作曲家・ワイルドホーン氏が笹本さんを絶賛しながら笹本さん(すっぴん←本人はそのビデオを本気で嫌がっていた(笑))がワイルドホーン氏と会話するビデオが流れ、今回共演している浦井さんが笹本さんを語る、でビデオが流れます。

ビデオからいくつか。

●「英語はできるの?」byワイルドホーン氏
本人即答「できません」。

「ぜひ一緒に仕事をしたいから英語を勉強してくれ」とのことで、翌日に英会話学校に申し込みに行ったそうです。
今はとても通う時間がないので、「ミス・サイゴン」本番中に通うつもりだそうです。

※動画前半は東宝公式「ハプスブログ」と同じものでした。
以前なら井上さんだけにコメントもらうところなのでしょうが、笹本さんも同じ賞(読売演劇大賞杉村春子賞)をもらったということで、今回からは同格(両主役)のポジションになっていますね。

●「飲ませ上手」by浦井さん
「ルドルフ」トークショー用の打ち合わせの一コマ。

「自分はお酒があまり飲めないので」、みんなしらふだとつまんないから(笑)、浦井さんに飲ませちゃったら、真っ赤になってました(会場内笑)

さすがブラック属性・・・
井上さん、新納さんに隠れて気づかれませんが、笹本さんは何気にブラックです(ピーターパンの演出をされた女性演出家・鈴木裕美さんもそうおっしゃっています)。
ホワイトに見せかけてブラックなあたり、グレーって感じかも。

昔うちのご贔屓さんがアイドル時代に、とある少女漫画家さんが「『女の子』であることを無意識に利用している感じ」って表現してたことがあるんですが、なんとなく通じるものを感じます。

●「腰に手を当てる」by浦井さん
1幕最後、一緒に出ていた香寿たつきさん(ラリッシュ役)と浦井さん(ファイファー役)と笹本さんで帝劇のエレベーターに乗る。

「今日も凄く良かったね-」って浦井さんが褒めると、「やー、今日はだめだなー(声が出てないなー)」とか笹本さんが腰に手を当てて返すらしい(笑)←話してる時、本人実演付き(大受け)

本人曰く、「毎日、今日は良かったですよー、とか言うのもおかしいじゃないですかぁ。」(笑)
うん、ごもっとも。
でも、おやじみたい(笑)、基本、女優さんは男前なほどいい演技するけれど。

●「浦井君は2時間前に会場入り」by司会さん
浦井さんのビデオ終わった後、司会の演劇部某氏が浦井さんを絶賛して曰く。とにかく真面目。
2時間前に来ていて、入り時間が違ってるのかと思ったら、その時間からダンス練習したりアップしたりしている。

・・・と会話しているのだけれど。

この話をしているときの笹本さんの様子がなんだか挙動不審。
自分に話が振られるんじゃないかとびくびくしてる感じ。

で、席の後方からも「何かを知ってる人たち」の空気が伝わってきます。
そう、基本、出待ち&入り待ちの皆様が多いので、笹本さんの入りの時間は当然、皆様ご存知なのですね。

そしてこういう空気になっている以上、そして思わせぶりな演劇部某氏の話の振りからして、ほとんどの人はその事実を知っている・・・・

笹本さんの入りは、

”30分前”だそうです(笑)

いたずらっこが怒られるときのようなびくびくした感じの笹本さんは、この日、舞台&このイベント含めて、ただ唯一、この瞬間だけ、年齢相応でしたとさ(笑)

「朝忙しいんですよぉ」「朝ヨガとかやってるんで」と必死に弁解していました(爆)。


質問からいくつか。

●「共演者が汗っかきだと大変じゃないですか?」
会場内爆笑、本人撃沈。

無論、この「共演者」とはルドルフ皇太子殿下・井上芳雄様のことでございますが。
「汗をあれだけかくのに汗臭くない、それはすごい。」と予想外のお答え。
いい香りがするらしい。へぇ。

●「役を引きずりますか?」
本人はひきずりまくる。この「ルドルフ」ではひきずってる人が多いらしい。

「カーテンコールでは笑顔でと初日に亜門さんに言われたが、仲々そうはできなくて。」

「知念ちゃん(里奈ちゃん、と言ってたかも)とは屋根でも一緒だったし、その時(かサイゴンの時かははっきり覚えてないです)は雑誌を交換したり普通に恋ばなしたりしたけど、今は朝、挨拶するだけ(苦笑)」
別に役作りじゃないそうですが、結果的にそうなっちゃってるらしい。

そういえば、ルドルフ組のサイゴンは、来週から始まるそうです。
つまり、5月最終週は、ルドルフ本番とサイゴン稽古の並行、ということだそうです。

●「共演者の井上君(質問のまま)とのお芝居はいかがですか?」
もう5回目ですかね。
(ちなみにサイゴン、井上君のコンサートとミーマイに今回なので、実は4回目)

(司会から)「井上君のブラックなところが好き、ってファンの人が言ってるんですが(笑)」

「あぁ、仲間内では「毒舌王子」って言われてますね(笑)」

「日々の気持ちで私が芝居を変えても、どんなときも受け止めてくれる。」
それが嬉しいし頼りになる、と。

「身体が柔らかい。何しろ1人アレグリアの人ですので。(笑)」
同じアングルでやろうとしたら誰もできなかったとのこと。

笹本さんのblogで超短期公開されていた、1人アレグリアの写真が、パネル化されて公開されていました。
「パネル化された」という事実そのものに笹本さんが突っ込みを入れていました。
「引き伸ばすような写真じゃないですよ(笑)」


これで実はトークの半分ぐらいしかないという、けっこう濃いイベントでした。
お土産ということで笹本さんのサイン入り(マリー)の写真をいただきました。

実際のところ、別に帝劇1階席使ってやってもいいようなイベントな気がしましたが、帝劇の舞台は広いので、イベントとはいえ司会ともう1人、とかだと間が空きすぎるのかもしれません。

それに1,209席の1階を使うと、それほど人が残らなかった時にというリスクを慮ったのかもしれません(2階から1階へ移動させるのも相当無理があります)。

笹本さんは銀河劇場で12月にソロコンサートをやりますが、もともと名前を出してのソロコンサート(吉野さんと東山さんも出られますが)と、こういった芝居では、”笹本さん目当て”がどれだけいるか読めないところですしね。

現実、笹本さん目当ては私以外で多分10人ぐらいだったと思いますし。

でも共演者のことを笹本さんにしゃべってもらおうとする人を過小評価していたと思われ(笑)、そんなことを横においても笹本さんの人柄というか、アットホームさが感じられ(芸能人と2m以内というのはさすがに初めての体験でした)ありがたいイベントではありました。

舞台の上に立ってる方は、離れて見ていてナンボ、近づけばそれだけ落胆する。とかよく言われますが、人柄も思った通りに素敵で、期待を裏切らない素晴らしい女性だったことは嬉しかったです。

そんな笹本さんを前にして、私も「ルドルフ」に出てる中では笹本さんのファン、ということで贔屓さんは別なのでごめんなさい、って感じなんですが(笑)

そいでもって笹本さんのファンとか言ってFC入ってなくてごめんなさい、って二重に謝ってみたり。
そろそろ考えようかな、FC。

そういえば笹本さんのブログに載っていたその時の写真とご本人のコメントを見て思い出したこと。→こちら
笹本さんのおでこはこんなに大きかったんだ、というのが生で見た一番のびっくりでした(苦笑)。
重ね重ねごめんなさい(笑)

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