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2008年2月

『篤姫』(2)

江戸大奥編の出演者発表記者会見で一度書いたきり、このお題で書いていなかったのですが、実はコンスタントに検索キーワードランキングに入ってくる「篤姫」。

実は、1回からずっと視聴継続中です。
大河ドラマを続けて見るのは、「毛利元就」でさえなかったことで、自分自身が始めての出来事です。

去年年末から年始にかけて原作を読み、ガイドブックも3冊揃えて、いわゆる即席「篤姫」ファンとなったわけですが、見ていて肩がこらないのが視聴が続く理由なのかもしれません。

主役の篤姫を演じる宮崎あおいさん。ドラマで見るのは初めてですが、舞台では「星の王子さま」で岡田さん@元マリウスと共演しているのを拝見しております。おきゃんすぎるきらいはあるものの、今週の放送で見せた広川(板谷由夏さん)への啖呵はかっこよかったなぁ。広川の呆然とした表情も良かったけど、自分を育ててくれた、今は亡き菊本と、心の支えの母親の手紙で、自らの覚悟を見せるところが、無理がなくて良かった。

啖呵を切った翌日、食べ物で機嫌良くなって城の者達を安心させる辺りの流れが、無理がなくて。

結果的には、「分家の出」と嘲っていた城の者に威厳を見せて、その翌朝に機嫌を回復させてるあたり、人の上に立つ者としてはさりげに仲々のやり手に思えます。(単に姫様が勝手にへそ曲げて怒りまくってただけのような気もするけれども(笑))

菊本といえば、自害シーンがどうにも中途で終わってしまったもったいなさはあるのですが、手紙で「姫様が余りにご闊達で、先を案じたのも2度や3度ではありません」と書いて於一が苦笑するところがあったのですが、「1度や2度」ではなく「2度や3度」になっているところが、脚本としてさりげないスパイスになっていてお気に入りの台詞です。

何というのか、於一にしても「手こずらせた」ことを自覚せざるを得ないなぁという苦笑という感じで、この辺りの表情の呼吸は、宮崎さんは上手いです。

ここ数週間、ストーリーの幹として物語を支える母親・お幸の方(樋口可南子さん)が実にいい。
姫に呼ばれお城に上がるお近(ともさかりえさん)に手紙を渡すとき「元気なら渡さないでください。気落ちしているようなら、渡してください。」という言葉を添えていたのですが、ここでお近は手紙を於一に渡しています。

ということはすなわち「気落ち」が分かったということなわけで、城に入り緊張ばかり(自分は「地獄」とまで表現している)於一にとって、目の前にいるお近にも、隠し立てできないし(しかもしてもしょうがないし)、遠く離れた母にも、お見通しということがわかるということで。

どこかの本で見たことがある表現ですが、「遠く離れているのに、心は通じ合ってるように思えて、心の中が温かくなるような感じ」が上手く表現されていたように思えます。

なんかベタなんだけど、言葉の間と間にある空気の表現が、この「篤姫」の作品では、すごく柔らかく感じます。

まぁ、今週最後に教育係の老女・幾島(松坂慶子さん)が登場しているわけで、以後今までのようなハートフル大河ではい続けられないのは分かるのですが、登場するどの女優さんもいい感じで地力を出しているので、眼福ものです。

先週の話ですが、「篤姫展」が東京大手町・ていぱーく(逓信総合博物館)で開かれていました(会期は既に終了)。この施設は日本郵政・NHK・NTTの3社の合同博物館で、大河ドラマについては必ず2月に展示会をやるのが恒例になっています。

江戸東京博物館で開かれている展覧会よりは明らかに小規模なようですが、こじんまりながらもコンパクトにまとまっていて、宣伝PR動画やら人物説明図やら、短い時間ながら楽しめました。

ここでは夏以降の江戸大奥編の人物紹介図も出ていまして、江戸大奥の総取締役・瀧山(稲森いずみさん)が中央左側、そのすぐ右横に篤姫付老女・唐橋(高橋由美子さん)の写真も出ていました。

人物紹介図のど真ん中に2人並んで出ていたのでよくよく振り返ってみると、この2人、女優としても役としても瀧山が上とはいいながら、実は2人とも「御年寄」(幕府では老中に相当し、将軍への謁見も許される)だったりする訳で、唐橋もけっこういい役どころなのかも、と楽しみにしています。(原作ではそれなりに出番があり、恐らく篤姫に最後まで付き添う役職者なのは間違いありませんし。)

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ウェディング2題

2008.2.24(Sat.) 日生劇場 1FS席(上手側) 17:00~20:00

土曜日は会社が退けてから、日生劇場「ウェディング・シンガー」ソワレへ。
結局1週間の間に3回見たことになり、週間同一作品観劇記録タイに並びました。
仕事も忙しくてこの日がmy楽になりそうですが、なんだか誘惑にかられそうな予感も。

2回はB席2階での観劇でしたが、どうしても1階で見たくなり、東宝テレザのネット予約で席を確保。
席番も事前にわかり、7-11受け取りができるので重宝してます。
幸か不幸か、大人気公演がなくなって、見たい作品をいつでも見られるのはありがたいです。

進化する井上君の演技、いわゆる「黒い」彼にはぴったりに見えてきます。
つい2年前、同じ山田和也さんが演出した「ミー・マイガール」で笹本さんのパワーに
圧倒されていた彼はもうそこにはいません。

経験に乏しい上原さんを立派にフォローしながら、目立ちまくる樹里さんのパワーも受け止めるかのよう。
いい役者さんになったよねぇ。

それにしたところで、上原ジュリアが笹本サリーに、樹里ホリーが純名ジャッキーと印象がかぶってしょうがない。
目立ち方は作品で全く逆だけど。

1階で見たかった最大の理由は「回りを気にせず拍手できる」からなのですが、はて1階に行ってみると、公演時間の2、3割は拍手してるんじゃ、って感じで、幸い両隣が拍手派だったので気持ちよかったなー

まぁ30代半ばの男が1人でこれを見るのは世間一般的、客観的には上原ファンにしか思われないんだろうけど、実はそうじゃないのは不思議。

となりはおばさんで、もう片方は制服の女子高生でした。どんな光景だ(笑)。

カテコも5回、完走して地下鉄日比谷駅の入り口から地下に入ったのはちょうど20時。
カテコ10分以上やってる計算です。

(大爆笑の24日のトークショーの動画を見つつ書いてます。新納さん黒すぎる・・・)

しっかし、CD欲しかったな・・・


そして自宅帰着後は、高橋由美子さん2年ぶりの2時間ドラマ、テレビ朝日系・土曜ワイド劇場
「和菓子連続殺人事件」。
2004年5~6月、「透明人間の蒸気」と「真昼のビッチ」の間に撮った作品のお蔵出し。

「ウェディングシンガー」は、結婚式当日に女に逃げられる男が主人公の話ですが、
「和菓子連続殺人事件」は、結婚式当日に男に逃げられる女が主人公の話です。

・・・別に狙ったわけではないのですが、何たる組み合わせ(笑)。

基本的に2時間ドラマは出演者に不祥事がない限り、必ず放送されるという話ですが、さすがに4年経って放送されたのは自分の知る限り由美子さんのドラマでは最長記録。

昔、フジテレビ系「洗濯屋探偵団」がキー局で放送されずに、地方局のテレビ大分が購入して大分だけで放送された珍しいエピソードさえありますし、観光地などで撮影協力になるフィルムコミッションに載った作品でも、放送されていない作品はいっぱいあるわけで・・・・

実はこの翌週も蔵出し作品・・・予算でも使い切ったんですかね。

この作品の撮影が行われた2004年、由美子さんは舞台に5作品出演する中、「透明人間の蒸気」(~4月)と「真昼のビッチ」(7月~)の合間に撮影されていますが、相手役の葛山さんはもっと壮絶で、「燃えよ剣」(上川さんが主演で明治座でやってた舞台ですね)の千秋楽翌日が、佐賀ロケ初日だったという・・・・

それで4年間据え置きって、役者さんって大変だなぁ、と思わずにいられません。
ご自分の努力でどうしようもない部分って、本当にあるんですねぇ。

脚本的にも何だかぐだぐだというか、和菓子がおいしそうなのと、30歳の由美子さんが今よりも若々しい(でも実は舞台の34歳の歌舞伎町系の方が若々しいのは不思議)が嬉しいぐらいで、そうじゃなきゃチャンネルすぐ変えてますね・・・

ただ、ここまで台詞が多い作品は見たことがないかも。
ストーリーテラーで恐らく喋ってる時間だけで30分以上あるはず。
久しぶりの台詞満杯と笑顔は嬉しいのですが、いかんせん中身が・・・・

火曜サスペンス劇場の終了とともに7作続いた日テレ系「軽井沢ミステリー」シリーズも終わり、フジ系「年の差カップル刑事」シリーズも終わって、そういえば2時間もののシリーズ物はない状況が続いています。
ちなみに「軽井沢ミステリー」は放送当時、”20代の女優で唯一、サスペンスのシリーズ物主演を持っている人”という評がされていました。
この数字(12.2%)じゃ厳しいかもしれないけど、シリーズ物、欲しいところですねぇ。


翌日、新宿コマで「星屑の町」を見ていて、客席から聞こえてきた「昨日の土曜ワイド劇場とは別人みたいだね」という言葉がなんだか嬉しかったり。

普通の視聴率程度であっても、テレビの影響力って何だかんだ言ってもあるんだなぁ、と思ったひと時でもありました。

まぁ、やっぱり由美子さんは舞台で見てナンボだなぁとは改めて。
25日マチネ、由美子さんのオープニングのあの衣装(→こちら)まで2m。
心臓によくない(笑)。

お知り合いが続々観に来ているようで。

瀬戸カトリーヌさんからは「見た目は25歳でズルい」と言われてます(笑)。
こちら
共演経験ないけどお酒友達ということで、堀内敬子さんつながりかな。

ちなみにピンクの電話の清水よっちゃんの相方、竹内都子さんは
ハローナイツのお1人、菅原大吉さんが旦那さんだったりします。

「mozart!」で共演されていたhiroさんも観劇されたそうですね。
(ご自身の携帯サイトより)
そんな共演者同士のつながりを聞くと、なんだか温かい気持ちになります。

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『ウェディング・シンガー』(1)

2008.2.17(Sun.) 17:00~20:20 2F B席最後列 日生劇場
2008.2.19(Tue.) 18:30~21:15 2F B席中盤列 同上

同じ月に2つも当たりの舞台に遭遇すると、スケジュール調整に困難を極めます。

前売り時点ではチケットを確保せず、評判を確認してチケットを確保。

17日の夜の回がトークショー付ということで、”両手に花”の上原ジュリア&樹里ホリーの組み合わせということでここにターゲットを絞りました。

が、この日は前々から新宿コマの「星屑の町」を取ってあり、掛け持ちが不可能でした。
新宿コマと日生は時間帯がずれているため、新宿コマ1幕だけでも、と検討しましたが実際問題として不可能。

結局、「星屑の町」はこのときの他に2回取ってあることもあり、結局嫁ぎに出して(事実上、下取りに出したようなものでしたが・・・)、日生に行くことにしました。

ところがその辺の調整が上手くいかずに、すんでの差で19日の夜も取ってしまい、「まぁ楽しいからいいかっ」と思い直して、2回行くことにします。

見た印象をつらつらと。

とにかく「楽しい」のは間違いないです。
ミュージカルでこれほど笑ったのは久しぶりだし、大好きな「ミー&マイ・ガール」ともまた違った楽しさを感じられる作品です。

歌詞のブラックさは「GOLF THE MUSICAL」に似てます。

上原ジュリアが歌う「ゴミ溜め」なんぞ最強です。
(公式HPでは出し惜しみせずに動画を出していますのでお茶の間でも笑えます)

動画こちら

オチをつけずにはいられない作詞家みたいですね。さすがミュージカルコメディ。
コミックソングの嵐です。

盛り上がり方は「ダンス・オブ・ヴァンパイア」に似てます。
2幕後半なんか盛り上がりっぱなしで行きますから。
初風さんのダンスシーンも実は吹き替えですが、あちらはダンサーサラってのもありましたね。
客席降りがあるため、1F上手側が大人気、2Fは若干の温度差っていうところも全く同じです。

役柄的には「ハウ・トゥ・サクシード」に似てます。
2幕のお金絡みの出世話で思い出したのですが。
つかこちらの世界でさえ役が「郵便係」で全く一緒。

出世の一段階目が郵便係というのは、アメリカンドリームの一つのパターンなのでしょう。
会社の郵便物を見ていることで会社の動きが分かると言う話で、同様のパターンに経理部の伝票整理係と言う話を聞いたことがあります(日本のどこぞの大企業の社長さんの配属先だったかと)。

井上さんのロビーが西川さんのフィルチ、上原ジュリアが大塚ちひろさんの役、樹里ホリーが三浦理恵子さんの役って感じで。

それもあってか、上原多香子さんが演じたジュリアは、諸々の制約がなければ、大塚ちひろさんの方が収まりが良かったかなと思う。
可憐でヘタウマって感じが。

上原さんはお世辞にも歌は上手とはいえず、この芸達者な座組の中では明らかに歌のレベルを下げているし、同じ下手でも言葉は悪いけど誤魔化すのが上手い方がいい気がします。

役に救われているから、下手でも許されているようなところはあるので、同じSPEED出身者でも、去年の帝劇でいきなりの難役・コンスタンツェをやったhiroと比べると、幸運ということはあるのでしょう。

公式に上がっている動画でも、井上ロビーとのこの世の究極のような不協和音デュエットはシーンに救われているとはいえ、ちょっとどうかと。

役者さんで光っていたのは、何といってもホリー役・樹里咲穂さん。

初見でしたが、宝塚時代から実力派の男役として鳴らしたという話はだてではなく、ヒロインの上原さんは無論のこと、同じく実力派の徳垣さんをも圧倒するあの存在感、スタイルの良さ、思い切りの良さ、ダンスの切れ。どれを取っても素晴らしいです。

どのシーンも凄いのですが、「Saturday Night in the city」のピンク色の衣装での華麗なダンスはため息をつくほどです。

1幕後半なぞ、ほとんど樹里さんのオンステージ状態。そういう演出というよりむしろ、実力そのものが飛びぬけている感じで、正直衝撃的なものがありました。

会場内での受け止め方もほとんど同じようで、作品の盛り上がりと共に自然に起きる手拍子の中でも、一際拍手が大きく、休憩中はあちらこちらでパンフのキャスト紹介ページを見ているという。

17日のトークショーではそんな樹里さんと上原さん、そして司会がいつもの”ブラック”井上芳雄さんでしたが、片や面白関西人キャラの樹里さん、しっかり者ながら天然ボケ混じりの上原さん、そいでもって司会は”顔は白いけど腹は黒い”と客席のファンに言われる(大笑)井上さん。

これも公式HPに載ってますけど、腹抱えて笑ってしまいましたですよ。

「どんどん(期待を裏切る)残念な方向に行ってしまいまして」と井上さんが突っ込みいれていますが、この種のブラックなフリートーク、実は大好きです。

男の自分から言わせてもらいますと、井上君はブラックじゃなきゃ井上君じゃないから(笑)
許されるぎりぎりのラインで客を楽しませるところは、落語的な感じがします。

そしてふと振り返ると、デビュー作の「エリザベート」以外は井上さんの舞台を全て見ていた自分にちょっと驚愕。

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『星屑の町~新宿歌舞伎町編~』(2)

2008.2.16(Sat.) 11:00~14:00 1FS席上手寄り 新宿コマ劇場

昼の部11時、夜の部16時開演が基本スケジュールのこの作品。
日比谷界隈からは2時間前倒しになっているために、いささか調子が狂いかけます。

19時、せめて18時開演であれば更に通い倒すところですが、逆の意味で危ないところでした(財布が)。

いつ見てもおばさんおじさん率が高い新宿コマ劇場、今回はメインが前川さんですから、なおさらその傾向が強く、下北以来の星屑ファンといわれる人がどちらあたりにおるのか、実は判然としません。

2幕後半が歌謡ショーとなる構成も、最初から分かっていたためかそれほどの違和感もなく、なじんでいる自分がちょっと不思議になります。

そんな私であっても、前川さんのお芝居は、見る側に慣れたとはいえ「歌が本職」で来た方の演技としての不自然さを感じざるを得ません。演出の水谷さんは「全員と絡ませるために旅館の主とした」と語っておられますが、緊張されているせいか明らかに台詞回しはせわしなく、聞き取りにくさはいかんともしがたいものがあります。

そのあたりは前川さんご自身がテレビで「歌だけの出演にしておけばよかったかなと。」と語っておられるので、その違和感は感じていらっしゃるご様子。

ですが。
(以下、ネタバレを壮絶に含みますので、不都合な方はお戻りください)


この作品、一番好きなシーンが2幕最後の「涙」だったりするのです。

この「涙」という曲は、中島みゆきさんが作られ、前川さんに提供された曲なのですが、劇中ではハローナイツのボーカルである赤羽ミミ(高橋由美子さん)が1番を歌い、間奏から前川さんが歌い、最後を2人で歌うのです。

劇中では、赤羽ミミは前川さん演じる旅館主を「おにいちゃん」と呼ぶのですが、奥さんがいる手前、「お嫁さんになりたかった」とは言えなかったと告白するのですね。
この「涙」という曲の歌詞は、愛する男性をあきらめようとした女性の物語なのですね。

「今ごろどうしておいでだろうか」「あんないい人、いやしないもの」

このシーンの赤羽ミミの歌唱がもう情感たっぷりで・・・

実は初回見たときはそれほどまでに感じなかったこの曲が、何回かこの芝居を見てからこのシーンを見ると、涙なくしては聞けない曲で。

前川さんが芝居のシーンに出ているからこそ、この曲は赤羽ミミと、「おにいちゃん」とのつながりの曲になっているわけで、前川さんのぎこちなさとか、そういうところもあるとはいえ、最後のシーンの感動は、それでこそのものと、思えてしかたがありません。

由美子さんが歌う5曲はどれも見せ場があるのもファン的には予想外の当たり。

1曲目のキューティーハニーは衣装もそうだけど1曲で一気に客を掴むところが快感(笑)
この層でお義理じゃない拍手ってそれだけで快感。

2曲目の「ミスユー」は歌声に艶やかさがあっていい意味で色っぽい。

3曲目の「ほんきかしら」は由美子さん的には苦手系の曲かなと思えるけれど(ウィークポイントの超高音もあるし)、海外ミュージカルの曲と違って、日本の曲って空気でカバーできるところがあるんですよね。上手いこと消化してます。

4曲目の「中の島ブルース」は由美子さん自身「歌っていてぴんとこないので、前川さんの物まねにした」と言っていたのですが、実は会場内、大受けしてます(笑)。

5曲目の「涙」は前述ということで。

この作品、前川さんあってのコマ劇場進出ですが、だからこそ相手役が由美子さんなのだと思います。もともとハローナイツのボーカルは太平サブローさんで、前作・東京砂漠編のボーカルが戸田恵子さん。そして今回が由美子さん。

残念ながら東京砂漠編以前の作品を拝見できていないので、以前との空気との違いは評せないのですが、無意味に出張らずに、温かみとボリューム感のある声で、星屑にしては大きすぎるきらいのあるコマでやるということの、間隔を詰めることに寄与しているのではないかと思います。

由美子さんの演技と存在感は、舞台でもテレビでも共通して、「役割より半歩でさえ前に出ない」ところが特徴で、派手さはないのですが、ミュージカルでもストレートでも、そしてどんなドラマにゲストに出ても、なぜかそこにいつもいるような存在として溶け込むのが凄いなぁと思うのです。

あれだけ色んな作品見ているのに、浮いてるって思うことがまずめったにないというのも。(その昔、妹役として共演した馬渕英里何さんが同じようなことをおっしゃっていたことがあります。)

ちなみに、このシーンで由美子さんが着ている衣装は、チラシに出ている南国風の黄色の衣装(ご本人は「ラジかるっ」で「歌舞伎町系の衣装」と言われていました)を見て、歌声を聞かないで見てみると、アイドル時代からの仲良し・三浦理恵子さんかと思ってしまったのは、ちょっとしたひとり言。

この作品、あと2回の観劇予定ですが、今のところNHKでの放送の見込みがあるそうです。
まだカメラが入っているのを見たことがありませんが。
前作「東京砂漠編」もテレビ放送されたことがあるため、それなりに期待してもいいようです。

そのためには、あの毒舌吐きまくりのMCは、お願いですから収録日には飛び出ないように・・・
一発で放送不可ですがな・・・・

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『未来講師めぐる』

テレビ朝日系 2008.2.8(Fri.) 23:15~24:10

「南くんの恋人」、再び。

ということで、金曜ナイトドラマ枠、2008年1月クールの第5話目。

主演が深田恭子さん、武田真治さん。
そして、第5話、この日のゲストは高橋由美子さん。

・・・と書くと、あの『南くんの恋人』主演格揃い踏みです。

94年シリーズの南くんが武田真治さん、ちよみが高橋由美子さん。
04年シリーズのちよみが深田恭子さん。

つまり、武田さんと由美子さんが対すると94年版(事実上の初代)、由美子さんと深田さんが対すると新旧ちよみ対決みたいな状態で、視聴率も振るわない中のカンフル材かと思えば、宣伝にも使われず、とりあえず堪能したからいいか、みたいな状態。

武田さん演じる塾長に、「未来が見える」講師役に深田さん。
子供を塾に入れる母親、しかしその実、いわゆる「モンスターペアレンツ」と言われる、一昔前なら「教育ママ」と言われた母親に由美子さん。

クドカンお得意の、妄想癖暴発で笑わせるところは、「モンスター」をジャガー横田さんにまさに「そのまんま」に暴れさせて笑いを取っていましたとさ。

今回のメインゲストの由美子さんですが、まぁ想像通りの超突っ走り型演技で押しまくってくれました。出演者中飛びぬけて背が低いはずなのに、それを感じさせない存在感と威圧感。

深田さん演じる講師との初対面で、「よかった。人間で」と言われて、一瞬で視線で殺すあたりは相当怖いものがあります(由美子さんのガン見は結構な破壊力があります)。

「私たちは戦友なんだから頑張りましょうね」と言ったかと思えば、マニキュアを見つけて即刻お小言。
押されまくった深田さん演じるめぐる、茫然自失でパニックとなってしまう始末。

由美子さんと深田さんは年齢にして8つ離れていますが、こういった若い女優さん(といっても深田さんは既に26ですが)と全面的にガチンコでぶつかるという光景は、最近お目にかかれないので、爽快感がありました。
深田さんはさすがの可愛さですが、由美子さんは存在感とそのオーラという面で、お互い自分の得意分野で正面からぶつかり合うことで、お互いの良さが表現されていたように思えます。

武田さん演じる塾長とは実は同じ大学の同期という設定ですが(この辺はそれこそ「南くんの恋人」の設定とぶつけているのでしょう)、当時を思い返すと噴いちゃいます。

由美子さんが演じていたちよみという役は、ひょんなことから15cmになり、武田さん演じる南くんに助けられていたのですから。(あの「みなみくう~ん」という絶妙な台詞回しが、高橋版と深田版の違いなのだと思う)

ただ、ちよみは実は15cmになる前は結構強気な少女で、南くんが明らかに尻に敷かれていたりしました。ですから、14年後、こういう風に由美子さん演じる女性に押されまくるというのも、話としては成り立たないわけではないんですけれどね。

14年ぶりに見た人だったりすると「あのちよみが南くんを言い負かして圧倒してる」というシチュエーション自体にカルチャーショックを覚えてしまいそうですが、ここ20年ずーっと由美子さんの演技を見てきている立場からすると、あの役作りの巧みさはさすがと思います。

「がっかりだわ」って台詞で、とある作品のあるシーンを思い出してしまった私はちょっと変な人
(以下一瞬反転)

小松彩夏さん演じるセーラーヴィーナスが、北川景子さん演じるセーラーマーズに吐き捨てた
「がっかりだわ。戦士として全然成長していないじゃない」をなぜか思い出した(笑)
(TBS系実写版「セーラームーン」)

由美子さんの演技の売りって、今回の役もそうですが、「リアリティ」が第一なのではないかと思います。
今回の母親に、嫌になるように見えてこそ、これが「絵空事」ではなく「現実」なのだと思わせるものだと思いますので。
こういう役を何のためらいもなくこなせるのは、巧いよなぁ。

今回、由美子さん演じる母親が発した言葉に、印象的な言葉がありました。それは、

「子供の人生かかってるの。
偏差値上げるのが塾の役目なんじゃないの?!」

という言葉。

恐らく塾業界で言われまくってるであろうこんな言葉、親から子への過剰なプレッシャー、それを切り取った台詞だと思います。

それに対して「楽しんで勉強させたい、個別指導ではなく進んだ子は遅れた子を教える、そんな塾でありたい」と答えた塾長の言葉って、5話にきてようやく見えた、「この塾の方向性」なのだと思います。

この作品、前作『モップガール』にドはまりした自分にとっては、超ぐだぐだ視聴でここまで来たのですが、その一因に、「この塾の方向性、さっぱり意味不明」ってところがあったのですね。
塾長も笑ってごまかすだけでそれを表に出すようなことも確かなかったし。

余りにも極端な「モンスターペアレンツ」の発した言葉が、「自分の塾」の良さを見出す、きっかけになったのではと思うのですね。

そういう意味では、ただの友情出演でありながら、物語の一つの転回するキーになった、重要なゲストとしての役割をしっかり果たしていたように思えます。(「友情出演」という表示は、業界的には「クレジット的に上の人に出てもらうための苦肉の策」、なのですが、本当に「友情」があるように見えるのは嬉しいんですよね)

思えば、同じく金曜ナイトドラマ『雨と夢のあとに』では、この「未来講師めぐる」にも出ている黒川智花さんの偽の母親役の幽霊として登場し、沢村一樹さん演じる父に対し、「後悔ないよう生きるよう」説いた事を思い出します。

あれも、全話通してみると、実に効果的な転回になっていて、ドラマの歯車を締めるドライバーのような、そんな役割を由美子さんが期待されて、それを果たしたように思えます。

既に共演済みだったことでもたらす「親近感」、だからこそ、言いたいことが言えるし、その空間に説得力が生まれるのですね。

14年ぶりの武田さんと由美子さんの共演は、接しそうで接しなかった点と線が、「役者としての全力投球」という一点で絡み合い、ドラマにいい風を送り込んでいたように思います。

「久しぶりの共演」がただネタとして話題性に使われる、というのもひとつのあり方でしょう。
ただ、それよりもっと、作品のために使われる方が、役者冥利に尽きると言うものでしょう。
見ている方からも、久しぶりに組むからにはどことなく昔の話題を絡ませつつも、お互いの役者としての成長を見られる方が嬉しい。

アイドル出身者同士が14年もの歳月を経て再共演すること自体が、実は途方もなく難しいことなだけに、結果からすると色々な意味で嬉しい共演になりました。

最後に一つ。
この作品に出てる黒川智花嬢。

この枠では主役を2作もやったのに、今回の中途半端な役柄は正直悲しいものがあります。
「いなかっぺ」的な役柄も、どことなく居心地が悪そうで、はじけられないもどかしさが残念でなりません。
役者として、なぜだか伸び悩みのスパイラルに嵌まり込んでしまったように思えます。
醸し出す柔らかな空気は貴重だと思うのですが、若さの割には小さくまとまっている感じが、物足りなく思います。

由美子さんが武田さんに「変わってないのは髪だけね」と言った後ろの方で素で笑っていたのは
ウケてしまいましたが(笑)。

それこそ前作『モップガール』で主演されていた北川景子さんのように、
若いうちは周囲を食うほどの野望を、適度に表に出してナンボ、だと思うんですけどね。

・・・・さて、今日はまた新宿コマの昼公演だから早く寝ます。11時って早いよなぁ・・・・

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『星屑の町~新宿歌舞伎町編~』(1)

2008.2.7(Thu.) 11:00~12:45/13:15~14:40 新宿コマ劇場

下北沢発祥の「星屑の町」最新シリーズは、本多劇場から一気にキャパ2000の新宿コマ劇場へ。

ムード歌謡グループ「山田修とハローナイツ」の新ボーカルとして
高橋由美子さんが出られるということで、いそいそと新宿コマ劇場へ出かけていきます。

キャパが大きすぎるということもあり、Sは6割前後、AとBは2割前後の埋まりですから、全体で見ると4割弱の埋まりということで、お客の入りとしてはまだまだこれからといったところ。

新宿コマ劇場は、「アニーよ銃を取れ」(1997年)、「HUMANITY」(2006年)と観劇していますので、3作目ということになります。
逆に言うと今のところ、由美子さんが出演されない限り縁のない劇場だったりします。

由美子さんのアイドル時代のキャッチコピーといえばフジテレビ系「お願いダーリン!」のスタッフが命名したといわれる「20世紀最後のアイドル」ですが、誰が言ったか忘れたのですが、「昭和の香りがする女」というコピーが、妙に脳裏に焼きついて離れません。

今回、由美子さんが演じるのはムード歌謡グループの新ボーカル・赤羽ミミという役柄ですが(変な役名が付いてもはまるのは彼女の得意技。「HUMANITY」も「ミヨちゃん」だったし。)、ムード歌謡といえばまさに「昭和の香り」。今回ゲストで出演されている前川清さんにしても、いわゆる昭和の「時代」を歌謡曲で表現されてきた方。

現代劇よりもどちらかといえば時代じみた役柄を得意とする由美子さんにとって、「昭和の香り」のムード歌謡のボーカルというのは、予想以上に役にどはまりで、改めて「意外に代わりがいないポジションなのだなぁ」と思うことしきり。

ムード歌謡グループの中のおじさんの中にあって、「抜群に若いわけではないけれど、適度にちやほやされる存在感があり、かつグループ内で浮かない」というポジションは相変わらず上手い立ち位置です。

若手から中堅どころに至る舞台女優の中でも、「昭和の時代にリアリティを出せる」人は珍しくて、ポジション的に派手さはないとはいえ、意外な鉱脈なのかもしれません。(去年の秋のANB系「点と線」のチョイ役なんて、その最たるもの)

由美子さんの地を全開にするともっとおじさん陣を尻に敷きそうな感がありますが(爆)程々に抑えているところはいい感じ。

芝居的なところは後に回すとしても、新ボーカルということもあり、1幕を中心に5曲歌っていますが、いわゆる「由美子節」を全開にして歌っています。

もともと由美子さんはアイドル時代も、ミュージカルに出演するようになっても、独特の「こぶしを効かせた」歌唱が特徴的でした(語尾の伸ばす部分に特有の溜めがあるのです)。

それが実はここ1、2年は影を潜めていて、去年11・12月の帝劇、3演目だった「モーツァルト!」ナンネール役でも、前2演目よりは歌い方の癖をかなりなくした歌い方になっていました。

が、今回は歌謡曲ということもあり、リミッターを完全に外しておりまして、いかにも「アイドルらしくないパンチのある歌唱力」に魅せられていた自分にとっては、驚くほどにストライクゾーンど真ん中に直球で投げ込まれてしまいました。

改めて聞いてみて思うのですが、ムード歌謡にしろ歌謡曲って、音階がずれるとあからさまに分かりますし、何しろ2幕に大御所の前川さんの歌が控えているわけで、観客層からしても歌に対するハードルがあからさまに高いのは分かるわけです。

が、1曲目(下でネタバレします)の歌いだしを聞いた途端に、「由美子さんの得意分野」と分かって以降は、安心して由美子さんの歌声に身を委ねることができたわけで、至福の時だったりしたわけです。

で、1曲目のネタバレは、反転なのでOKな方だけどうぞ。

1曲目は、倖田來未さんが歌われていた「LOVE&HONEY」(映画版「キューティーハニー」主題歌)をカバーしてるのですが。

つか由美子さん、あのエロカワ衣装を何の苦もなしに着こなしてるスタイルってどういうこと?(笑)

公演時間よりアフターが長い(日本テレビ「ラジかるっ」ゲスト時コメントより)のに、あのスタイルを維持できるってどういうこと?(笑)

胸を強調して網タイツって、真面目に目のやり場に困るのですが(そりゃ見ますけど(爆))。

アイドル時代から、身長は低いながらスタイルがいいのは知るひとぞ知る話でしたが、一昨年の「GOLF THE MUSICAL」(DVDは出ないんだろうなぁ)のタンクトップ姿を上回るものが、浮かないのは凄いです。
(当時、倖田來未さんが歌われてた時よりも、1回りも年齢上って・・・)


さて、それでは舞台の全体的な印象へと転換しますが、今回の舞台は1幕と2幕前半がお芝居で、2幕後半は左とん平さんと前川清さんの歌謡ショーということで、下北沢から新宿コマに来れたのも、前川さんの集客力なしではありえなかったことなのでしょうが、芝居としては、正直中途半端な印象は否めないです。

それについてパンフレットでラサール石井さんが「喜劇役者は劇場に入るとその劇場の芝居をなさる」、左とん平さんが「ハローナイツは本多とか小さいところでやってきたからコマの広さを早く把握しないと」とおっしゃっていますが、まさにそれ。

前川さんは新宿コマは庭のようなものでしょうし、とん平さんは喜劇役者さんですから大丈夫ですし、由美子さんにしても3作目ですし大劇場の芝居の仕方は慣れていますから、見る方からしてみれば安心なのですが、ハローナイツの皆さんはやっぱりコマの大きさをまだ掴まえていない印象があります。

過去を振り返ると、「SHIROH」(2004年・帝国劇場、2005年・梅田芸術劇場)で新感線組の皆様方が戸惑っていたのと、全く同じ印象を受けました。

劇場の大きさに振り回されている感じが、どこまで公演中に代わってくるか、それが、芝居としての満足度を押し上げられるかのキーポイントと言えそうです。

後半の前川清さんの「長崎は今日も雨だった」と「東京砂漠」は聞けて嬉しかったです。
あえてこういった曲を聞きにいくことはないだけに、歌にかけては完全無欠に近いこの舞台、芝居の空気との落差は、ちょっと大きいのかなと思わざるを得ませんでした。

あ、そういえば何気に前川さんと由美子さんの何ともいえないロマンスシーンはなんだかほのぼの。
どんな相手役とも絶対にほんわかな空気になる特技は前川さんお相手でも健在。

・・・けっこうな回数チケット取ってたりするんですけど、1幕だけで抜ける誘惑にどれだけ勝てるかなぁ。(2幕で初めて由美子さんが歌われる曲は1曲しかありません)
新宿コマ、再入場できないしなぁ。

今月は日生にも後ろ髪ひかれるし、忙しくなるのかな、2月。

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