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2007年2月

『ひばり』

2007.2.25(Sun.) 14:00~17:25(休憩15分含) シアターコクーンM2F 超上手、舞台90度横

この日は、2月前半の観劇リピート作品だった『地獄八景・・・浮世百景』の大阪千秋楽。更に大阪では隣で朧も大楽。

『地獄・・・』はDVDが出るのが当初から濃厚だったため、大阪遠征は外して、楽近くのこの『ひばり』観劇をセレクト。

8年ぶり(※1)のシアターコクーンはやっぱり道に迷い(最近迷ってばっか。つか渋谷は苦手)、開演ぎりぎりに着席。難解の時代物って話だったのであらかじめパンフを読み込みたかったんだけど、まぁ自己責任ですね。

(※1)1999年7月25日の高橋由美子嬢の「セリーヌ・ディオンを歌う」コンサートでした。その因果か今だに彼女の舞台にはシアターコクーンから花が来ております。

蜷川氏演出の舞台は初めてで、(パンフを見るといっぱい書いてある)役者同様、客席もそのネームバリューにちょっと焦ってしまってなぜかいままで機会を作らず。

松たか子さんにジャンヌダルクなら題材自体が直球ストレートど真ん中だからよもや外すわけあるまい、とテーマに惹かれてチケ取り。

ちなみに『神風怪盗ジャンヌ』(※2)って作品も好きでした自分(爆)。

頭が切れる闘う女性がめっぽう好きな自分にしてみりゃ、転んでもただでは起きない松さんの強さがこの役を引き立たせるのは見る前から明らかだし。

で、見だして見たんですが、なんか出だしは誰かが言ってたけど野田秀樹さん作品の松さん。んで同じ野田さんの宮沢りえさんにも似てる(『透明人間の蒸気』)というか。

ということで出初めにはちょっと違和感を感じたわけですが、普通に15歳に見えるのはさすが松さん。
今月は20歳の高橋由美子さん、25歳の堀内敬子さんと見て、とどめが15歳の松たか子さんですか(いずれも年齢は役柄上の推定年齢)。なんつーことだ、みんな実年齢と1回り違う(爆)。

裁判劇ということで、ジャンヌダルクが裁かれる過程を過去と行きつ戻りつで展開していきます。

長台詞を全て理解するのはかなり前半であきらめて(1つ前の観劇のシェークスピアの『ハムレット』で流石に疲労困憊したので)、主題へのぶら下がり方とそれぞれの場面の方向性を紡ぎながら見ると、とてつもなく長いはずのこの作品、意外なことに時の進むのが早く、要するに満足度が高かったということなのでしょう。

(※2)少女漫画誌「りぼん」で連載(1998-2000年)され、テレビ朝日系でアニメ化(1999-2000年)もされた作品。ジャンヌダルクの設定借りてるだけで内容は全然別物ですが。

で、ネタバレ始まります。
東京公演は今月28日まで。見られたくない方は回れ右っです。


神からの言葉で自ら立ち上がり、その「人たらし」(※3)の才能で次々に味方を増やしていくジャンヌ。しかしそこに真の愛情は存在せず、存在価値が失われるとともに捨てられて。

神の存在を絶対とし人間を穢れたものとして扱う周囲に対して、「人間」を信じたジャンヌの対比は、その人間に裁かれることを、だからこそ受け入れたように思えて。

日和見で頼りなげなシャルル七世を、即位させた立役者のジャンヌは、シャルルに与えた「勇気」によって、そのシャルルから切り捨てられるシーン。
その時のジャンヌが一番印象的だったかな。

自分が与えた勇気によって自分が捨てられた皮肉。

その時の松さんの表情は、「運命」というものをより能動的に受け入れた、ある意味「前向きな悟り」に思えた。

自分のジャンヌのイメージは、「神の声を聞いたあの日から、自分は運命をあえて受け入れるように生きてきた」というもの。

揺ぎない信念がバックボーンにあるから、裁判の場で四方八方から襲い掛かる言葉の暴力にも、毅然として跳ね返すことが出来たのだと思う。

ジャンヌと言えば火あぶりの最期が有名ですが、そこからあえてあのラストに持っていった戯曲の面白さ。まさかこの作品でハッピーエンドに持っていくと思ってなかったからそれが何よりびっくりした。

(※3)パンフに載っている精神科医の和田秀樹さんのコメントより。前からこの方の文章は大好きですが、今回も必要十分の名文を書かれています。

今回、パンフが実に面白いのですが、今まで蜷川氏作品に抱いていたイメージとはちょっと違って、難しさに終始しない大衆的内容が読み応えがあって。

何より松さんがパンフの内容でも自分の存在が周囲に脅かされていないところがさすが。
オチを付けなければ気がすまない松さんのユーモアセンスも超抜群で爆笑してしまいました。

しかし、松さんから「聖女マルグリット様」とか劇中に「アニェス様」(シャルル七世の愛人で、絶世の美女と言われる。この舞台では小島聖さんが演じています)とかいう台詞を聞いていると、遠く大阪の地で演じている某舞台のことがちょっと脳裏に浮かぶ。

やっぱり松さんには闘う女が似合う。王女様になびくようなことがなくて、そこはほっとしたかも。

「人間はどこまで卑怯になれるのでしょうか」と叫んだのはその某舞台の王女様の言葉だったけれども。

栄華となじられ方の両極端を、同じフランスで作り出したジャンヌダルクとマリーアントワネットですが、印象がまるで違って。

ジャンヌダルクは周囲の検事をはじめとする「裁く側」の人間をも、共感させるだけの面を持っていた、ある意味究極の「人たらし」。

でも根底には「人間を信じる」気持ちがあったんじゃないかと思う。それがジャンヌダルクという人物に説得力を与えていたと。

マリーアントワネットは「人間を信じる」気持ちが持てなかったから、浪費の限りを尽くし、本当の愛情を受けられぬまま断頭台の露と消えたのだと、そう思えてしまったのです。
(そして、マルグリットさえ「人間を信じ」られないからあの作品を見た後に殺伐とした思いをするのだと、改めてこの作品を見て感じてしまった)

ジャンヌダルクは人間を信じたからこそ
「人間が卑怯である」とは言わなかった

マリーアントワネットは人間を信じられなかったからこそ
「人間が卑怯である」と言った

マルグリットは人間を信じたことがなかったからこそ
「人間が卑怯である」に同意した

この差は、登場人物への感情移入に、どことなく影響しているような気がしてなりません。

人間として生きるなら、人間を信じていたい
そういう願望に、勇気を与えてくれるところが、この『ひばり』の大好きなところです。

人物的な面に戻ると、松さんもパンフで言っていますが、時に「女の子であることを利用する」女性だと。相手に対して最も優れた対応を嫌味にならず演じられる人間だからこそ、神は彼女を選んだのではと、そう松さんは言っています。

「誰も気づいていないだろうけど、あなたは凄い人なのよ」という表現は、このパンフで和田先生がジャンヌに対して語っている言葉ですが、そういえばこの言葉どこかで聞いたと思ったら・・・・コンスタンツェ@モーツァルトだった。

そういえば、今の松さんだからジャンヌを演じられたと思うと同様、コンスタンツェもあの時点の松さんには、意外に難物だったということなのかもしれない。
というのも、あの時のコンスタンツェは強引な力技という面が強くて、有無を言わさぬ説得力と言う意味では足りなかったように思う。

今回のジャンヌは松さん自身「嫌味にならず」と表現していますが、その絵空事さをあたかも当たり前の事実であるかのように説得付けられる、役としての、役者としてのオーラが滲み出ていたように思われるのです。

説得というのは結構に難しい作業で、説得する相手より小さく見えてしまうと真実味は全然ないし、”殻に閉じこもった人”の感情を動かすことへのエネルギーは十分すぎるほど伝わって、それが何より素敵だった。

ジャンヌダルクはうちのご贔屓さんも大好きらしいんですが、そっちの人が演じる日本の説得女王(苦笑)は、1週間の上演延長が決まりました。来月は通うのきついんだよな・・・・

なおこの『ひばり』、来月下旬にNHK教育にてテレビ放送が決まっているそうです。(一部月刊テレビ誌に情報が出ているそうです。)時間的にノーカットは無理ですが、また見れるのは嬉しい。

相変わらずカーテンコールでは男前な松さんに改めて拍手。

最後に一言。
橋本さとしさん、やっぱり貴方は只者じゃない。

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『地獄八景・・・浮世百景』(3)

2007.2.18(Sun.) 14:00~16:40
世田谷パブリックシアター 3階上手側最後列

あっという間に東京楽日。
4回目の観劇ということもあって、話の流れもつかみつつ、ようやく役者さんの顔の見分けがおおまかに付くようになりました。
佐藤アツヒロ氏は2役(ほぼ1役ですが)、高橋由美子さんは1役ということですぐ分かります。

全てを持っていく松尾貴史さんもすぐ分かります。

顔そのものが笑いと化している小松利昌さんも分かります。

頭の形そのものが特徴的な山内圭哉さんも分かります。

分からなくなるのがここからで、松永玲子さんと出口結美子さんの区別が意外につきません。(由美子さんと絡んでいるシーンは例外なく松永さんで、落語喋りが松永さん、山内さんの奥さんが出口さんというのはさすがに分かりますが。)

喋家お2方、桂吉弥さんと桂吉坊さん。この2人も年齢は違いますが、はっきりとは区別つきません。

もっと分からないのが意外にも市川笑也さんと升毅さん。メイン役はさすがに分かるのですが、何しろアツヒロ氏、由美子さん以外の9人で48役もあるので、そもそも普通の人の役(インパクトが薄い役)だと、そもそも場面ごとにどんな役で何人出てたかさえはっきり思い出せないです。

1回見ただけで、全部の役を言い当てられた人がいたら無条件で尊敬してしまいます(笑)。

早替えが最短20秒で、最多役で8役、衣装替えの最多回数が13回という、恐らく舞台裏はてんやわんやなのであろうこの舞台、4回観劇して一度も役で出遅れた人がいなかったのはそれだけで相当凄い気がします。

(約1名、前のシーンの口紅を落とし忘れて出た小松さんという方はいらっしゃいますが、このネタを東京楽日で松尾さんが拾って、「わざと口紅付けて」出てきて笑いを誘っていました。)

ちなみに楽日とあってキャスト紹介がありましたが、その時のトーク曰く、アツヒロ氏の提案でDVD特典用のカメラが舞台裏に入っておりまして、「早替えのない」由美子さんがカメラを構えていたそうです。

確か、笑也さんに「役替わりこそないけど、たびたび早替えがある」と言われていたんですが<由美子さん
舞台裏でカメラ構えていても、外側の出番を見ている限り、そんなのは当然みじんも感じることはなく、終演後のトークで初めて判明。

「あんたはみんなのおかんか」と松尾さんに突っ込まれていましたが。(そういう役回りは年上の松永さんじゃないんだろうか・・・・)

この作品を見てますと、確かに「な~んにも残らない」で笑うのが正しい見方なのがよく分かるんですが、そもそも日替わりネタを記憶しようにも人間の記憶力の限界を軽々と超えてしまうという・・・・

役柄と役者さんを結びつけてストーリーを追っかけつつ笑って、前回と同じネタだなとか今日はいつもにもましてぶっとんでるなとか、そんなこんなシーンごとにやってたら全然追いつけません。

東京楽日限定のネタとしては、

番頭@松尾さんの、若旦那帰還シーンにて、そろばんなぞって電車ごっこのとこ
 「次は池尻大橋です」
(参考:世田谷パブリックシアター最寄の三軒茶屋駅の一つ渋谷側の駅。ちなみに急行だと次は渋谷になります)

小糸@由美子さんの、森の中彷徨いシーン
本人いわく「演出家さんのOK出たから、やりたかったことやる」と当日朝にブログで明言。
会場内ウケてた為、大阪・北九州でもやりそうなのでネタ自体は省略します。もしかするとDVDに残るとまずいかもしれないですが。
そのシーンの相手役になる算段の平兵衛@山内さんが、いつもと違う由美子さんに面食らって少々慌ててるのに爆笑してしまった。すかさず受け身に入ってネタ拾ってたのは流石、かつ足つかまれて喜んでたのが印象的(笑)

前回は役者さんについてメイン所以外は書いてなかったんですが、この公演で個人的にヒットだったのはこの算段の平兵衛役の山内圭哉さん。
出口結美子さんをいじることに命を賭けていると思われたり(笑)する人ですが、舞台後のトークと芝居の面白さがほとんど同じ役者さんって初めて見ました。
笑わせようとして笑わせられるところが凄いです。

そういや、東京楽日、「寝てるお客さんがここから見えますが」ってやって会場内の爆笑を誘っておりました。

東京楽日時点の役回りを整理すると

段取り通り:アツヒロさん、松永さん
普通に動く:出口さん、吉坊さん、吉弥さん
遊び始め気味:笑也さん、由美子さん
遊びまくる:松尾さん、山内さん、升さん
リミッター超え:小松さん

って感じでしょうか。

アツヒロ氏はやっぱり真面目なんだろうなーと思う。松尾さんがどれだけネタ振っても返すだけの余裕はなさそう。関西弁が日に日に弱弱しくなっていくように感じるのが、気のせいでなければいいんですが。

松永さんはあえて段取り通りに動いているというか、役柄からはみ出ない様に、芝居がとんでもない方向に行かないように支えているような感じ。リミッター外した状態で今度見たい役者さんです。

出口さんは山内さんにいじられているところが特徴的ですが、何しろ普通が”変”な人なので、ただそこにいる事実そのものがネタと化してます。プレビュー時点では駕籠屋さんやってましたが、そっちの方が面白かったなー

小松さんも出口さん同様に「ただそこにいる事実そのものがネタ」なんですが、あのわざわざイントネーション上げた台詞回し、わざとやらなかった時の方が自分は好き。わざと狙いに行ってる感じはちょっとつまらないかな。
過ぎたるは及ばざるが・・・・って感想。

まぁなんだかんだいっても「お化けみたいな人はいっぱい出てる」つー、G2公式対談での由美子さんのコメントが、この舞台の本質そのものだった気もします(笑)。

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『地獄八景・・・浮世百景』(2)

2007.2.14(Wed.) 19:00~21:25(本編)、21:35~22:00(ポストトーク)
世田谷パブリックシアター 3階席上手側

●キッチュさんと由美子さん。

キャストが決まった時に、「AGAPEは『お酒飲むメンバー』でキャストが決まっちゃったりするんだけど、アツヒロ君、由美子ちゃんも入ってるんで、いつもと違った感じでやってみたい」ってG2さんが語ってたのを思い出します。(ちなみにこちら

いやいや、同じですって(←キッチュさん(松尾貴史さん)的に突っ込むと良)

そういや、キッチュさんがかの昔、文化放送の夜帯の番組をやっていた(「キッチュの夜マゲドンの奇蹟」)のですが、その中で由美子さんが「高橋由美子のおしゃべり天使」という10分帯番組をやっていたことを思い出します。(その当時から、アイドルにしてはそうとう毒舌満開だった(笑))
まさか15年も経って舞台で共演することになるとは。

キッチュさんには当時から目をかけてもらっていましたが、今回の本公演初日の(内輪の)キャスト挨拶でも、キッチュさんは「(由美子ちゃんは)森光子さんの向こうを張って(地獄八景を)ロングランで演じたいと」触れておられました。(そういえばキッチュさんは由美子さんを森光子さん、松永玲子さんをミヤコ蝶々さんに喩えられていましたが、確かに空気が何となく似てます。)

ま、由美子さん自身の「友達に『意外に可愛いやん』と言われてまんざらでもないと思った」(←「意外」と「個性派」が言われて好きな言葉だそうです)の方が噴いちゃいましたが。

それ以前に由美子さんのことをたくさん取り上げていただいてる笑也さん自身がありがたいことなんですが。
※以上ネタ元は市川笑也さんのブログ

●古田さんが今回の主役・ヒロインを喩えると

2月10日深夜の古田新太さんのラジオにゲスト出演したアツヒロ氏。

古田氏いわく、アツヒロ氏と由美子さんは新感線の稽古場に別々に差し入れに来て鉢合わせしたりする。
(参考までに、アツヒロ氏の青山円形劇場での舞台(MYTH)を由美子さんが見に行って、その後2人して隣の青山劇場のメタルマクベスの初日乾杯に潜り込んでたりする。)

一緒にいるところ見るとなんだかヤンキーのカップルみたいなんだよ

2人とも年齢不詳だし

・・・・だそーです(苦笑)。

●義理チョコはあげたのだろうか

この舞台の感想を見ようとブログ検索をかけると、壮絶なほど「義理チョコ」ネタがヒットします。

スポーツ新聞片っ端から全部同じネタで取り上げたために、そこからコピーしてるニュースブログが全部同じ内容になっているわけで、いやはや感想見つけるの大変。(特にライブドア系は凄いことになってます)

アツヒロ氏と由美子さんが同級生という話も、意外に知られていなかったようで、初見の方にはインパクトがあるようですね。

去年「Top Stage」誌でアツヒロ氏のレギュラーコーナーに由美子さんが出た時に、アツヒロ氏いわく「女優としての顔を見たことがないので怖い」と言ってみたり、今回ゲネプロ後の記者会見で由美子さんが「最初は目を見て芝居ができなかった」と言ってみたり、コメントだけ聞くと2人とも弱気に見せてますが、そこはテクニックつーか、なんつーか、芝居の自然さを見ると2人して高等な予防線張ってるようにしか見えなかったりします。

ほんわかした気分になるからいいんだけど、由美子さんに絞って言えば、今までの技術を出してる要素はあっても、新しい面を引き出されている要素はあまりないので、そこはちょっと物足りないかなとかは思う。
せっかく初めて組む演出家さん(G2さん)なので、期待したんだけどなー。

確かに可愛いいし年齢忘れるし(失礼)、可憐で凄く良いし、初日に比べると吊られるシーンは面白さ全開で来てるし、森の中を彷徨うシーンの凄みは出てきてるし、なかなかいい感じには動いてきてるかも。

役柄的に遊べる役でもないというのはいつものことなので(ま、小松さんの顔見て松永さんと一緒に舞台上で噴いちゃったらしいですが(身内も来ていた12日の公演))、とにかくきっちりしっかり、若旦那を想い続ける小糸を天然系全開で素直に演じているのは、やっぱり流石です。

何しろ、素が由美子さんがアツヒロ氏を動かしちゃってるような空気なので、それを欠片も芝居に持ち込まないあたりはさすがに2人ともプロ中のプロと感心します。

何があっても梃子でも動かない想いの強さって、もともと由美子さんが持っている持ち味でもありますし。まっすぐさが印象的なアツヒロ氏との組み合わせは、芝居的な相性は良さそうです。

ただ由美子さんが摩訶不思議的に関西弁上手いから、アツヒロ氏の焦りは尋常ではないだろうなぁと、正直心配になってしまいます。一般論で言ってしまえば、男にしてみりゃ自分が四苦八苦してるのを隣でひょいってこなされると、めちゃくちゃ焦るし(苦笑)。


今回の芝居ですごいなぁと思うのは、ある意味ベタなラブストーリーなんですね。
上方落語のエキスを存分に注入しつつ、若旦那と小糸の関係をメイン軸に置いてるんですが、一つ間違えればあのカップルは普通にままごとになってしまうというか、わざとらしく見えてしまうと思うのです。

若旦那が小糸を想う実直さも、小糸が菊次郎を想う素直さも、役者次第でいくらでも陳腐にできてしまいかねないと。
先ほども書きましたが、地は由美子さんが突っ込みでアツヒロ氏がボケだそうなので。

それでもそうならないのは、アツヒロ氏も由美子さんも、2人とも芝居に嘘がないから。
だから、きちんとストーリーとして成立することが可能になっていると思うのです。

その軸がしっかりさえしるもんだから松尾さんも松永さんも遊びまくれると。(そんなことしなくてもこの2人は芝居で遊びまくりそうではあるんですが)
特に松尾さんの自由さは特筆すべきでして、14日ソワレ、最初の導入部のトークが「金正男が北京からマカオに行ったらしいんですけどね」だった(笑)。

●ポストトーク2/14編
本編終了後、10分間の休憩を挟み、ポストトークのスタート。
司会は脚本の東野ひであき氏が務め、上手から下手に向かって合計11名の出演者が並びます。

本編に負けず劣らず爆笑の嵐でした。
東野さんいわく、「今日は(ポストトーク初日なので)面白いところから行ったんで明日以降心配ですが」だそうです。

では印象に残ったコメントをいくつか。

「無駄なことさせたら面白い」 by 松永玲子さん to 松尾貴史さん
 松尾さん曰く「それ褒めてんの?(笑)」

○キャストが選ぶ、「一番面白い人」は、出口結美子さん(11人中、5人までが選んだそうです)
 由美子さんのコメント。
 「出口さんのエチュードが面白い」
 とにかく毎日やってること違う、動きが面白くてつい袖で手を叩いて喜んだら、会場がうけてなくて焦ったそうです(笑)

 山内圭哉さんのコメント。

 着替えの時衣装さんと逆のことやってるんでなかなか着替えが終わらない
 最後の紐締めるところだけ自分でやればええねん、と突っ込んでた

○「開演前の注意コメント、あれ実は正しい大阪弁です」by 松尾貴史さん to 松永玲子さん
 アンケートに「あれはイントネーションおかしいのでは」と書かれるという、松永さんコメントの上演前注意コメント。実は、まっとうに正しいイントネーションなのだそうです。松尾さんいわく「大阪に住んでてもテレビとかで毒されるから正しいイントネーションが自分でも分からなくなってくる」のだそうです。

 そして松尾さんが畳み掛けて曰く

 「なにしろ松永は生まれてこの方大阪出たことないですから」

 会場内、一拍の静寂の後に大爆笑。(松永さんはナイロン100cの所属女優さんです。下北沢あたりと客層かぶってるんだな三軒茶屋だし・・・・ということを実感)

 「何言ってんねん、バリバリの東京人やがな」とコメントした松永さん、それ大阪弁です(笑)。

○「アツヒロ君は実はもう1役出てます」
 この舞台、アツヒロ氏と由美子さんだけが1役という話になってますが、庄屋さんをボコボコにする影のシルエットで、(誰が言ったのか忘れたのですが)、アツヒロ氏が出てるそうです。当然声出すとばれるので、声は別の人(吉弥さんだったか)がアテレコ。

 某出演者曰く、「一番生き生きしてるシーン」とのコメントに、アツヒロ氏本人が深く同意していました。

「見終わった後、な~んにも残りません」って松尾さんに言われた割に、メモも取らんでなんでここまで覚えてるのか、自分のことがようわからんかったり。

笑いが結構先行して起こってるので、リピーターがけっこういそうな感じです。
東京公演はチケットほぼ完売だそうです。

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『メタルマクベス』

2007.2.11(Sun.) 新宿バルト9 15:20~17:05、17:20~18:40

新宿初シネコン、新宿バルト9のオープニングシリーズ、ゲキ×シネ第1弾となる同作品。

舞台の上演は2006年春ですが、2006年見に行きたくて唯一チケットが入手できず(と都合が付かずに)に涙を飲んだこの作品、DVDが既に出ていますが後回しにして、ゲキ×シネで初の遭遇です。

演出とかストーリーとか、実は余り興味がなくて。

ちなみに簡単に説明してしまうと

「マクベス」の世界を過去の世界と、現在より少し前の世界のメタルバンド「メタルマクベス」とシンクロさせて見せる

って感じでしょうか。

ランダムスター(マクベス)が内野聖陽さん、ランダムスター夫人が松たか子さん、レスポール王(夫人の煽動によりランダムスターに暗殺される)が上條恒彦さん。

この作品、自分の興味は、「松たか子嬢がどこまで凄いのか」という、ただ一点でした。

す。すごひ。

松さんが演じるのは歴史上のランダムスター(マクベス)夫人と、現世のマネージャーの2役(見た感じフリーのやり手プロモーターぽいところも)。

新感線初出演の松さんですが、
お遊びからシリアスまでここまでこなすとは、普通の女優さんと格が違いすぎ。

顔は崩すわ変踊りするは、ドス効かせて歌うは、赤セーターだわ(松さんいわく「新感線最初の衣装がこの衣装と物真似だとは・・・と、一生心に残る」そうです・・・笑)、内野さん演じるランダムスターを蹴飛ばすわ、松さん本人曰く「生まれて初めて言って、舞台が終わってからは言ってない」とんでもない台詞があったり(一応・・・・梨園のお嬢様なんですよね(爆笑))、かと思えば、まさかこの世の中で井上&笹本のミーマイコンビよりすごいバカップルが見られるとは思ってなかったし(笑)。

つか、いのうえさん、松さんを弄ぶのを楽しみまくったっぽいですね。

松さんもここまでコメディチックに役をやったことは多分ないんだと思うんですが(自分の見た数少ない経験の中では、「モーツァルト!」のウェーバー家3姉妹のお馬鹿晩餐準備ぐらいしか記憶になく・・・・あれもかなり構えた感じがあったしコメディチックといってもかなり寒かった)、ただひたすらに物語のスピード感についていった感じ(だからたまに奇妙に不自然なところはあったりする)。

コメンタリーで恥ずかしがってるあたりは妙に面白いんですが、もともとカーテンコールが「素に戻るので苦手」と言ってる人なだけに、自分の演技を見るのは恥ずかしいらしいですね。

現世の芸能事務所マネージャー役は、この舞台で王様Jrを演じていた森山君と共演していたCX系「役者魂!」の元ネタとも思えますが、宮藤官九郎氏脚色・いのうえひでのり氏演出のこの作品で、あんなにリミッター外しまくって新境地を開いていた松・森山両名が、テレビドラマではなんであんなに魅力なく見えたんだろ、と今ごろ季節はずれのため息。(ちなみに4話だったかで脱落しました。)

そういえば変踊りで思い出したんですが、どことなくキャラが「花の紅天狗」の上川端麗子さんに見えたり(川崎悦子先生の持ち役)したのに笑ったり(まぁ今回の振り付けも悦子先生だから分からんでもないですが)。

で変踊りはちょっと前なら高田聖子さんのやりそうな立ち位置だなぁとか。

作品のスケールが一気に大きくなってしまっているから、ヒロインも松さんレベルを持ってこないと、どうにも作りようがなくなっている印象を感じます。

歌も初見の「モーツァルト!」コンスタンツェ役や「ラマンチャの男」アルドンサ役で感じた、「ちょっと無理した声出し」から脱皮して、「ミス・サイゴン」のキムで化けたせいか、多少危ないといえども芝居歌としてはちゃんと成立してて、痺れます。

翻って芝居のシリアス方面の話をしますと、女性が男性を煽動する構成になってますが、1幕で松さんの作り出す強さと内野さんの演じる脆さは壮絶な説得力を感じさせて。
男を動かすのは女性の狂気なんだなぁと、痛感させられてしまうのです。

夫を煽動して動かしながら、許容量を超えてしまった時の壊れ方も、壮絶なものがありました。「小さなものだけ求めていればよかったのに」と呟く姿。
「もっと上手くやれればよかったのに」と言われるよりは、人間的で納得したかな。

「小さなものだけ求めたら、それ相応のものしか得られない」のかもしれません。逆説的には。ただ「大きさ」「小ささ」だけでは測れない幸せがあるということを、隠喩しているようにも思えました。

「もっと相応しい死に場所があったろうに」という内野さん演じるランダムスターの台詞は、男だからこその感情というか、なんか納得するものがありました。

女性が男性を扇動する「悪女」の象徴のような位置づけのマクベス夫人ですが、松さんの演じたランダムスター夫人はなんだか転落していく様にどことなく隙がある気がして。

ストレートでなく音楽劇だからそうなのかもしれないけど、「とことんまで悪女を貫く」予想をしていたので、後半のそこはかとなく道化師的な動き方は、ちょっと意外ではありました。

一分の隙もない狂気を実は期待していたのですが、この作品のランダムスター夫人は隙あればこそ、物語がただ陰鬱に終わらない効果を出しているのかもしれません。


会場限定で舞台パンフレット(3000円)も販売中。DVDも松さんの男前コメンタリーを聞きたくて(通常版とはいえ)買ったんで、映画1回分含めて福沢諭吉先生が1枚飛びました(笑)。

そういえば新宿バルト9、新宿三丁目駅下車とありますが、丸の内線の駅からは少し遠く、どちらかというと都営新宿線の方が近いです。(来年6月開業予定の東京メトロ副都心線の新宿三丁目駅が一番近くなります)

スクリーンが9つもあります。9階が入り口で、9・10・11階にそれぞれスクリーン3つずつ。(1~3が9階、4~6が11階、7~9が13階。1階からのエレベーターは9階止まりです。)

入れ替え時間が重なると3基(各24人乗り)のエレベーターで運びきれずに、かなり待たされます。
開演20分前までにエレベーター前に着くか、むしろエスカレーターの方が早いです。

なお、「メタルマクベス」開始前に、「SHIROH」「アオドクロ」「アカドクロ」と、ゲキ×シネ上演の逆順に予告編が流れます。また、3作品ともバルト9用の新チラシが入っています。

とりあえず次の新宿バルト9詣では来月の「SHIROH」までお預けですが、いい物を見せてもらいました。個人的には寿庵'sアップシーンを見れたので良かったし。(「SHIROH」予告編)

そういえば文章中、「ランダムスター夫人」を何度となく「ランベススター夫人」と書き間違えて書き直しました。
ランベスじゃミーマイだってのそれこそ(苦笑)。

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『地獄八景・・・浮世百景』(1)

2007.2.9(Fri) 19:00~21:20(休憩なし)
世田谷パブリックシアター

初日観劇。
東急田園都市線三軒茶屋駅直結のこの劇場、実は初めての観劇。方向神経は悪くないはずなのに、駅直結なのに迷いました(苦笑)。シアタートラム(小劇場)はすぐわかったので、その反対側だったのでちょっと迷うだけで終わりましたが。

開演前からG2公式市川笑也さん升毅さん、そいでもって高橋由美子さんと、稽古風景総出しということもあって、いつもより情報量多く迎えたこの日のプレビュー初日。
(ちなみに由美子さん曰く、「初日は90%雨になる」そうです。そーいや芝居初日に晴れてた記憶ってあまりない)


客層は主演である佐藤アツヒロ氏のファンと思われる方々が7割前後(女性で年齢層がある程度固まっているのでわかりやすい感じ)、あとは落語に惹かれてきた年配の男性がそこここに、といった感じ。

そういう中でマイノリティでも全然気にしないでいられるのは経験の賜物かも(笑)。

G2先行で取った席は、3階席の中央。知人から「3階席でも見やすい」と言われていた通り、細かい表情はオペラグラス必須とはいえ、全体がすっきり見やすいのはいいです。新しい(といっても出来てからずいぶん経ってはいますが)劇場の割に音の通りがちょっと微妙だったのは気のせいかなと。

この作品、上方落語の舞台化と銘打っていますが、落語とか舞台とか、そういったカテゴライズされたところをあまり意識せずに、ただリラックスして笑うというあたりに醍醐味がありそう。不意打ちで笑いが来るのが面白い。

全編が関西弁で貫き通されているんですが、関西弁をきちんと聞いたことがないせいか、微妙なイントネーションが正しいんだかそうじゃないんだかわからないのがちょっと違和感を感じましたが、複数回(ちなみに今作品は4回観劇予定)見ればたぶんすっかり慣れるのでしょう。

主演の佐藤アツヒロ氏。若旦那役ですが、26作品目の今作、今まで縁がなく初見。
由美子さんもパンフで書いてますが「生真面目さ」が真摯さにつながってていい感じ。関西弁に四苦八苦されていたようですが、確かにちょっと気にはしている印象。もう少しエネルギッシュなのかなという先入観を持ってたので、意外ではありました。関西弁がもっとなじめば、存在がより大きくなる気がします。

ヒロイン役の高橋由美子さん。若旦那が惚れる芸妓・小糸役。芸妓といえば、明治座の「居残り左平次」(ちなみに風間杜夫さんに惚れられる役でした)を思い出しますが、今回は母親がいるので(ナイロン100cの松永玲子さんが演じています)、どちらかと言うと同じ和服でも新国立劇場の「新・地獄変」の方が近い印象。
歌でデーモン小暮閣下に褒められたのに続き、関西弁で松尾貴史氏に褒められた彼女ですが、若干、微妙なイントネーションもあったような(前述)。とはいえもともと関西弁は喋れる(※)ので、その分全体的に余裕が窺える感じ。
コメディチックな大げさな芝居の部分も、馴染んでくればもっと面白くなりそう。

(※昔のマネージャーさんが大阪人だったとかいう理由。)

本人曰くの「守られ体質全然ない、恋人追って地獄行くなんてまずない」って断言してるのに、芝居としてはまっとうに形になってるのは当たり前ですが「らしい」なぁとは思います。もう一歩、存在感が表に出れたらいいかなと。

小糸の母親役、松永玲子さん。もっと爆発力系だと思ってたのですが、でも姉御系包容力系でなかなかの威厳です。しかし小糸の母親って・・・・パンフの由美子さんと玲子さんを見比べたらあまりの似すぎさにびっくりしました。
見比べようとして間にいる山内さんのページを開くともっとびっくりしますが(笑)。

んで役者的に一番面白かったのは役者&演出一同がこの人を指差すであろう出口結美子さん。もう、破壊力抜群。なんですかあれってぐらい存在そのものが面白い。出てくるシーン例外なく笑えます。

1回目では山内さん、松尾さん以外の男役者さんの違いがちょっと見分けが付かなかった感じなので、次は見分けるの目標です。
つか1人あたま最多で8役(市川笑也さん)、アツヒロ氏・由美子さん以外で残りの役を全部分担という凄さですから。

ちなみに情報3つ。
DVDが会場予約可能となっておりました。(代金は後日、郵便振替にて送金)。

今夜(2月10日)深夜TBSラジオ(25:00~26:00)で、古田新太さんがパーソナリティの番組にアツヒロ氏がゲスト出演されます。つか古田さんにアツヒロ氏ゲストでは、由美子さんのとんでもエピソードが出ないはずもなく。

パンフは1,500円。何しろ字体がいわゆる歌舞伎字体なので、暗い所で読むのはお勧めしません(つか読めません)。

そういえば、初日ゲネプロ後の様子がニッカンサイトに載ってましたが、佐藤アツヒロ氏&高橋由美子さんの堀越同級生コンビの素は、やっぱり予想通りって感じで、アツヒロ氏大変ですなぁ。
(既にG2公式あたりでずいぶん由美子さんが突っ込みまくってましたが・・・・)

参考までにスポーツ新聞関係の記事

東京中日スポーツ (一番大きい)

スポーツ報知

オリコン


何はともあれ今後の進化に期待しつつ、また笑いに行きます。今度は迷わずに(苦笑)。

とりあえず「モーツァルト!」の帝劇公演のチラシもGET。見開きA3でした。
今まで次の公演のチラシを入れてたことは余り記憶にないのですが、事務所さん、今回はちゃんと仕事してますね~。


以下ちょっぴりねたばれのため文字反転


小糸が若旦那にあてた手紙。
1日目1通、2日目2通、3日目4通・・・・で79日目まで。
ちなみに、
28日目で日本の人口を超し
33日目で世界の人口を超し
35日目で日本の年間の郵便物数を超します(笑)
79日目は漢数字では「億」「兆」「京」のさらに上、「垓」の1000倍になります。よかった、「無量大数」まで行かなくて(爆)。


話として面白かったのは小糸の「夢」の話。
話がどんどん大げさになってってお代官さんやら天狗さんやらにまであんなことこんなこと。ヒロインのはずなのにいたぶられてて、でもそれがなんだかおかしい。
理不尽だけど笑えます。
そういえばフライングは由美子さんは初めてですね。新宿コマで目の前で吊られてる(HUMANITY)のは見てるはずですが。まぁ、由美子さんは軽いから帝劇みたいにモリクミさん吊るすのに4千万かけて追加工事なんてことはしなくてよかったわけですね>世田谷パブ

そういえば、とあるシーンで、四郎&寿庵かよ!>SHIROH って突っ込みそうになったのは、ちょっと秘密。

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『MOZART!』(16)

ほぼ1ヶ月ぶりのごぶさたです。

この1ヶ月の間の出来事ですが・・・・
当ブログは1月28日をもって10万アクセスを達成いたしました。ほぼ2年がかりでの達成となりました。
いつもご覧いただいている皆さまには心から感謝申し上げます。

個人的には33回目の誕生日でありましたが、その日に10万アクセスというのも、何かの巡り合わせなのでしょう。

さてさて。
日は変わりましたが昨日、ようやく『モーツァルト!』2007年公演の東宝公式HPがアップされました。
1月1日の読売新聞で未発表だったコンスタンツェ役には、hiroの名前が。


実は、1月31日の深夜に一時的に東宝サイト内にこっそりHPが出来ちゃってまして、そこから噂は広がっていたので、実は知ってはいたのですが、一応公式発表まで書くのは自粛していました。

元SPEEDのリードボーカルだったhiro。自分自身はSPEEDはどちらかというと非ファンになるのですが、それでも歌唱のパンチ力は当時から印象が強く、今回の配役、意外ではありましたが、面白いところに目を付けたな、って印象。
ただ、歌唱という意味ではある程度完成しちゃっているので、どこまでミュージカル的歌唱になびきつつ、彼女らしさを残した形で見られるか、一抹の不安もあります。

そういえばアイドル出身のミュージカル女優さんも以前に比べるとずいぶん増えた感じがあります。

(初ミュージカル年順、敬称略)
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      生年  歌手デビュー 初ミュージカル
島田歌穂  1963年 1981年    1982年(シンデレラ)
本田美奈子 1967年 1985年    1992年(ミス・サイゴン)
高橋由美子 1974年 1990年    1993年(新・アンの愛情)
知念里奈  1981年 1996年    2003年(ジキル&ハイド)
三浦理恵子 1973年 1989年    2007年(ハウ・トゥ・サクシード)
hiro    1983年 1996年    2007年(モーツァルト!)
ソニン   1984年 2000年    2007年(スウィーニー・トッド)
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今年初ミュージカル組+アイドル出身の代表格4人で計7人を書き出してみましたが、タイプで言うとデビューからさほど間をおかずにミュージカルに出たのは歌穂さんぐらい。あとは特に今年に特徴的ですが、歌手デビューからかなりの期間をおいてミュージカルに出るということですね。(この中では由美子さんだけは間に空白期があって、1993・1997(アニーよ銃を取れ)とアイドル時代に2回出た後、2002年以降ミュージカル方面にシフトしており、アイドル時代・以外両方で出ている珍しいパターンです)

ある意味、アイドル時代の集客とかいったものは今となっては望めないという点で共通していて、今回のhiroもそういう意味では、ただちに集客につながるキャストかといえば、実は少し微妙なのかなと思われます。

集客力という点では、少し頭打ち感があるこの作品だけに、hiroの起用が集客方面へのプラスになって欲しいものです。
とはいえ、繰り返しになりますが演技は完全未知数なのはちょっとどころじゃないぐらい不安。

歌が上手なだけに、変に暴走しないことだけを祈っています。

何しろ、自分的なベストコンスは前回にも書きましたが再演(2005年)地方(名古屋・博多)の大塚ちひろ嬢だったんで、今回外れてるのがすごく残念。
役柄的にはコンスタンツェの「満たされない感情」というか「幼さ」がしっかり伝わってきた演技だっただけに、またいつか見られるのを、期待せずにいられません。

というか初見が松たか子嬢だったので、コンスタンツェに妙に「しっかり者」のイメージが付いちゃってるんですよね。松さんも好きではあるのですが、この作品にはナンネールという「しっかり者」が既にいるんで、同じ性格だとキャラがかぶってしまうので、「自覚がない自堕落」さがコンスタンツェにあった方が、物語のまとまりがしっくりくる感じがします。

さて、同時に作品の公演スケジュールも発表となったわけですが、前回に書きましたとおり、帝劇21回目が300回公演ですが、12月2日(日)のソワレ、実は貸切です(怒)。

色んな意味で東宝らしいというか・・・まぁ意地でも何とかしようとは思いますが・・・300回公演を貸切にして何とも思わない神経が信じられないというか。

で、今回の帝劇楽が332回目の公演にあたります。楽を平日のマチネにする癖もいい加減に何とかして欲しいんですが。撤収とか1日でも長くやりたいとか理由はよくわかるんですが。
確かミーマイも月曜日のマチネが楽でしたし、今回に至っては年末クリスマスのマチネって勤め人に対する嫌がらせですか・・・・?、さすがに続投メンバーに関してはそろそろ一区切り付けそうな印象を持ちます(どうせなら333回にした方がきりが良くてよかったのに、とかどーしょーもないことを思いますが)。

332回皆勤組はプリンシパルでは市村さん、由美子さん、祐一郎さん、阿知波さんの4人だけですね。

まぁそんなこんなありつつ、でもなんだかんだ言っても楽しみにはしてる自分。
吉野圭吾さんのシカネーダー続投も嬉しいし、アルコ伯爵にミーマイのパーチェスター弁護士役でコミカルないい味出してた武岡淳一さんが来てるのも何気にツボだったりします。

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