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『雨と夢のあとに』舞台版(2)

 ここのところ、当ブログ検索キーワードトップを独走している「雨と夢のあとに」。
東京公演は8月20日をもって終了、主演の福田麻由子嬢の夏休みも、もとい公演もあと10日間。

 公演は結局4回観劇。

 自分にとっては観劇の楽となった8月19日ソワレ。
 ソワレを見たのはこの日が唯一。
 舞台版雨夢名物、21時ちょうどのタイムリミット(※1)を意識したスリルを存分に楽しんだり、つか席の空きが多いとさんざ言われていた割に、この日は階段まで当日券のお客さんでいっぱいなのに驚いたり。

(※1)福田麻由子嬢は小学生のため、舞台上で演じられるのは法律上21時まで(義務教育中という制限なので、中学3年までは同様の制限)。この制限、実は去年の4月に延長されたばかり。以前は20時までだったので、同じく子役が最後まで出る東宝『ミス・サイゴン』は17時開演、20時終演でした。

 ネタバレありますので、大阪公演観劇予定の方は回れ右推奨ですっ!!!(←キャラメル風)


 ドラマ版に引き続き舞台版4回見て、4回目ではっと気づいたこと。

 雨の気持ちは、いつ母親(マリア/月江)から離れたのだろうというところ。
 実はここ、ドラマはこれを感じるには長すぎて、というか申し訳ないのですがドラマ版は杏子さんの演技の薄さがどうにも受け付けなくて、舞台版の岡田さつきさんと福田嬢の動きをみてようやくはっきり見えたのですが。

 マリアは雨に対して、家に連れ込んで、説得するわけですが、父親・朝陽の帰ってきた時の様子を思い出すように言います。「ソファーで眠ってしまっていて」という雨の答えに、マリアは言います。畳み掛けるように「朝陽が帰ってきたのは、雨が見た『夢』だったんじゃないの」と。

 この言葉を聞くまで、雨は迷っています。朝陽がマリアに会ってくれなかった、もちろんそれは幽霊である以上仕方がないとはいえ雨にはわからない。あの精神的に強い雨が、マリアの強攻策にふらふらと、翻弄されているわけです。
 父が自分に隠していた秘密、それは自分のためだと頭で納得できてはいても、それでも心の中のもやもやは晴れることはないわけで。

 が、この言葉を聞いた途端、雨はその迷いを振り切るかのようにマリアの元を離れ、とある人の後押しもあって朝陽と再び会う時間を持つに至ります。

 「父と過ごした10日間、それは夢なんかじゃない。現実なんです。」と。

 朝陽と再び会う最後の時間。観覧車の中での「知ってたよ、私。」という雨の返事。

 感覚の鋭い雨が朝陽との違和感に気づかないわけはなく、誰にも言わずに、雨は自分の中で結論を出していたように思われるのです。
 父親はもういない、でも目の前にいる人は、自分を守るために存在してくれる。それはまぎれもなく、雨にとっては『父』なのだと。

 父親が身を挺して自分を守ってくれた、それを夢だと語られたことで、マリアと『心の奥深くで結ばれる』ことはない。『心が通じ合っている』のは父だけ、それを決心したように思われたのです。

 少し前に書いた「(1)」では、そこまで舞台から読み取れなかった。マリアの存在だけが、ただ説得力があるかのように聞こえてきたんですね。今回何が違ったかというと、やっぱり雨役の福田麻由子嬢の演技が、変わってるように思われたのです。
 何というか、テレビサイズの演技から舞台サイズの演技を試した結果の産物というか、雨の感情の表現、それも舞台上での表現を、どうやったら伝わるのかを、肌で感じて形作った結果のように思われて、流石と思わずにはいられませんでした。

 あと暁子役の岡内美喜子さん。前回の「(1)」では「あまり・・・」という表現をしてしまったのですが、ぐんぐん良くなってました。テレビ版で演じた木村多江さんが観劇されたときに、多江さんと並んだ写真をキャラメルブログで拝見したのですが、絶句するぐらい空気が似てました。

 同じ日に観劇したテレビ版雨ちゃんの黒川智花さんと舞台版雨ちゃんの福田麻由子ちゃんは同じ役を演じた人なのかが信じられないぐらい違うのに。

 つか、『てるてるあした』(テレビ朝日系、2006年春クール作品)で福田麻由子ちゃんが幽霊役で黒川智花さんをいじめまくってたのがインパクト強すぎて、ツーショット写真との余りの違いに絶句してしまったですよ。

 ちなみにお2人、笑ったときの魅力もちょっと違うんですよね。黒川さんははにかんだぐらいが一番良くて、麻由子ちゃんは満面の笑顔が似合う(あまりないけど)。

 そういえば舞台そのものの話ではないのですが、ひとつ感動したことが。

 8月6日のマチネを観劇していたときのこと。
 この日は当月前半の多忙の中、体調が最悪の状態で、それにもまして前方席でスピーカーの直撃を受ける箇所ということで、気持ちが悪くなり、一時退席したのです(この時ばかりは通路側で救われました)。
 お手洗いに行かせていただき、落ち着いたところで出てくると、キャラメルボックスのスタッフの方がお手洗いの前で待っていてくださるではありませんか。
 体調を心配していただき、出口に近い席(座っていた位置からは後方ですが、かなり見やすい席でした。おそらく調整席なのだとは思いますが。)を新たに手配していただきました。
 余談を言いますと、この時のチケットはキャラメルサポータークラブ版の、岡田達也さん&福田麻由子ちゃん版のチケットという、たいそうありがたいものだったのですが(笑)。

 弱ったときの親切は何者にもかえがたい感動とはよく言ったもので、そんなことを自然にできてしまうキャラメルボックスの存在って凄い、と感動してしまったのでした。

 自分は作品を選んで見てしまう軽いキャラメルファンですが、そういう空気を一度肌で感じてしまうと、やっぱりいいなぁと思えてしまうのです。

 別に普段他人に優しくされていないからとは思いたくないけれど(爆)。

 この作品『雨と夢のあとに』はドラマ版はドラマ版で、舞台版は舞台版で、それぞれ気持ちよく見れたことは何より幸いでした。春の『ミス・ダンディライオン』とともに、DVD化を早々にお待ちしております。

 会場で買った『広くて素敵な宇宙じゃないか』DVDも、副音声がないのがぜんぜん物足りなくないぐらい、本編の濃度が濃くて、さすがはmyキャラメルNo.1作品。
 
 しばらくキャラメルとはご無沙汰しますが、引き続き頑張ってほしい劇団です。

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もともと一回行く予定にしていたのだが、あまりにも評判が良いので、ブログライター [続きを読む]

受信: 2006/08/26 07:02

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