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『ミー&マイ・ガール』(1)

40人が踊って2000人が見る舞台を、1日に2つ見てきました。

マチネは金曜日初日の『ミー&マイガール』(帝国劇場) 12:00~15:00
ソワレは自分自身7回目の『HUMANITY』(新宿コマ劇場) 18:00~20:55

いやはや、ミュージカルのハシゴはダメですね。
曲が混ざりまくります。
「ランベスウォーク」と「鬼レンジャー」に「HUMANITY」と「ME & MY GIRL」がリピートするようになると頭クラクラしてきます。
せめてどっちかはストレートプレイにしておくのが無難なんですねきっと。
ショー的な意味ではミーマイとHUMANITYはそんなに違ってないし。

(そんなこと言いつつ、去年夏には『SHIROH』(ゲキシネ)と『MOZART!』をマチソワしたことがあるので、単に「劇場の中の懲りない自分」ってだけなんですけどね。)

帝劇初演は見ておらず、この日が初見。
帝劇初演でビルを演じていた人は、新宿コマの中で鬼が島に鬼退治に行って帝劇2代目ビルのお姉さんと対峙中。

全般的にとにかく明るい、若さ溢れる舞台。事前に思い描いた通りの作品で楽しんでリピートできそう(最終週の日曜チケをつい追加してしまった)。
テンポはあまり良くないのがちょっと残念。

●ビル役/井上芳雄さん
本人が予防線張ってるほどにはビルが形作れてないとは思わないけど。
サリー役の笹本玲奈嬢との相性にずいぶん助けられているとはいえ、井上君自身もこの役を寒くならないぐらいにまでは実力を身につけたってことなんだと思う。

彼を最初に見たのは由美子さんと恋人役だった『バタフライはフリー』(パルコ劇場、2002年)。

その後『MOZART!』(初演・再演)に『ミス・サイゴン』しか見ていないけど、演じるたびに役者が大きくなってきているのを見ているので、なんだか”デキる後輩”をもった気分(笑)。いや、自分は役者ではないですが。

貴族になってからが妙にハマってるのに比べると、最初のランベス育ちの頃の表現はもっとはっちゃけてもいいかなとは思う。型破りさが中途半端で、貴族が渋い顔するのはわかるけど、ランベスにも溶け込んでないように見えた。
”ランベスが俺の居場所なんだ”と断言できるほど下町っ子には見えなかったかも。

某所で「寅さん」と書かれてて噴き出しちゃったですよ私。

パンフレットのコメントは小池修一郎先生でした。小池さんまたもやそんな話で由美子さんの名前を出しますか(※1)

(※1)「彼は自分のことをかっこいいと思ってる」と「恋人役で組んだ高橋由美子と木村佳乃が3年違いで同じこと言った」と。

由美子さんの話は井上君が『SHIROH』パンフで自らバラしてるから初見ではなかった(そのとき井上君は由美子さんのことを「怖い人」だと思ったらしい)けど、木村さんも同じこと言ったのか。なんとなく素のキャラは似てそうな印象が前からあるけどなー
(2人して居酒屋でクダ巻いてグチるイメージ←ってをい)


●サリー役/笹本玲奈さん
「悲劇慣れ(笑)してる私が人を笑わせる難しさに直面してます」とインタビューで語っていた彼女。
振り付けの玉野さんから「玲奈はそのまんまでサリーだから」と言われたそうですが、まさに「まんま」です。表面的には「役作り何もしてません」って言われても信じられそうなところにびっくり(←本人の名誉のために言いますがそんなことは言ってません)。

身分の違いにくじけそうになるあたりの曲(※2)は感動的だったなぁ。どちらかというと勢いでエネルギー全開にして歌うのが持ち味だけど(※3)、声を震わせて悲しみをこらえて歌う歌にはうるっと来るものがありました。

演技で悲しみを出せる人だけに、歌でも出せるようになるともっと深みが増すと思ってたので、今回は嬉しい誤算。

チェック柄の赤い衣装もぴったり合ってる。こんなに完璧に着こなしていていいんだろうかと、チラシの写真を見て以来思っていたんですが、実際に見ても同じ感想だった・・・。

でも井上君同様育ちの悪いおなご役はやっぱりまだ、ちと痛かった・・・・悪ぶってる感じが必死でちょっと痛々しかったかな。コメディエンヌって難しいもんだなぁと。

(※2)曲は「スマイル!スマイル!」(原題「Take It On The Chin」)

(※3)『レ・ミゼラブル』の『ワン・デイ・モア』は2003年から参入組の私にはベストエポです。絶対に他キャストの声に埋もれないので。


●ビル&サリー
わざわざこれで1セクション作ってしまうほどですが、なにせ、このカップルの相性なしでこの作品成立してません。

『ミス・サイゴン』で誕生した超ラブラブカップル(舞台上限定)ですが、井上&笹本のカップルの組み合わせは「相思相愛の恋愛関係演じさせたら日本一」だと思いますです、はい(※4)。

つか、もう突っ込みようが限りなく”ない”。
身分の違いが2人を引き裂きそうになるってところが、歌もいらない・説明台詞も要らない・2人並んで見つめあって抱き合ってそれで全部表現できちゃう-んだから凄い。

「あなた2人の仲を引き裂くなんて、神様でもできないと思うわ」ってジャッキーが白旗挙げそう(笑)。


(※4)「付かず離れずの恋愛直前の関係を演じさせたら」上川隆也さん&高橋由美子さんの組み合わせに敵うものはないと思ってます。1年半経った今でも。


●他キャストよしなしごと
ジャッキー役の純名りささん。そういえばこの方初見。本人制作発表で「女のずるさを見せたい」って言ってて、とりあえず外見見る限りはそういうのぴったりそうに見えるんですが(ただの印象で)、あのカップル前にするとさすがに分が悪いというのもあるし、存在的にもちょっと弱い気がしました。これ!という押しが見えなかったかな。

マリア役の涼風真世さん。4月の『あずみ』以来2度目。つかあずみの2役を見てしまったからもはやこの程度じゃこの方満足できません。どちらかといえば憎まれ役ということもあり、最後の苦悩するシーンを横に置いても、あまり魅力的なキャラに見えなかった。

ジョン卿役の村井国夫さん。1月の『ベガーズ・オペラ』以来2度目。マリア公爵夫人よりジョン卿が見てて好きになるあたり、いかにあのカップル中心に物見てるかがよく分かるってものですね。

あと弁護士さんいい味出してます。

で、キャストではないですがダンシングマエストロ・塩ちゃんこと塩田明弘氏。
「踊る指揮者」として余りに有名ですが、なんと今回「ランベス・ウォーク」も踊ってます(笑)。そのとき指揮をしてないようにも見えます(笑)。

つか面白すぎでした。


●ちなみに帝劇改装
4・5月と休館した帝劇ですが、この作品から再び開館。
気づいたところといえば

1.舞台の幕が重厚なものから明るい白地のものに変わっていた。
 けっこう劇場内が明るく見えます。

2.1F座席が千鳥配置に変更。
 1Fでは見れていませんが恐らく前よりはまともになっているかと。

3.2Fお手洗いの配置が変更。
 上手側のお手洗いは、従来手前が女性用・奥が男性用でしたが、今回の改装に伴い、手前が男性用・奥が女性用に変更になりました(中も完全改装)。
 女性用が列が長く伸びるために、並べる場所を広げたということのようです。

こんな感じでしょうか。

ストーリー的には、ラスト1分のカタルシスが大好き。
ちょっと前まであっさり終わったりするのかなーとか思ってたらけっこう劇的に持ってってくれて感動。

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