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2006年6月

『ミー&マイ・ガール』(3)

2006.6.25(Sun.) 17:00~20:10 帝国劇場(2階S席)

祝千秋楽。と言っても自分が行ったのは前日日曜日ソワレ。
いやはや、怖いぐらいの盛り上がりでした。

本日5回目のミーマイ。
公演が始まってから取った2階S席、よりにもよってこの作品で、帝劇窓口で1階後方席と2階前方席からの選択を迫られて、2階S席で見てしまう自分。

この作品の1幕最後にある「ランベス・ウォーク」で役者さんが客席降りしますが、早い話が2階は何もないわけで、B席ならともかく、S席でそれはどうかなぁと、周囲の口さたない知人が言ってたりするわけで、公演開始前ならともかく、公演開始後で2階S席を取るのは変わりもんだと。

って話をしてみて2階に上がってみると、さすが最後の日曜ソワレ、ほとんど埋まってる。満員御礼まであと一歩という感じで、ちょっと残念かな。
そしてなぜか指揮者の塩田さんが2階でいらっしゃる。なんでも数日前から2階出張らしく、お客さんと妙にフレンドリーなトークを繰り広げてます。
何せこの辺の2階センターときたらリピーター多数。

ちなみに塩ちゃんが聞いた「一番多く見てる人」は「12回」でした。それに対して塩ちゃんは「僕は36回だもん」となぜか拗ねた風に言ってて笑ってしまった。

今回の帝劇の改装で、1階席中央は千鳥配置になりましたが(実は未体験ですが)、2階席中央は実はそのまま。今日は2階席のどセンター(ただし1列目にあらず)で、今日はあいにく座高の高い方が前で、中央部見えず。

※「ミー&マイガール」のパンフレットには帝劇の新座席表が入っていますが、ちゃんと見ると千鳥配置になってるのは確かに1階だけです。

まぁ塩ちゃんが見えないだけという説もありますので、人によってはそれでいいのかもしれませんが。

何せ、ミーマイの売りの一つは塩ちゃんの腰振り指揮ですので(半ば冗談半ば本気ですが)

それにしても音の通りが良くてびっくりします。帝劇は座席の場所で音の通り方が全然違いますが、特に今作ヒロインの笹本さんは比較的直線的な声なので、横に広がりにくい声質で、尚更それを感じるのかもしれません。(最近の東宝女性陣で横に広がるのは新妻聖子さんとかシルビア・グラブさんとか。)

笹本さん、前回のコメントではちょっと厳しめのコメントをしてますが、ブログの感想を見回ってみると、宝塚初演のこの作品で宝塚版見てない人が自分のようなコメントするのは珍しいようです。

でもさすが良くなってました。
純名ジャッキーへの「お里が知れるのはてめーのほーだ」も中々堂に入ってきていい感じで壊れてきてて良。彼女の上手いのはここで気を散らさずにそのまま拗ねるシーンから嬉しがるシーンまでちゃんと繋がってるところ。

笹本さんの自分のイメージは「昨日泣いたカラスがもう笑った」って感じのコロコロ変わる百面相ぶり。見てて嬉しくなってくるので「ミー&マイガール」のとことかこの辺とか、見てて眼福。
別にミーマイ対策ではなかったのですが、今月頭からオペラグラスをちょっと値が張るシロモノに新調したりしてまして、そんなんで彼女の表情見てますと本当に飽きません。

とある人が「下町ド直球ヒロイン」と称してて、言い得て妙だと思いますです。

「スマイル!スマイル!」の時の握りこぶしの似合うことと言ったらないです。

まぁその分、2幕の井上ビル(←なんか実在する建物みたい)が感情を吐露する「街灯の下で」でサリーが白いドレスで踊るところとか、まさにラストのピンク色お嬢様化ドレスはちょっと似合わない感じもするわけですが・・・・

井上君のコンサートで「オペラ座の怪人」のクリスティーヌやったときも、なんだか衣装だけはちょっと浮いていた気がするし。

この作品のサリーはビルとの身分の違いに悩んで、一旦は身を引きますが、その「大人になっていく過程」になんでか脳内で流れるテーマ曲は、「夢見る少女じゃいられない」(Song By 相川七瀬)だったりする(笑)。

何というか、笹本さんが持ってるポップな感じというか、どちらかというと「止まると死んじゃう」みたいな(苦笑)エネルギッシュな感じは、悲劇慣れ(本人談)した役柄で、重厚なミュージカル曲を歌うよりむしろ、ロック的なシャウトの方が活きそうな気が、何となくしていたりします。

そしてこの日ツボだったのが、執事・チャールズを演じた丸山博一さん。
ビルとサリーと初対面になる机の下もぐりこみ見つけシーン。
ここで初対面のサリーとすごーく力入った握手してまして。
サリーがめちゃくちゃ感激して「この人いー人じゃん!」って感動してるのが自分のことのように嬉しくて。

このシーンをきっかけに各シーン見てると、ヘアフォード家でサリーのこと目の敵にしてるのってマリアとジャッキーだけ?
ジャッキーは恋敵だから分からないでもないし、マリアはサリーがヘアフォード家に相応しくないという理由のみで反対してるだけだし(2幕でヒギンズ教授にお嬢様修行受けたサリーのことは喜んで受け入れてるし。ひたすら現金だなぁとは思うけれど)。

執事は上記の通り第一印象でOKサイン出してるし(※1)、ジョンはランベスウォークを教えてもらったのが嬉しかったみたいだし(※2)、パーチェスター(弁護士)に至っては自分の取り分は変わらないなら全然異議もないみたいだし。

※1 ただし執事だから自分の意見で動くことは許されないけれど
※2 もちろんそういう理由ではない(笑)し時系列も違う

一発でヘアフォード家の下働きの皆さんの心をゲットしてしまったサリーの凄さにちょっとびっくりしたり。むしろ、「貴族」に使われる方に慣らされてしまった皆にとって、サリー、そしてビルは羨ましい存在なんじゃないかなと思う。

いきなり「あなたはヘアフォード家の後継ぎです」って言われたことを羨ましがってるんじゃなくて2人のまっすぐな気持ちを羨ましがってるように見える。何せ執事氏いわく「死刑宣告式」(※3)経験者だし。

※3 英語で意訳すると「marrige」です

でその2人。
ビルとサリーはありえないぐらいのラブラブカップルですが、それ故に困った問題が一つ。余りに普通に好き合いすぎてて、「想い合うのが当たり前」すぎて、想いの深さを表現してるシーンがない・・・・

サリーはそれでもビルとの身分の違いを慮って自分から離れようとする想いを、2曲歌にしているから、その気持ちは伝わってくるのだけれど、ビルからサリーへはなんだか軽いというか少ないというか・・・・

2幕で「街灯の下で」の曲に感じるものはあるわけですが、それでも『どうしても俺はサリーじゃなきゃダメなんだ』という言葉が、身を引いたサリーとの対比で、どうもビルが子供じみていて、やっぱり男ってこういうところは幼くできているなぁと思いますね。

でもでも。最後のマリアとのやり取りで
「ヘアフォード伯爵の奥さんになりたい奴は(たくさんいる)
でも俺の奥さんになりたい奴は1人だけなんだ」

ってとこ、見る度にかっこ良くなってた。
気負うでもなく力むでもなく、そう言い切れたビルが凄く良かった。
サリーの成長ばかり見えていたから、ここのシーンで見えたビルの成長が頼もしく思えて、さすがは井上君だと感心。

結局ミーマイは5回見たけど、最後のこの回が一番良かった。
盛り上がっていたのもあるし、音が通る2階センターということもあったけど、芝居としてそれぞれの人の想いがちゃんと収斂していた感じで、ストーリーとしてはじめてかちっとはまった気がしたから。

その分、出し物的にこの作品の公演前半を引っ張っていたマリア役の涼風さんの芝居は、どうにも本筋から外れて見えてきちゃっていて。(※4)
ジョンや執事をはじめとしたヘアフォード家の皆がビルとサリーの幸せを願っている空気と、なんだかずれたように見えてしまった(立場の違いを横に置いても)というのは、もしかすると芝居として「こなれた」ということだったのかもしれません。

※4 余談と称されても、あれがないと間がもたない時期があったのは事実。でもこの日は、普通に「もうそろそろそれいいです」と言えるぐらいに芝居が成立してた気がします。

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『ミー&マイ・ガール』(2)

2006.6.10(Sat.) 17:00~20:00 帝国劇場(2階B席)
2006.6.15(Thu.) 18:30~21:35 帝国劇場(1階A席)

本日3回目、みーまい。<何かこの作品はひらがなで書くと不思議な空気になる

塩田さん@指揮者の尻振りが強烈(爆笑)。

ハッピーエンドだしラブラブカップルだし、楽しく見せてもらってます。
でも何なんだろう、自分の中のこの奇妙な微妙な空気。

前回、笹本さんの登場シーンの「わざと悪ぶった演技」が痛々しくて・・・って書いたのですが(こんなこと言ってますが彼女も二推しぐらいの役者さんです)、2回目の観劇で

「もう魚市場で働かなくてもいいんだねぇー!」

の台詞に強烈なデジャブ感が。

ああ、「てるてるあした」の黒川智花嬢だわ(※1)

優等生がわざわざイモっぽさを見せようとすると、若いとなかなか難しいんだねぇ、と思ってしまいました。2人とも演技は巧い方に属する女優さんなはずなんですけどね。

(※1)テレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」枠(テレビ朝日は金曜23:15~24:15)にて放送中。自分は先々週で脱落しました。

井上&笹本カップルで一番好きなシーンが「ミーアンドマイガール」の「もっと」って歌詞のところの空気。
この曲のほとんどラスト、2人の気持ちが盛り上がり、見つめあって言う歌詞なのですが、言葉で表現できないのがもどかしいぐらい、もう「これだよこれ~」って感じの空気。
「今でも十分幸せだけど、2人で『もっと』幸せになろうね」って気持ちがまったくずれずにぴったりハマってるのがすご~く好き。

何か、井上&笹本コンビの空気は”みーまい”にぴったりはまってるんだけど、その分、他の出演者とのちょっとした空気の違いみたいなものがはっきり見えちゃってて、作品としてはなんだか微妙。
そこかしこに『MOZART!』じみた、かつ、なんだか眠くなるシーンが現れ出でてまして、メイド&料理人のシーンってそれこそコロレド登場直前のシーンとダブって。
とりあえず階段はないから赤い服の人が「サボルな~」とか出てこないから安心ですが(←こら)。

当たり役だと思ってた笹本さんですが、3回見ても実は思ったより満足感がありません。なんでだろうとつらつら考えるに、演技が薄いのが致命的なのかなと。

彼女は得意な順でダンス・演技・歌なのだそうですが、ダンスはもう言うまでもなくヒロイン級であそこまで踊れる人はだ~れもいないわけですが、苦手意識があると本人がいう歌でさえ、とりあえずそつなくはこなしてます。
感情歌としてはまだまだ奮闘の余地ありですが・・・・

でも演技は・・・。この日21歳になったばかりの若手女優に多くを望むべきじゃないのかもしれないけど、純名さん演じるジャッキーと、井上さん演じるビルを取り合うケンカのシーンなんか痛々しくて見てられない・・・・あのシーン、もっと落差つければメチャクチャ面白いはずなのに、シーンとしてもったいない使い方をしちゃってる。

『ベガーズ・オペラ』でジョン・ケアードに芝居付けてもらった島田歌穂さんとのガチンコシーンの縮小再生産にしか思えない演技だし。

というか、全体的にいって自分にとってこの作品の鑑賞後感想が微妙なのは、「芝居が薄い」からじゃないかと思えてきます。まぁミュージカルコメディだから「楽しんじゃった方が勝ち」ではあるし、楽しいは楽しいんだけど、やっぱり芝居が薄いと間が持たないわけで。

多分、演出家さんの問題に思える。
どうも演技を付けていないというか、ただ役者の力量だけで乗り切ってるようにしか思えなくて。(村井さんにしろ涼風さんにしろ。)

作品としては何とか形になってるんだけど、ストーリーに深みを持たせたり役者の演技を重層的にして作品に厚みを持たせたり、あたりのテクニックをあまり感じないのが物足りない。

役者が進歩するのは作品と演出家にどれだけめぐり合って役者の知らない面を引き出してもらうかだと思ってるので、2003年東宝デビュー以降、あれだけ作品に出てるのに舞台作品(ショー除く)で3人の演出家としか仕事をしていない笹本さんは、ある意味気の毒に思える。
(レミゼ&ベガーズのジョン・ケアード、サイゴンのフレッド・ハンソン、イーストウィックの魔女たち&ハゲレット&ミーマイの山田氏)

※ちなみに同じ2003年~2006年の4年間で言うと、松たか子さん、高橋由美子さんがともに7人の演出家さんと舞台で仕事をしているのが象徴的。

才能を耕す暇もないままに帝劇に立ってる姿見てると、いつか擦り切れちゃうんじゃないかと心配で仕方がなく。少しは外の世界も見て新しい役柄を見つけて欲しいなと思ってます。

「ランベスウォーク」のシーンでは一瞬井上氏の立ち姿が宝塚の男役風に見えたり(作品上ある意味当たり前ですが)、笹本嬢がレミのオーディションを選ばずに宝塚を受けたてら(※2)むしろ男役になりそうだなとか、妙なことを思って見てました。

(※2)本人がインタビューで何度か語ってます。人生の岐路だったとのこと。ちなみに彼女の母親は元宝塚の方です。

そういえば、改装なった帝劇。
昨日開演5分前に、PHS(DDIポケットのH”)の電源を切ろうとふと眺めていると、3本立ってたアンテナが一瞬で「圏外」に。
どうもこのたびの改装で「携帯電話抑止装置」を付けたらしく、2幕前も同じ時間(5分前の入り促しベル)の時に「圏外」になってました。
やっぱりやれること全部やったみたいですね。

2Fの女性用お手洗いの拡張に伴い、年がら年中列が出来ていたB2Fのお手洗いも1幕・2幕の間はガラガラ。千鳥配置になった1階客席といい、色々いい仕事してます。(その分男性用お手洗いは減ったんですけどね。どうせ地下に行くんで別にいいです)

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『HUMANITY』(6)

2006.6.11(Sun.) 13:00~16:10 新宿コマ劇場

あんなに通った新宿東宝ビル通いも、今年はこれで終了。
今年はシアターアプル2回、新宿コマ劇場8回の合計10回ですが、7月後半には帝劇観劇回数に追い抜かれる予定。

●まずはカーテンコールの話
寺脇さんは「カーテンコールの話ばっかりじゃなくて芝居の話してくれ」とグチってましたが(多分公式のBBSのことでしょう)、あれだけインパクトあれば芝居の話はかなり忘れます(苦笑)。

千秋楽バージョンということでいつものメンバーに植木豪さん・蘭香レアさんを加えた特別パターン。

まずは植木豪さん。寺脇さんから「頭で回ってるとハゲてくるんじゃない?」と突っ込まれ、「現に親父がそう(=頭が火事とか言ってた)です。向こう(舞台上手後方を指し)にいます」と。

蘭香レアさん。千秋楽の独特の「何か起こるんだろう」みたいな変な空気に思いっきり巻き込まれてしまい、台詞は噛むは、寺脇さんとのシーンでメガネ落としてうろたえるわ、およそ考えられうる限りのぐだぐだっぷりでした(本人は「計算ですよっ」って言って「嘘付けっ(笑)」って寺脇さんに突っ込まれてましたが)。この人も天然ですか・・・・

お2方とも、お客さんとスタッフへの感謝に触れられていました。

一人あえて飛ばして戸田さん。この方の挨拶は会期途中から油断ならなくなりました(笑)。この日も「大阪、ロンドンと続きます」と言って「ロンドンでこの芝居どうやってやるんだよっ」って唐沢さんに突っ込まれていましたっけ。
「新宿駅から(役者の)みなさん逆立ちで来られていて」と言ってこれまた「嘘付けっ(笑)」って岸谷さんに突っ込まれてました。

何か役割分担があるようで、
 戸田さんへの突っ込み→岸谷さん、唐沢さん
 植木さん、蘭香さんへの突っ込み→寺脇さん
 唐沢さんへの突っ込み→岸谷さん
ですね。
突っ込みそうで突っ込まないのが戸田さん。ちょっと意外。

そして寺脇さんからの突っ込まれ回数でダントツのTOPを行く高橋由美子さん。

「大きな事故もなく怪我もなく、ここまでやれたのはお客様と、見えないところで頑張っていただいたスタッフの皆さまのおかげです。本当にありがとうございました(と、向かって客席からぐるーっと360度回ってあいさつ)」と。

これで終わるのかと思いきや、「私、9年前にもこの劇場に立ったことがあるんですけど、その時やりたかったことがあるんですけど、やっていいですか?」と。
会場の大拍手に力を得て何をするのかと思いきや、舞台下手側から花道に猛然とダッシュ(この日は花道の隣の席だったので、いきなり走ってくるのにびっくりしましたよもう)。花道突き当たりの51番あたりの女性の方に「握手してくださいっ」と手を差し出し、握手して舞台に再びダッシュ。

つか役者が「握手してくださいっ」ってどんなんだ
(羨ましいぞぞぞ)

由美子さんが寺脇さん司会の「王様のブランチ」に番宣で出たときに寺脇さんが

「新宿コマ劇場で僕と握手!」

と言って由美子さんが「いいんですかそんなこと言って~」って突っ込んでたけど、客席内でお客さんと握手した役者さんは実は由美子さんだったという、変なオチでした。(当然2人とも覚えてないと思うケド)

由美子さんのカテコ暴走はもう誰にも止められない(爆)。

唐沢さんは「岸谷さんとはぼったくりバーで一緒にぼられた仲」などと言い出し、岸谷さんとのエピソードをふんだんに。いわく「酒2杯とうどん(しかもインスタントうどん)2杯で4万円」だったという。岸谷さんが「ここは俺が出すよ」と言いながらも明細書見た途端、「うどん1杯1万円かよ!」と店の中に響く大声で叫んだらしい(笑)。

しかも4万円払って持ち合わせのなくなった岸谷さん。タクシーに乗ったかと思いきや窓を開け、唐沢さんに「お金ないから貸して」と泣きついたそう。

そんな「舞台上でも普段でも変わらない2人ですけど、これからも地球ゴージャスをよろしくお願いします」で締めていました。(どんな締めなんだそれ)

そういえば本編では唐沢さん、最後の戸田さんに腕ねじ上げられるシーンで「いつもより痛いっ!」って言って会場内の大拍手を受けていましたが、そのせいか、本当に珍しく戸田さんの台詞が飛んだ(5秒ぐらいの妙な間があった)・・・あそこでアドリブかますと思ってなかったんだろうなぁ>戸田さん

●この日の舞台そのもの
個人的には由美子さんが夏風邪引いてる(9日のカーテンコールで言ってたそうです)のにもかかわらず、自分の見た中ではベストの出来で仕上げてきてくれて、もうそれだけで何も言うことないぐらい。
もともと初日と千秋楽に調子を合わせて、2週間ぐらいずつにピークをこさせるテクニックは前からなんですが、輪を掛けてそのあたりが上手くなってて嬉しい。

あの歳じゃちょっと・・・・と思ってたミヨちゃん演技もなんだか堂に入ってきて「これじゃぁ『ぞぞぞを言わせたら日本一』(寺脇さん談。この紹介コメント、寺脇さんが気に入ったらしい)って言われても納得するわこりゃ」とか思えて。

邪鬼も凄い迫力で破壊力抜群。演じてて血管切れちゃうんじゃないかとも思えるのに直後ではOLモードに早変わりしてるし。シリアスとコメディの切り替えの時間差は2分もないけど、「花の紅天狗」でも「SHIROH」でもころころ表情変えてそんなんやってたからお手のものって感じ。そりゃ戸田さんの引出しの多さには敵わないけど、違う演出家に演出されるたびに引出しを新しく作ってく感じが、飽きを感じさせなくて好きです。

というか、地球ゴージャスにここまで馴染むと思わなかったなぁ。

印象的だったのは「地球ゴージャスの歌姫」って称号が使われなかったこと。
この称号は永久に本田美奈子さんのもの、その想いは痛いほどわかるだけに、キャラがあちらこちらでかぶる由美子さんにこの称号を言わなかったのはホッとしたかな。

埼玉出身(本田さんは朝霞、由美子さんは大宮)、堀越出身、アイドル出身、東宝ミュージカル経験者(但し意外なことに同役はやっていない)で、違うのは音階(本田さんはソプラノ、由美子さんはアルト)とお酒の量(爆)ぐらいという2人。

お酒の量に関する参考資料

あえて比べられだしたら収拾つかなくなりそうだし。その辺、特に寺脇さんの配慮をすごく感じた。(寺脇さんのフォローのきめ細かさ、めちゃくちゃ尊敬。)

由美子さんの役をどちらかといえば印象が強い「儚げな役」(レミゼのファンテーヌとか、MOZART!のナンネールとか)より、お馬鹿キャラ(紅天狗の茜とか)と威厳キャラ(SHIROHの寿庵とか)の両方向に枝分かれさせたのも、前作「クラウディア」と役柄を似せないという意味で、脚本に影響させたのかな、と思えてきます。(クラウディアは実際には見たことないので想像も入ってますけど)

帝劇にずっと篭るより、初見組が多いこの新宿コマで延べ8万人の観客に見てもらったことは由美子さんにとっては十分に大きいし、そんな舞台で一緒に楽しめたことは、予想外の嬉しさではありました。
5ヶ月やってたナンネール役より、「歌に驚いた」というコメントは多かった気がしますし。(ブログ検索したら100以上そんなコメントがあったかと)

●人の縁(えにし)
パンフレットで唐沢寿明さんが話されていますが、「仕事を人で受けることが多い」と。「この人とならいい芝居が出来る」、それが判断基準だと。

これは高橋由美子さんも昔、ほとんど同じ趣旨の話を別の言葉で話されていて、「ホンも見ない段階から『あの人と芝居がやれる』なら舞台に出る」と、周囲が心配するぐらい即決だと。

今回の唐沢さんの話をパンフで見たときにその点が思い出されて。

今回の作品のテーマに「仲間」というものがありますが、作品を通して形作る、「どちらかといえば個人商店である」(※1)役者の共同作業で生まれる仲間意識、それは地球ゴージャスが、というより岸谷さんと寺脇さんが望む一つの形なのかな、とは思います。

会社人間という仲で解雇という影に怯えるだけだった社員たちが、お互い仲間として助け合うことで、より人間らしい人生を送っていく、ともすればクサい「前時代的なもの」(※2)になりかねない部分を、それなりに説得力のあるものとして見せているという点。かつそれでいて現実社会に対するパワーを持っていることが、新宿コマを40公演ほぼ満員にする原動力なのかもしれません(※3)

(※1)由美子さんのパンフのコメント
(※2)唐沢さんのパンフのコメント
(※3)招待券も出てはいますが空席の少なさには呆然

その意味では役者の横のつながりって思う以上に大きいんだなと思えて。
由美子さんは「SHIROH」と中川君を引き合わせたきっかけを作った人だけれども、今回は戸田さんから地球ゴージャスと引き合わせられるきっかけをもらったわけだし、お互い「この人と芝居をしたい」という原動力によって、舞台は作られているんだなぁということに感じ入ります。

そんな役者間の空気は決して馴れ合いになることなく、お互いを高めあって作品にもパワーを与えていくという意味で、観客にとってもありがたい限り。

戸田さんに最後を持っていかれるのはちょっと悔しいんだけど(笑)、やっぱり名実ともに格上だし。歳が16も違うのにそれなりに演技で対抗できてたことで満足してるからまぁいいねと。(※4)

(※4)感覚的には「SHIROH」で秋山菜津子さんに持っていかれた感じと瓜二つ

ラストシーンに由美子さんが出てこない舞台って、今までの作品15作品で恐らく初めて(※5)
3万7千分の1の確率で生き残った「SHIROH」を筆頭に、「ミス・サイゴン」も「レ・ミゼラブル」も「MOZART!」も「花の紅天狗」も「野獣郎見参」も全部ラストシーンは彼女の登場シーンで終わってたことから考えると、「そういう役でも存在感を出せた」という意味で、いつもと違った立場で良かったのかなと。

(※5)一部エンディングが曖昧な作品があるけど少なくとも覚えている作品は全てラストに出てます。「透明人間の蒸気」さえラストは由美子さんの声だし。

大阪に行く踏ん切りが無事ついたので、前楽・大楽と見に行ってきます。

6月はあと2週間ミーマイ漬けに戻って、HUMANITYで締めようかと思います。
ミーマイは先週土曜も見に行きましたが、感想は今週末に一緒に。

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『ミー&マイ・ガール』(1)

40人が踊って2000人が見る舞台を、1日に2つ見てきました。

マチネは金曜日初日の『ミー&マイガール』(帝国劇場) 12:00~15:00
ソワレは自分自身7回目の『HUMANITY』(新宿コマ劇場) 18:00~20:55

いやはや、ミュージカルのハシゴはダメですね。
曲が混ざりまくります。
「ランベスウォーク」と「鬼レンジャー」に「HUMANITY」と「ME & MY GIRL」がリピートするようになると頭クラクラしてきます。
せめてどっちかはストレートプレイにしておくのが無難なんですねきっと。
ショー的な意味ではミーマイとHUMANITYはそんなに違ってないし。

(そんなこと言いつつ、去年夏には『SHIROH』(ゲキシネ)と『MOZART!』をマチソワしたことがあるので、単に「劇場の中の懲りない自分」ってだけなんですけどね。)

帝劇初演は見ておらず、この日が初見。
帝劇初演でビルを演じていた人は、新宿コマの中で鬼が島に鬼退治に行って帝劇2代目ビルのお姉さんと対峙中。

全般的にとにかく明るい、若さ溢れる舞台。事前に思い描いた通りの作品で楽しんでリピートできそう(最終週の日曜チケをつい追加してしまった)。
テンポはあまり良くないのがちょっと残念。

●ビル役/井上芳雄さん
本人が予防線張ってるほどにはビルが形作れてないとは思わないけど。
サリー役の笹本玲奈嬢との相性にずいぶん助けられているとはいえ、井上君自身もこの役を寒くならないぐらいにまでは実力を身につけたってことなんだと思う。

彼を最初に見たのは由美子さんと恋人役だった『バタフライはフリー』(パルコ劇場、2002年)。

その後『MOZART!』(初演・再演)に『ミス・サイゴン』しか見ていないけど、演じるたびに役者が大きくなってきているのを見ているので、なんだか”デキる後輩”をもった気分(笑)。いや、自分は役者ではないですが。

貴族になってからが妙にハマってるのに比べると、最初のランベス育ちの頃の表現はもっとはっちゃけてもいいかなとは思う。型破りさが中途半端で、貴族が渋い顔するのはわかるけど、ランベスにも溶け込んでないように見えた。
”ランベスが俺の居場所なんだ”と断言できるほど下町っ子には見えなかったかも。

某所で「寅さん」と書かれてて噴き出しちゃったですよ私。

パンフレットのコメントは小池修一郎先生でした。小池さんまたもやそんな話で由美子さんの名前を出しますか(※1)

(※1)「彼は自分のことをかっこいいと思ってる」と「恋人役で組んだ高橋由美子と木村佳乃が3年違いで同じこと言った」と。

由美子さんの話は井上君が『SHIROH』パンフで自らバラしてるから初見ではなかった(そのとき井上君は由美子さんのことを「怖い人」だと思ったらしい)けど、木村さんも同じこと言ったのか。なんとなく素のキャラは似てそうな印象が前からあるけどなー
(2人して居酒屋でクダ巻いてグチるイメージ←ってをい)


●サリー役/笹本玲奈さん
「悲劇慣れ(笑)してる私が人を笑わせる難しさに直面してます」とインタビューで語っていた彼女。
振り付けの玉野さんから「玲奈はそのまんまでサリーだから」と言われたそうですが、まさに「まんま」です。表面的には「役作り何もしてません」って言われても信じられそうなところにびっくり(←本人の名誉のために言いますがそんなことは言ってません)。

身分の違いにくじけそうになるあたりの曲(※2)は感動的だったなぁ。どちらかというと勢いでエネルギー全開にして歌うのが持ち味だけど(※3)、声を震わせて悲しみをこらえて歌う歌にはうるっと来るものがありました。

演技で悲しみを出せる人だけに、歌でも出せるようになるともっと深みが増すと思ってたので、今回は嬉しい誤算。

チェック柄の赤い衣装もぴったり合ってる。こんなに完璧に着こなしていていいんだろうかと、チラシの写真を見て以来思っていたんですが、実際に見ても同じ感想だった・・・。

でも井上君同様育ちの悪いおなご役はやっぱりまだ、ちと痛かった・・・・悪ぶってる感じが必死でちょっと痛々しかったかな。コメディエンヌって難しいもんだなぁと。

(※2)曲は「スマイル!スマイル!」(原題「Take It On The Chin」)

(※3)『レ・ミゼラブル』の『ワン・デイ・モア』は2003年から参入組の私にはベストエポです。絶対に他キャストの声に埋もれないので。


●ビル&サリー
わざわざこれで1セクション作ってしまうほどですが、なにせ、このカップルの相性なしでこの作品成立してません。

『ミス・サイゴン』で誕生した超ラブラブカップル(舞台上限定)ですが、井上&笹本のカップルの組み合わせは「相思相愛の恋愛関係演じさせたら日本一」だと思いますです、はい(※4)。

つか、もう突っ込みようが限りなく”ない”。
身分の違いが2人を引き裂きそうになるってところが、歌もいらない・説明台詞も要らない・2人並んで見つめあって抱き合ってそれで全部表現できちゃう-んだから凄い。

「あなた2人の仲を引き裂くなんて、神様でもできないと思うわ」ってジャッキーが白旗挙げそう(笑)。


(※4)「付かず離れずの恋愛直前の関係を演じさせたら」上川隆也さん&高橋由美子さんの組み合わせに敵うものはないと思ってます。1年半経った今でも。


●他キャストよしなしごと
ジャッキー役の純名りささん。そういえばこの方初見。本人制作発表で「女のずるさを見せたい」って言ってて、とりあえず外見見る限りはそういうのぴったりそうに見えるんですが(ただの印象で)、あのカップル前にするとさすがに分が悪いというのもあるし、存在的にもちょっと弱い気がしました。これ!という押しが見えなかったかな。

マリア役の涼風真世さん。4月の『あずみ』以来2度目。つかあずみの2役を見てしまったからもはやこの程度じゃこの方満足できません。どちらかといえば憎まれ役ということもあり、最後の苦悩するシーンを横に置いても、あまり魅力的なキャラに見えなかった。

ジョン卿役の村井国夫さん。1月の『ベガーズ・オペラ』以来2度目。マリア公爵夫人よりジョン卿が見てて好きになるあたり、いかにあのカップル中心に物見てるかがよく分かるってものですね。

あと弁護士さんいい味出してます。

で、キャストではないですがダンシングマエストロ・塩ちゃんこと塩田明弘氏。
「踊る指揮者」として余りに有名ですが、なんと今回「ランベス・ウォーク」も踊ってます(笑)。そのとき指揮をしてないようにも見えます(笑)。

つか面白すぎでした。


●ちなみに帝劇改装
4・5月と休館した帝劇ですが、この作品から再び開館。
気づいたところといえば

1.舞台の幕が重厚なものから明るい白地のものに変わっていた。
 けっこう劇場内が明るく見えます。

2.1F座席が千鳥配置に変更。
 1Fでは見れていませんが恐らく前よりはまともになっているかと。

3.2Fお手洗いの配置が変更。
 上手側のお手洗いは、従来手前が女性用・奥が男性用でしたが、今回の改装に伴い、手前が男性用・奥が女性用に変更になりました(中も完全改装)。
 女性用が列が長く伸びるために、並べる場所を広げたということのようです。

こんな感じでしょうか。

ストーリー的には、ラスト1分のカタルシスが大好き。
ちょっと前まであっさり終わったりするのかなーとか思ってたらけっこう劇的に持ってってくれて感動。

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『HUMANITY』(5)

本日は短縮編。

2006.6.3(Sat) 18:00~20:55

本日のHUMANITY、カーテンコール編。

岸谷さんが挨拶を始める前、舞台上手側から差し入れるお客さん1名(←何やってんだよ)
そしたら岸谷さんいじるいじる(笑)

岸谷さん「誰あて?」
お客「皆さんで」
岸谷さん「ちっちゃっ」
キャスト一同(爆笑)
唐沢さん「結局(客も)いじるんだな(呆)」

・・・つーか危険物だったらどうするつもりなんだってば。

挨拶順が変更になり、戸田さん→高橋さん→唐沢さんの順に(多分この日だけ。理由は後述)

カーテンコール一発目に緊張したのか、
「新宿ゴマ」

と言ってキャスト一同の笑いのツボを直撃してしまった戸田さん。
やっぱりカーテンコール一発目は単に罰ゲームみたいです、この舞台。

高橋さん、今日は珍しくカーテンコールがすんなり。
「鬼の役もやってるんですが、衣装が大きいので顔が隠れちゃってるんですよ。
身内(母親)が見に来た時も声聞いて初めて分かったと言われました。
なので小林幸子さんのビデオ見て研究します(会場内拍手)」

珍しくオチもあってふつーでした。

でこの日カーテンコールの順番が違った理由は、唐沢寿明さんの43回目の誕生日。
会場内全員で「Happy Birthday」を歌う。しかもバージョン違いで2度。

唐沢さん「(音楽も)あるのかよ!」

はい、あります。というわけで誕生日特別バージョンでした。


そういえばちょっと笑った話。
スワン役の岡千絵さん、スツー役の林希さん。
由美子さんがお2人に置き物をプレゼントしたとのことなのですが、(→元ネタこちら)
岡さんにスワンなのはわかるとして、林さんにはブタだったとのこと(笑)。
あいかわらずスパイス効いてるようで。

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