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『HUMANITY』(6)

2006.6.11(Sun.) 13:00~16:10 新宿コマ劇場

あんなに通った新宿東宝ビル通いも、今年はこれで終了。
今年はシアターアプル2回、新宿コマ劇場8回の合計10回ですが、7月後半には帝劇観劇回数に追い抜かれる予定。

●まずはカーテンコールの話
寺脇さんは「カーテンコールの話ばっかりじゃなくて芝居の話してくれ」とグチってましたが(多分公式のBBSのことでしょう)、あれだけインパクトあれば芝居の話はかなり忘れます(苦笑)。

千秋楽バージョンということでいつものメンバーに植木豪さん・蘭香レアさんを加えた特別パターン。

まずは植木豪さん。寺脇さんから「頭で回ってるとハゲてくるんじゃない?」と突っ込まれ、「現に親父がそう(=頭が火事とか言ってた)です。向こう(舞台上手後方を指し)にいます」と。

蘭香レアさん。千秋楽の独特の「何か起こるんだろう」みたいな変な空気に思いっきり巻き込まれてしまい、台詞は噛むは、寺脇さんとのシーンでメガネ落としてうろたえるわ、およそ考えられうる限りのぐだぐだっぷりでした(本人は「計算ですよっ」って言って「嘘付けっ(笑)」って寺脇さんに突っ込まれてましたが)。この人も天然ですか・・・・

お2方とも、お客さんとスタッフへの感謝に触れられていました。

一人あえて飛ばして戸田さん。この方の挨拶は会期途中から油断ならなくなりました(笑)。この日も「大阪、ロンドンと続きます」と言って「ロンドンでこの芝居どうやってやるんだよっ」って唐沢さんに突っ込まれていましたっけ。
「新宿駅から(役者の)みなさん逆立ちで来られていて」と言ってこれまた「嘘付けっ(笑)」って岸谷さんに突っ込まれてました。

何か役割分担があるようで、
 戸田さんへの突っ込み→岸谷さん、唐沢さん
 植木さん、蘭香さんへの突っ込み→寺脇さん
 唐沢さんへの突っ込み→岸谷さん
ですね。
突っ込みそうで突っ込まないのが戸田さん。ちょっと意外。

そして寺脇さんからの突っ込まれ回数でダントツのTOPを行く高橋由美子さん。

「大きな事故もなく怪我もなく、ここまでやれたのはお客様と、見えないところで頑張っていただいたスタッフの皆さまのおかげです。本当にありがとうございました(と、向かって客席からぐるーっと360度回ってあいさつ)」と。

これで終わるのかと思いきや、「私、9年前にもこの劇場に立ったことがあるんですけど、その時やりたかったことがあるんですけど、やっていいですか?」と。
会場の大拍手に力を得て何をするのかと思いきや、舞台下手側から花道に猛然とダッシュ(この日は花道の隣の席だったので、いきなり走ってくるのにびっくりしましたよもう)。花道突き当たりの51番あたりの女性の方に「握手してくださいっ」と手を差し出し、握手して舞台に再びダッシュ。

つか役者が「握手してくださいっ」ってどんなんだ
(羨ましいぞぞぞ)

由美子さんが寺脇さん司会の「王様のブランチ」に番宣で出たときに寺脇さんが

「新宿コマ劇場で僕と握手!」

と言って由美子さんが「いいんですかそんなこと言って~」って突っ込んでたけど、客席内でお客さんと握手した役者さんは実は由美子さんだったという、変なオチでした。(当然2人とも覚えてないと思うケド)

由美子さんのカテコ暴走はもう誰にも止められない(爆)。

唐沢さんは「岸谷さんとはぼったくりバーで一緒にぼられた仲」などと言い出し、岸谷さんとのエピソードをふんだんに。いわく「酒2杯とうどん(しかもインスタントうどん)2杯で4万円」だったという。岸谷さんが「ここは俺が出すよ」と言いながらも明細書見た途端、「うどん1杯1万円かよ!」と店の中に響く大声で叫んだらしい(笑)。

しかも4万円払って持ち合わせのなくなった岸谷さん。タクシーに乗ったかと思いきや窓を開け、唐沢さんに「お金ないから貸して」と泣きついたそう。

そんな「舞台上でも普段でも変わらない2人ですけど、これからも地球ゴージャスをよろしくお願いします」で締めていました。(どんな締めなんだそれ)

そういえば本編では唐沢さん、最後の戸田さんに腕ねじ上げられるシーンで「いつもより痛いっ!」って言って会場内の大拍手を受けていましたが、そのせいか、本当に珍しく戸田さんの台詞が飛んだ(5秒ぐらいの妙な間があった)・・・あそこでアドリブかますと思ってなかったんだろうなぁ>戸田さん

●この日の舞台そのもの
個人的には由美子さんが夏風邪引いてる(9日のカーテンコールで言ってたそうです)のにもかかわらず、自分の見た中ではベストの出来で仕上げてきてくれて、もうそれだけで何も言うことないぐらい。
もともと初日と千秋楽に調子を合わせて、2週間ぐらいずつにピークをこさせるテクニックは前からなんですが、輪を掛けてそのあたりが上手くなってて嬉しい。

あの歳じゃちょっと・・・・と思ってたミヨちゃん演技もなんだか堂に入ってきて「これじゃぁ『ぞぞぞを言わせたら日本一』(寺脇さん談。この紹介コメント、寺脇さんが気に入ったらしい)って言われても納得するわこりゃ」とか思えて。

邪鬼も凄い迫力で破壊力抜群。演じてて血管切れちゃうんじゃないかとも思えるのに直後ではOLモードに早変わりしてるし。シリアスとコメディの切り替えの時間差は2分もないけど、「花の紅天狗」でも「SHIROH」でもころころ表情変えてそんなんやってたからお手のものって感じ。そりゃ戸田さんの引出しの多さには敵わないけど、違う演出家に演出されるたびに引出しを新しく作ってく感じが、飽きを感じさせなくて好きです。

というか、地球ゴージャスにここまで馴染むと思わなかったなぁ。

印象的だったのは「地球ゴージャスの歌姫」って称号が使われなかったこと。
この称号は永久に本田美奈子さんのもの、その想いは痛いほどわかるだけに、キャラがあちらこちらでかぶる由美子さんにこの称号を言わなかったのはホッとしたかな。

埼玉出身(本田さんは朝霞、由美子さんは大宮)、堀越出身、アイドル出身、東宝ミュージカル経験者(但し意外なことに同役はやっていない)で、違うのは音階(本田さんはソプラノ、由美子さんはアルト)とお酒の量(爆)ぐらいという2人。

お酒の量に関する参考資料

あえて比べられだしたら収拾つかなくなりそうだし。その辺、特に寺脇さんの配慮をすごく感じた。(寺脇さんのフォローのきめ細かさ、めちゃくちゃ尊敬。)

由美子さんの役をどちらかといえば印象が強い「儚げな役」(レミゼのファンテーヌとか、MOZART!のナンネールとか)より、お馬鹿キャラ(紅天狗の茜とか)と威厳キャラ(SHIROHの寿庵とか)の両方向に枝分かれさせたのも、前作「クラウディア」と役柄を似せないという意味で、脚本に影響させたのかな、と思えてきます。(クラウディアは実際には見たことないので想像も入ってますけど)

帝劇にずっと篭るより、初見組が多いこの新宿コマで延べ8万人の観客に見てもらったことは由美子さんにとっては十分に大きいし、そんな舞台で一緒に楽しめたことは、予想外の嬉しさではありました。
5ヶ月やってたナンネール役より、「歌に驚いた」というコメントは多かった気がしますし。(ブログ検索したら100以上そんなコメントがあったかと)

●人の縁(えにし)
パンフレットで唐沢寿明さんが話されていますが、「仕事を人で受けることが多い」と。「この人とならいい芝居が出来る」、それが判断基準だと。

これは高橋由美子さんも昔、ほとんど同じ趣旨の話を別の言葉で話されていて、「ホンも見ない段階から『あの人と芝居がやれる』なら舞台に出る」と、周囲が心配するぐらい即決だと。

今回の唐沢さんの話をパンフで見たときにその点が思い出されて。

今回の作品のテーマに「仲間」というものがありますが、作品を通して形作る、「どちらかといえば個人商店である」(※1)役者の共同作業で生まれる仲間意識、それは地球ゴージャスが、というより岸谷さんと寺脇さんが望む一つの形なのかな、とは思います。

会社人間という仲で解雇という影に怯えるだけだった社員たちが、お互い仲間として助け合うことで、より人間らしい人生を送っていく、ともすればクサい「前時代的なもの」(※2)になりかねない部分を、それなりに説得力のあるものとして見せているという点。かつそれでいて現実社会に対するパワーを持っていることが、新宿コマを40公演ほぼ満員にする原動力なのかもしれません(※3)

(※1)由美子さんのパンフのコメント
(※2)唐沢さんのパンフのコメント
(※3)招待券も出てはいますが空席の少なさには呆然

その意味では役者の横のつながりって思う以上に大きいんだなと思えて。
由美子さんは「SHIROH」と中川君を引き合わせたきっかけを作った人だけれども、今回は戸田さんから地球ゴージャスと引き合わせられるきっかけをもらったわけだし、お互い「この人と芝居をしたい」という原動力によって、舞台は作られているんだなぁということに感じ入ります。

そんな役者間の空気は決して馴れ合いになることなく、お互いを高めあって作品にもパワーを与えていくという意味で、観客にとってもありがたい限り。

戸田さんに最後を持っていかれるのはちょっと悔しいんだけど(笑)、やっぱり名実ともに格上だし。歳が16も違うのにそれなりに演技で対抗できてたことで満足してるからまぁいいねと。(※4)

(※4)感覚的には「SHIROH」で秋山菜津子さんに持っていかれた感じと瓜二つ

ラストシーンに由美子さんが出てこない舞台って、今までの作品15作品で恐らく初めて(※5)
3万7千分の1の確率で生き残った「SHIROH」を筆頭に、「ミス・サイゴン」も「レ・ミゼラブル」も「MOZART!」も「花の紅天狗」も「野獣郎見参」も全部ラストシーンは彼女の登場シーンで終わってたことから考えると、「そういう役でも存在感を出せた」という意味で、いつもと違った立場で良かったのかなと。

(※5)一部エンディングが曖昧な作品があるけど少なくとも覚えている作品は全てラストに出てます。「透明人間の蒸気」さえラストは由美子さんの声だし。

大阪に行く踏ん切りが無事ついたので、前楽・大楽と見に行ってきます。

6月はあと2週間ミーマイ漬けに戻って、HUMANITYで締めようかと思います。
ミーマイは先週土曜も見に行きましたが、感想は今週末に一緒に。

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