« 1年間ありがとうございました。 | トップページ | 四大陸選手権 »

『ベガーズ・オペラ』

2006.1.15(日) 12:00~15:45 日生劇場

今年の観劇初めはこの作品から。

帝国劇場に頻繁に通う身でも、そこから歩いて5分の日生劇場にはなぜか最近縁がなく、ふと振り返ってみると『MOZART!』初演(2002年10月)以来で、劇場の内部構造はすっかり忘れ去っていました。
雰囲気的にはどことなく博多座に似た空気を感じます。

帝国劇場が今年4・5月と休館するため、多少は日生劇場にもお世話になる予定(『レ・ミゼラブル』を4月に2回観劇予定)ですが、普段使ってる東京メトロ有楽町線有楽町駅からはちょっと離れてるんだなこれが・・・

2回の休憩(20分、10分)を挟んだ3時間30分+カーテンコールの3部構成。
長いなぁと思って考えてみると、2部構成でこの時間でやった舞台がつい1年前にあってリピートしてた(=『SHIROH』)から、全然長くないんだよなぁ。

印象としては、特に2幕・3幕は長さを全然感じさせません。各1時間ですが、観客も身体が温まっているせいか、舞台との一体感はなかなかのものを感じさせます。
2階席ほぼセンターから観劇したのですが、1階席のステージサイドシートに座ってるお客様が開演前に箒で掃き掃除をさせられたり、最後にいたってはステージサイドシート最前列は役者さんと一緒に踊ってるという、なかなか面白い趣向です。

物語の設定は、金田龍之介氏演じる老役者が渋々ながら劇場を1日だけ貸した、「1日だけの『乞食たち』が演じる芝居」。
劇中歌が61曲あり、世界初のミュージカルとも呼ばれる作品の日本初演。

見てからの感想はといえば、ミュージカルという割にはそれほど印象に残る曲がないので、雰囲気的には「歌付き芝居」の空気濃厚。歌い上げ系がちょっぴり苦手な私にとっては、好きな路線ではあります。
3幕の大団円は文句なしに楽しいと思うけれども、1幕のだらだら感がリピートするには辛いかな。

3幕構成でストーリーテラーの橋本さとし氏が出色。長身で声も映え、アドリブも自在の好役者です。それ以外で行くと、3幕構成でそれぞれ主役が入れ替わってるような印象があり、1幕はポリー役の笹本玲奈さん、2幕はルーシー役の島田歌穂さん、3幕はマクヒース役の内野聖陽さんがそれぞれ印象的。

1幕はマクヒースとポリーの結婚がポリーの両親にバレて大騒動になるまでですが、いやはや笹本さん、”夢見る夢子ちゃん”させると右に出る人いません(笑)。
意図して醸し出すオーバーアクションの上手さにひたすら舌を巻きます。
新鮮さも残しつつどんどん巧みになっていく感情表現と台詞回し。
歌は相手が歌穂さんの場合はさすがに負けてしまうのだけれど、演技派・内野さんと堂々亘り合える実力はさすが。まだ若さに頼っているところもあるけれど、まだまだ伸びそう。
あえて課題を言っちゃうとすれば、強い歌声とぶつかった時の存在感の埋もれ方(今回の歌穂さんとか、『ミス・サイゴン』で高橋エレンとぶつかった時もそんな感じだった)と、男優さんを存在感で食ってしまうところかな。ヒロインとしては主演をかなりぎりぎりまで押し出すところがあるので、あと0.5歩引いて演じるといいのになぁと思うことがたまにあったりする。
内野さんでこれなら帝劇『ミー・アンド・マイ・ガール』の井上芳雄氏がどういうことになるのか、ちょっぴり不安だったりして・・・(あの2人のカップルぶりは経験済みだけれども・・・)

2幕の見所は何といっても新旧エポニーヌである笹本さん・歌穂さんのガチバトルでしょう。2人の年齢の離れ方が妙なリアリティを醸し出している上に、どっちも一歩も引かないところを本人達のキャラクターとシンクロさせまくってる(あくまで想像)ところが良。
何せこの手のシーン作ると、力量の差がありすぎるとどっちかが必死になってるシーンしかできなくて、若い方が必死だと「青いわね、ふっ」で終わっちゃうし、ベテランが必死だと「やだやだ、あのヒステリー」ってなっちゃうのですが(悪気はないので念のため)実力派でベテランの歌穂さんに、この時期に笹本さんをぶつけたのは正解だと思う。
歌に苦手意識がある笹本さんと演技に苦手意識がある歌穂さんだと、お互いが色々と得るものも多いだろうし。

3幕に入る辺りから、ようやく内野さんの存在が浮き出てくるんですが、正直言ってしまうともう少し目立つ役作りをするかなと思っていたので(フェロモン全開、ワル全開の)、かなり意外。まぁあの女優2人の目立ち方が伊達じゃないのでしょうがないのかもしれないけど。

作品として見てしまうと政治風刺的なところがありますが、正直メッセージ性があまり伝わらず、3幕最後の(無理矢理じみた)盛り上がりでストーリーがうやむやになってしまった感じ。大衆娯楽だからそれでいいとはいえ、「ただ楽しみに行く」というのが上手い付き合い方な気がする作品でした。

この作品は東宝ミュージカル初、DVD化されますが、申込書はもらってきたけどどうしよう・・・・2幕の2人のバトルに9千円出すかどうかだなぁ。
ちなみに、劇場内での予約受付では、送料が無料です。(FAX申込みの場合は、送料500円必要)

|

« 1年間ありがとうございました。 | トップページ | 四大陸選手権 »

コメント

TBありがとうございました。
まだブログのシステムとかよくわかってない部分があって、初めてTBさせていただいたのですが、TBいただいて嬉しいです。
同じものを観ても人それぞれ感じ方が違うんだなぁなんて思いました。新旧エポニーヌ対決の見方、興味深く拝見しました。
「ミーマイ」井上氏には頑張ってもらいましょう!(笑)

投稿: ピラフ | 2006/01/17 13:39

コメントありがとうございます。(ピラフさんのブログへもコメントさせていただきました。)
新旧エポニーヌ対決場面は、どうもああいう「女と女のガチのぶつかり合い」が個人的に好きなもので楽しんだ次第です。

あの笹本さんの若さを受け止められるのは王子・井上君しかいないっ!

と、井上君のコンサートに行った上にDVDまで買ってしまい、携帯用プレイヤーに「The Phantom of Opera」を入れてる私より。

投稿: ひろき | 2006/01/17 22:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74093/8184162

この記事へのトラックバック一覧です: 『ベガーズ・オペラ』:

» 2006年初観劇はエネルギッシュ!! [TRY TO REMEMBER]
というわけで、今年初観劇に行ってきました。「ベガーズオペラ」日生劇場は初めてでした。姫の舞台は12月のうちに諦めた。ラッパ屋と「アンナ」に気持ちよく行くために。なのに、まだコクーンでは公演中、行こうと思えば行けなくもないのに、そっちに行かずに日生劇場へ。実はこれ、CUBEのHP(cubit club)で、所属俳優さんの出演舞台のチケットのプレオーダーが出来るというので、これがどんなものなのか試してみようという理由で、試しにプレオーダーしてみたという(苦笑)。結果はG席、十分満足できる席なのでありまし... [続きを読む]

受信: 2006/01/16 18:29

« 1年間ありがとうございました。 | トップページ | 四大陸選手権 »