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2005年12月

1年間ありがとうございました。

Blog開設より1年間。
ひたすら1年間好きな舞台話を勝手きままに書いてきた気がしますが、変わらずアクセスしてくださる皆様の暖かい視線に感謝です。

1年間のアクセスは、66,481回でした。(一時、ココログの不具合でカウントが落ちた分は除いています)
1日平均、186回。
常時、約25%のブックマークからのアクセスがあります。つまり、1日平均72回は巡回先に入れていただいてる方がいらっしゃっているということで、ありがたい限りです。

ちょうど1年間迎えるにあたって、2005年をちょっと個人的に振り返ってみます(あくまでこのblog的なところに絞って)

●年間観劇回数史上最高回数
2005年の観劇回数は、ゲキ×シネを加えると、41回(えっ?)、12作品。

こんなに観たの、って感じではありますが。

渋谷ゲキ×シネ初回マチネと帝劇M!ソワレを1日でこなすというある意味限界に挑戦するかのような時もありますが、基本的には1日1回の観劇でしかなく、かつ、観劇のためになかなか仕事は休めない身分。
よくよく振り返ってみると、観劇のために仕事を休んだのは、帝劇レミ2000回バージョン1回(5月)、帝劇M!の間に2回(8月)と、博多座M!大楽(11月)の4日間。
遠征は大阪2回(SHIROH(1月)とM!(6月))、名古屋1回(M!(10月))、福岡1回(M!(11月))の4回。
「SHIROH」のDVDが出なければ、これに大阪ゲキ×シネ(11月)が加わっていたことでしょう(苦笑)。

去年の観劇回数の半分以上はSHIROH(大阪3回+ゲキシネ5回)&M!(帝劇14回+大阪3回+名古屋2回+博多1回)で占められていまして、よくもまぁここまで見たものだと感慨もしきりでありますが、去年の特徴は贔屓さんだけでなく、出演作品で気になった作品はなるべく見に行くようにしたことですね。
作品をあげてしまうと、『デモクラシー』(市村正親さん&鹿賀丈史さん)『TRUTH』(上川隆也さん&岡田達也さん)『レ・ミゼラブル』(東山義久さん&シルビア・グラブさん&岩崎宏美さん&島田歌穂さん)
『LAST SHOW』(長塚圭史さん&永作博美さん)『マドモアゼル・モーツァルト』(新妻聖子さん)『星の王子さま』(宮崎あおいさん)『CLUB SEVEN』(香寿たつきさん&笹本玲奈さん)『10ヶ月』(香寿たつきさん)
と、実は感想書いてませんが『クロノス』(菅野洋一さん)と挙げただけで9作品。
さすがにリピートするには至らなかったものの、特に年後半、会社に入って一二を争う忙しさの中よくもここまで見たものだと。

ちなみに2005年舞台(ゲキ×シネ含む)で見た回数、10回以上の皆さま。

高橋由美子さん 28回
(M!帝劇14回+M!大阪3回+M!名古屋2回+M!博多1回+SHIROH大阪3回+SHIROHゲキ×シネ5回)
吉野圭吾さん  28回
(M!帝劇14回+M!大阪3回+M!名古屋2回+M!博多1回+SHIROH大阪3回+SHIROHゲキ×シネ5回)
市村正親さん  20回
(M!帝劇14回+M!大阪3回+M!名古屋1回+M!博多1回+デモクラシー1回)
山口祐一郎さん 19回
(M!帝劇14回+M!大阪3回+M!名古屋1回+M!博多1回)
中川晃教さん  19回
(M!帝劇8回+M!大阪2回+M!名古屋1回+SHIROH大阪3回+SHIROHゲキ×シネ5回)
大塚ちひろさん 11回
(M!名古屋2回+M!博多1回+SHIROH大阪3回+SHIROHゲキ×シネ5回)
上川隆也さん  10回
(SHIROH大阪3回+SHIROHゲキ×シネ5回+TRUTH2回)
井上芳雄さん  10回
(M!帝劇6回+M!大阪1回+M!名古屋1回+M!博多1回+コンサート1回)

28回って何なんだか(笑)。

複数作品ということで言うと、2作品という方々が並ぶ中、3作品で拝見したのはお2人、香寿たつきさん(『MOZART!』『CLUB SEVEN』『10ヶ月』)と笹本玲奈さん(『レ・ミゼラブル』『CLUB SEVEN』『井上芳雄コンサート』)でした。
(2作品は先ほど書きました8人のうち山口祐一郎さん以外の7人(去年は山口バルジャンを拝見する機会がありませんでした)と、岡田浩暉さんに泉見洋平さん)
何気にキャラメルボックスも4作品(『TRUTH』『僕のポケットは星でいっぱい』『広くて素敵な宇宙じゃないか』『クロノス』)。
劇場別では帝劇16回、梅芸5回、シネクイント5回でした。

回数を多く見た方はやはり印象深いのですが、それ以外で印象深い方といえば、順不同で

広田勇二さん(『マドモアゼル・モーツァルト』サリエリ役)
田口浩正さん(『10ヶ月』島沢昌史役)
永作博美さん(『LAST SHOW』)

でしょうか。

出し物的には

東山義久さん@マリウス at ホスト風(2005.5.22/帝国劇場)
泉見洋平さん@マリウス & 笹本玲奈さん@エポニーヌ at つなげ方最強(2005.11.3/品川プリンスホテル)
高橋由美子さん@アマデ at 似合いすぎ(2005.11.30/博多座)

の3強を挙げておくとしませう。

●とりあえず来年
2006年は去年とはうって変わって回数を絞り込むことになりそうです。
多分リピート回数が減りそう。今のところ、

『屋根の上のヴァイオリン弾き』(2006.2/日生劇場)
『ハゲレット』(2006.4/紀伊國屋ホール)
『HUMANITY~THE MUSICAL』(2006.5/新宿コマ劇場)、大阪遠征は内容次第
『雨と夢のあとに』(2006.7~8予定/キャラメルボックス)

を押さえもしくは押さえ予定。あれ、レミゼが入ってない・・・・

去年上演の作品では以下のDVDをとりあえず待ち中。
『星の王子さま』(2006.3.25発売)
『マドモアゼル・モーツァルト』
後者はもう出てた・・・

観劇以外では、
『AMAKUSA 1637』(『SHIROH』を語る。(23)を参照)が連載59回目にしてついに最終回を迎えます(『Flowers』2月号(1月28日発売))。
(これはさすがに連載が終わったら書こうと思います)

一度Blogに書きましたが、
『銀盤カレイドスコープ』(集英社スーパーダッシュ文庫)が次回刊行(2月~3月頃予定)で最終巻(次は7巻ですが、1巻分で終わるか未定)。
立て続けに終わってしまうのがちょっと寂しい。

あとはご贔屓さん筋で何やら企画物CDが出そうなのでとりあえず新年のお楽しみにしておきます。
寿庵殿に聖飢魔Ⅱねぇ・・・・誰だろうこんな組み合わせやろうと思ったの・・・・そりゃきっかけはあるけど。

何はともあれ、こんなBLOGですが、来年もよろしくお願い申し上げます。

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『10ヶ月』

2005.12.18(Sun)18:00~21:15(アフタートーク込み)
六本木・俳優座劇場

ホリプロ&日本テレビが企画の「ウーマンズビュー・シリーズ~ディレクターズ・アイ」第2弾の作品。
女性脚本・演出家3人の競演でこの作品が2作品目。

余命10ヶ月の男性の「最後の10ヶ月」に、大学時代に「何でも話した相手」の女性を呼ぶ。「何かをして死んでいきたいが、それが何か分からない。その手伝いをして欲しい。」

独身でい続けた男性が、なぜその女性を呼んだのか。
女性は別の男性と結婚し離婚。それなのになぜその男性の元に来たのか。
お互いが「触れられたくない部分」と「埋めたい空白」をどうやって埋めていくかの物語。

ネタバレ含みます。まぁ、最大のネタバレを作品紹介に公言してる(男性は亡くなってしまう)ので、今さらネタバレもないのかもしれませんが(苦笑)。

この作品を知ったのは、11月に品川プリンスホテルで見た『Club Seven』の挟み込みチラシ。このとき出演されていた香寿たつきさんが、今回の「女性」であるシナリオライターの橘響子役。

この作品を見ていてふと浮かんだ言葉は、

「男はプライドで生きている」
「女はポリシーで生きている」

という言葉。

この日は舞台終演後に演出家の藤井清美さんと、その「男性」役(島沢昌史役)の田口浩正さんとのアフタートークがあり、その時触れられたこととも重ね合わせて感じたのだけれども、人が死ぬ時、「みっともなく死にたくない」と感じるのは男だからだろうな、と思った。

この言葉はある意味語弊がある言葉かもしれないので、不愉快になられた方は申し訳ないのですが、

「泣き叫んだり、わめいたり、そんな姿を見せたくない。自分が自分らしく最後までい続けるには、本音を言い合ったあの女性が目の前にいて欲しい」

という気持ちは、なんだかしごく納得してしまうものがあります。(この解釈は、演出家の藤井さんがアフタートークで触れられていました。なお、このブログでは何度も触れていますが、『時の輝き』という作品が、ほぼそれと同じシチュエーションで物語を構成しています。)

「何かをして死にたい」という島沢の言葉は、男からしてしごく尤もな感情だったりする。とはいえ、響子が言う「誰も見てくれない作品は、書く気が起きなくなった」という言葉も、ある意味男性的。

自分が生きた証左を何か残したいという気持ちと、突き詰めきれなかった空白を埋めたい気持ち。
島沢が言った「仕事をする知恵はどんどん付いたけど、生きていく知恵はぜんぜん付いてなかったな」って言葉は、すごく身につまされるものがあって。

仕事に追われる身って自分自身も同じだったりするんでよく分かるのですが、「仕事」「会社」という閉じた空間で、それが全ての価値観であるかのごとく生きること-それは仕事がやりがいがあればあるほど陥りやすい点で、まぁ月50時間以上残業して年50回近く観劇してる人間は何だって話ですが(苦笑)、ある意味仕事人間だと自覚してる自分がこういう作品見るというのも、何だか変なめぐり合わせを感じずにいられません。

まぁ冗談はさておき。
物語の軸になる女性・橘響子役を演じる香寿たつきさん。現代劇へは初挑戦とご本人おっしゃっていましたが、立ち姿の美しさに始まり台詞の明瞭さに至るまで、さすがの存在感です。元男役のたつきさんが女性らしく振舞うことになるシーンは、ちょっとぎこちなさがあるかなと感じなくはないですが。でもかえって母親として娘とどう対していいかわからないあたりは、仕事に生きている女性らしいリアリティを感じさせて、さすが女性演出家の作品、と思えます。
(ちなみに、花が夏木マリさん&笹本玲奈さん=『屋根の上のヴァイオリン弾き』<2004年版>の家族から贈られておりました。)

相手役、男性・島沢昌史役を演じる田口浩正さん。すごくいい役者さんです。実はこの方は『こちら本池上署』で初めて演技を拝見した役者さんなのですが、もともとはコメディ畑の人が役者適性があった典型で、今回の役にも凄くはまっています。
終演後に隣のカップルの話をたまたま耳にしたのですが「男女関係に見えないから田口さんをキャスティングしたのかもね」ってところに、失礼ながら心底納得。
役者としてはすごい褒め言葉に思えます。

ところで、私が芝居を見に行く時、一つ基準にしてることがありまして、「気になる役者が2人以上いる作品に外れはない」って点で、今回は香寿たつきさんともう一人が、香寿さん演じる響子の娘役だった阿井莉沙さん。

avexのヴォーカルユニット「dream」の第2期メンバー(2002年7月~2004年3月)として活動後、歌手&女優として活動されていまして、実はその時からちょっと気になっていたお方。

芸能界でやってくにはあまりに純粋すぎて心配になるぐらいの人なんですが、色んな意味で場数を経験してほしい彼女がこの作品に出会えたことは、隠れファンとしてちょっと嬉しかったりします。

演技で是非を語るにはちょっと物足りない点もありますが、「大人でもない、子供でもない」16歳の微妙な感情を出そうと努力は見えて好印象。演技への戸惑いと、娘としての母親への戸惑いがシンクロして見えて。

母親は離婚して、この娘は父親の元にいるのですが、「仕事をしている母親だからこそ、私はあの人のことを、母親として理解することができる」って気持ちは、ある意味痛々しくも感じて、それでも思春期ならではというところかな。
技術ではなく素でそういうキャラクターとして見せられるのは彼女の長所だけど、いつでも自分に合った役が来るわけではないので、まだまだこれからというところかも。

最後に、母親を迎えに来るシーンがあるのですが、娘と母親の心の通じ合う過程がもうちょっとあっても良かったかなとも思いますが、それは響子と島沢との本線とかち合ってしまうので今ぐらいでいいのかもしれません。

何はともあれ、作品が役者を大きくするという点もあるので、これからもいい作品に出て経験を積んで欲しいと思っていたりします。

今回の挟み込みチラシ。
来年5月・6月の地球ゴージャス公演『HUMANITY the musical』の超仮チラシ(出演者と日程だけ)があり。
中川君の『OUR HOUSE』といい、超仮チラシは黄色が流行でしょうか(笑)

唐沢寿明さんに戸田恵子さん、そして高橋由美子さんのお3方メインってどんなのやるんだ・・・・
まさかまた新宿コマ劇場に高橋由美子さんがたつ日が来るとは思っていなかった(1997年『アニーよ銃を取れ』で主演。小池修一郎さん演出で、『バタフライはフリー』のジル役、『MOZART!』のナンネール役のキャスティングのきっかけとなった役)んで、ある意味ちょっとびっくり。

戸田恵子さんに高橋由美子さんとくれば、
当然世間的には『ショムニ』再来ですね。

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『MOZART!』(14)

MOZART!大千秋楽。

ここにたどり着くまでの道のりは、個人的には紆余曲折ばかりでした。
大阪(梅田芸術劇場)、東京(帝国劇場)、名古屋(中日劇場)と進んだ今年の『MOZART!』、最後だけは外したくないと、福岡(博多座)遠征を計画し、当初は11月29日マチネ(井上君前楽)、同日ソワレ(中川君楽)、30日マチネ(井上君楽・大千秋楽)の3回のチケットまで取りました。

が。担当しているシステムの稼動が12月4日に決まり、とても2日も休めないことが分かり、泣く泣く29日分は現地の方にお譲りしました。喜んでいただけたのが何よりの慰めでした。

そして11月29日夜出発で博多泊、11月30日夜に羽田着の日程を立て、フリープランを申し込んだのが11月10日。
ここで更に運命が暗転。
11月29日は会社帰りに羽田に直行するつもりだったのですが、普段の定時は17時15分なのに、この日は18時30分までの打ち合わせが入り、しかもその時間に終わらない可能性もあるということが11月12日に判明。
羽田発福岡行最終便に乗るには会社を18時40分には出なければならず、それに間に合わなければ完全キャンセル扱い・・・・

結局フリープランをキャンセルして全日空・特割7で往復することになりましたが、当初予定の3公演が1公演だけの観劇になった上に、フリープランのキャンセル料もかかり特割7は早割21より割高だし・・・・のまさに「泣きっ面に蜂」状態。

今さら言っても仕方ないし、とにもかくにも羽田から福岡へ。

『レ・ミゼラブル』(2004年1月公演)以来の博多座。
前回は天神から入ったのですが、今回は祇園方面から歩いていくと、「大きなビルがあるなぁ、しかも見覚えがあるなぁ、なんか見慣れたポスターがあるなぁ」・・・・博多座でした。

博多座に向かう途中、博多土居町郵便局に立ち寄ると、『MOZART!』と『屋根の上のヴァイオリン弾き』のチラシが置いてあります。博多座の営業さんって噂には聞くけどマメだよねぇ。けっこう目に付く所にポスター貼ってあるし、いい意味で泥臭くて凄いと思う。キャストがこぞって博多座のスタッフを褒めるのも、形ばかりのお世辞には全然聞こえないし。

○本編編
・お手振りが流行
 コロレド大司教様(山口祐一郎さん)が中日公演から始めた「馬車の中からのお手振り」、博多座でも健在です。本日はそのお手振りに井上芳雄君便乗。シーンは違いますが(プラター公演だったと思う)、全般的に今日は皆さんお祭りバージョン。
 緊張してる部分も並存しているのか、井上君が歌詞飛ばしちゃったり(「謎解きゲーム」の2歌詞目が出なかった)、世にも珍しいことに市村さんが台詞飛ばしちゃったり(「ヴァルトシュッテッテン男爵夫人がお前にお話があるそうだ」の台詞)してました。

・そしてお手洗いシーンが行き着くところまで
 えーと「ちょっと出ちゃった」だそうです(笑)。とうとうそこまで行ってしまったかと。
 遠征組比率が凄まじく高いこの日の博多座。オペラグラスの上がり方でどなたの贔屓かわかるわけですが、山口さん・井上さんの2強の比率がすごく高そう。
 お手洗いといえば、この日、博多座客席1Fの男性用お手洗いが、女性用に転用。博多座常連さん曰く、「博多座で女性用お手洗いに列ができる日が来るとは思わなかった」と呟いておられました。他の劇場に比べればお手洗いは多いはずなのに、全く足りていませんでした。

・コンスタンツェ4人4様
 大塚コンスタンツェの対ヴォルフぶち切れモード、実は大好きだったりします。(浮気シーン発見のところ)
 ソロで歌ってる「ダンスはやめられない」の歌はいまだに慣れないんですが(高音にするとすごく耳障り良くない歌声になると思う・・・・喉が涸れてるせいもあるんだろうけど)、なぜだかヴォルフを責めてるところはすごく納得がいく。

 今までコンスタンツェ役をやった人より、圧倒的に若い大塚さんですが、このシーンでは「若い」というよりむしろ「幼い」という感じがぴったり。
 ヴォルフガングを支えようにも、ヴォルフガングを理解できるほど精神的に大人じゃなかったんだろうな、と思えて。
 目指すものの高さを仰ぎ見て、必死で今の立場との差を埋めようとしたけれど、もがいてももがいても差は埋められなくて、その差の間に落ちていってしまう様が、「これぞコンスタンツェ」だなと思えます。

 千秋楽を見て今さら思えた、コンスタンツェ4人4様。

 「がぶり寄りコンス」(松さん)
 「無色透明コンス」(西田さん)
 「やぶれかぶれコンス」(木村さん)
 「ヤンキーコンス」(大塚さん)

 ・・・・一応悪気はないつもり、なんですが・・・・

○カーテンコール編
 大千秋楽、皆さんご期待のカーテンコール。当日中に東京に帰らなければならないメンバーが結構いるよう(12月1日発表の「M・A(マリー・アントワネット)」絡み)で、巻きが入った結果、コメントメンバーはプリンシパルの皆さまのみ。5ヶ月(稽古も含めると8ヶ月)もあったんだから、最後は1人1分でいいから喋ってもらいたかったかな。

◆井上芳雄君(ヴォルフガング役)
 本日の司会(というかいつもだ)。「初演では中川君とダブルキャストということで、世間の目は冷たくて(笑)、色々比較されもしたけれど、ヴォルフガング役の大変さは2人しか分からない。中川君がいるから、今の僕のヴォルフガングがある。」と役について語った後、「モーツァルトの音楽が今も、そしてこれからも語り継がれていくように、この作品も語り継がれるものであって欲しい。」と続け、「またこの博多座でこのカンパニーで皆さんとお会いできることを願っています」と締め。

 何回かに分かれたコメントを1つに集約していますが、何というかプロの司会者(笑)。ソツのなさは齢26にして超一流。完全にお客さんを味方に取り込み呑んでいる様は頼りになります。

◆大塚ちひろさん(コンスタンツェ役)
 「稽古の回数が少なくて、6回ぐらいしかできなくて、不安だらけだったけど皆に支えられてやってこれた。休演日も仕事が入っちゃって長丁場が持つか不安でしたが、乗り切れたのは皆さんのおかげ」と涙で声を詰まらせながらのご挨拶。

 千秋楽でこういう問題コメントするのは昔は自分の贔屓さん(↓)が恒例でしたが、なんか立場入れ替わっちゃったなぁ・・・まぁ何というか、内輪話もほどほどに。通し稽古の回数までバラしちゃうのはさすがにどうかと思う。頑張って人間として大きくなってくだされ。


◆高橋由美子さん(ナンネール役)
 「朝起きて緊張して、手の震えが止まらなかった」と言ったかと思えば(ちなみにほとんど初めての体験だそうです)、「『昨日お酒飲みすぎたか?』」って思ったんですけれど(笑)、いや、昨日はそんなに飲んでないですけど」とお決まりのお酒ネタで笑いを取った後、ようやく落ち着いたのか、
「今日はパーフェクトに近いものができたのではないかと思います」と断言し、会場内から満場の拍手を浴びます。
 
 初演から皆勤の唯一の女性プリンシパル(大楽が280回目の出演)だからこそ感じるその言葉の重みだなぁとしみじみ。その言葉に恥じることがない出来と胸を張って言えるからこその拍手の温かさ、やっぱりいいなぁと思ってしまいます。

◆一路真輝さん(ヴァルトシュッテッテン男爵夫人役)
 「博多座さんにはお世話になっておりまして、北島三郎さんと博多座登板回数を争っております(会場内爆笑)。実は、今回『MOZART!』出演にて、晴れて北島さんの記録を抜きました(会場内拍手)。」と面白キャラ全開。

 ちなみに、北島三郎さんは5月に博多座登場です。タイトル剥奪でしょうか(笑)

 引き続き、山口祐一郎さん(コロレド大司教役)のボケに一路男爵夫人が容赦なく突っ込むアクションに爆笑。黒沢ともよちゃん(アマデ役)はか細い声ながらとてもしっかりした話ぶり。アマデは大人を食うためにあるのですね・・・・47回の出演、再演でのレギュラー陣以外では、2人のヴォルフ両方に仕えた、ともよちゃんが一番多いのかもしれません。

 すっかりともよちゃんに持っていかれた感のある市村正親さん(レオポルト役)ですが、博多弁もまじえ、来年1月公演の『屋根の上のヴァイオリン弾き』の宣伝もパーフェクト。なんかあのポーズが凄く懐かしかった。

 そしてそしてゲストの中川晃教君(ヴォルフガング役)、木村佳乃さん(コンスタンツェ役)と続き、演出・小池修一郎さんに作曲・シルベスタ・リーヴァイさんのコメントもいただき、最後は主役の井上君が締めて、幕が降ります。

 迎えた2回目のカーテンコール。
 1人足りません。うちのご贔屓さんがなぜか定位置から消えてます。どこ見回してもいない。何となく変な予感がします。悪い方の予感じゃなくて、2003年レミゼの帝劇楽でそんなことあったなぁと(※1)

 博多座以外でも、このタイミングで出てくるのはヴォルフガング&アマデの「投げキスコンビ」なわけですが、なぜか同じ服装が3人います(笑)

 一番右は井上君だなぁ、背やっぱり高いよね。
 真ん中はともよちゃんだなぁ、井上君といいコンビだ。
 一番左・・・・・帝劇楽が前振り(※2)だったのかと思えてしまう・・・・・・・

 それは、

 高橋由美子アマデ。(会場内大拍手)

 帝劇楽で「準子役」として紹介された彼女は、とうとうアマデの服装を着て登場してしまいました。あぁそういえば2人目の高橋アマデ。
 会場内の大拍手にのって大はしゃぎの由美子さん。ナンネールの内に内に向かう演技は仮のお姿でしょうか?ってぐらいノっております。

井上君  「着てみてどうですか?」
由美子さん「これすっごく着たかったの~」
井上君  「きつくない?」
由美子さん「ちょっとね。でもココ(と胸を指して)はダイジョウブ

 とまたまた会場内の爆笑を誘います。

井上君はいつもと同じくともよちゃんをおんぶ。で、
井上君  「じゃ、このまま(僕を)おんぶして」
由美子さん「やだよぉー」

 と即効で断られるありさま。普段のお2人の会話が想像つきます(笑)。
 いつものごとく上手に行き、下手に行きでご挨拶。
 そして最後の投げキス。

 実は由美子さんのアマデ姿は本邦初公開というわけではなく、知る人ぞ知る『花の紅天狗』(劇団☆新感線、2003年)で中川君のヴォルフをめいっぱいパロってヴォルフガング役をやっておりまして(この時の相手役は宝塚元娘役トップの森奈みはるさん)、「男役」が似合うことは知っていたりするんですが。
(ちなみにイーオシバイからDVDも出てます)

 その時も思いましたが、何と言うか

 ミュージカル界のコスプレ姫様

 の称号を捧げてしまいましょう。

 ヅラ付けて仰々しい衣装を着て、それが何の違和感もないのはもはや才能(苦笑)。

 5ヶ月にもわたる長い公演、その大楽となった博多、そんじょそこらの出し物じゃ誰も納得しないだろうなと思っていたら、まさかこんな隠し玉で来るとはびっくり。
しかもすごいのがお客さんみんな納得してるという、それが凄く嬉しかったりしました。

 私にとってのこの作品は、徹底哲尾、ナンネールから見た作品なので、ヴォルフガングから家族の存在が小さくなっていく物語後半はすごく悲しくて。最後までヴォルフガングの成功を望みつづけて、でも父を失って、愛した弟に、「貴方を許さない」と言わなければならない、身が裂けるような悲しみに同調してしまって。
 才能に飲み込まれて自ら命を絶ったところに駆けつけ、崩れ落ちる彼女の姿は何度見てもショックで。
 アマデの箱を開けた彼女の見たものは、またしても劇場中たった一人しか見れない壮絶な景色なのかもしれないなと(※3)。
 千秋楽の最後、魂が抜けたかのように、歩き出すことさえままならないかのような、「アマデの箱を開けた後の衝撃」の表現は、何十回も見た『MOZART!』の中でも、全てを呑み込んで納得させてしまえるほどの、素晴らしいものだったと思います。

 本編でそこまでのものを見せられたからこそ、そしてある意味『MOZART!』の作品の中で「決してメインになることはないけれども、大切な下支え役として物語を支え続けた」からこそ、大楽の場面で、出し物として出ることを許され、そしてお客さんもそれに絶大な拍手を送ってくださるという。

 あらゆる意味で、心の底から嬉しかったです。

 見過ぎたことで見えなくなったこともあるし、見えたこともあるし、それは自分にとって諸刃の剣でもあったのですが、それでも、最後の最後に、自分の気持ちに区切りを付けるために行った博多で、素敵な贈り物をもらえたことが、何よりの幸せでした。

 2005年の『MOZART!』は終わってしまいました。
 最高のカンパニーが織りなす、最高の作品。またどこかで再び見られることを、心から楽しみにしています。

(※1)ファンテーヌ役で出演した彼女、2幕冒頭で演じるピエール役の服に着替えて登場したことがありました。(2003年9月28日)
(※2)アマデが3人並んだ横で、ちょっと屈んだ彼女は、小池先生から「準子役」との称号を拝命し、会場内から拍手を浴びておりました。
(※3)『SHIROH』DVDの副音声(2幕最後)、ネタバレのため内容は省略。

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