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『星の王子さま』

2005.8.13(土) 12:30~15:40 新国立劇場中ホール

初演の時仲々良さそう、と思いながらも見に行かなかった作品。
岡田浩暉さんも出るし、ということで行ってきました新国立劇場。
この劇場での観劇は1年ぶり3度目(『新・地獄変』『透明人間の蒸気』)。
帝劇とはまた違う、洗練された小奇麗さが好き。
そして何より音響の良さでは自分が見た中では東京芸術劇場と1・2を争う。

宮崎あおいちゃん演じる王子様はさすがのピュアさでまんま「王子さま」という感じでいいんだけど、なぜか歌にすごく腰が引けてるのに苦笑。

岡田浩暉さん演じる飛行士はストーリーテラー役。
相手役の女性の良さを絶対に壊さないこの方の演技は凄く好き。ほんわかした独特の包み込む空気が絶妙。2003年のレミキャストはここのところあちらこちらにバラけだしてるけど、やっぱり「役者育てるミュージカル」だよなぁ、と改めて痛感。

一幕。予想よりプッシュが弱くて眠い・・・

王子様が”自分のことしか考えていない”「大人」の姿を見るなかで、ただ一人いいなと感じるのは宮川浩さん演じる点灯夫(この人も元マリウスですね)、一幕では観客から見ても人物造形的に一番好きな方です。

ブラザートムさん演じる王様は、何と言うかコメディキャラなのに、なんだかちょっとだけ遠慮がち。悪くはないんだけど、なぜにそんなに中途半端におどおどしてコメディやるのかちょっと疑問。話的にオチは良かったけどね(王子様を大使に任命して、色々な星を訪ね歩かせるってのはストーリー的に無理がなくて良)

安寿ミラさん演じるバラの役は、同じ新国立劇場中ホールでやった『透明人間の蒸気』で秋山菜津子さんがやったマダムを思い出した。(頭の上に乗せてる物が赤くなっただけのような気がしてしょうがない。)

正直言っちゃえば、1幕微妙でした。が、2幕、地球に降り立ってから編は抜群に良かった。岡田さんのゆったりとしながら意志の強さを感じさせる歌は冒頭から引きずり込まれるし、なんといっても2幕に引き込まれたのはROLLY氏演じるキツネ。

この作品にまつわる一番有名な台詞、

「大事なものは、目には見えないんだよ」

という言葉を、王子にあげるのはこのキツネ。俗世間的で、飄々としていて、でもだからこそ”自分のことしか考えていない”大人には言えない言葉を王子にあげられる。
作品に一人こういう当たり役がいると、話が俄然説得力を増して聞こえてくるから素敵。
王子も、飛行士を除けばこのキツネにだけは自分の心を全開に開いて一言一句聞き逃すまいとしてる、ピュアな心の持ち主だからこそ見分けられる、”ホンモノ”かどうかがわかる。

そのキツネが去って、砂漠に不時着したことにより出合った飛行士との時も、飛行機の修理が終わったことで終焉に近づく。
飛行機の修理が終わったことを察した王子が、自分から別れを告げるところがいじらしくてもう。強がって強がって涙を出す手前で悲しみを見せずにいて。それを見ている飛行士も、そんな気持ちが手に取るようにわかるから、あえて余計なことも言わなくて。

自分の星に向かって去っていく王子と、それを見送る飛行士。
飛行士が主導して歌うフィナーレの歌は、鳥肌が立つぐらいすばらしかった。

最初から最後まで、「これって音楽座ミュージカル?」って勘違いするぐらい似ていたけれど(音楽座でもこの作品やってるし。)音の重厚さで物語を広げるのは似てたけど、その割に歌で押し切るタイプのキャストが想像以上に少ないので、なんだか「音楽劇」みたいなイメージあり。

終わりよければ全て良しではないけれど、最後はすごく素敵だった。
だからというわけでもないですが、1幕が長くて各シーンの存在価値がいまいち薄いのが残念かも。

この作品、TBSが協賛に入っているため、DVDの発売が決定しています。
2階どセンターで見たけど、細かい表情は見切れなかったから、勢いで買ってしまうかも。

閑話休題。

チラシの配りがあり、『SHIROH』ゲキ×シネチラシ(B5判)は何とここでゲット。
初台から渋谷にバスで出て、シネクイントまで貰いにいこうと思ってたけど、いい方に誤算。
その上、夕方に帝劇に行ったら、ここにも何気なく置いてあったりで、入手に苦労した割には簡単に入手できて拍子抜け。ちなみに、デザインは書き下ろしのため、本公演時のものと異なります。
しかし、あと1週間を切っちゃいましたよ・・・・

DVDの副音声収録レポも出てたりして、副音声も期待大。
しかし高橋由美子さん、いったいどんな服装で登場したのでせう。

東宝系のチラシも山と入っていて意外。『ジキルとハイド』、大変だよねぇ。

青山劇場でやる島田歌穂さんのコンサートにも食指が動く。
『アニーよ銃を取れ』『レ・ミゼラブル』、しかも「夢やぶれて」に、本人出てない『ミス・サイゴン』の「世界が終わる夜のように」(デュエット相手は東山義久さん?)「命をあげよう」と来た日には・・・・なんかよさげ。

この日夜の『MOZART!』レポはまた半日ほど後に。

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『星の王子さま(2005年)』 ミュージカル 新国立劇場 中劇場 公演日 2005年8月7日(日)〜8月23日(火) DVDが2006年3月24日に発売予定。 一般人へのお薦め度:★★★★ ドラマ・映画好きへのお薦め度:★★★★ 宮崎あおいファンへのお薦め度:★★★★★ (★五個が満点) DVD鑑賞ではそれぞれ★0.5個ぐらいマイナス 視聴方法 1.DVDをAmazonなどで購入する(レンタルの有無は不明。) 全世界で5000万部、日本で600万部の売り上げを誇る有名フランス文... [続きを読む]

受信: 2005/12/30 21:46

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