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『MOZART』(6)&『SHIROH』

観劇3回。

2005.7.18(Mon) 12:30~15:45(中川晃教ヴォルフ)
2005.7.18(Mon) 17:45~21:00(井上芳雄ヴォルフ)
2005.7.23(Sat) 17:45~21:00(中川晃教ヴォルフ)

●揺れました。
7月23日午後4時35分、千葉県北東部を震源とする大規模な地震。
ちょうど、自宅を出たところで激しい揺れに遭遇。
家が大きく揺れてるのにビックリする(笑)。

体調悪くて観劇を止めようかと思ってたけど、帰宅してみたらいろんなものが上から落ちていて、寝てたら下敷きになってたと思われます(爆)。
これ書き終わったら、片付けしないと寝る場所がありません(笑)。

地震を甘く見てました。JR各線ほぼ運休、地下鉄も全線運休。
普段は帝劇へは有楽町線1本で行けるのですが、ちょうどこの日は体調も悪く、頭も上手く回らず。
急がば回れ、みたいなルートを取ってしまいました。
池袋から有楽町へ。

池袋(埼京線=JRではこれだけ動いていた)新宿→新宿駅西口(都バス)江戸川橋(タクシー)帝劇
池袋から東京ドームシティ行きの都バスの方が楽だったことに、後で気づきましたが・・・

※ちょっとおまけで追記--------------------
報道を総合すると、鉄道関係で復旧が早かったのは、私鉄各線(JR以外)と、都営地下鉄。
遅かったのは、東京メトロと、JR。
新宿から帝劇は、新宿(都営新宿線)九段下(都営三田線)日比谷
のルートを使えば、実は1幕開演に間に合った模様。
都営地下鉄は盲点だったなー(地震15分後には、徐行運転で再開されたとのこと。
路線が多い会社ほど、安全確認に時間がかかったらしい)
--------------------------------------

帝劇にたどり着いたのは、1幕終了10分前。
ナンネール(高橋由美子さん)&レオポルト(市村正親さん)のデュエット、「終わりのない音楽」がちょうど始まるところ。

観劇遅刻がそれほど多くない私ですが、去年秋の『ミス・サイゴン』で唯一1回遅刻した時も、タクシーでかけつけてエレン(高橋由美子さん)&キム(松たか子さん)の「今も信じてるわ」直前だったっけ。

とりあえず、頑張っただけのご褒美はもらえました。
タクシーも全然つかまらないし、バスはすし詰めだし。

その時と同じく、帝劇1Fロビーで流れている映像で観劇。
この日は交通機関がことごとく止まったため、開演自体も15分繰り下げ(18時開演)。
だからこそお目当てのシーンに間に合ったわけですが。

子役・アマデが21時までの出演となるための制約も、非常事態ということもあって至仕方なしといったところでしょう。

で、ようやく舞台の話。

●役の相性。
ずいぶん回数を見た今の段階になっても、中川ヴォルフ&西田コンスの組み合わせだけは全然慣れません。
18日ソワレの井上ヴォルフ&西田コンスは初めて2人の間に「愛情」の組み合わさったストーリーを感じたのだけれど、何か、西田さんは中川君に対して壁を作ってるというか、どうしてもままごとにしか見えないというか。

井上君は『ミス・サイゴン』でも最若手の笹本玲奈さんからベテランの松たか子さんに至るまで、誰が相手でもそつなくこなした、ラブシーンの名手(こらこら)だから、比べるのが気の毒といえばそうなのですが。

中川君といえば年上と合わないのかなぁと思ったけど、『SHIROH』の秋山菜津子さんとのあの組み合わせのベストフィットさからすればそれも考えにくいし。

某所で、井上君は自分が合わせる、中川君は周囲が合わせる、とタイプの違いが語られていて、思わず膝を叩いてしまったのですが、井上君とだとしっくりくる西田さんが、中川君とだと妙に浮いてる(あえて言ってしまうとトウが立って見える)のは、”合わせない”からなんだなぁとしみじみ。

井上君と市村さん、中川君と山口祐一郎さんって妙に印象がかぶる。
前者が「芝居歌」、後者が「歌芝居」。
井上君と市村さんの演技対決は、「まだまだ俺には及ばんな」と市村さんが後輩を叱咤激励してるように見えるし、
中川君と山口さんの歌唱対決は、「俺に向かってこようとは十年早いっ」て山口さんが後輩をひれ伏させようとしてるように思えるし、どっちもど迫力、エンジン全開。

逆に言うと、井上君と山口さんは最初からぶつかる気がない対決に見えることがあるし、中川君と市村さんは最初から気持ちがすれ違ってるように見えることがある。
その辺りはその日の気持ちの乗り方次第なのかなぁと思う。(特に中川君はこの作品に限らず、公演ごとのぶれが非常に激しい役者さんなので、なおさらそう思う。)

●キャラが立ってる人々
何度も見ると、濃い人ばっかりのアンサンブルさんにずいぶん目が行く。順不同で。

碓井マキさん:「野菜市場」の「スペインの胡椒!」の男前さはいっつも爆笑します。
 ナンネールに素敵にスルーされてる所も笑っちゃう。

砂川直人さん:ウェーバー家の後夫、トーアヴァルト役。シカネーダー始めヴォルフを取り巻く人々はけっこう「悪友」ばっかりですが、この人だけは筋金入りの「ワル」。
 あの「サツを呼べっ!」はいつも心臓縮み上がります。あれが迫力なかったらヴォルフも署名しようとは思わなかっただろうなぁ。
 プラター公園での熊の着ぐるみが毎回和みます。ごろごろ下手へ捌けていく、お遊びキャラがこの後に「サツを呼べっ!」だもんなぁー
 「謎解きゲーム」でヴォルフがしがみつきに行ってるところを容赦なく叩き落してたのは、前からなのかな。けっこう印象的。

森田浩平さん:ナンネールの夫、ベルヒトルト役。「ウィーンからの手紙」の”冷え切った家庭”にはますます磨きがかかり、夫婦ともども「関心ごとは別々のところにある」空気をうまーく作り上げてます。
 この作品、ミュージカルというより芝居として見に行ってるので、表情から台詞から、微妙な空気を無理なく作り出してるこのシーン、けっこう好き。
 ナンネールが実はお花畑キャラだというのは、「野菜市場」で証明済みだったりするのですが、結局そこから抜け出さなかった、抜け出せなかったんだなー、とこのシーンを見るたびに思ったりするのです。

あと、松澤重雄さん(ウェーバー家の前夫。何気にこの人がいたらヴォルフはあそこまで食い物にされなかったのでは、とか思う)、KENTAROさん(市村レオポルトの物真似させたら日本一)、徳垣友子さん(ウェーバー家の末娘・ゾフィー役。ノー天気なお馬鹿キャラぶりが秀逸)などなど。

キャラが立ってくると、まとまりが身上の『MOZART!』アンサンブル勢も重層的に見えてきて、面白いものです。

●ラストの場面
中川ヴォルフと川綱アマデは個人的ベストコンビですが(7/23ソワレ)、最後にヴォルフが死ぬ時の表情が壮絶な覚悟を思わせていい。で演出だとは思うけど、アマデは最後まで自分が死ぬことをかけらも思ってない。だからこそ、あの場面は印象的なのだろうな。

川綱アマデは特に強いアマデで、ヴォルフが混乱した時に首締めた後、スキップしてっちゃう程(爆)、精神的に強いわけですが、だからこそ、アマデにしてみりゃ、「お前に自分が殺せるのかい? 自分が死ねば俺も死ぬって? 出来もしないこと言ってるなよ」みたいなことを、せせら笑いながら言いそうなんですよ(笑)。

で、川綱アマデと中川ヴォルフの絶妙なところは、そんなせせら笑うようなアマデの更に上を行くんですねヴォルフが。中川ヴォルフがいっちゃってる時のここのシーンはもう凄いです。

アマデ・ヴォルフが死んだ後、人でなしウェーバ家の奥さんがレオポルトから(謎)のお金を掠め取ってった後に、ナンネールが近づいていきます。

このシーンが、先週辺りからちょっと凄くて。
梅田あたりだと、ただ呆然として、箱を開けるだけだったナンネールなんですが、
ここのところ、

呆然とする
 ↓
箱に触れていいかもためらう
 ↓
それでも、才能から解放してあげられるのは、私しかいないんだと覚悟する
(・・・そして、それは「永遠の別れ」をすることも意味する)
 ↓
箱を開ける
 ↓
音楽が流れ出す
 ↓
再び呆然と虚空を見つめる
 ↓
「影を逃れて」を泣きそうな表情で搾り出すように歌う

って流れが壮絶で。

ここの場面を中川君とセットで見ると、どうしても『SHIROH』のシロー&寿庵の関係とだぶって。
中川君の才能というものを取り巻く魔物のようなもの存在を、知ってはいながらも、どうにもできなかった、そんな悲しみみたいなものが見えて出て。

由美子さんもある意味中川君の人生を動かしてる一人だけど、ここのシーンは妙に役と役者がシンクロしすぎて、ちょっと見てて胸に詰まる。
中川君、演じることに全神経を傾けすぎるから、いつも心配。役に引っ張られすぎる役者は、精神的に持たないように思えて。

それが中川君の味だということは十二分に理解した上で、もう少し役柄に遊びがあると、きっと違うものも見えてくるんじゃないかな、と最近思う。
いっちゃってる中川君の凄さは何度か体験してるけど、中途半端にいっちゃってるとき、すごく息苦しくなる時があるんですよね。
苦しんでる彼を、理解できない苦しみみたいなものが、その日の舞台の印象を中途半端にしちゃう、ような。

さてさて、話題は変わります。

●『SHIROH』DVD発売日決定。
とうとう発売日が決定しました。
昨年12月・今年1月公演の新感線&東宝 ロックミュージカル『SHIROH』。発売日は10月6日です。
予約はイーオシバイサイトにて8月2日のお昼12時から。

なお、きちんと公表されていませんが、帝国劇場売店でも、8月2日から予約受付開始となります。(1階売店・2階売店ともに張り紙がありました)

私自身は梅田芸術劇場の『MOZART!』観劇時に入ってたチラシを見て予約済みでしたが、メールマガジンと同時に予約された方へのお知らせメールが入ってて、隙のない仕事振りに頭が下がります。

それによれば、送金を持って予約確定なので、FC関係で購入する方とか(ちなみに上川隆也さんのところはFC特典つきらしい)は送金しないようにと。
帝劇&梅田パンフ付限定セット(1200セット)購入の方は、別途申し込むようにと。

疑問はこのメールで全部氷解。けっこう仕事が出来る人が揃ってると見た>イーオシバイ。

どことは言わないけど、メールで日付間違えて書いてみたり、貸切公演申し込めるように書いてみたり、申し込み手順が書いてなかったりみたいなところに慣れちゃってるので。(←ゼンブオナジトコ)

公演パンフとのセットは何気にお奨め。しかし1200部も残しておいたとは。
まぁ帝劇・梅田ともに1回分のキャパシティにも及ばない数だから、席数からすれば普通の残り方なのかな。

中川君への小池先生からのコメントは流石にウィットに富んでて面白いし、由美子さんへの井上君からのコメントは色んな意味で物議を醸したものだし(井上君のファンはあまり見ていないんだろうし)。
あれをあと1200部もばらまくのも、ある意味チャレンジャーだなぁ。

さて、ようやく書き終わったので風邪が悪化しないうちに寝ます。
観劇中に咳込むこともほとんどなくて、ほっとしました。
2FB席上手、値段にしては見やすい席でしたが、前も後もいなかったのは、やっぱり地震の影響なんだろうな。

次(7月28日マチネ)は西田コンス&久世男爵夫人のラストで前方席だから、体調整えなきゃ。

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