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『MOZART!』(4)

7月10日(日)ソワレ観劇。
再演版帝劇2回目、中川ヴォルフは再演帝劇では初めて観劇。

●ヴォルフガング・モーツァルト役/中川晃教さん
 正直、今日は油断してました。大阪でも帝劇初日でも、再演版では井上芳雄ヴォルフガングの方が肌に合うような印象があって、過度な期待をせずに行ったら、いい意味でありえないヴォルフガングを見せてもらいました。
 精神的にフラットな状態というのか、ヴォルフであろうとすることを、無理してやっていない感じがして、生の感情が押し寄せてきた印象。
 本音を言っちゃえば、1幕は「調子悪いのかな」(ちなみにこの日は、公演前に灼熱の銀座でライブやってた)と思ってたが、2幕は
「目をそらしちゃいけないんじゃないか」と思わせる迫力がありました。
 ヴォルフガングの生の感情に対峙して、自分は何ができるのだろうか、そんな思いを抱かせてもらうに十分でした。
 魂かけたかのようなこの日の舞台、
 中川君はいろんなところのインタビュー見ても、役柄とか自分の立場とかにすごく敏感な方と思われるので、ヴォルフガング同様に、命削って魂賭けて演じてるんじゃないかと心配になることがある。
 井上君はどんなに凄みを出してもレールの上から外れない安心感があるけど、中川君はレールを作って宇宙に伸ばしていっちゃいそうな怖さがある(笑)。

●レオポルト役/市村正親さん
 厳格にひたすら息子を縛る父親を今日も丁寧に演じておられました。フォルトシュッテンテン男爵夫人が来る直前、「お金が入ったら借金を返すよ」とヴォルフが言ったのに返事する時に、借金のメモを見て「うわーっ」と叫んでたのがmyツボ。
 市村さんのこういう遊びって大好き。今作、無理して厳格に厳密にやってたような気がするので、こういう意外性のある演技って、話壊さない程度に今後も期待してます。

 レオポルトの歌詞で印象的なのが、1幕「赤いコート」での
「私を狂わせたいのか」という歌詞。
「私を怒らせたいのか」じゃないところがレオポルトの立ち位置を上手く表現してるように思う。
「愛情をもって」接している、と市村さん本人が初演パンフで語られていますが、それだけにヴォルフにとってはただ重荷だったんだろうな、とは思った。

●ナンネール役/高橋由美子さん
 1幕「終わりのない音楽」がもう少し丁寧だったら良かったのですが、ちょっと疲れが見え始めてる感。
 というか、こういう細かい所まで気づく自分を斬りたいですな
((C)橋本じゅん)
初見だと全然気づかないぐらいなので、出来は高値安定ということでもあります。
 2幕「プリンスは出て行った」は絶品で、いいもの聞かせてもらってます、いつも。
 声がいつもより出てた感じがするけれども、彼女はお疲れの際に地声を張り上げる癖がなかなか抜けないので、それも良し悪しといったところ。

 今日印象的だったのは、男爵夫人の「星から降る金」が聞こえる間、ヴォルフ・レオポルト・ナンネールのお3方が揃ってる家族のシーン。
 ヴォルフガングって、井上さんの場合、満面の笑みをたたえてる。中川さんの場合、少なくとも笑ってない、父親の手前ちょっと迷ってるみたいなところがある。
 ナンネールがヴォルフガングを励ますシーンも、井上ヴォルフは軽く背中を押しただけでOK、中川ヴォルフはどーんと背中を押してあげないとだめ、みたいな違いがあって面白い。

 後のシーン見てくと、ナンネールのヴォルフガングへの心配って、
  井上ヴォルフへは←思い上がるのが心配
  中川ヴォルフへは←思い詰めるのが心配
 って風に取れたりする。

 あくまで役での感想なので石投げないでね(笑)。

●アマデ役/川綱治加来くん
 大阪の出演がなかったので、帝劇からのご登場。
 エリザを観てないので、いまだにパンフ見ないと下の名前が書けません・・・

 個人的にインパクトがあったのが、「魔笛」の作曲をシカネーダーからヴォルフが受けた時に、渡された台本を持って、「にこっ」と満面の笑みをしたところ。
 なんだか、ついに「やりたいことにたどりついたぞ」みたいな満足感を表情から感じて、素敵だなと思った。
 この作品ではヴォルフとアマデは別人格に見せてるけど、そもそもはアマデはヴォルフの「才能」の部分なわけで、「才能」が求めた仕事でもあったわけですね。

●コンスタンツェ役/西田ひかるさん
 見れば見るほどわからなくなっていく役です・・・・
 というか思った以上に難しい役だと思って最近見てます。西田さんはやっぱりこの役の「軸」を作りきれていない印象に戻ってしまってます。
 帝劇初日でいいなと思った部分も、なんだか今日は
”中途半端”に逆戻りしちゃった感じ。
 何を求めて何を得たのだろう、そして何を支えに今を生きているのだろう、そこの表現が感じられないので、ただヴォルフの周りにいただけの女性になってしまってる。
 上手いんだけど、なんだか演技にメッセージ性がないのが松さんとの違いなのかも。そつなくこなすところはさすがなんですが、どうもそこで止まっちゃうところが。
 梅田でも感じたんですが、本質的に中川ヴォルフと合わないと思う。
 なんだか、目線を1cmずつずらして向かい合ってる気がするんですよ(笑)。井上ヴォルフとは合うと思うんですが。

●その他の出演者もろもろ
 シカネーダー(吉野圭吾さん)はいつもいつもあの胡散臭さとエンターテイナーのバランスがすごく良くて、見てて楽しい。あの役、下手な人がやるとすごく場がしらける難しいシーンばかりなのに、適材適所って大事だよね、ってこの役見るたびに思う。

 コロレド大司教(山口祐一郎さん)、歌い上げ系の帝王。おトイレのお笑いシーンが抑え目になってて好印象。ちょっとやり過ぎな気がしてたんで、普通に戻って何より。

 アンサンブルから碓井マキさん。初演は高橋真記子さんとして出演されてましたが(ちなみにこちらが芸名)、今回はっきりと出番を確認。
 「人は忘れる」の直前と、「野菜市場」の2シーンで、高橋由美子さんと並ぶアングル。
 まぁこのお2人は『レ・ミゼラブル』2003年版のファンテーヌ&ファクトリーガールの取っ組み合いの喧嘩の方がインパクト強大なので、印象が上書きされてしまってるのですが。凄まじく気の強い同士に見えたなぁ(笑)。

●ちょっぴりおつむに・・・・
 そういえば本日の観劇。
 超「非」人的にマナーの悪い人が隣に座ってました。
 観劇のマナーは自分がいいかどうかなんてわからないけど、観劇の途中に足は組まないぞ・・・・。
 腕を両手で組んだだけで失礼だと思って崩すなぁ
(こっちは何度かやりそうになってあわてて崩した)。

 眠くなるシーンとかあるのはわかるけど、足を組むのはなかろうと思う。
 もっと凄かったのは、天下の帝国劇場で足組んだまま靴脱いで靴下を人に向けてたってこと。
 観劇中じゃなければ本気でどやしつけたろうかと思った。
 当然靴下がこっちに見えてるわけですよ。最初目を疑いましたよ。
 あーびっくりした。

 世の中広いなぁ、いろんな人がいるなぁ。
 でも二度と隣になんか座りたくないわ。
 とりあえず自分の贔屓さんのファンではなかったようなので、それだけはちょっとほっとした。(見せ所でオペラグラス使ってなかったから)

今週は12日ソワレ(井上ヴォルフ)、14日ソワレ(中川ヴォルフ)と続きます。
明日は頑張って仕事進めとこ。

●おまけ 帝劇チケット情報
 7月9日現在、B席に戻りが出てます。
 現在、B席に空きがあるのは以下のとおり。(★は井上ヴォルフ、◆は中川ヴォルフ)
  7/12夜★、7/14夜◆、7/19夜★、7/25夜★、7/26昼★
  7/26夜◆、7/31昼◆、8/2夜◆、8/3昼★、8/4昼◆
  8/4夜★、8/5昼★、8/8夜★、8/9昼◆、8/9夜★
  8/11昼★、8/12昼★、8/15夜◆、8/16夜★

7/12追記---------------------------------
 7/11現在の空き、東宝HPと帝劇配布分で異なります。
 帝劇配布分(7/11現在)でB席に空きがあるのは以下のとおり。
  7/14夜◆、7/19夜★、7/25夜★
  7/26夜◆、8/4夜★、8/5昼★、8/8夜★、8/9夜★
  8/11昼★、8/12昼★、8/15夜◆、8/16夜★

 「良席ご用意できます」は颯爽と消えました。
 順調に、席は減りつつあります。

 今日ソワレはG列センターブロック、早出して頑張って仕事終わらせよっと。

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