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『MOZART!』(3)

帝劇初日、2幕目です。

●第2幕・第2場(愛していればわかりあえる)
 このシーンのスタート、ヴォルフが「あぁ・・・・」と呟くシーン、井上ヴォルフ限定なのですが、彼らしい言い回しがツボ。
 どう言ったらいいのか、「けだるいあくび」って表現でわかってもらえるかどうか・・・・いかにもやる気なさげな(褒め言葉のつもり)台詞回しが絶妙。帝劇初日は残念ながら、普通のリアクションだったので、個人的にはちょっと残念。

第2幕・第3場(プリンスは出て行った)
 ナンネール・レオポルトのデュエットではありますが、ナンネールのソロパートの方が長い曲。ここでの由美子さんの艶やかな声は個人的には一番の聞きポイントです。
初演ではたまにやり過ぎと思えるほどオーバーヒートしてた(ほとんど「怨みます」状態だった)ことに比べると、この日はすっきりシンプルに感情に訴えかけてきていて、かつ滑らかな歌唱が健在で何より。

 しっかし、愛した男に捨てられたり、他の女性の育ての母親になってみたり、最愛の人に逝かれて一人ぼっちで生き残ってみたり、
高橋由美子さん、つくづく夢やぶれる役ばっかりであります。

●第2幕・第4場(友だち甲斐・ダンスは止められない)
 ナンネール派の私としては、ここで結婚祝い金を送っておけば、多少はヴォルフに同情の念も持てたところですが、友だちを選んでくださったので、さすがに罵倒したくもなります(笑)。
ヴォルフは単に生きたいように生きただけではあるのですが、その下には無数の犠牲があって。
それに、ここではお金を送ってもらうという即物的なところよりも、ナンネールにしてみれば「自分を忘れないでいてくれた」という思いの方が必要なわけで、それさえも恐らくなかっただろう状況というのも、後々「私を裏切った」と言われるだけの原因はあるということなのでしょう。

 で、「ダンスはやめられない」。
 この曲、初演と再演では、個人的に立ち位置が全く違ってる曲です。

 観劇生活でという意味でですが。

 えと、『花の紅天狗』って作品を見てしまっておりまして、この曲のオマージュがあったりする(ありていに言っちゃえば「ぱくり」ですが)ので。
 そちらの作品でのシーンがあまりに強烈過ぎて、この曲が暗めの音階で流れる時は、もうそれしか浮かばない(苦笑)。

 ピンクの衣装で踊りまくる森奈みはるさんに、黒づくめで踊りまくる川崎悦子さん。
 「MOZART!」公演中に見るにはあまりに困ったDVDかも。

 フルで流れる後半部分ではそんなこともないのですが、気にしすぎかなぁ。

 先日帝劇に見に行った「ラマンチャの男」で不覚にも噴き出しそうになったよりはマシだとは思うけど(爆)。


●第2幕・第5場(神よ、何故許される)
 コロレド大司教(山口祐一郎さん)、歌い上げシーン。最後の決めの直前に、静寂を挟むのですが、とにかく長い(ざっと7秒ほど)。まさに会場全体が、息を飲む様は流石です。
 願わくば、このシーンに携帯を鳴らすような人がいないことを祈ってます。とりあえず今日は問題なくクリア。

●第2幕・第6場(ウィーンからの手紙)
 この作品で群を抜いて長台詞になるシーン。ウィーンに行ったレオポルト(市村正親さん)から送られた手紙を読むナンネール。揺れてる馬がなんだか微笑ましい(笑)。んで、馬の横にある輪投げのフープがなんだか暇な時の遊び道具みたいでちょっと寂しい(普通に息子の遊び道具ではあるのだろうけど)。
 由美子さん、お世辞にも滑舌がいい方とは言えないのに、この作品でもまたもや最長の長台詞を任せられているのがなんとも皮肉。「SHIROH」の時もストーリーテラーとして長台詞と対峙してましたが、何より声が通るから話がわかりやすくなるのはありがたい。
 かつ、声色に演技を付けるタイプなので、「(ウェーバー一家について)善良な一家を誤解していたらしい」というところを、疑問符付けつつ読むあたりの上手さは流石だと思う。

●第2幕・第7場(何故愛せないの?)
 レオポルトの言うことに反発してきたように見えるヴォルフガング(井上芳雄さん)ですが、この曲を聴いてると、父親の不器用な愛しかたと、愛されることに不器用なヴォルフのすれ違いだったのかな、とちょっと思えた。

●第2幕・第8場(乾杯!ヴォルフガング)
 心が離れたと思うコンスタンツェ(西田ひかるさん)がつぶやくように歌う1番に、途中から入ってくるヴォルフの声。何度聞いてもいいシーンだな、と思う。何となく、ヴォルフとコンスの心の通い合った唯一のシーンに思えたりする。実際には1幕にも愛し合うシーンがあるわけですが、なんだかままごとみたいでピンと来ないので。

ヴォルフの”才能”の部分を具現化したアマデは、ヴォルフをプラスに導く人と、マイナスに導く人に敏感で、たとえば女遊びしたり酒場出歩いたりしようとする時に袖引っ張ったりするわけですが、ここでは、コンスタンツェとヴォルフの関係を、見守るように動きます。
ヴォルフがコンスタンツェを求め、それがヴォルフにとって良かれと思ったからこそ、アマデは邪魔をしなくなった。ベッドのシーンで顔を隠す辺り、アマデはなかなか人間が出来てます(笑)。

●第2幕・第10場(パパが亡くなったわ)
ウェーバー一家に食い物にされてる時に現れる、ナンネールの姿はある意味好対照と言えます。「嘘をつくのは嫌だ、利用されるのももうしない」と叫んだヴォルフに叩き付けられる現実。
父が亡くなり、父とわかりあえる機会がもう訪れないことがショックだったのか、
常に自分を理解し応援してくれた姉に「自分を裏切った、決して許さない」と言われたことがショックだったのか、後に続く曲では前者しか描かれてないわけですが、個人的には後者も痛すぎるぐらい痛い。

●第2幕・第11場(モーツァルトの混乱/星から降る金/コンスタンツェ慟哭)
第1幕で歌われる「星から降る金」の久世星佳さん版は苦手な自分ですが、モーツァルトが絶望に沈むシーンで歌われる、この曲のリプライズは凄く好き。厳しさと癒しのないまぜになった歌声というのか、このシーンに求められる全てを余す事なく表現する様にうっとり浸ってしまいます。
まぁ、単に第1幕はあまりに大ナンバーすぎていっぱいいっぱいな感じが醒めちゃうと言ってしまえばぶっちゃけすぎですか・・・・(独り言)。

●第2幕・第12場(フランス革命)
 大人には父親はいらない、と断言してるヴォルフガングが、なんだか物悲しくなったりします。

●第2幕・第16場(音楽の泉/影を逃れて)
 ヴォルフガングが自殺した後に、この作品最大の静寂時間が訪れます。
 ヴォルフガングの変わり果てた姿に絶望するナンネールが、机の上に置かれた小箱を開けるまでの時間、どんどん長くなっている感じ。
 ヴォルフがどんどん壊れていった2幕なので、同じ曲でも1幕のカタルシスだけのとまた違った気持ちがするエンディング。
 再演で何度も見ていくと、また感情も違ってくるのかも。

 長々延々と書いてしまいました帝劇初日感想、ようやくENDです。
 初演当時は、今ほど頻繁に観劇するような状態ではなかったので、記憶も曖昧、CD聞いて思い出す、という面が多かったこの作品、この2ヶ月はどっぷり漬からせてもらおうと思っております。

 平日ソワレの良席が異常なほど取りやすかったこの作品、開演時間(17時45分)に間に合うように会社を抜け出すのはどうしたらいいか、これから頑張って考えます(笑)。

 そういえば、ちょっと余談。
 この日は帝劇最後列どセンタ-(B席)の観劇だったのですが、個人的にショックだったことを1つ。
 観劇の際にいつも使ってる双眼鏡があるのですが(確か、2000円ぐらいで購入)、
ふと、某100円ショップで買ったオペラグラスも持っていって見比べたら、圧倒的に100円オペラグラスの方が見やすかったです。

 2000円双眼鏡の立場、ないなぁ・・・・

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投稿: みんなのプロフィール | 2005/07/07 02:50

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