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『MOZART!』(5)

2005.7.12 ソワレ(ヴォルフガング:井上芳雄さん)
2005.7.14 ソワレ(ヴォルフガング:中川晃教さん)

今週は7/10に続いて週3回。我ながら回数見てます(笑)
中川ヴォルフのベストActが7/10ソワレなら、井上ヴォルフのベストActは7/12ソワレ。

いやはや、仕事帰りの平日ソワレはキツイです。
当日の仕事を終わらせるためにスピードアップしてる分、疲れが身体に来てるし、この舞台、音楽も心地よいので時々意識が飛びそうになります・・・・

17時45分の開演に間に合うには17時25分に車に飛び乗る必要があるのですが、この2日間は開演5分前のチャイムちょうどの時間に帝劇入り。
8月にもこんな綱渡りが2回あるのですが、やっぱり最初から見たいしね。

今回は趣向変えて、気になったところをつまみ食いで。

●十字架
「墓には十字架はありませんよ」
「せめて、墓石を置くべきだ!マダム・モーツァルト!」

1幕1場、プロローグでのコンスタンツェ(西田ひかるさん)登場の場面。

なぜ十字架がないのだろうと、考えてふと気づいた場面。

「才能を潰すクルス(=十字架)を絶とう」
と叫ぶヴォルフガング(1幕4場「私ほどお前を愛するものはいない」)。

死んでまで才能に縛られることのないよう、十字架は立てなかった。
それを決めたのはコンスタンツェかナンネール(高橋由美子さん)か。
何はともあれ、死ぬことによって自らの才能から解放されたヴォルフガングにとっては、何より救われたのかもしれないなと。

そして十字架に縁がありすぎの中川さん。『SHIROH』では十字架磔でしたからねー

●コンスタンツェとナンネール
このお2人、同時に出てくるのは2幕10場の「パパが亡くなったわ」だけですが、2つほどシーンが連続して登場するシーンがあります。

1幕13場「このままのあなた」(コンスタンツェ)
 →14場「終わりのない音楽」(ナンネール)
2幕2場「愛していれば分かり合える」(コンスタンツェ)
 →3場「プリンスは出て行った」(ナンネール)

コンスタンツェがヴォルフガングと分かり合えて幸せの絶頂、の直後が、ナンネールがレオポルトと共にヴォルフガングを案じる不安と苦悩を表現するシーン。
この落差がなんとも泣けるといいますか、感情表現が深くていつも染み入ります。

最後の最後に、ヴォルフガングが死んだ後、コンスタンツェはヴォルフの死体を見るそぶりもなく、お金目当てに墓を掘り出してたりしてる。
(14日ソワレは実質の2列目の最下手でしたが、頭蓋骨がはっきり見えた・・・)

「パパが亡くなったわ」のシーンで、ナンネールはただ一度だけ、ヴォルフに対して厳しい言葉で糾弾してますが、それでもヴォルフの死体に近づき、最後を見守るのはナンネールの方。

弟の成功をひたすら願い、父も失い、母も失い、弟も失い、そして自分も最愛の人と結婚できずに、音楽家としての道も進めなかったナンネールが、それでもまだ救われたように思えるのは、「弟を最後まで看取れた」からのように思えて。最後までヴォルフと繋がっていられたということは、心の支えなんじゃないかなと思う。

コンスタンツェが悲しいなぁと思うのは、かりそめの幸せのシーンはあっても、最後はヴォルフが自分にとって何の人だったのかがわからず(自分が頼りになれたかどうかもわからず)、心に空白として残ってしまうところ。
心にぽっかり空いてしまった穴を埋めることが出来ない女性、そういう見方をしてしまうと、報われないにも程があるなぁと思う。

●パパが亡くなったわ
このシーン、いまだにコンス始めウェーバー一家の歌が判別不能です(苦笑)。
というかナンネールの歌声しか聞き取れない(初演ではそれも無理だった)ので、そっち中心に聞いちゃってますが、
「なぜパパを傷つけたの 全て与えてくれたのに パパを裏切って 私を裏切った 決して許さない」という歌詞。

ここで「私(ナンネール)を裏切った」とヴォルフを糾弾するところで、井上ヴォルフは激しく動揺します。
いつも笑って見守ってくれた姉に、初めて言われた”罵倒”。
父の死を看取れなかったこともショックなわけですが、いくら否定しても家族を捨てた事実を思い知らされるわけです。
その後、「家族を引き裂いた!」とアマデを罵倒し、絶望に沈んでいきます。
そこに降り注ぐ男爵夫人の「星から降る金(リプライズ)」の温かみのある声につながっていく流れが、すごく好き。
生の感情、叫びに癒しの声、うまくストーリーが動いていく好きなシーンです。

●星から降る金の下の風景
井上ヴォルフ限定のツボポイント一つ。
男爵夫人がヴォルフをウィーンに連れて行こうとレオポルトを説得しに来るシーン。
(実はナンネールも男爵夫人が来るまでは、ヴォルフが家を出ることに反対してるっぽいんですが・・・というか一緒に行きたいだけか・・・)

直前までヴォルフは女の子とよろしくやってるのですが、井上ヴォルフの場合、シャツをわざわざちょっと出して出てくるのです。
男爵夫人が来た所でナンネールがヴォルフを見ると・・・・みっともない光景が見えちゃうわけです(笑)
「何やってんのよ、まったくっ」って感じで直してる高橋ナンネールはまさに姉御です。中川ヴォルフはこの小技がないからちょっとつまんなかったりする。

ナンネール&ヴォルフの掛け合いは「赤いコート」以降はここしかないので、毎回けっこう楽しみ。

●アマデ違い観察
帝劇アマデは4人いるわけで、大阪含めると全員見ましたが、一押しは中川ヴォルフと組む、川綱アマデ。
本気で怖いです。このアマデ。
ヴォルフの首締めて突き飛ばすのを平然とやっちゃうところが凄くて。

12日ソワレで笑ったのが、カーテンコール最終回。
この作品の場合、全員お辞儀2回→追い出し音楽演奏に拍手→ヴォルフ&アマデ登場なのですが、川綱アマデ、なかなか出てこない中川ヴォルフに業を煮やして、手で「巻き」の合図してます(笑)。

7月帝劇の西野さんの指揮は演奏がゆっくりだから、定時より3分ぐらい後にずれる。8月帝劇は、博多から戻ってくる塩田さんが指揮するはずなので、定時通りに終わるでしょう・・・
きっと、舞台進行が、塩田さんのあの速い指揮に合わせると時間通りなのでしょう。
ダンシング・マエストロ(=塩田さん)はけっこう好きですが、なんだか話が変な気が。

●握りこぶし
男爵夫人が握りこぶしをしてるシーンがあるとは思わなかった・・・。
ちなみに2幕16場「音楽の泉」内の一幕。
前方席だとものすごいものが見られたりしますねぇ。


・気づいたところあったらまた追加します。次は18日、マチソワ。
 マチネは母親と妹を招待してあって、初見の感想が楽しみだし(レミゼは見せたことがある)、ソワレは貸切なので(得チケも出てたけどね)挨拶があると思うので楽しみ。

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