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2005年5月

『レ・ミゼラブル』SPバージョン

『レ・ミゼラブル』2000回記念スペシャルバージョン
2005.5.26マチネat帝国劇場(上演2002回目)

やって参りましたレミゼスペシャルバージョン。

ちなみにこの日の行程

11:00 『MOZART!』先行予約(CNプレイガイド)
    なぜか起きられず帝劇楽入手できず。
    これだけ一般発売日に持ち越しした上に入手できず(泣)

12:40 某電器店にて『雨と夢のあとに』CD購入。

13:00 帝国劇場『レ・ミゼラブル』

19:00 シアターアプル『僕のポケットは星でいっぱい』

21:00 シアターアプル『広くて素敵な宇宙じゃないか』

我ながらよくやるわという行程であります・・・・


「満員御禮」の札が掲げられた帝劇、チケット希望の方が佇む中、こんな旧キャストに思い入れのない自分が観ていいのかの躊躇いを感じつつ、劇場内に入ります。

この日のチケット、一般発売の11時にネット予約で入手しました。
スペシャルバージョンがこの時間に入手できるのはおかしいとお思いの方はまったく正常な感覚で、とった本人が一番仰天。
ちなみにイープラスなのですが、たまたま戻り券のタイミングに当たったらしく、これも何かの思し召しということで仕事休んで行った次第。

帝劇内では2000回記念パンフが発売されています。
公演回数が記述ミスしてたり、アンサンブルのうち2人の写真・プロフィールを載せ忘れたりなどという東宝らしいオチを付けながらも(失礼な話だと思いますし、基本的なチェックもしないのかと思いますけど)、これはこれで記念になります。
挟み込みの紙は無くしてしまいそうだけど。

過去の舞台写真と、旧キャストの大部分からコメントが寄せられています。
(2005年通常公演出演キャストのコメントはなし)
なお、2003年キャストでコメントの掲載がないのは、内野聖陽さん(ジャベール役)と高橋由美子さん(ファンテーヌ役)のお2人。
「現公演出演のキャストは含んでおりません」と追記がありますがこの2人は現公演出演はしていないし。お2人とも公式コメントを求められて答えないタイプではないと思っていたんだけれど、意外。

今回SPバージョンを見て、流石だと思ったのは島田歌穂さんのエポニーヌ。
日本オリジナルキャストで1000回以上この役を演じた方ですが、エポニーヌを演じるというよりエポニーヌになってるところが凄い。
印象的なのが、砦でマリウスと会ってマリウスの腕から本を引っこ抜く所なんかまさに神業。
マリウスが「あれ?えっ?えっ?」で呆然としている様にびっくりした。
エポニーヌでそういえば親が落ちぶれてスリだの何だのやって、そんな奇麗事だけで生きてるキャラクターじゃなかったなぁと、すっかり忘れていた原作設定を思い出した。

バルジャンとコゼットが逃げていく所を、マリウスが見失い、砦の上にいるエポニーヌに居場所を尋ねる場面。
エポニーヌは指でその方向を指すんですが、水平方向から下方向に10度下がった手の方角が、エポニーヌの複雑な、微妙な気持ちを表現しているようで、でよく観ていたら、その手が細かく震えていたりする。
この役でこのシーンなら、こういう動きをして欲しいというところを完璧に再現する様は、さすがとしか思えないです。

だから今回見れて幸せだったんだけど、これを現キャストと一緒にやったりしたら現キャストがあまりに気の毒。実力でも人気でも群を抜くのは分かりきってるし、ただでさえ手本とされるこのお方が身近にあれば、その枠を超えた役作りなんて期待もできない。
極端な話、物真似からは元の人以上のものは生まれないわけだし。

そして次に今井バルジャン。
本公演では実はあまり印象に残らなかった人なのですが、この日の公演の出来は出色でした。
アンサンブルから始まって主役にまで上り詰めた、ある意味ミュージカル界の夢を体現した一人ですが、特に2003年公演では気合が空回りして、どことなく押し付けがましさに窮屈さを感じたもの。
レミコン(レミゼラブルinコンサート)のように先輩の中で恐縮しまくると思っていたら、今まで観たどのバルジャンより素晴らしかった。
SPバージョンに復活した旧キャストがこぞって今井さんを立ててるせいもあるのでしょうが、「このメンバーの中で無様なものは見せられない」というオーラが溢れていて、圧倒されてしまいました。

気になっていた岡アンジョ、
やっぱり不調を引きずってるのが一度でも岡さんを見たことある人ならわかるぐらい。
調子を崩さないタイプだと思っていた岡さんのこんな出来を見てしまうと、サイゴンの石井さんを思い出します。
2役は役者に予想以上のプレッシャーを(本人が意識するしないにかかわらず)与えてしまうことを痛感。
あと今期の岡さんは必要以上に舞台以外で物議を醸していたから、弱みを見せたくない岡さんにしてみれば、更に余分な荷物を抱え込んだ結果になったんじゃないかと。
有名人がブログ開設するのも良し悪しだと思う・・・・

何というか有名になればなるほど「発言」って一人歩きするし、悪意を持った人がわざわざ曲解させて流したりもするし、そういうのを見ていると、「感動」の後にそんなものが来るのかと、なんだか悲しい気持ちにもなるものです。

閑話休題。
2003キャストからレミゼを見始めて、今回、旧キャストのレミゼを見て思ったこと。
役者の力量で、旧キャストで圧倒されたのは上にも書いた歌穂さんだけだったのですが、旧キャストの他の方も、レミゼの魂とか息吹きというものは十二分に感じられて(上には書きませんでしたが、岩崎ファンテ、石川マリウス、斎藤テナルディエ、みんな)。

新キャストは演技とか歌とか、上手だと思うけど、どことなく「綺麗」に作りすぎて、何だか薄く感じることもあった。
だから、今回旧キャストを見られて、重厚さを兼ね備えた「生」のレミゼを感じられたのは、すごく良かった。
ただ、それがわざわざ旧キャストOnlyで、アンサンブルはともかく現プリンシパルが共演できる機会がない中で行なわれたことに、幾ばくかの勿体無さを感じずにいられません。
せっかくレミゼの「魂」を受け継ぐというのであれば、やはり共演する中で得ていくものは大きいものだと思うので、客席から見てもらうという意味より、肌と肌で凄さを感じて欲しかった気持ちはあります。

今期レミゼ観劇は結局3回、チケットを当初予定より1枚も増やさずに無事に終了。
本田美奈子.さんが見られなかったのは心残りだけど、途中から森さんを筆頭に本田さん話を過剰にし始めるのに相当萎えたのも事実。
唯一感動したのは2000回記念公演でジョン・ケアードが語ったという「彼女を帰して、うちに」という言葉だけでした・・・(レミゼ2幕「Bring him Home(彼を帰して)」にかけていて、「うち=レミゼ」のこと)

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『レ・ミゼラブル』

『レ・ミゼラブル』
2005.5.22マチネat帝国劇場

『MOZART!』のチケット取りにかまけていて、この日のチケットを取った理由が思い出せない(苦笑)という不思議な状況の中、チケットを取ったことだけは忘れておらず、2ヶ月ぶりの帝劇へ。

帝劇に着いてみて気がついたのですが、この日は2005年キャストの帝劇千秋楽。
(行って初めて気づくのかと、自分に呆れる)
マチネもソワレも、プリンシパルはほぼ全ての人が千秋楽となることに、行って気づく間抜けさ。
(24日以降も出演するのは、同役出演が今井清隆さん、森公美子さん、別役出演が岡幸二郎さん)

2003年シリーズでは12回観劇したこの作品も、今年はこの日が2回目。
新キャストで注目していた、シルビア・グラブさん(ファンテーヌ役)と東山義久さん(アンジョルラス)の2人を見られる土日の回が、たまたま千秋楽の日に当たっていたという理由のようです・・・記憶をたどると。

東山アンジョルラス、大変満足しました。
アンジョルラスは吉野さん、坂元さんと見てきてますがリーダー色と歌唱力が絶妙に交じり合う様は、とても新キャストとは思えないほどの出来。
正直言ってしまいますと、東山アンジョを見たのが千秋楽で良かったなと。もっと前に見ていたら、”また見たい”と思ったかもしれない・・・・(財布の具合もあるから、贔屓以外の舞台は複数回見ないようになるべくガードかけてるけど・・・・)

無駄無し、隙なしの学生リーダー、本日現在、個人的なベストアンジョにランクインです。

もうお一人、シルビアファンテーヌ。
ちょっと予想外の出来でした。他の作品も含めて完全な初見の人なのですが、歌は文句なしに凄い。流石としか言えないのですが、役作りが、1ヶ月だけのキャストというのが予想以上にマイナスに作用している感じ。

外見的にもちょっと丈夫すぎる気がするし、死にそうに見えないし。
"強気"のファンテーヌはどことなく2003年キャスト・高橋ファンテーヌと似たところもあり。
本人もカーテンコールで話していたけど、今後も続けていきたいそうなので、役作りがきっちりした頃に、また見てみたいかなと思ったりする。

続投キャストで印象的だったのは、岡ジャベール。
岡さんは前の週・5月19日の公演直後、体調を崩して病院に行かれたという話は聞いていたので、休演も心配しましたが出演されて何より。
このお方は、「何でも完璧にこなしてしまう」というイメージが強いのですが、この日は歌・演技ともにかなりぎりぎりのところで何とか形にしている感じがありあり。
それは悪い意味ではなくて、むしろ限界ギリギリの部分で、苦しみ道を拓いていくところが、どことなくジャベールの人間像に深みを与えている感じがして、凄く良かった。
機械のように完璧なところばかり見てきたので、尚更、不調の時の苦しみが良いコントラストになって、今後の役に繋がっていけるような、そんな予感がして嬉しかったですね。

この日は前述の通りで2005年キャスト千秋楽ということで、特別カーテンコールがあり、各キャストから挨拶がありました。
ここでも印象的だったのは岡ジャベだなー
カテコとはいえ涙流して言葉が詰まる岡さんなんて初めて見た。
会場もその空気をいちいち止めて次の言葉を待つ、凄くいい瞬間でした。
2000人全員が、カテコで静寂を作れることに、作品の力を感じずにいられなかったかな。

結局何回続いたのかこの日のカーテンコール、多分2桁に乗るか乗らないかの、最終コーナー。
客席上手側がざわつき始めて、何かと思いきやそこにあった光景は・・・・

岡田アンジョ&東山マリウス

岡田さん本気で似合わない(笑)
東山さん本気でホスト風(笑)

すぐ近くにいた河野コゼットを見やり、東山さんに「コゼットが待ってるよ」と促すあたりは、本職マリウスとしては当たり前すぎる行為でしょうか。さすが岡田さん。
で、東山さんの手の差しのべかたが・・・・完璧に売れっ子ホストでした、はい(笑)。

あれでいろんな事が吹っ飛びました。
この手の話ならやって欲しいパターン一杯あるなぁ。

一番の希望はコゼ・エポ・ファンテの3人入れ替わり。
真綾コゼ・高橋エポ・剣持ファンテ
最後以外は実現しそうにもないけど。

とりあえず2000回記念スペシャルシリーズ前に、現キャストの回の感想書いておかないと、多分冷静になれないと思われるので。

明日(5/26)、2000回記念スペシャルシリーズ、見に行ってきます。
仕事休めて良かった。

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『雨と夢のあとに』(4)

第6話、第一章完結の回。

開始早々に杏子さん演じる野中マリア嬢の爆弾発言でスタート。
「雨と朝陽は血がつながってない」

うーん、こんなこと言われたら言った方の悪意を疑うな、やっぱり。
こういう繊細なことは言うべきタイミングと言う方法があるし、朝陽が今まで雨に何も言っていないとしても、「言わないなりの事情」の方に誠意を感じずにはいられないかな。

雨は苦しみ抜いて、それでも笑顔で、朝陽に別れを告げます。
この笑顔が、すごく無理して痛々しいのが良く分かって今回、第6話の終了直前まで、見ていられないぐらい悲しかったですね。

「本当の両親と暮らしたい」とか、「もう、会いにこないで」とか「余計なお世話」とか。
でしかも、雨と長く暮らしていた朝陽だから、当然そんな”無理してる様子”はわかるし、そのうえ、そういう時に”本当の気持ちを言えず、強がってしまう”雨の性格はすべて分かってるわけだし。

自分の夢(アナウンサーだったそうで)まで諦めて、ひたすら運命に翻弄されるわけで、見れば見るほど野中マリア嬢&マネージャーが嫌な大人に見えてきます。
朝陽に収入がないこと餌に、離婚届を材料に金額未記入の小切手渡すなんて、良くもまぁそこまで憎たらしいホンを描けるもんだと(笑)。
しかも、子供(雨)を産んで放っぽっておいて「申し訳ない」の一言だし。

ところで、金額未記入の小切手って・・・・まさか手書きで金額書くような真似しないよねぇ(ちゃんと金額器で打たないとね)。

朝陽&雨のピュアさを強調する演出なのはわかるから、ある意味その罠にはまってる気がするわけですが。
で今回笑ったシーン一つ。
神社で強がる雨を前に、もこみち君が「雨は嘘をつくと、おでこに皺が寄るんだよ」というところで、咄嗟におでこを手でおさえる雨。
「引っかかった」と呟くもこみち君に憮然とする雨のコンストラストがなんだか微笑ましい。

そういえば、さすが杏子さんと思ったシーン。
夜の庭で雨を前にして歌うシーンはどんな台詞や演技よりも説得力があって。
「雨は心に降り続くのでしょう」という歌詞は色んな意味で良かった。
なんだか、「心の中に存在する”雨”(むしろ嵐とでも言うかのような、過去の様々な出来事)」という面と、「すべてを洗い流す”雨”」が掛詞になっているようで、なんだかきれい。

そんなこんなで波乱万丈の第6話ですが、一寸残念だったのは、今まで展開進行役として参加していた暁子さんと朝陽の関係、非常に中途半端な印象。
「いつでも来ていいですよ」という暁子さんの発言が、朝陽に対する一つの答えなのでしょうが。

物語後半。
これで良かったのだと淋しげに雨の中を歩いていく朝陽を、雨の中追いかける雨。
(なんだかどこが固有名詞なのか普通名詞なのか分からなくなってきたなぁ(笑))

お互いを分かりすぎたからこそ分かる、言葉に出来ない部分の信頼が、最後に繋ぎとめた絆。
生みの親より育ての親、とはよく言ったもので、こういうリアリティの出し方は、第一章最後に相応しい作りだったと思う。

ちなみに。
血のつながっていない父親を見送るシーン、
ミュージカル『レ・ミゼラブル』で昨日、見てまいりました。
そして、血のつながっていない祖母を見送る物語、演劇集団キャラメルボックス『広くて素敵な宇宙じゃないか』、土曜日に見てまいりました(『雨と夢のあとに』でどんどん変な役になっていく先生を演じてる西川浩幸さん、こちらでは堂々とした主役です)。

いったい、何で私は3日連続同じようなシチュエーションを見ているのでしょう(苦笑)。

その辺りの舞台レポは、また後ほどゆっくりと。

最後にオチを一つ。
第6話、最後に「台湾で日本人の死体が発見」というニュースが入ってきます(この時点では身元不明)。
このシーンから、最後のエンディングクレジットまであと1分という地点で、我が家のHDDレコーダーはディスクフルで録画停止となりました(爆)。

足りていたはずなのにおかしいなぁと、ディスクの使用状況を見ていると、5/20(金)夜、テレビ東京系で放送されていた『たけしの誰でもピカソ』に出演していたシルビア・グラブさんの歌を咄嗟に録画したからだった・・・・

えーと。
えーと。

『レ・ミゼラブル』ファンテーヌ役を今期務めるシルビアさんの声になびくような人には、雨ちゃんの母親(偽だけど)としては、雨ちゃんの物語を最後まで見せるわけにはいかないということなのでしょうか・・・・
母の愛情って凄いわ(違)。

※ネタ明かし
雨ちゃんの母親(偽)=高橋由美子さん=『レ・ミゼラブル』ファンテーヌ役(2003年・2004年)。

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『雨と夢のあとに』(3)

第5話放送。いつもの通りネタバレもありますから未放送地域の方はご注意です。
(第6話以降の「ネタバレ」はありません。予想はしますが)


なぜ第4話のレビューがすっ飛んでいるか・・・・えと、何だかぴんと来なかったんで。
このドラマ、なぜかわからないのですが、”個人的には”と枕詞をつけさせていただいた上で、奇数話に当たりが多いような気がします。

まぁ元々この作品見始めるきっかけが第3話に高橋由美子さんがゲスト出演、ってところから予告見てたら、黒川智花ちゃんの才能に惹かれてしまって、結果第1話から見るに至る・・・・という経緯をたどっているので仕方ないのですけれど。

今回の第5話は「家族幽霊」。キャラメルボックスの女優さんとしては初めて、大森美和子さんが登場(家族幽霊の母親役です。ちなみに男優さんとしては雨の担任役でレギュラーしている西川浩幸さんがいます)。
柔らかな雰囲気が素敵ですが、私自身、キャラメルボックスは前作『TRUTH』がお初だったので、この方、まだ舞台で拝見できていません。今週末、『広くて素敵な宇宙じゃないか』新宿・シアターアプルで公演)で拝見できるのが楽しみです。

で、ほんわかお母さん・輪をかけてほんわかおばあちゃん・やかましやんちゃ男の子×2・ひねてる女の子に、怒ると何言ってるのかわからないけど(笑)威厳だけはあるお父さん。
この構成でどう話を進めるのかと思ってたんですが、いやはや演出・脚本ともに流石というか。

家族で焼きそば作ってるところで、お父さん一人が「おなか痛い」ってんで寝込みます。
へぇ、幽霊でもおなかが痛いんだ、とか当たり前に見過ごしていたら。

 お父さん一人だけ生き残って、幽霊じゃなかったのですね。

いやまさかそっちパターンに行くとは。
一人生き残ったことを誰よりも責めていて、それがわかっていたからこそ、何も言わないで今までと変わらない家族を演じてた、そう語ったおばあちゃん。

この作品では幽霊が現世にいるのは、心残りがあるから、そういう一筋の線で括られています。
それは、朝陽と雨の関係にもつながっていくのですが。

今回の話、「自分を責めているお父さんに、生き残ったからこそ前を向いて歩いてほしい」と家族”全員”が思うことで、皆が天に召されていきます。
反抗期さながら、「お父さん一人が生き残った」ことを責めていた女の子も、本当は分かっていたわけです。自分だって死にたかったわけじゃない、お母さんだって、おばあちゃんだって、弟だって。
そして、お父さんだって、「一人生き残りたかった」わけじゃない。
ただ”偶然”が招いてしまった悲劇。
生と死、一家が引き裂かれてしまったこと、その事実は、結局変えられない。
でもそんな時、生き残った人が、生き残ったことに自分を責めるのだとしたら、死んだ人はそれこそ死にきれない思い。
だからこそ、「お互いを分かり合う時間」がちょっとだけ、必要だったんだと思う。

家族幽霊の父親役(佐藤二朗さん)、すごくいい演技でした。
実は最初は滑舌がちょっと・・・とかって思ってたんですが、演技は説得力とハートです。いやすごい役者さんです。申し訳ないけれど演技が薄味気味な沢村さんに比べると・・・・比べちゃいけないし、別の点で存在が必要とされているんだけど朝陽はetcetc・・・・ちょっと考えさせられるものがありました。


この第5話、杏子さん演じる野中マリアさんから黒川さん演じる雨へ、爆弾発言が飛び出しております。この作品前半最大のネタバレであろう、「母親は私でございます」発言。

でも、雨にとってマリアさんは憧れの人だったわけですから、普通で考えれば嬉しいはずなのに、全然嬉しそうじゃない。それは行き着くところ、信じていた「父親が嘘をついていたから」

しかも、マリアさんが母親だったのはともかくとして、次回・第6話は驚愕の事実発覚・・・・(ここはネタバレなので省略)・・・・いやはや、少女にとっては超波状攻撃状態であります。

しかもマリアさん、陰謀多すぎ・・・・素で嫌な女状態です。
娘を捨てておいて一緒に暮らしたいとまで。
ただの勝手な女になってしまってて、無性に腹立たしくなったりして。

いくつかのブログで話が出てましたが、母親のふりをしてた第3話幽霊ゲスト・高橋由美子さんと黒川智花さんがあまりにそっくりでそっちの方が母親ぽかったという・・・。
ある意味心に残る幽霊ゲストになってくれて、それはそれで嬉しいのですが。

「事情さえあれば嘘ついてもいいの?」という雨の叫びが、ピュアすぎて胸が痛い。
それに対する答えは、今回のゲスト幽霊に絡めて木村多江さん演じる暁子さんが出してくれています。
「人を傷つける嘘なら、許せない。でも、苦しんだ挙句についた嘘なんだから、その気持ちをわかってあげてほしい。」と。

笑顔が多かった雨の、困惑顔・泣き顔が増えてきて、ちょっぴり悲しい。
泣き顔も嫌いではないけど、あまりに可哀相すぎ。
黒川さん本人も6話以降の展開は好きではないって断言してますしね(現在発売中の『TVぴあ』5月25日号、沢村さんとの対談にて)。


ところで、今回からオープニングの映像が一部撮り直しされています。
曲の最後で、雨が柔らかく微笑んでいたシーンが変わり、強張った悲しげな視線のまま姿を消していきます。
10話完結のこの話も、次回が折り返し点。まさに激動の6話になります。
ここではネタバレはしませんし、ネタバレが嫌いな方は公式HPも絶対見ないほうがいいです。
何せ公式HP、やり過ぎというぐらい次回予告を詳細に書いてます。
とはいえ次回予告にそんなネタまで入れますかまったく・・・・
壮大な挑戦ですね。
普通のドラマじゃあんなネタバレ入れませんよ。
次回予告に公式HP、ネタバレを超える出来に自信があるからこそ出来る芸当ですね、まったくギャンブラーだこの作品のスタッフ・・・・。

ふと歌詞と、オープニング映像を見ていて気になったのですが、雨は捨て子なのかなと。
これは1番の歌詞の

「かくれんぼをしていた 雨が降り出し 蝉の声が止んで 私は空を見上げた」

というところからの想像なのですが。
目隠しをしていて、その場に置き去りにされてというシチュエーション、なんだか昼ドラマにはありそうですが。

あと気にかかってるのが早川さんの奥さん、霧子さん。なんであんなに近くにいて、それでも朝陽が見えないのか。
雨の出生の秘密に絡み、マリアさんも許せないけど、朝陽にもどこか許せない思いを持ってるんじゃないかと思えてきます。そして早川さんの旦那さんはその事実そのものを知らないから、普通に朝陽が見えると。

そして家族幽霊が天に召されるにいたり、雨と朝陽がどこか安らいだような笑顔で微笑みあうのに比べて、木村多江さん演じる暁子さんの苦渋に満ちた表情ときたら、これまた何かを思わせるのに充分で・・・・

あと5回、十分に楽しませてくれそうです。
ただの悲劇を作らない脚本家さんだから、どこかに救いを残してくれるはず。
その意味で、見ていて気持ちが楽になれるのが、このドラマの好きなところかなと。

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