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2005年2月

『デモクラシー』/青山劇場

●とりあえずひとり言
『MOZART!』の大阪先行も始まりだして、もうそんな時期なんだなぁと。
製作発表は両ヴォルフ(井上芳雄さん&中川晃教さん)&演出(小池修一郎さん)だけでしたね。→内容はこちら(スポニチ大阪サイト)

レミゼももう始まるわけですが、前回帝劇で2桁観劇、博多座にまではるばる遠征した熱意はどこへやら、今回は徹底して様子見です。高橋由美子さん出ないしなー
気になってた本田美奈子.さんは降板されてしまったので、あと気になるのは新キャストではシルビア・グラブさん、スペシャルバージョンでは島田歌穂さんだけなんだよなー
あとは笹本玲奈さん&新妻聖子さんの回がそれぞれ見れればいいかなと。

私にとってレミゼはファンテーヌとエポニーヌが基準です、って冗談ですけど・・・・
とりあえず今週末(3月5日)は帝劇最後の窓口前売り(『MOZART!』公演からは、東宝テレザーブでの電話予約&プレイガイド前売のみに切り替わります。ソースはこちら)ですが、どうするかちょっと迷い中。
しっかし、レミゼでここまでナビザーブが外れまくると、今後の公演、本気で不安。

”観劇の谷間の月”に入った2月、前回ちょっと書いていた『TRUTH』、残念ながら流してしまいました。本業が突然前日に突発的な対応が必要で引っ張り出され、あまりに突然だったので何も対処できず。
うぅ悲しい・・・・上川さん見たかった・・・・
チケットがえらい高騰してるのでこれから入手だと大変なんだよなー

と愚痴を言ったところで、もう一つの作品は何とか見れました。本日はそれ。
青山劇場、行くのは実に4年ぶり。新感線『野獣郎見参』以来。あの時も入口に迷った記憶がある(笑)。

●『デモクラシー』/青山劇場
 2005.2.23 ソワレ(19:00~21:30)

いつものごとくネタバレ入ります。お気になられる方、ぜひ回れ右を。

冷戦下のドイツで実際にあった話を下敷きにした、西ドイツ首相ブラント(鹿賀丈史さん)と、首相補佐官ギョーム(市村正親さん)。微妙な権力バランスの中を泳ぐ首相が見せる孤独と苦しみ。その負の部分をもっとも見ていた首相補佐官は、実は東ドイツのスパイであった・・・・という物語。

とにかく徹底哲尾”男の物語”です。女性が舞台上に現れません。女性の声でさえ、首相選出の結果を告げるところぐらい。

この辺りは、パンフレットで鹿賀さん、市村さんが対談で語っておられますが、すごくキャラが立った言及の仕方をされています。
市村さんは「出来ないとか分からないとかいう人がいない」とか言って笑いを取ってるし、鹿賀さんは「女性がいるとつい『いいよ』って言っちゃう。どの自分が言うのかわからないけど」と言ってこっちも笑いを取ってる。その表現の違いに2人のスタンスの違いをちょっと感じる。
表現しにくいんですが、”厳しさ”というものに対する付き合い方が、この2人は似てるようで違うように思うんですよね。
表現がいいかわかりませんが、市村さんが語るのは「役者としての”厳しさ”」、鹿賀さんが語るのは「人間としての”厳しさ”」みたいな。どちらも”厳しい”には違いないんだけど。

今回の作品で一番感じたのは鹿賀さんの存在感のず抜けたところ。実は初見だったのですが、本当に政治家ではないか(!)と疑ってしまうぐらいの立ち姿のはまり方、演説の説得力。ブラントは心に弱さも持っていることを吐露しますが、その時の苦しみ方との落差が痛々しかった。

市村さんは念願かなっての骨太の役、とどこでもおっしゃってますが、正直言ってしまうと、合っているようで合っていない感じがしてます。こんなに滑舌で苦しんでいるのを見たことなかったし、奇妙に言葉が通らないのがちょっと残念。なんだか女性とやっている時の方が映えるのかも。
でも、鹿賀さん演じるブラントに自らがスパイであることをチクチク刺される”対決”の場面は流石にど迫力。

ギョームに感じたのは”男の筋の通し方”ですね。スパイでありながら敵方の首相に仕え、首相の心の闇を明かされるまでの信頼関係を築きながら、最後は石持て追われるかのごとく、弁解する暇もなく手錠をかけられる。
自らの立場が白日のもとに晒されるのを予期してか休暇をとるギョーム。西ドイツ警察が国境までぴたりと張り付いてくる。国境を越え警備はフランス警察に引き継がれるが、逃げようとすれば逃げられないわけではない・・・・

この最後の一日に、”逃げる”という選択肢がギョームになかったことが、最後の”男のプライド”だったんだろうなぁと思う。

ありていな言葉で語ってしまえば、

逃げることは簡単だった。
しかしあの時逃げることは、自分の過去から逃げることだ。
それは自分自身の人生に誓って、恥ずべきことだ。
過去から逃げる人間は、生きていても既に屍だ。
自らの人生が片や裏切りの人生だったとしても、
自分なりに信じてきた哲学を、自ら捨てることは自分にはできない。
自分を裏切ったら自分がばらばらになってしまいそうだった。
自分が自分でなくなってしまうことは、この世で一番怖いことだ。

・・・・みたいな。

そのあたりは男性特有の感情というか、やっぱり”男は筋を通してこそ生きていける”みたいな思いがあるのかなと思うのです。人生の岐路とか、そこまで大げさでなくても日々の生き方とか、もっと細かければどのような言葉を話すのかに至るまで、自ら納得して行なうことこそ男のなすべきことだ、みたいな美学ってそこかしこに持っているような気がして。
そういう微妙な思いをチクチクと刺してくるこういう作品、やっぱり男の役者はやりたいだろうなぁ、と横から見てても思うのです。

ただその分、役者の熱意が突っ走り気味で、観客として座りが悪いという点があるのをちょっと感じました。けど、これだけいい役者揃えての舞台、全部が理解できなくとも心情に訴えかけてくる部分が確かにあったりする。

これは私の読み取り力不足なんでしょうが、なぜこの舞台が『デモクラシー』と名乗っているのかが一寸わかりにくかった。テーマは政治にかかわる人の泥々とした陰謀渦巻く空間だし、人間と人間のぶつかり合いで起こる、誰も想像できない”うねり”のようなものは感じる。
民主主義に対するアンチテーゼのようなものは感じずにはいられないけれど、何が正しいのかそうでないのかを、結論を出していないところにこの作品の良さがあるような気がするし。

最大の味方は、実は最大の敵である という逆説はある意味真実なのかも。
頼り切った後の裏切りは実は、最初からそこに味方としていなかった以上のダメージを受ける。
だから、それをわかってあえて近づけたというところが、なるほどあり得るなぁと思うわけです。
ただねぇ、ちょっと唐突。すごーく唐突。
泳がせといて政敵に一番キツイタイミングでダメージを与えるって戦略はわかる。
それがクライマックスにくるにしては、なんかちょっと中途半端。

皆さんいい役者さんだったのですが、特にいいなと思ったのは東ドイツのエージェント役の今井朋彦さん、党の黒幕、藤木孝さんの陰謀の空気がたまらないです。

ちなみにこの作品、会社帰りに観劇したのですが、すごく『会社帰りの背広姿』の観劇が向いてる気がしました(でも見たところ8割方、観客は女性)。
偏見を恐れず言ってしまうと、『SHIROH』は日曜日向け、キャラメルは土曜日向けかなぁとか思う(何のことやら)。

でも何だかお芝居に消化不良で帰りに渋谷の回転寿司屋でやけ食いしたのは秘密(謎)

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『MOZART!』再演。

2002年日本初演されたウィーンミュージカル『MOZART!』が今年2005年、4大都市で再演されます。
東宝ミュージカルにしては珍しく、初日が東京開幕でないことが特徴。
地方で大楽というのは、昨年の『エリザベート』と同じ
(このときは梅田コマ劇場が大楽)。

大阪  6月4日~26日    梅田芸術劇場(同劇場オープニングシリーズ)
東京  7月4日~8月26日  帝国劇場
名古屋 10月5日~30日   中日劇場
福岡  11月5日~30日   博多座(日程は公式には未発表)

初演は東京・日生劇場で1ヶ月(2002年10月)、大阪・シアタードラマシティで1ヶ月(同年11月)、東京・帝国劇場で1ヶ月(同年12月)の合計3ヶ月公演でしたが、今回はそれに輪をかけて長く、実に5ヶ月のロングランとなります。

開幕前ではありますが、キャストそれぞれのよしなしごとなぞを書き連ねようかと。
なお、ストーリーは東宝公式HP または 梅田芸術劇場HP をご参照。


●ヴォルフガング・モーツアルト役
シングルキャスト中心のこの作品で、唯一の日替わりキャストとなるこの役、初演と同じく井上芳雄さん、中川晃教さんのダブルキャストにて上演。

◆井上芳雄さん
初演を見る限りは、「スマートなヴォルフガング」。理性と感性の人。
「演技のヴォルフガング」。『MOZART!』初演以来いくつか作品を拝見しましたが、『ミス・サイゴン』のクリス役での苦悩する役作りは、役者としての力量の進化が感じられ、素晴らしいものがありました。
悩み苦しむヴォルフガング役を、一回り大きくなった役者として魅せてくれるものと期待しています。歌はキーが合わなくて大変かもしれないけど、頑張って欲しいです。

◆中川晃教さん
初演で賞を取りまくったこのお方。「やんちゃなヴォルフガング」。感情と直感の人。
「歌のヴォルフガング」。帝劇2004年12月公演『SHIROH』の「歌で人の心を動かす」原型になってるとも思えるこの役、パワーとエネルギー全開の当たり役、見るにたがわず、ただ感じるだけであります。
歌は文句なし。演技をどこまで深められるかですが、演技する必要がないぐらいはまってしまう役だから、何も心配してません。向こうの世界へ連れて行ってください。

●ナンネール役
ヴォルフガングの姉役。父親(レオポルト)との絡みが多い役です。
初演に引き続き、全日程を高橋由美子さんが務めます。

◆高橋由美子さん
今でこそ東宝ミュージカルの常連となりましたが、もともとは演出の小池修一郎さんに見出されて初演のこの役を務めあげたのがきっかけ。
両ヴォルフガングと初演以降に共演している唯一のキャスト(井上さんとは『ミス・サイゴン』、中川さんとは『SHIROH』。ちなみに今回のキャストでは、市村正親さん、山口祐一郎さん、大塚ちひろさんとも共演してます)。

ヴォルフを見つめる姉としての優しい眼差し、女性であるがゆえに才能を生かせなかった悔しさを、繊細な演技と丁寧な歌で表現した当たり役。
歌も場数を踏んで声量、表現力ともに上がっているので期待は高まります。
初演・再演ともに全日程(合計約500公演)をこなす、女性キャスト最多出演組。

●レオポルト役
ヴォルフガングの父親役。当然、ナンネールの父親でもあります。
初演に引き続き、全日程を市村正親さんが務めます。

◆市村正親さん
言わずと知れた演劇界、ミュージカル界の重鎮。初演時、「初の父親役」と言われていたことが信じられないほど、氏の演技は、円熟味あふれる味を見せていただきました。両ヴォルフに対しても微妙に接し方を変えていたあたりは、さすがの舞台巧者です。その辺りはヴォルフのところにも書きましたが、「理性の井上ヴォルフには『説得』」、「感情の中川ヴォルフには『威厳』」で当たっていたように思われます。
この方も初演・再演ともに全日程登板の、名実ともにこの作品の「座長」であります。

●コロレド大司教役
ヴォルフガングをかつて雇うが、やがて放逐する人。ヴォルフの運命を翻弄したお方。
初演に引き続き、全日程を山口祐一郎さんが務めます。

◆山口祐一郎さん
こちらも言わずと知れたミュージカル界の大御所、鉄人。そしてミュージカル界でもっともチケットを売る力のあるお方。存在感の大きさと、歌に込められた威厳と迫力、もう少しでショーストップがかかりそうな歌声はさすがの一言に尽きます。
大司教様(この言い方がすごく似合うお方)の歌を聞けるのは嬉しいのですが、チケットが本当に取りにくい・・・
『MOZART!』がない9月は、帝劇『エリザベート』に出演。
まさに「鉄人」であります。

●コンスタンツェ役
ヴォルフガングの妻。伝記では「悪妻」と散々書かれるお方。初演では松たか子さん(日生・大阪)、西田ひかるさん(帝劇)が演じられましたが、今回の再演は西田ひかるさんのみが残り、新キャストとして木村佳乃さん、大塚ちひろさんが加わり、期間代わりキャストとなります。

◆西田ひかるさん
初演帝劇出演、この役唯一の経験者。今回は、梅田全公演と、帝劇の前半(7月29日まで)に出演されます。
初演以降、舞台作品への出演がなく、芝居勘という意味で不安が残ります。歌はそれなりにいけるとは思うのですが、役作りの薄さと一貫性のなさが、初演帝劇では物足りなさを感じさせられました(初演もう一人のキャスト/松たか子さんが色んな意味で一貫した”神経質でぴりぴりしたコンスタンツェ”だったので)。
そんなイメージをぜひ打破していただきたいと思ってます。

◆木村佳乃さん
この作品初出演で、帝劇後半(7月30日から)に出演。
東宝ミュージカルは『ミー・マイガール』以来2作品目。このお方の舞台作品をストレート、ミュージカルともに拝見したことがないのですが、それでもあえて書いてしまうと、「売り」がすぐ見えてこないのは弱いのかなと。
歌もあまりよい話は聞かないのですが、ぜひ化けて欲しい・・・・。そうでないと帝劇後半を見に行くのが辛くなるので(なんかめっちゃ個人的なお願いみたいですな)。

◆大塚ちひろさん
この方もこの作品初出演。中日劇場、博多座のみの出演。
帝劇2004年12月公演『SHIROH』で見せた透明感が最大の売りかと思われますが、役作りという意味ではすごく不安。正直、いくらなんでも荷が重すぎるような気がしないでもなく。
とはいえ、変な摺り込みがなく、若いので、上手く演出さえつけてくれれば、コンスの中では一番面白い形になるかもと期待してます。
いつまでもヴォルフガングに近づけない、そんな”ダメな奥さん”というキャラでしか、攻めようがないような気もいたしますが。
それにこの方見るには遠征必須だから、化けてくれないとね・・・

●ヴァルトシュテッテン男爵夫人
ヴォルフガングの後見者で、最大の理解者。初演の久世星佳さんは続投で、香寿たつきさん、一路真輝さんが初登場。元宝塚トップお3方揃い踏みの、期間替わりキャストとなります。

◆久世星佳さん
初演からの続投で、今回は梅田前半と帝劇前半の出演。初演当時は、存在感と上品な佇まいが圧巻でしたが、歌は不得意分野だったのか、特に最高音は心配でした。
それでも2年経過していますし、いい方に変わっていることを期待してます。

◆香寿たつきさん
今回初登場。梅田後半と帝劇後半の出演。安定した演技と歌でけっこう期待。東宝ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』(2004年版)の長女役で拝見しましたが、とにかく「そつのなさ」が印象的。

◆一路真輝さん
今回初登場。『エリザベート』と日程重複のため、出身地・名古屋の中日劇場と博多座の出演。ヴォルフガング役の井上芳雄さんと『エリザベート』以来の共演が話題。2004年『DIVA』で井上芳雄さんをゲストに迎え、この役の「星から降る金」を歌ったほどの、ご本人熱望の役。
日程上、東京では見られないという、ある意味「伝説」になりそうな今回の役どころ、楽しみです。
主演を張れる女優さんが、自ら役ご指名で、脇を希望するシチュエーションにちょっと弱かったりするんで。超個人的な感想にて失礼。


皮切りとなる梅芸のチケット発売もそろそろ間近(3月19日発売)。製作発表は3月上旬でしょうか?
なお、梅芸ですが今回、日程の都合上、最初の土日(6月4日・5日)では両ヴォルフを見れません(両日とも井上ヴォルフで、中川ヴォルフは6月6日スタート)。
とりあえず、6月11日~12日の遠征を目論んでいるところ。

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演劇人、テレビに出る。(2)

か、かぜが治りませぬ・・・・
今年の風邪は長いですねぇ。
前回の最後に「翌日書きます」とか言ってましたがごめんなさい。
下手にUP予定日は入れるものではないですね。

話題変える前に前回の補足です。

●「真昼のビッチ」余談補足。

 前回、中山祐一朗さんが歌う「グリムバーガーの歌」という話を書いたのですが、その曲が収録されている書籍を本日入手。

 白夜書房から出ている「笑芸人」VOL.15(2004年秋号)。
 ISBN:4-89367-977-5。いつもの7&Yで注文です。
 (ただし、2/20現在、在庫切れで注文できなくなっています)

 たった1分28秒のシュールな曲ですがいやはやセンスあって好きです。

 ちなみに前回「あまりに飛び道具すぎてどこにも写真が出ていない」とコメントした高橋由美子さんのウェイトレス姿、実はこの本にモノクロながら載っております。

 背広姿のさえないサラリーマン役・橋本じゅんさんとのツーショットです。

●そしてようやく「ソロモンの王宮」/市村正親さん

放送データ
 2月13日(日)22:00~54、テレビ東京系

 舞台・演劇系ではもう経歴を言う必要もないぐらい大御所の市村さん。私にとっては2002年『MOZART!』初演のレオポルト役(ヴォルフガングの父親役)が初見。
その後、『屋根の上のヴァイオリン弾き』テヴィエ役(2003年、東京芸術劇場ほか)、『ミス・サイゴン』エンジニア役(2004年、帝国劇場)を拝見しています。

 市村さんというと、この手の番組だといつも作りが一緒になるというか、いやそれはもちろん市村さんが悪いわけじゃなくて、同じ作りしかできないテレビの製作側の問題なんでしょうけど、代表作をずらっと並べると、すごくお腹がいっぱい。そこにちょっとした裏話が入ってきたりして、最近では鍼に行ってる話とかもオープンになっていたりして、なんとなく番組作りが先に読めちゃうのがちょっと物足りない。1月の頭にフジ系でやってた『メントレ』もほとんど同じような作りでしたし。藤原竜也さんが市村さんを慕う後輩という話で出ていたのと、お母様の話が出ていたのが違うぐらい。
 とはいえ、舞台役者として第一人者といっても、テレビではようやく名前が売れたぐらいの”面白いおじさん”だからしょうがないのかもしれないけど。

 市村さん、好きな役者さんなのですが、特にこういう番組を見た後だと、見ている側として疲れてしまうのが実は本音。市村さんって緩急自在なところがあって、「力を入れる」ところと「力が抜けている所を見せる」落差がけっこう気持ちいいのですが、テレビだとどうしても前者に話が偏ってしまうし、サービス精神が旺盛なところが、たまに痛々しく見えて、見ているのが辛くなる時があるというか。
 だからそもそも、初見の人に見てもらうためにこういう番組はあるんですよね、ととりあえず納得しておくしかないって感じかもしれません。

 今回の番組は、現在上演中の『デモクラシー』の宣伝という意味合い(テレビ東京が後援に入っています)ではありますが、作品についての噂を聞く限りでは、いわば「男の思い入れが詰まった作品」という印象。
 前売りも取らずに3ヶ月以上ずーっと行くか行かないか迷っていたのですが、せっかくだからということで今週水曜日の夜(23日)に青山劇場まで見に行ってきます。

 2月は観劇の谷ということで何も見る気はなかったのですが、実は金曜日の夜(25日)に上川隆也さん出演の演劇集団キャラメルボックス『TRUTH』も見に行くことにしてしまいました(苦笑)。
結局迷っていても行くんだなぁ・・・

 2月に気になっていた4作品のうち、世田谷パブリックシアターの『コーカサスの白墨の輪』とシアターコクーンの『幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門』は見送り。前者は松たか子さん、後者は木村佳乃さんが気になりキャストでしたが、話きいて確変ということまででもないようなので、次に拝見できる時まで。何せ今年は『MOZART!』の年なので、特に木村さんは望むかどうかにかかわらず多く拝見することになりそうなので、まぁ今見れなくてもいいのかなと。

2/20真昼に追記-----
『屋根の上のヴァイオリン弾き』、2006年1月~2月に再演。
三女チャヴァ役が、前回の笹本玲奈さんから安倍麻美さんに交代。
う~ん、正直見に行く気がなくなるキャストだ・・・・

一応ソースはこちら ニッカンスポーツ
次女ホーデル役、前回は知念里奈さんでしたが、2005年12月に日生ジキハイがあるから、こっちも変わりそうな感じ。

2/28追記-----
ちなみに『屋根の上のヴァイオリン弾き』、1月が博多座、2月が日生劇場だそうです。

●そしてラスト「情熱大陸」/小池修一郎さん

放送データ
 2月13日(日)23:00~30、TBS系(毎日放送制作)

 宝塚版『エリザベート』ができるまで、と一言で語ってしまうとそういう番組。
 正直、可もなく不可もなく、まぁ小池さんのはっちゃけエピソード(そうとう型破りなんですなあの方。銀橋にトップ以外を配置するなんてあの人でないとできないでしょうね)が面白かったぐらいで、普通の番組でした。

 『エリザベート』に関しては、一昨日(18日)のテレビ東京系『誰でもピカソ』の「闇が広がる」(姿月あさとさんのトートと、井上芳雄さんのルドルフ)があまりに凄すぎたのでそれでインパクト上書きされてしまっているというのも大きいんですが。

 ・・・・とか何とか言って実は『エリザベート』は未見です。が、ひょんな所から話を聞いて東宝エリザ2004年シリーズのパンフ(帝劇版)を今更入手。
 フランツ皇帝役で出演の石川禅さんに、かつての『アニーよ銃を取れ』(1997年版)のお相手役・高橋由美子さんがコメント文寄せてるってんで怖い物見たさに(爆)。
 禅さんをジャンガリアンハムスターって
・・・・すごいコメントしてますね>由美子さん
 これだけじゃないけど、面白すぎるコメントに爆笑しました。

 一路真輝さんのエッセイ風長文もすごい読み応えありまして、さすが東宝の大ヒット作品、パンフの力の入れ方も尋常じゃない。
 ぜひ再演『MOZART!』もこんな感じの力作、期待してます。

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演劇人、テレビに出る。(1)

本日は、「『SHIROH』を語る。」は一旦お休みです。
1週間更新なしなのに、変わらず見ていただいて本当に感謝。
微妙に各ページ追記を加えていたりしますが、
明らかな日本語の間違い以外、追記の場合は本文に日付を記載しておりますので、ご参考まで。

●でも最初は『SHIROH』ネタ

 現在(2月14日現在)発売中の『女性セブン』2月24日号。
 この雑誌名を名乗ることは演劇関係のブログではタブーなのかもしれませんが、本題と違うんで今回のお題へ。

 表紙を1枚めくりますと、スカイパーフェクTV(スカパー)の「愛の情念劇場」の広告があります。2枚見開きの広告、右ページは番組紹介で何てことないのですが(でも桜井幸子さんがやった時の『高校教師』はピュアでよかった・・・ってとんでもない余談ですな)左ページ、イメージキャラクターのともさかりえさんのバックに描かれた絵が、

 平成の浮世絵師・山本タカトさんの絵。

 ピンと来ない方のために、補足説明。
 『SHIROH』のチラシ絵、それより何より、帝劇・梅コマにどどどーんと描かれていたあの絵を描いた方です。
 で、男性と女性のキスシーンが・・・・・

 男性は黒髪、女性は茶髪ではあります。
 が、女性の茶髪を黒髪に染めると・・・・・
 ちゃんと、

 四郎と寿庵

 に見えます。

 ちゃんと前髪もばっつんだし>寿庵
 あの目の閉じ方もどことなくふわっとした輪郭もそっくり。
 言っちゃえば、まゆげの線も似てます(中の人@高橋由美子さんに)

 そーっと優しげに迫る感じも四郎様@上川隆也さんに似てます。
 うーん、四郎様が羽織っている(ように見えてる)赤いマントが
”勇者”を思わせていいです。

●そしてまた続ける『SHIROH』ネタ
 大阪公演で会場予約となり、増刷中だった『SHIROH』原作戯曲の増刷がようやく上がったようです。
 各インターネット書籍通販サイトで注文可能となっています。

 主なところ2つほど。本日(2月14日)現在注文可能です。

 7&Y こちらで直接進めます
 ※7-11にて店舗受取可。この本1冊だけでも宅配手数料0円。

 楽天ブックス こちらで直接進めます
 ※こちらも送料無料です。

 で気づいてないお方のためにCDはこちら → イーオシバイ
 先週の売上ランキング、初登場3位らしい@同サイト

-----そしてようやく『SHIROH』以外の話に突入する私。前置き長くてごめんなさい。
2月3連休の最終日(2月13日)、図ったかのようにテレビで演劇人3連発。
気になる人ばかりなので梯子してしまいました。今日はそのお話。

●長塚圭史さん/演出家・劇作家
 NHK教育「トップランナー」(19:00~19:45)にゲスト出演。
 演劇ユニット・阿佐ヶ谷スパイダース主宰。2004年度朝日舞台芸術賞受賞。

 この方の作品を最初に見たのが、毎度恒例の高橋由美子さんつながりで、2004年7月・8月に新宿・シアターアプル、大阪・国際交流センターで上演されたヴィレッジプロデュース『真昼のビッチ』

 初見の感想は「救いのないのが救い」という感じだったのですが、色んな所から感想で「グロい」とか言われていた割に、「全然普通だよ」と思ってしまった自分にちょっと戦慄した記憶が(苦笑)。
 ただ、女性(の役)がことごとくオチがついているのに比べると、男性(の役)はめちゃくちゃ置いてきぼりなので、出ている役者さんは気の毒だとは思います。

 何とまぁ公演情報はまだ残ってる→阿佐ヶ谷スパイダースHP
 →ぴあの長塚さんインタビュー 

 ちなみにこの物語のちょっとしたご説明。
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 姉・球子(高橋由美子さん)は、妹・美磨(馬渕英里何さん)をひたすら守り続ける女性。
 妹は口がきけず、精神に異常を来たしている。
 2人が住む町は地上げ業者の追い出しによってゴーストタウンとなっていく。
 地上げ業者とは大財閥の令嬢(高田聖子さん)とその義兄(小林高鹿さん)
 町からどんどん人はいなくなっていく。
 しかし町に残る姉御(千葉雅子さん)と妹格(吉本菜穂子)にはこの街を捨てられない訳があった。
 その街で、球子は妹を養うため、客の来ない街で昼はバーガーショップの店員、夜は娼婦となっていた。
 夜のお客として日がな客がやってくる(渡辺いっけいさん、橋本じゅんさん)
 球子に惚れたバーガーショップの店長(中山祐一朗さん)と客2人が競う。
 どちらを選ぶか委ねられた球子は、周囲が驚く中、暴力を振るう店長と付き合うことにする。

 傍から見れば不幸な方を選んでばかりいる球子。
 そんな不幸を救おうと、店長は美磨の食べ物に薬を入れていた。
 病気が回復した美磨を見て、球子は狂ったかのように叫ぶ。
 美磨が治ってしまったら、私は何を支えにして生きていけばいいのと。
 不幸に不幸に生きることで、幸せなことを考えずに済んできたというのに。
 そんな姉の姿を見た美磨は、自ら狂ったままであり続けることを決意する。
 それは美磨の本心だったのかもしれないけれど・・・・。
 眺める男たちは呆然とする。
 他人が入り込めない心の闇。姉と妹がお互いわかりあってしまったことを、他人が不幸だと思うことに、いったい何の意味があるのだろうかと。
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 最初見終わったとき、頭の中に「幸せってなんだっけ~」という曲がぐるんぐるんした。
 不幸であることに甘える女ってストーリーをキャストから想像してて、どんぴしゃりだったから余りに違和感なさすぎたのかもしれないけど・・・・

 この作品を味わうには「グリムバーガーの歌」とか検索してみると楽しいかも。
 あまりに飛び道具すぎる衣装だったからか、どこにも写真出てない>由美子さんのウェイトレス姿
 寿庵も10代に見える時があったけど、この時も10代そのものだった・・・・

 ちなみにこの作品のある意味、見どころは、橋本じゅんさんが
普通な人だったこと(←コラコラ)。

 由美子さんの夜の客だった人が5ヶ月後にはシアターアプルから10km離れていない帝劇で(類義語:国際交流センターから10km離れていない梅コマで)、剣で斬りつけてその命を奪っているのだから、舞台というのはとんでもなくわからないものです(笑)。

 それを言うなら高田聖子さんも、ここでもあっちでも敵役でしたけどね。
 聖子さんにバット持って殴りかかって罵声浴びせる由美子さんが、ある意味、感動物でしたが。

(今まで見たどんな舞台よりも、感情全開の場面でした。『SHIROH』の海辺で四郎様を止める時とどっちが凄いか、ってぐらいどっちも凄かった。)

 話は長塚さんの話に戻って。

 氏は自分と同世代なのですが、それだけに含蓄あるぼそっとした喋りが好きだったりします。ある種、悟ったかのような達観したかのような、わざわざ受けを狙わないところがイイ。

 「生きてくって奇麗事で済まないじゃないですか」とか
 「裏側まで含めてその人の魅力」とか
 「自分にとってはどんな物語もハッピーエンドとして作ってます。但し、受け手にとってどう見えるかは、観客それぞれの見方」とかって
 見る側にとってすごく距離感がいいなと思うのです。

 見る側に考える余地を残してくれているというのか、”余韻”の中で観客に物を考えさせる演出家さんだなぁと思えて、いい意味で力が入っていないのがいいなと思うのです。

 この種の番組で、問いかける側が一番簡単に使って、答える側が一番困る問いかけである、
 「あなたにとって芝居の魅力って何ですか」という質問、やっぱりこの番組でも出てました。

 私自身、芝居に関わっているわけではないのですが、自分の本業とか、集中していることに対して、こう聞かれた時の答え方って、すごい難しいのです。

 たいがいの場合、「好きだから続いているんですよね」って言っちゃう(長塚さんも現にこう言われています)んですが、それだけじゃ答えとして不十分なわけで。

 聞いている方は何気なく聞いている場合だと、真剣に考えることはもしかして意味がないのかもしれないけど、でもその「問いかけ」に対してちゃんと答えないということは、自分にとって「大事なもの」が「なんで大事なのか」を表現できないということ。
 それは情けないことなのではないかと思うのですね。
 で、出てくる答えって意外に含蓄がある言葉が出てきたりして、傍目に見ている人が意外にわかってくれているという瞬間がいいな、と思えたりして。

 ちょっと話題が脱線してしまいました。
 ちなみに長塚さんのお答えは「自分の生(なま)の思ったことをほぼリアルタイムに表に出せるから。その生ものさ加減がやめられない。」でした。

 ・・・ちなみにこの番組、2月17日(木)24:00から、NHK教育テレビで再放送があります。
 よろしければご覧になってみてください。

 今日は風邪気味で力尽きたので、続きはまた明日。あと2人(市村正親さん、小池修一郎さん)を語る回です。

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『SHIROH』を語る。(25)

●生き残ることの意味

 「一人にしてくれませんか」

 『SHIROH』1幕、植本潤さん演じる甚兵衛に、上川隆也さん演じる四郎が答える言葉。
 ”天の御子”と崇めたてようとするキリシタン達の思いが重すぎ、四郎が逡巡する。

 そして時は過ぎ、1幕後半。

 「二人きりにしてくれませんか」

 ・・・と、四郎が気持ちを吐き出す。
 自らの弱み、本当の気持ちを受け止めてもらえると信じて放った言葉。

 キリシタンの思いの強さ、自らの重荷に耐えられず、
「一人にしてくれ」と言った人が、
 ただ一度きり、「二人にしてくれ」と言った相手。
 
 ”一揆の軍の頭が必要”と闇市にやってきた四郎。
 「聖人」と謳われた”さんじゅあん”を探し、探し当てた人物は、
 四郎がかつて長崎で出会ったひと。

 年端もいかない少女が、闇市を2年も仕切ってきたという事実。
 少女を小馬鹿にする、小左衛門をたしなめる四郎。
 少女に込められた力量の大きさに、ただならぬものを感じる四郎。
 だからこそ、自分の真実の気持ちを吐き出すことができたのだろう。
 心に闇を抱え、その思いを誰にも吐き出させずにいた四郎が、ただ一人、本当の気持ちをぶつける覚悟を持てた人物。その思いを受け止めてくれる期待があってこそのもの。

 少女がなぜここまで自分を称え、必死になるか、そのことに四郎は鈍感であった。
 その少女・寿庵にとってはそんなことは百の承知。
 心の中でつぶやく様が目に見えるよう。
 自分の気持ちを言葉では表現しない寿庵の”心のつぶやき”が、想像すると興味深い。

--寿庵のつぶやき(さんじゅあんの館)---------

 「四郎様のお役に立てれば、本望なのです」
 「四郎様のためだからこそ、私は全力を尽くせるのです」
 「”天の御子”として輝いている四郎様のお傍にいさせていただけることこそ、私のただ一つの願いなのです」

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 そういえばこの作品、
 シロー@中川晃教さんの”神の声を持つ少年”がぜんぜん違和感なく見えていたけど、
 寿庵@高橋由美子さんの”年端もいかない少女が闇市仕切って軍師”ってのもまったく違和感なかった。
 一応、設定年齢はシロー>寿庵だったはずなのに、全編に亘ってほぼ逆の力関係。
 シローは16ぐらい、寿庵は14ぐらいかと。
 2人に共通してるのはそんな”ありえない”設定をパワーで普通に見せてしまうところ。
 もっと言えば、四郎とシローと三万七千人の魂を一人で背負って立ち上がっていく展開もそうとう”ありえない”もの。
 場面負けしていなかったのが何より嬉しかったのです。
 帝劇初日から変わりに変わったあの場面。呆然から慟哭、涙から声にならない叫び、達観の先にある使命の重さの自覚。

 この場面、四郎があと少し、寿庵と気持ちが通じ合ってくれたら、と思いながら、でもすごく深い所で結びついていたからこそ、四郎(だけではないですが)の思いを受け継いでいける覚悟がある女性だったからこそ、四郎は安心して寿庵に後を委ねられたのだなと。

 寿庵は自分の気持ちから何からひっくるめて、”四郎から後を託される”ことに、自らの生きるよすがを求めたのかもしれないなと。

 寿庵は涙を浮かべて、声にならない叫ぶ姿を見せるけれども、でも、男性にすがりついて、泣きじゃくって相手を責める女性でなかったことが、私にとっては一番救いでした。

 神は最後に残る者を探していた。
 最後に残る者は、初めは四郎だった。
 しかし、四郎は自らが生き残るよりも、愛した人・寿庵をこの世に残すことを願った。

 神は思う。
 自らが選んだ四郎が、生き残らせたいと願う寿庵を生き返らせることは、考えてみると一番収まりがいいのではないかと。

 島原の乱の現実を語り継ぎ、支配者に愚行を繰り返させぬための語り部として、
 すべてを知っている軍師を残すことは、実は一番よいことなのではないかと。
 四郎をこのまま残したとしても、リオを失い、奇跡の力を失ったときと同じく、自分の心の弱さに押しつぶされ、
ただ”死んでいるように生きていく”のではないかと。

 そのうえ、四郎も生き返らせることを望んだ人、その人は語り継げるだけの”現実と向かい合い続けた軍師”であり、一人だけ生き残っても、”自らの力で生き抜いていける人物”であったからこそ、寿庵を生き返らせることに決めたのではないか。

 四郎の強みは、自らの限界を知っていることだった。だからこそ、自らに”天の御子”としてのしかかる重圧に、耐えられなかったのだ。
 最後まで、四郎は自らの身のほどを知っていたということだったのだと思う。

--寿庵のつぶやき(一人生き残った後の話)------

 最初は思ったんです。
 四郎様、なぜ私だけを現世に残したのって。
 私も、一緒にはらいそに行きたかった。

 でも、感じたんです。
 四郎様の思い、そしてキリシタン軍みんなの思いの強さを。

 四郎様がこの世界に残って一人苦しみ続けるというのなら、
 そんな四郎様をはらいそから見ているのは辛すぎます。
 何もできない自分のふがいなさを、呪ってしまうかもしれません。
 身体ははらいそにいけても、魂はさまよいつづけることでしょう。

 だから、私は喜んで四郎様の代わりを務めます。
 そう、決めたんです。

 四郎様が最後に、私を選んでいただいたことで、
  私はこれからも生きていける気がするのです。
 四郎様、シロー、お蜜さん、そしてキリシタン軍3万7千人のみんなの思いを、ずっと受け継いでいくことができる気がするのです。

 お礼を言いたいのは、私の方です。
 私を支えていてくれたのは、いつも四郎様でした。
 私が支えていたのではありません。
 いつも四郎様に支えられていたのです。

 遠い空から、私の生き様を、しっかりと見つめていてください。
 私は、皆の思いと一緒に、これからを生きていきます。
 そしていつか、私が使命を終えたとき、
  皆さんとはらいそで再会できることを、神に祈っています。

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 四郎のことを何もできずに見守ることしかできなかったリオ。
 寿庵が四郎を現世に残したら、寿庵もリオと同じ立場になったのだと思う。
 運命はそうなるかのように動いていったけれど、最後に神にそれを思いとどまらせたのは、ふたたび「迷える魂を生み出してはいけない」という思いかと。
 
 四郎は心残りなく天から寿庵を見つめる。
 寿庵は四郎に、そしてキリシタンの皆に見つめてもらえることで生きていける。

 「救われなかった魂」の象徴であったリオに代わって、
 「救われた魂」の象徴として寿庵が最後にすっくと立ち上がる。
 そこにこの作品の真骨頂があったように思うのです。

 そういえば、
 寿庵→四郎の愛情込みの尊敬関係も良かったけど、寿庵→シローの”見守り”関係もいい。
 初共演のときも相性良かったけど、ますます良くなったみたい。
 そろそろ心置きなく『MOZART!』の話も始められそうです。


●「月刊ミュージカル」ランキング、もう一つの視点
 今回、同誌の作品ランキング3位となった『SHIROH』。1位『INTO THE WOODS』、2位『ナイン』と3作品の投票パターンを見ていて、ふとしたことに気づきました。

 このランキング、25人の審査員が、1位から10位まで票を入れます。1位が10点・・・10位が1点で計算された合計点の順に、総合順位が決まります(作品賞の場合。役者は5位まで)。

 この25人の審査員の顔ぶれが、評論家さん15人、ジャーナリスト(新聞・報道関係)10人なのです。

 で、今回の上位3作品を見ていると、かなり特徴があるのです。

1位 INTO THE WOODS 評論家 14人/112点=平均8.0
           ジャーナリスト  9人/ 68点=平均6.8
2位 ナイン     評論家     12人/ 93点=平均6.2
           ジャーナリスト  6人/ 57点=平均5.7
3位 SHIROH  評論家      7人/ 37点=平均2.5
           ジャーナリスト 10人/ 75点=平均7.5

 それぞれの審査員の方が、この作品を10位以内に選ばないケースもあるので、平均は、選ばなかった方は0点として全員人数で平均しました。

 2位の『ナイン』が平均的に票を取っているのに対し、1位『INTO THE WOODS』は評論家重点型。そして3位の『SHIROH』はこれでもかというぐらい、ジャーナリスト重点型。しかも満票です。
 で、ジャーナリスト10人だけでランキングすると、『SHIROH』は1位。

 『SHIROH』で目立つのは、ジャーナリスト平均と評論家平均の、恐ろしいほどの違い方。
 『SHIROH』はミュージカルや舞台である以上に、
エンターテイメントだったんだな、ということを痛感します。
 ある意味、演劇的に、とか舞台的に、というカテゴリでは括りきれない”熱さ”が、『SHIROH』の残した一番大きなものだったのかもしれないですね。

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『SHIROH』を語る。(24)

●「月刊ミュージカル」誌 2004年ミュージカル3位
 おめでとうございます

本日2月1日に発売されました、「月刊ミュージカル」誌2月号で発表されました、2004年ミュージカル作品部門で、『SHIROH』は堂々の第3位

評論家25人の投票によって決められるこのランキング、意表をついて『INTO THE WOODS』(新国立劇場)が1位、前評判が高かった『ナイン the musical』(アートスフィア)が2位。それらには残念ながら競り負けたもののこの順位。各種演劇関係の賞は『SHIROH』が12月上演ということもあって軒並み対象外なのですが、このランキングだけは期待しておりました。ばんざ~い。

同時に発表された男優・女優ランキングでは、『SHIROH』からは
中川晃教さん秋山菜津子さんのお二人が10位内にランクイン。

中川晃教さんは2002年第1位(『MOZART!』)、2003年第6位(『PURE LOVE』)に続いての3年連続。
秋山菜津子さんはこのランキング初登場です。

20位以内には、上川隆也さん(男優部門15位)、高橋由美子さん(女優部門17位)がランクイン。
上川さんはもちろん初めてですね。
由美子さんは今年は延びず。今までの最高位は8位(1997年『アニーよ銃を取れ』と、2003年『花の紅天狗』『レ・ミゼラブル』)に比べるとちょっと意外ですね。
主演をやっていない年は厳しいなとは思います>由美子さんの場合。
2002年(『MOZART!』ナンネール役)のときも15位でした。

10位以内で見ると、男優部門に比べて女優部門の入れ替わりは激しくて、男優部門は2年連続10人中5人までが残っているのに、女優部門は2年連続10人中2人しか残っていません。
(ちなみに男優さんは中川さん、山口祐一郎さん、井上芳雄さん、岡幸二郎さん、今井清隆さんが連続TOP10入り。女優さんは一路真輝さん、島田歌穂さんが連続TOP10入りです)

また、『SHIROH』で全曲作曲を担当された岡崎司さんが特別賞。
いのうえひでのりさんが演出家部門第3位にランキングされています。

●10,000アクセスを達成しました。
開設以来20日間、1月30日午後10時50分に当ブログのアクセス数が10,000アクセスに到達しました。
想像を絶する『SHIROH』のパワーだけでカウントされたこのアクセス数。ご覧いただいている皆様にただ感謝の気持ちで一杯です。

当ブログの開設は1月4日ですが、実はこの「ココログ」というシステム、ベーシックパターンだとアクセス解析の機能が付いておりません。
このため、アクセス数のカウントはプラスパターンに切り替えた、1月9日からの起算となります。
よって、実際にはもっと早く10,000アクセスを達成していたのですが、カウント認識可能なタイミングを達成日といたしました。

今までのご愛読に感謝ということで、アクセス数ランキングを以下発表いたします。

・アクセス実数TOP5
 第1位 第11回(12.2%)
 第2位 第10回( 7.6%)
 第3位 第16回 ( 5.7%)
 第4位 第9回 ( 5.5%)
 第5位 第12回 ( 5.4%)

・日平均アクセス実数TOP5
 第1位 第23回
 第2位 第11回
 第3位 第19回
 第4位 第21回
 第5位 第22回

この中で印象深いのは、第11回の3連コンボ「●シローという役」「●帝劇で生き続けること」「●一揆軍が求めたもの」でしょうか。
自分としても思い入れが強いながらも、ある面『SHIROH』の魅力を自分なりに表現できたかなと思っている回なので、常時この回がトップに入っているのは、嬉しいです。

四郎様をテーマにした第19回「●罪知らぬ者と罪知る者」「●原作戯曲とCD」も、さすがの上川隆也さん人気で上位ランクインです。
この回もそうですが、ふと思いついた言葉の組み合わせから、作品の中の”そういえばそういうことあったよなぁ”ということを組み立てていくのは自分の好きな書き方で、そういう意味では同じテーマを手を替え品を替えて書いているということ、自覚してはおります。申し訳ないです。

さすがに公演終了から半月も経つと、アクセス数はゆるやかに落ち着きを見せていますが、それでも新しい原稿をアップした時に一気に数が伸びるのは嬉しいものです。

あと自分で気に入ってるのは第8回「●正々堂々」「●信じること」の回。
第8回は第22回の話を絞って書いたものですが、全文を自分の中だけでとどめておくのがちょっと寂しくなって、ついつい第22回で全文を載せてしまいました。

第15回「●目は口ほど(以上)に物を言う」「●リオは見えるのか?」「●月はいつ満ちる」「●MP3プレイヤーに『SHIROH』宿る その2」の回も思い入れ過剰ながら自分としては満足している回です。

ちなみに、時間帯別最多アクセス記録は、143回(1月20日22時台)でした。
もう破られることはない記録でしょう・・・。

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