« 『SHIROH』を語る。(9) | トップページ | 『SHIROH』を語る。(11) »

『SHIROH』を語る。(10)

本日はハイライト盤CD編。
CDを先に聞きたい方は聞いてからどうぞ。


帝劇で予約を受け付けていたCD、梅田コマでは公演初日(1月8日)から発売開始。
販路が新感線ということもあり、劇場売りがやっぱり先でした。

で、帝劇売店も頑張ってくれて、予約分の発送も同じく1月8日。
よって到着は1月9日。

1/27追記
 このCDは、e.oshibaiのサイトで通信販売をしております。
 こちらをご参照。

収録曲は、全46曲中、22曲(M5を2曲分、M10を4曲分としてカウント)。

---------------------
1.組曲「約束の地」-いんへるの-
2.人のツバサ
3.Dance
4.われらの御霊をはらいそに
5.ヘイユー四郎~なぜに奪われし光
6.ROCK’Nイズノカミ
7.さんじゅあんの闇市
8.まるちり-握った拳に神は宿る-
9.さんちゃご-御子は舞い落りられた-
10.海はつながっている~お蜜と寿庵~ふたりSHIROH~のりかかった船
11.城を造ろう!
12.板倉重昌A GoGo!
13.光は我らに
14.砂の城
15.さらば神よ~神の王国をつくれ
16.御子は我らと
17.四郎の懺悔
18.はらいそ
---------------------

収録曲については、一晩中語れます(笑)
時間の制限があって(180分を70分にするのは確かにかなり厳しいのでしょう)、同じメロディーをだぶらせないようにした配慮のせい(?)か、メインどころがいくつか抜けていて、不満はあります。これでDVD出さなかったら恨むよぉ。

●中川晃教さん
さすが歌の主役。12曲が収録されています。(M2、3、7~11、13~16、18)
(以下のキャストも同様ですが、1フレーズ以上歌うか台詞が入っている場合「1曲」とカウントしています。)
「まるちり」「神の王国をつくれ」が入ったのは嬉しい(当たり前だろうけど)。
「もう一度海へ」はシローの仲間とお蜜との関係が分かりやすかったから欲しかった。
「人のツバサ(リプライズ)」もその次の「幕府の犬に断罪を」につながるキーになる曲だったから、入れて欲しかった。

あと1幕最後の「天の御子を我らに」が入っていないのが、ある意味凄い。

そして「海はつながっている」の最後、「お蜜と寿庵」につなげるコメントは帝劇前半バージョン「じぇ、じぇろにも」だったのがねぇ。
あそこのアドリブは、唯一好きじゃなかった・・・
次の寿庵の台詞が意味不明になるんだもの。

●上川隆也さん
意外に歌の収録率高し。10曲収録。(M1、4、5、7、10、11、13、16~18)
「なぜに奪われし光」が良い。
四郎の苦悩を表現してる「主よ、なぜ彼なのですか」がないのが悔しい。
あの曲、上川さんの真髄なのに。
「四郎の懺悔」(M17)が入っているのは当たり前なんだけど、情景が浮かぶあの曲、しかも帝劇後半の録音というのがいい。

●高橋由美子さん
8曲収録。(M1、9、10、11、13、15、17、18)
収録率が高いのですが、彼女メインの2曲ともども未収録というのが残念。
「さんじゅあんの闇市(リプライズ)」での四郎とのデュエットがないのは悲しい。「満月よりも三日月が好きです」ってフレーズ、好きだったのに(哀)。
やっぱり長すぎたのか・・・(フルで5分近くあるし)
この場面だけでDVD買ってくれというメッセージですか、これは(苦笑)。

「幕府の犬に断罪を」も入ってない。これは秋山さんとの関係かもしれないけど、空気を切り裂くあの声、聞きたかったんだけどなー
秋山さんとの関係では「お蜜と寿庵」はあるけど、「お蜜の真実」の迫力どころが入っていないのも残念。
収録曲の中でお気に入りは、「四郎の懺悔」(M17)、「はらいそ」(M18)。
彼女単体で見ると、出演の舞台CDでは『MOZART!』(中川版)を超えられるかなと思ってたけど、インパクト的には超えなかったなぁ。

●杏子さん
6曲収録。(M1、4、5、8、13、16)
実質的な収録率は中川氏以外では一番高いかもしれない。
この方の声を聞くと、『SHIROH』って、ロックミュージカルだったんだ、と思い出す(今更なにをとお思いでしょうが)。逆にいうと他の人がロックぽくないというか。
M1「組曲「約束の地」~いんへるの~」の導入部のこの方の声、大好き。M16「御子は我らに」の絶望に向かう空気が何ともいえず凄みを感じる。
ハイライト盤ということもあり、各シーンの印象がぶつ切れになる印象が強い今回のCDですが、この曲はM15「さらば神よ~神の王国をつくれ」から直でつながっていることも、凄みの理由としてはあるのでしょう。

●秋山菜津子さん
2曲収録。(M7、10)
ソロが1曲も収録されていないという意味で、収録率すごく低い。
中川さんのところにも書いたけど、「人のツバサ(リプライズ)」がないのは辛い。お蜜が伊豆守に見捨てられて、シローの声に身を委ねるんだけど、すぐ一揆軍からもスパイと断じられるところ。次とのつながり含めて泣けたのにな。
ただ、あの辺は全部入れないと話がわけわからなくなるから、長さ制限で引っかかるでしょうね(「人のツバサ」から「お蜜の真実」までだと15分近い)。

●その他の方々
他に収録されているのは、右近健一さん(4曲)、吉野圭吾さん(2曲)、植本潤さん(3曲)、粟根まことさん(2曲)、泉見洋平さん(3曲)、大塚ちひろさん(3曲)、高田聖子さん(1曲)、池田成志さん(3曲)、江守徹氏(1曲)。
一応、歌っている人はかならず一箇所は入っているということなんだけど(高田さんは台詞だけ)、その分、収録時間の制限から前述のとおり、印象が強い曲がいくつか落ちているのが残念至極。

そしてあれだけ笑いを持っていった橋本じゅんさん、川原正嗣さんは影も形もないという。

●CD全体として
ハイライト盤と最初から銘打っていたわけなので、全曲が入らないのは分かっていたわけですが、各キャストの見せ場をそれなりに網羅しようとしたばかりに、かえって本舞台の魅力が切り取りきれていない印象を感じます。
見た人は感動できると思うけど、見たことない人にCD渡すのはちょっと冒険かな、と。

そのあたりは、本公演でいくつかの劇評に指摘された事柄、
長かった舞台をどう短く切り取るか、ってところまでは手が回らなかったことと、
どことなくリンクしているのかもしれません。

上川さんは比較的、きっちり出し切っている印象はあってさすがと思うんだけど、
中川さんでさえ、もっと圧倒的なパワーだった記憶があるし、
高橋さんも相当存在が薄い。もっと薄いのは秋山さんで、本舞台との印象の落差は驚くぐらい。
歌メインだから杏子さんの存在感が上がっている感じがする。

全体的には、本舞台慣れした立場からすると、「こんなもんじゃないよぉ」というのが正直な感想。

でも、音は綺麗だし、仕事は早いし、歌詞カードはセンスがいいし、
音源が残ったことには素直に感謝&拍手です。ありがとう!

|

« 『SHIROH』を語る。(9) | トップページ | 『SHIROH』を語る。(11) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74093/2518005

この記事へのトラックバック一覧です: 『SHIROH』を語る。(10):

« 『SHIROH』を語る。(9) | トップページ | 『SHIROH』を語る。(11) »