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『SHIROH』を語る。(7)

小ネタ話ほか。

●スケールの小さな人
四郎の姉婿、渡辺小左衛門(河野まさと)の別の名。
ストーリーに直接関係なく遊びまくる。そして特に寿庵の目には邪魔者にしか映らない人。

一幕「さんじゅあんの館」の一コマ。

寿庵「お待たせいたしました」
四郎「ご無沙汰しております、寿庵殿」

この時点で四郎が寿庵の存在を認識していたということは、つまり闇市で見た時点からその女性が寿庵であることを認識していたということになるわけで。

「君、早いね」(津屋崎主水(池田成志)風の突っ込みでどうぞ)

寿庵「覚えていてくださったのですか」
   満面の笑みで応える寿庵。嬉しくて仕方がないといった趣だ。
四郎「あなたのような綺麗な方を忘れるわけがありません」
   さすがは紳士の受け答えで四郎が応える。
寿庵「本気にしますよ」
   流し目で訴える寿庵。かなり本気モードが入っている。
四郎「冗談ですよ」
「寒っ」小左衛門が突っ込む。

この四郎が答えた時の寿庵の表情の変わり具合と来たら凄い。
満面の笑みから、流し目の誘惑に突入した「恋する少女」が一瞬にしてふくれっつらである。
上川氏も台詞の返しが上手な上に、由美子さんの表情演技の上手いこと。
こう言っては失礼ですが、見ていて飽きません。

1/23追記
  このタイミング、寿庵しか見てなかったのですが、知人いわく、
  四郎もむっとした表情を小左衛門に向けていたらしい。
  初っ端で寿庵を覚えていた辺り、もしかして昔から気になる
  存在だったのかも>四郎殿

照れ隠しもあって寿庵は小左衛門をさしてこき下ろす。
寿庵「こちらの人間の小さそうな方は」
四郎「渡辺小左衛門と申します。名は体を現すといいますが」
・・・・公演途中、いくつものパターンが現れて消えたこのシーン、
小左衛門をさんざこき下ろすということだけは共通でございました。

類義語に、
「こちらの人間のスケールの小さいお方は」
「こちらのうっっとおし~お方は」
など。

なお、公演後半、南蛮絵をはがしている小左衛門に、寿庵殿は蹴り(日によって飛び蹴り(笑))を入れていました。しかも、12月22日以降は「げしっ」という効果音付き。

由美子さんの表情といえば、
2幕最初、お蜜との対決シーンで、シローを勢いづけようと可愛いポーズをしていたところに、お蜜からチャチャが入ってだんだん目が釣りあがっていくところ、
何度見ても演技に見えません。上手すぎ。

あとさりげなく好きなのが、2幕「城を造ろう」のシーン。
この時もお蜜に突っ込まれて「なにぉ~っ」って感じで反応する(長いスカートを上手く使って「お蜜に対する怒り」を表現してる)んですが、
その直後、四郎が「それでいい、数は力だ」と歌いだすと、
途端に目にハートマークというか、「恋する女の子」モードになる落差が抜群。

●一幕と二幕
 公演時間は1幕95分、2幕105分(間に25分の休憩)。

 巷間言われている話なのですが、一幕がけっこう長く感じます。「さんじゅあんの館」に至るまでの約1時間がかなり長く、そこからは怒涛の勢いで1幕を突き抜けます。

 開始当初、各所で「2幕だけなら何度でも見たい」という感想が上がっていたのですが、実際にやってみました。それも東京の楽日(12月29日)。

 ・・・・いや都合が許すなら最初から見たかったんですよ。仕事納めだから仕方なく2幕から見ただけで・・・・(哀)

 楽日はお笑い方面のキャストが遊びまくってたというせいもあったんでしょうが、腰の座りが凄まじく悪いです。前日ソワレで見ていた(12月25日から29日まで、5日連続観劇でした)1幕とつなげながら気持ちをくっつけようとするのですが、正直、気持ちが中々乗っていかない。シローが暴走するところとか、四郎が苦悩するところとか、寿庵が流れを押しとどめようとするところか、それぞれ単体ではすごくいいんだけど、なんかシーンがぶつぶつ切れるのが悔しかった(それでも最後のシーンは四郎・寿庵ともにさすがの完成度だったけど)。

 楽日はカテコが長かったし充実してたけど、芝居としての完成度は楽日数日前(特に12月26日マチネ)の方が断然良かった。

 教訓。いくら長かろうと芝居は1幕から見るべし。

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