『王家の紋章』(3)

2017.4.9(Sun.) 18:00~20:55
帝国劇場1階P列30番台(センターブロック)

初演からわずか半年でのスピード再演。
『王家の紋章』新妻聖子さん初日に行ってきました。

再演としては昨日が初日でしたが、同じ東宝さんなのに初日が日生と帝劇でぶつかる(しかも今日はクリエも初日)という春の珍事もあり、今日がmy初日になりました。

初演は仕事の繁忙期とぶつかって、実質的に2回しか見られなかったので、脳裏にそれほどまでには焼き付いていなかったのが幸いしたのか、実のところ相当変わっている今回の再演を、かなりまっさらな気持ちで見られたのは良かったです。というか少数派だと思いますが、実は初演より再演が好きだったりします。

ネタバレも含みますので、お気になさる方回れ右で!!




全体的に、起伏が少なくなったというか、ドラマチック度は減った印象。

メンフィスの荒々しさも減って、キャロルはメンフィスに腕ポキされないし、早い段階でキャロルは「私エジプトに残るわ」になってるし。

流れ的に言えばメンフィスとキャロル、2人の関係が濃くなって、よりこの2人を中心に物語が成立していることがはっきりして、この作品で何を訴えようとしているかがはっきりしたように感じて、初演より再演が好きです。

初演を見たときに思ったのが、「『王家の紋章』を舞台化する」が目的になっているように思えて、それで何を表現しようとしているのかが分からなかったんですね。
初演はラスト、キャロルのソロ(+皆のコーラス)で終わりますが、ある意味MAを思い出すかのような、「みんな自分で自立しなきゃね」は、この作品の表現したいメッセージしては、ちょっとピントがずれているように感じて。

再演では、他の役の出番をがんがんに減らして(物語のストーリーもぶつ切れにしてまでカットしているのはちょっといただけなさすぎる)、2人のストーリーをメインに作っていますが、それだけに、メンフィスとキャロルの2人のストーリーが、2人だけのストーリーになっているわけではないところがポイントなのではないかと。

メンフィスとキャロルはお互い愛し合い、お互い唯一無二の存在。メンフィスはキャロルのためなら何でもする。が、この2人が結ばれることは2人だけの問題じゃなくて。
宰相イムホテップがいみじくも語っていますが、「ナイルの娘を娶ることが、エジプトの繁栄のために必要」なのです。

聡明であり知性に富んだナイルの娘。
がしかし、彼女はいきなりその立場になったわけでもなく。
メンフィスにただ一人公然と抵抗し、メンフィスの怒りに触れ労役に放り出されながら、奴隷に対してさえ、泥水を真水に変え、真摯に救おうとした。
メンフィスが死地をさまよった時、的確な指示と献身的な看護で、メンフィスを生還させた。

一つ一つの奇跡は、キャロルにとって自らを現代から遠ざけるものであって、兄との別れを意味するものでもあって。もちろんそんなことを周囲に言っているわけでもないけれども、キャロルは自らの行動で、期せずして自らをナイルの姫として、ある意味神格化していく。

現代からいきなり古代エジプトに飛んできたキャロルは、最初は『少女』。
容赦なく人を殺すメンフィスに対して、「人殺しは現代では罪」と咎める。

でも、自らの我儘で出かけた街中で、隣国ヒッタイトに捕えられ、自らを盾にされてエジプト軍に死者を出してしまう。
「人を殺すな」と言っていた自分が、自分の不用意な行為で大切な仲間の命を奪われてしまう。
そこで初めて知るわけですね。
「大切な人を守るために戦わなければならないことだってある」
「大切な人を守るために相手を殺さなければならないことだってある」

「人を殺すな」と言っていたのはただの綺麗事だったと。
本当に仲間を守りたいのであれば、自分も戦わなきゃいけないんだと。

初演を見たとき、メンフィスにキャロルが心を開いたのは、「メンフィスが国を守る『責任』から逃げていないから」と書いたのですが、再演を見て印象的だったのは、「キャロルもまた、国を守る『責任』を知った」ことがはっきり見えたこと。それが一番再演で好きなところなのです。

少女だったキャロルが、自分の責任を自覚して、はっきりとオーラを纏う瞬間。
そこが、もうこれ以上ないぐらい新妻聖子さんの独壇場。

役の責任を背負い、この作品の物語を背負い、責任から逃げない姿が、キャロルをぐんと大きくしていて。

キャロルがはっきりと責任を背負ったからこそ、責任に対して孤独だったメンフィスも、よき伴侶を得て、エジプトの繁栄という「未来」をしっかりと示すことができる

メンフィスとキャロルが結ばれることは、「愛」と「責任」という両輪をもって、エジプトに暮らす皆の幸せを保証するもの。
だからこそ、2人の幸せは皆の幸せである。

それが物語として繋がって見えたことが、何より今回嬉しかったです。

新曲はキャロルのソロが1曲、2幕中盤に。
いわゆるお買い物ソング(ものすごく『MOZART!』のナンネールの「あら、モーツァルトの娘さん」を思い出す(笑))ですが、後半が完全に”リーヴァイさん、これ聖子さんが歌うことしか考えてないでしょ”曲で噴いちゃいました(この日来られていました)。

メンフィスとキャロルのデュエットもバランス取れてて素敵でした。
それにしても、だれもが心配せず、だれもが期待し、そしてその期待に十二分に応える新妻聖子姫にただただ拍手。いやはや凄かったです。

少女の要素も、姫の要素も、どちらも聖子さんの中に持っている要素だと思いますが、それを使い分けて、必要な要素だけ確実に出す技術が素晴らしいです。

・・・・

この日は聖子さん、平方くん初日ということでご挨拶。

聖子さん「本日はありがとうございました。皆さんご存知かと思いますが私王族でございまして…本日は王族の皆さま、日本全国また海外からもおいでいただきましてありがとうございます(笑)。今回大好きな台詞も追加されまして、「愛いやつ(ういやつ)」がもう嬉しくて!!!(会場内笑)」

浦井くん「(会場に向けて)愛いやつ」

聖子さん「『愛いやつ』の安売りしないの!(笑)」

聖子さん「この作品を(演じ)させていただいて本当に幸せです。皆さま、素敵な初日にしてくださり、ありがとうございました

ちなみに平方くんは「8月まで頑張ります」と言って浦井氏に「8月は初演だよ」とツッコまれていました(笑)。

浦井氏が喋ってる途中、伊礼氏がツッコんで、
浦井氏が
「ツッコまないの!帝国劇場でいいこと言ってるんだから!」と返してて笑いました。

カーテンコールではテンション上がった聖子姫の両側に浦井氏と祐一郎氏、そして伊礼氏。
聖子姫が手を繋いだ浦井氏と祐一郎氏と一緒にぴょんこぴょんこ跳ねるものだから、2人と、そして隣の伊礼兄までぴょんこぴょんこ跳ねてて面白すぎる絵が見られて満足です(笑)

再演は初演よりは増やしてとったので、少し落ち着いて見届けられそうです。

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『紳士のための愛と殺人の手引き』

2017.4.8(Sat.) 17:30~20:55
日生劇場2階F列10番台(下手側)

市村正親さん8役(実は最終的には9役)を1人分のギャラで演じる(本人談w)トニー賞4部門受賞作品、日本初演初日です。

タイトルのおどろおどろしさとは裏腹に、全編にわたり軽やかな曲調でコメディー色が強いです。

市村さんの9役は確かにそれこそ八面六臂の大活躍ではあるのですが、実際の印象とすると、自ら名家の血を引いていると知って、市村さん演じる役を1人1人消していく、モンティ(この日はWキャストのうちウエンツさん)の方がメインで物語が進みます。

殺される8人で、1幕2幕制だから1幕当たり4人かと思っていたら、意外や意外、1幕で1人を残して全員が姿を消すというスピーディーすぎる展開。2幕の展開を心配しましたがどうしてさほど間延びせず。
ただ、オチはあれで本当にいいのかなぁという気はしましたが(笑)。
現代的というか、勧善懲悪じゃないと物語が成立しない、という感じでもないのだなぁと。

モンティの母親は名家から放り出されて辛酸を舐めているので、母親思いのモンティが、恨み骨髄なのはわかるのですが、実のところ殺される方がもっと「殺されても仕方なくね?」ぐらいなキャラクターが揃うのかと思ってたら、名家の普通レベルの嫌な奴(金持ちという意味で)ぐらいだったので、モンティがヒーローぽくない(爆)

ま、それは彼が両ヒロイン(宮澤エマさん演じるフィーバーと、シルビアさん演じるシベラ)から迫られるのが羨ましいからなのかもしれませんが(再爆)。

世間ずれしてるフィーバーと、常識ずれしてるシベラの対比も面白いですが、全般的にメインの登場人物にほぼ善人がいない、というのが笑えます。どことなく「常識なんて気にしない、モラルもルールもまっぴら(別作品)」というか。ま、そもそもモラルもルールも理解してたら、この作品のタイトルが成立しないですもんね(笑)。

お嬢様風で、でも実は気の強いところもあるフィーバーの宮澤エマちゃんと、肉感的で魅惑的で少しく頭が弱いような感じがぴったりすぎるシベラの、シルビアさんのキャラ立ちを筆頭に、アンサンブルさんも含めて皆さんキャラが濃い。

RiRiKAちゃんはフライヤーにも載ってるメイドさんがメインキャラ(シベラのお付きのメイドさん2人の中の上手側のメイドさん)ですが、個人的にはバーの女将さんの「あいよっ」という台詞がツボ(笑)。

折井ちゃんが洋館ツアーの添乗員さんで、XA列28番を客席いじりする件の列の最後尾にいるRiRiKAちゃんの、いかにもな眼鏡キャラもツボです。

男性陣では阿部にぃと神田君がさすがの存在感。女性アンサンブルさんも男性アンサンブルさんも歌うまを揃えているので、歌ノンストレスなのが有難い限り。

考えるより感じて、ただ笑って帰れる作品。
東京は4月いっぱい日生劇場で。その後、地方公演として大阪・福岡・名古屋公演が予定されています。

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『キューティ・ブロンド』(3)

2017.4.2(Sun.) 13:00~15:55 7列1桁番台(下手側)
2017.4.2(Sun.) 18:00~21:05 9列1桁番台(下手側)

ハッピーミュージカル、東京公演が終わってしまいました。

東京千穐楽は平日のため見られませんでしたが(東宝公式にカーテンコールがupされています→こちら)、最後のマチソワ日に満喫しました。
もともとはマチネを東京前楽として確保していたところ、ソワレが追加公演で追加。

ソワレは発売日にナビザでとれず、プレイガイドで発売があることを失念するという大チョンボで、諦めかけていたのですが、フォロワーさんにお声がけいただき、幸運にも見ることができました。

映画も見て、Youtubeに上がっている海外版動画(こちら)も3回見てすっかりこの作品の虜になっておりました(笑)。

カンパニーの団結力が見るたびにどんどん強くなっていて、この作品に出られる喜びが皆から伝わってきて、客席からもその楽しさを感じられるのが嬉しい限り。ソワレは東京前楽ということもあって、1幕「What You Want」で会場中から拍手が起こる念願の事態。

つくづく思うのは、神田沙也加ちゃんとエルのシンクロ率の高さ。

ピンクが似合うという表面的なことばかりでなくて、いい塩梅に芯が強くて、いい塩梅に気が強くて、いい塩梅に頑張り屋さんで、いい塩梅に気配りができて、それでいて、いい塩梅に”女の子”ぽい。

「愛する人に自分を選んでもらえるためなら何でもする」姿は女性から共感を持って迎えられるのだと思いますが、その上、エルを見ていて気持ちいいのは、「”決して”他人のせいにしない」んですよね。

自分がワーナーに選んでもらえなかったのは絶望でしかないけど、だからと言ってワーナーを恨むわけじゃない。「ワーナーに選んでもらえないのは自分に何かが足りないから」という自分の努力不足に自然に結びつけるところが清々しくて。

エメットの存在で、自分が進むべき道を見つけたエルは、ワーナーに対して「見返した」と言うことも、そういう態度もとることもできるだろうに、それはしなくて。
自分が優越感を持つことの無意味さを知ってるように思えて。
ポーレットに対しても、ブルックに対しても、心から寄り添うからこそ信じられ、道が開ける。

ライバルだったヴィヴィアンがやがてエルを認め、エルを評して「己に誠実である、それが他者に対しても誠実である」

この言葉で思ったのは、「己に”正直”である」ではないんですよね。
感情の赴くままただ突っ走るようなキャラに見えて、実はそうじゃない。
自分の取るべき道を考えて、努力もする。だから運も味方する。

沙也加ちゃんを10代のころから拝見していますが、母親の大きさに押しつぶされそうになって苦しんでいた頃から、たくさんの苦労をされてきているかと思いますが、そんな時からしても、彼女のパーソナリティはそんなには変わっていないように思えて。

「他人のせいにしない」「他人に対する感謝を忘れない」というのは、彼女の今までのパーソナリティとイメージがとてもフィットします。

当たり役に出会うにはいろいろな要素があると思いますが、”この方にこの役をやって欲しい”とどれだけ周囲に思ってもらえるかには、運だけではない何かがあると思っていて、

努力している姿は誰かが見ているというのも間違いないでしょうし、年齢的にもスキル的にもちょうどいい(力量のちょっと上ぐらいの)役がやってくる巡り合わせは、偶然じゃない何かを感じます。

沙也加ちゃんに限らず、適材適所で輝いている、この作品に登場する一人一人。

佐藤さんの人柄が現れるいい声。
植原さんのカッコいいのになぜか残念な様のハマり方。
樹里さんの大人の優しさ(エルがちゃんとご恩返ししているのも素敵)。
花代さんの努力は1日にしてならずなアクション。

真瀬さんのすらりとしたスタイリッシュさ。
百花さんのパワフルな突破力。
ダンドイちゃんのちゃっかりな存在感
エルのコロス3人(真瀬さん、百花さん、ダンドイちゃん)はエルのそれぞれのパートとリンクしているというか、真瀬さんのスマートさ、百花さんのパワフルさ、ダンドイちゃんのチャーミングさがエルに同居しているような感じがします。

理恵ちゃんのメガネっ子&ポニーテールのキャラ立ち。
郁代ちゃんのダンサーからママまでの振り幅の広さ。
長谷川さんがなぜラストシーンであの役なのかいまだ謎(笑)。

皆さん、きっとこの作品に出会うために、それぞれ決断をしてきているだろうし。
役者さんという職業は同時に1つの作品にしか立てないという制約の中で、立ちたくても立てないこともあるだろうし。その上の前提として、ただ漫然としているだけでは、この作品にたどり着けなかっただろうし。

この作品にたどり着いた奇跡と軌跡を、心から喜んでいる姿が全員から伝わってくる様は本当に嬉しくて。
特に夜公演で、いつも以上に贈れた拍手が、何より嬉しかったです。

「ミュージカル」という言葉が、どこか特別な世界のように思われ続けてきたこれまでに比べ、ミュージカルに対する違った風が吹き始めているのは最近感じるわけですが、そんな中で、知名度では若手ナンバーワンなのは間違いない神田沙也加ちゃんが、自身1、2を争う当たり役で、東京・大阪だけでなく全国を回るということはとっても大きなことだと思っていて。

きっと「ミュージカル」に対するイメージを、とても明るくしてくれる、そんな作品を「今までミュージカルを見たことがない」人にまで明るさを届けられることはきっととても大事で。

自分自身は、都合が合わずに東京公演でmy楽を迎えてしまいましたが、ツアー公演で全国にハッピーを届け続けてもらえることを信じて、陰ながら応援していたいです。

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東京公演途中から始まった、沙也加ざっちょのトークコーナー。

この日マチネは、「夜はイベントがあるのですが、お昼に来ていただいた皆さまにもちょっと小噺(笑)ということで」という話で、「ブルーザーに初めてプレゼントとお手紙をいただきました」と。その手紙に書いてあったのが「エルが可愛くて大好きです」という(会場爆笑)、沙也加ちゃんお得意の「自分大好き」ネタで締めてました(笑)

ソワレは「Happy Pinky Day」ということで、ピンクの物を身に付けて来たらプレゼント(ハート形のリングメモ)。
私はワイシャツかネクタイかで迷いましたが、結局、前日にネクタイを買いに行きました。
沙也加ちゃん曰く「男性スタッフさんもピンクの物を身に着けていただいた方も多くて」と仰っていましたが、実際男性スタッフさんはネクタイ率がかなり高かったです。

発表当初は、幕間か終演後に1階受付でスタッフさんから受け取るという話だったのですが、当日クリエに入ってみると、「終演後に沙也加ちゃんから直接お渡しいただける」ということで(いい意味で)ざわつく客席。ピンクの物をお持ちでない男性のお客様は、グッズのシュシュを買いに行っている方も多くいらっしゃいました(自分もピンク物を持ってきていなかったら同じことすると思います…)

終演後、舞台前で沙也加ちゃんから1人ずつ手渡しで、握手もしていただいて少しお話しできたのも予想外で、お疲れのところ本当にありがたく、この後始まるツアー公演へのお見送りの言葉もかけることができて、嬉しかったです。このイベント自体も、手渡し自体も沙也加ちゃんの発案だそうで、流石です。

この日はカーテンコール撮影もOKということでしたが、客席からあまりにたくさんのカメラやスマホが舞台上に向けられて、「異様な光景ですね(笑)。製作発表みたい」とは沙也加ちゃん談。「(シャッターの)連写音怖いから(笑)」というのも笑えました。

席が9列目ということで、スマホだとどうしてもズームまではできなかったので、やっぱりデジカメの方が良かったのかなと(接近だとスマホの方が画質が良いレベルのデジカメなのですが、ズームとなるとさすがにスマホじゃ厳しい)という自省はありますが、とってもスペシャルなイベントに感謝です。

なお、この「PINKY HAPPY DAY」は、大阪公演初日(4月27日(木)19時)でも実施されます。
なお、プレゼントの手渡しは発表されていません。
現時点では「劇場1Fロビーでの引き渡し」と発表されています。

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『キューティ・ブロンド』(2)

2017.3.26(Sun.) 13:00~16:20
2017.3.29(Wed.) 14:00~17:30
シアタークリエ
3列10番台(3/26マチネ)、19列20番台(3/29マチネ)

3/28ソワレで東京公演折り返しの同公演。
連日満員の公演ですが、幸い1.5回目、2.5回目と観劇。

私事ですが、異動することになって仕事はバタバタなのですが、水曜日は土曜出勤の振替で無理やり退勤してシアタークリエへ。

26日マチネはおけぴさん貸切(おけぴ観劇会)で当日急遽のトークショーが開催され、29日マチネは当初からの女子会トークショー。

幸運にも2回ともトークショー付きとなりましたが、まずは本編から。

初日が2幕しか見られなかったので、全編通して見たのは26日マチネで、ようやく物語が1つにつながったうえ、直後に映画版(リーガリーブロンド)を見られたので、ようやく初日が始まった、そんな感じ♪(作品違い)って感じです。

神田沙也加嬢の魅力全開のエルはヒロイン属性100%で、何度見ても役にぴったり。彼女の場合、役によっては作り込みが嫌味に見えることもあるのですが、今の彼女の力量にちょうど合っている役ということもあるのでしょうね。背伸びせずに無理をせずに役を演じられる奇跡。

ヴィヴィアンとのポジションの逆転も興味深いです。最初に出会った時はエルがお花畑(現実を見ていない)だったのに、後半にはヴィヴィアンからエルを自然にリスペクト。

エルの仕返しも何気に高度なんですよね。
ヴィヴィアンから「見苦しい」と言われて「私は見苦しいと思わないわ」とエルは言い返してますが、そこでのエルからヴィヴィアンへの睨む視線が好きで。

ヴィヴィアンはエルに「仮装パーティー」と騙って呼び出すわけですが、その言葉を真に受けたエルが恥をかいたシーンでの話で、つまるところ「ライバルを蹴落とすために嘘をついてまで恥をかかせるあなたの方が見苦しいんじゃないの?」ということなんですよね。

エルが全編にわたって清々しいのは、誰かより上に立とうとしているわけじゃないからなのかなと。このエピソードも売られた喧嘩だから買っているだけで、頑張るのは偉くなりたいからでもないし、最初はただLoveのためだけだし。なんか、「他人を蹴落とすんじゃない、自分が上がるのよ(@『プライド』」を思い出したり。

キャラハン教授とのくだりも、最初の講義で受けた「勝てばいい」というのを忠実に返しているだけなんですよね。最初はおバカであっても、すべき努力をして、品位を保ちながら仕返しをする。いつも前向きに、自分だけでなく周囲も楽しくさせる、そんなエルだからこそ皆に応援される姿がぴったりくる。

とにかくエルを中心としたカンパニーの前向きさが見てて気持ち良くて、アンサンブルさん1人1人に至るまで、「やらされている感」が全くなくて。心から楽しんでいる感じが客席までここまで伝わるのも凄いなって。勿論、アンサンブルさん1人1人にまでそれぞれ見せ場があるという、上田さんの得意技あってこそですよね。

見ていて面白いなぁと思ったのが、エルに衣装を見立てるシーンが1幕と2幕に1回ずつあるのですが(正確には1幕はエルに対して、2幕はエルの希望によりエメットに対して)、どちらも百貨店の衣装係は(青山)郁代ちゃんなんですよね。

1幕ではエルを見くびって新作を騙って前年の商品を持ち込んでエルに看破されるのですが、2幕ではエルの依頼に真摯に応えてるのが、なんだか印象に残りました。

カンパニーのまとまりを見たときに、『頑張る』ことに後ろ指をさされないというのか、みんな頑張っているから自然に頑張る、という姿が座長の沙也加嬢、演出の上田さん、音楽の小澤さんといった面々から相乗効果のように広がっている様がとても頼もしくて、見てていつも元気をもらえます。

シアタークリエの開館当時のコンセプトに、たしか「働く女性を元気にできる劇場」が1つあったと思うのですが、今までのラインナップで一番そのコンセプトに近い作品がこの『キューティ・ブロンド』じゃないかと思うんです。

女性が頑張る物語だけど、でも男性を否定しているわけじゃ全くない。見た目の格好良さだけなら否定しているけど、中身の格好良さはウェルカム。ただ否定するだけじゃなくて、「こうあるべき」をきちんと提示しているのが素敵です。

・・・・

本編終了後は、どうも定番になったらしい沙也加座長からのワンポイントMC。

3/29マチネが面白くてですね…

沙也加ちゃん
「1幕の最後も2幕の最後も『最高』で終わるんですよね、この作品。そんな流れなのでとてもポジティブな気持ちになるんです」

「先日終演後にショッピングに行ったんですが、そこですごくお気に入りのトップスを見つけたんですね。買いたい!と思ったんですが、そこに書いてあった文字が『I hated myself(私は自分が嫌いです)』ってあって(舞台上&客席大爆笑)、作品終わってから買おうと思いました(笑)」

という見事なオチを付けていただきました。

・・・・

さてトークショー。まずは3月26日マチネからです。この日は当初はトークショーの予定はなくて、どうも沙也加ちゃんからの提案で追加されたようです(「おけぴさんは最初からピンクのグッズを作っていただいたり」と仰っていたので)

この日の司会はご自身で”不慣れ”と仰っていた五十嵐さん(たぶん沙也加ちゃんのマネージャーさん)で心配しましたが、さすが沙也加ちゃんとの距離感は中々良かったですし、進行も結構滑らかでした。

面白かった話としては「座長」と言われるのが苦手な沙也加ちゃん、「ざっちょ」と言ってもらっているそうです(笑)

「意外に気づかれていないかもしれないネタ」として、「ワーナーとヴィヴィアンのシーンを見たときに、エルがリバースしてるとき、そのブツを綺麗に拭いている」という話が。29日マチネで観たら確かにとっても丁寧に拭いてました(笑)

好きな衣装(全部で17着あるそうです)はポスター衣装(当初は本編に登場する予定はなく、沙也加ちゃんの希望でカーテンコールで着ているそう)とウェディングドレスだそうです。

・・・・

29日マチネは女子会トークショー。

こちらは当初からの予定のままでしたが、会場準備で椅子が4つ並べられた時に期待感が上昇(4人が登場することがわかっているので、椅子が4つしかない=司会が別にいないということ)し、最初にじゅりぴょん(樹里さん)がお1人で登場した時点で期待は確信に変わりました。絶対に外れがないクジのようなものですからね(笑)

期待通り、楽しさしかない30分間(!)という長丁場でしたが、全く長さを感じない、トークショーの見本のような素晴らしいトークショーでした。

下手側から上手側に向かって樹里さん、新田さん、神田さん、花代さんという順番でしたが、全般的に樹里さん&花代さんのシンクロと、新田さん&神田さんのシンクロが全く別々のエリアで起こるのが面白すぎる(笑)

新田さん・神田さんはお互い開演前に

新田さん「さぁや、世界一カワイイよ」
沙也加ちゃん「お前もな」

ってやり合う関係らしく(笑)

かと思えば樹里さん・花代さんはお互い「だわねー」とか言ってたりして、沙也加ちゃんから「場末のバーか」ってツッコまれる始末(爆)

花代さんは1幕の出番が5分ぐらいですが、待機時間はずっと楽屋でシャドーボクシングしているそうで、東宝さん公式のインスタで見事に腹筋が割れてる写真が載ってる件、「照明さんが見事にいい光を当ててくださって」って仰ってて噴きました。

新田さん、沙也加ちゃんともに「実際に横から見ると本当に割れてます」と証言されていました。

面白かったエピソードとしては若者ペアの新田さん、沙也加ちゃんはシュガーさん(佐藤さん)と植原さんも誘ってみんなでラーメン二郎に行く。みんなでニンニク臭くなるので問題が起きない(笑)。
ちなみに2人して増し増しして完食されたとか。会場内から驚きの声が上がっていました。

メンバーの好きなナンバーの話にもなりましたが、結構人気だったM13「かがんで○○○○」は「稽古中にそこ登場シーンじゃない人もやってて『あのシーンはいつやるの』って言ってた人も多かったという(爆)。ちなみにM14も大人気でした(爆)

好きな男性の役という話では、沙也加ちゃんは即答でエメット。新田さんは「眼鏡かけてる人が良いけどキャラハン(教授)しかいなかったからどうしよう(爆)」というお答え。
興味深いところではエルパパ(上野聖太氏が演じてます)という話も。「エルママ(青山郁代ちゃんが演じてます)が幸せそうだから」という理由がなかなか面白かったです。

あとそういえば若手ペア、沙也加ちゃん&新田さんの共通点は2人とも(舞台上で)カラコンされているそうです。

そんな書ける話から書けない話まで、まさに「女子会」に相応しいノリのトークショー、時間の過ぎるのを忘れるほど楽しみました。

これだけ売れている作品でトークショーができたのも幸運で、観られて嬉しかったです。

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『Friend Of Disney Concert 2017』

2017.3.26(Sun.) 18:00~21:00
東京国際フォーラムホールA 1階6列40番台

「フレンド・オブ・ディズニーコンサート」も今年で3年目。
1年目にびびちゃん(綿引さやかさん)、
2年目に新妻聖子さん、
3年目にびびちゃんと笹本玲奈さん、
というわけで私、毎年通ってます(笑)

まずはセットリストから。

●第1部
1.Try Everything(ズートピア)/DreamAMI
2.生まれてはじめて(アナと雪の女王)/綿引さやか
3.Part of your world(リトルマーメイド)/笹本玲奈
4.陽ざしの中へ(ノートルダムの鐘)/海宝直人
5.愛を感じて(ライオンキング)/NHK東京児童合唱団
6.Color Of The Wind(ポカホンタス)/サラ・オレイン
7.フレンド・ライク・ミー(アラジン)/山寺宏一
8.どこまでも~How Far I'll Go~(モアナと伝説の海)
   /屋比久知奈
9.シャイニー(モアナと伝説の海)/ROLLY
10.俺のおかげさ(モアナと伝説の海)/全員(客席参加型)

●第2部
11.朗読(塔の上のラプンツェル)
 山寺宏一・中川翔子
 11-1.自由への扉/中川翔子
 11-2.誰にでも夢はある/パパイヤ鈴木・中川翔子
 11-3.輝く未来/中川翔子・海宝直人

12.髪に風うけて(ラプンツェル あたらしい冒険)
   /中川翔子
13.そばにいて(魔法にかけられて)
   /海宝直人・サラオレイン(ヴァイオリン)
14.ベラ・ノッテ(わんわん物語)/ROLLY
15.俺のおかげさ(モアナと伝説の海)
   /Jordan Fisher(スペシャルサプライズゲスト)
16.アロハ・エ・コモ・マイ(リロ&スティッチ)
   /中川翔子・屋比久知奈
17.ハクナ・マタタ(ライオンキング)
   /パパイヤ鈴木・ROLLY
18.とびら開けて(アナと雪の女王)/笹本玲奈・山寺宏一
19.Supercalifragilisticexpialidocious(メリーポピンズ)
   /NHK東京児童合唱団
20.想いを伝えて(魔法にかけられて)/DreamAMI
21.リフレクション(ムーラン)/綿引さやか・サラオレイン
22.You'll be in my heart(ターザン)/海宝直人
23.サークル・オブ・ライフ(ライオンキング)
   /海宝直人・山寺宏一・ROLLY
24.シュガーラッシュ(シュガーラッシュ)
   /綿引さやか・笹本玲奈・DreamAMI
    ・サラオレイン・屋比久知奈
25.みんなスター!(ハイスクールミュージカル)/全員

●アンコール
26.小さな世界

M2の「生まれてはじめて」は、びびちゃんライブでは2回拝見したことがある曲で、本役さんがここから500mほど離れていたところでロースクールに通っているところとしては、本役以外で一番上手に演じられるびびちゃんが弾けるしかない(笑)わけですが、いやもう、凄いのは、50人前にして歌う姿と、全く変わらない弾け方で1万人前にしてやれること。

天真爛漫を影なくやるってすごく難しいことだと思うのですが、客席ほぼ全員のDNAレベルまで浸透しているであろう沙也加アナと、違ったアナを見せられていたさやかアナの凄味。ディズニーを好きという気持ち、アナを好きという気持ちが全身から溢れていて。2年前はディズニーと仕事のかかわりがなくて、「ディズニーを好きという気持ちだけでここに立っています」と仰っていたびびちゃんが、ディズニーの仕事を経て立たれた2年ぶりの晴れ舞台を、堂々と務め上げている姿は素晴らしかったです。

M3は玲奈ちゃんアリエル。びびちゃんがリトマ出てるから、こちらに来るかなと思いましたが、玲奈ちゃんが歌われるならウェルカムでございます。ディズニーヒロインぴったりなのに、ピーターパン以外縁がなかった玲奈ちゃんですが、こちらも久しぶりのアリエル。衣装が堂々とされていて、ちょっとふくよかになられたかな?という感じでしたが(爆)、堂々とした歌いっぷりはむしろグリンダとかも合いそうな気がしました。

M4、海宝氏は本役なので流石というか凄味がびんびんと伝わってきて、圧巻という言葉以外見つかりませんでした。このパワーで本編ずっと突っ走るわけですよね。凄い。
それにしてもこの日のセットリスト、海宝氏大活躍なのですが、当初は海宝氏は出演予定に入っていなくて。海宝氏なしではこの日のコンサート成立しないのですが、いったいどうするつもりだったのでしょうか(笑)。出演発表が後だっただけで、既に出演は早い時期に決まっていたのでしょうね。

M8、生では初めて拝見する屋比久さん。ディズニーアニメ最新作『モアナと伝説の海』でヒロイン・モアナの声と歌を担当されている沖縄出身の大学4年生。
昨日のNHK「SONGS」にも登場されていましたが、伸びやかで素直な歌声がとても印象的。
「役と自分との共通点は?」との質問に「おばあちゃん子なところ、(沖縄の島出身なので)外の世界に憧れる感じは似ていると思います」と仰っていました。

M10は、フレンドオブディズニーコンサート恒例の客席に振りを覚えてもらって一緒に踊ろう企画の曲。
踊れていないと舞台上から見つけられてしまう大変危険なイベント(どこかみたいに「できてない人」と1人指名されることはない…爆)ですが、この日はまさかの振付のパパイヤ鈴木さんが一度やらかして祭になってました(笑)。

第2部前半はラプンツェル特集ということでしょこたん(中川翔子さん)大活躍。以前に比べて歌もとても安定されて、今年の新作(ラプンツェルのその後を描く新作、BS-DLIFEにて放送)は歌(この日のM12)も担当されるそうです(映画当時は声のみ中川翔子さん、歌は小此木まりさんでした)。

第2部後半はデュエット以上が中心。
第2部のアナ(M18)は、玲奈ちゃんが担当して、ハンス王子はまさかの山寺さん(爆)。
いやぁ、予想外に面白かったです。
玲奈ちゃんの衣装も第1部と違って、超カワイイ系に変わって(某大人数系アイドルグループの衣装そっくり)チャーミングでまだアナ行けますね!(爆)。本役の方がロースクールに通っている間に、第2部はお姉さんが担当されたことになります。

「結婚してくれ」→「もちろん」には心の中で大ツッコミしましたけど(笑)

M21のリフレクションはびびちゃんお初でしたが、新鮮でとても良かった!
ディズニー作品とびびちゃんが何でここまで合うのか考えるに、「まっすぐ」なことだと思うんですね。
ディズニーが気持ちをまっすぐにするのか、まっすぐだからディズニーが合うのか、そのどちらもじゃないかと思うんですが、ディズニー作品に夢をもらって、ディズニー作品に夢を託して、ディズニー作品に力をもらう。そこはびびちゃんに限らず、出演者みんなにも言えることなのかなって。

ディズニーの世界の中では、言葉にしなくても伝わる気持ちがあって、言葉にしなくても伝わる空気があって、だからこそ歌にすると伝わる世界が広くて、伝わる世界が深くて。そんな幸せな空間に、大好きな皆さんが舞台上で笑顔でおられる姿を拝見できることが、何より特別な時間でした。

それにしても、海宝くんの大活躍はもちろん、玲奈ちゃんもびびちゃんも、ミュージカル俳優・女優ここにあり、といった存在感は流石で、歌から物語を表現できるミュージカル出身者は、ディズニーとの親和性が高いということを改めて感じて、とても嬉しかったです。欲を言えば、玲奈ちゃんとびびちゃんはもう少し歌を多く聞きたかったかな。

次回は来年(2018年)4月中旬の開催が発表されましたが、出演者は未発表です。
また、この空間で大好きな方と出会えますように。

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『キューティ・ブロンド』(1)

2017.3.21(Tue.) 19:00~21:50
シアタークリエ 7列10番台(センターブロック)

日本初演の初日、行って来ました。

が、実はこの日、仕事で予想外の事態が発生。
10年以上いた現職場からの異動辞令が出て、早速新職場からの歓迎会のお誘いがあり、さすがに断るわけにもいかず。

それでも諦めず、理由は言わずに20時で中抜けさせてもらうことができ、何とか2幕開演に間に合いました(20時35分開演)。

そんなこんなで2幕しか見られなかったので、物語的なところは次回(日曜マチネ)で堪能するとして、なんといってもこの作品、主人公エルを演じる神田沙也加さんの魅力的なこと!!

ただひたすらに前向きで、ただひたすらにまっすぐ、正しくあろうとする姿が本当に素敵。
「キューティ」な”可愛さ”が全身から溢れてる。
そして「人形」などでは全くなく、自分で自分の人生を切り開くエネルギーが凄い。

「女性が応援したくなる女性」がエルの人物像かと思いますが、そのイメージにもぴったり。
客席から舞台上まで、沙也加ちゃん演じるエルをみんなが応援している、その空間はとっても温かくて。

彼女は以前は、無理して役の中で自分を目立たせようとして、アクの強さを感じたことも正直あったのですが、アナ雪のヒットで力まないでいられるようになったように見えて。
エルとして”無理して”存在している感じに見えなくて。そんな自然体な感じが本当にキューティ。

今回、TipTap主宰であり、東宝演劇部所属の上田一豪さんのクリエ初演出作品ということで、作品を選ぶにあたり2作品に絞ったところで、「神田沙也加さんのスケジュールが空いている」ことがわかり、即この作品を上演することに決めたとか。そのキャスティング力が素晴らしいです。

沙也加ちゃんの東宝初主演作となったこの作品、彼女自身もそうですがとにかくカンパニーが若い。
上田さんもそうですし、シアタークリエ初の20代音楽監督・小澤時史さんもそうですし、キャストも若さに溢れていて、みんなエネルギッシュ。カンパニーの明るさがこの作品の魅力を何倍にも見せています。

エルが憧れる女性であるブルック役の木村花代さんの体当たりパフォーマンスは物凄い迫力だし、エルの親友のじゅりぴょん(樹里咲穂さん)のテンポの良さも素敵。

女性アンサンブルさんも流石この作品ということもあり皆さんとっても楽しそうで、見ている客席も自然に笑顔になります。青山郁代ちゃんも何役?ってぐらい随所にご登場。ダンスも華麗でしたね!裁判シーンのスーツでダンスする姿が格好良かった。ダンスの振付、梅棒さんなんですよね。さすが。

男性陣はインパクトという点で上野聖太氏のご活躍に大激笑。実際にああいう職種でいそうなあたりが笑いを誘います(笑)。

とにかく各シーン各シーン、わくわくが止まらない素敵な作品。次回は全編見られるので楽しみにしています。

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『GalaRibbon Come back Party』

2017.3.12(Sun.) 18:00~19:50
池袋ABSOLUTE BLUE

本井亜弥さん、岡村さやかさん、池谷祐子さん3人のユニット、『GalaRibbon』復活祭、最終回に行って来ました。

お3方のうち、最初に意識して拝見したのは岡村さやかさん(『しあわせの詩』)で、3年前(2013年10月)のことですから、私にとってはGalaRibbonは伝説のユニット。
今回、4年半ぶりの復活で、念願叶って拝見することができました。

まずはセットリストから。ゲスト3人回替わりでしたが、ゲスト曲以外は原則同じとのことです。
この日のゲストは小野田龍之介さん。
セットリストは特記ないものは3人のハーモニーです。

○1部
1.ごあいさつSong~『CATS』より~
2.Look At Me/イーストウィックの魔女たち
3.君の瞳に恋してる/ジャージー・ボーイズ
4.美女と野獣/美女と野獣
5.You'll be in my heart/ターザン
6.I'm Flying/ピーターパン
7.She's in Love/リトルマーメイド(3人+小野田)
8.迷いつつ(リプライズ)/アイーダ(本井ソロ)
9.On My Own/レ・ミゼラブル

○2部_
10.蜘蛛女のキス/蜘蛛女のキス
11.Sylvia's Lullaby/Finding Neverland
12.All That Matters/Finding Neverland(岡村ソロ)
13.Time Was When/マルグリット
14.Love can't happen/グランドホテル(池谷ソロ)
15.flying home/songs for a new world(3人+小野田)

○アンコール
16.Sailing my life/平原綾香・藤澤ノリマサ

お初な本井亜弥さん、そしてライブではすっかりおなじみの岡村さやかさん、池谷祐子さん。
(岡村さんと池谷さんは『さらだやん』で何度も拝見しています)

そのお3方が並ぶと、想像以上に亜弥さんがしっかり者の長女(お姉さん)、やんさんがここぞとばかり突っ走る、自由な次女、そしてさやかさんがここぞとばかり甘える三女(末っ子)。
そのバランスが絶妙で、MCも歌声も、4年半のブランクがあるとは全く思えません。

歌声の響きも3者3様。
伸びやかさが特徴的な亜弥さん。「迷いつつ」の雄大なスケール感が景色を思わせて素敵。
自由さが特徴的なやんさん。一番ピーターパンらしかった「I'm Flying」。伸び伸び感が印象的です。
繊細さが特徴的なさやかさん。「You'll be in my heart」の1パートずつ訴えかける様に紡ぐ歌声が絶品。

歌声についてはやんさんが言及されていましたが、「歌声を合わせたときの感覚、『ここで息継ぎをするよね』という同調感、そして歌を歌うときの気持ちの方向性がぴったりで」という感想がしっくり。

キャラクターも歌声もまったく被らずに、お互いを高め合うことしかしない絡み合い。
3人の共通点は、歌に対して、人に対して、ただひたすらにポジティブなところじゃないかと。
お互いを尊敬して、自分にないものを見せて引き出してくれることへの感謝が、3人の紡ぎ出すハーモニーをより濃いものにしてくれて。

酒井和子さんの奏でる音は、繊細さと優しさを併せ持って、やまだはるなさんの奏でる音は、大胆さとしなやかさを併せ持って、3人の最強ハーモニーを力強く支えて、これ以上ないほどの至福の時間でした。

それでいて、MCでは案の定(笑)、暴走から暴投から脱線から、感動まで幅広く網羅するのが流石すぎます。

たとえば亜弥さんとやんさんのこんなくだり。

亜弥さんソロ、「アイーダ」の「迷いつつ」の曲説明の時のワンシーン。

亜弥さん「この作品で私が好きな言葉が2つあるのですが、1つがラダメスがアイーダに対して、『100回生まれ変わっても、きっと君を見つける』という言葉が大好きで」

やんさん「何言ってるんだって感じですよね
      (会場大爆笑)」

亜弥さん「でもこの作品の上でのラダメスとアイーダはそれが自然で素敵なんですよ」

…と、普通にかわす亜弥さんお強い。

もう一つはゲスト小野田氏とのトークパート。

3人との関係は…ということで、さやかさんとが一番多い、という話で…

さやかさん「『しあわせの詩』という作品で初めて共演させていただいて」
小野田くん「そうですね」
さやかさん「その後『ひめゆり』で」
小野田くん「そうです」
さやかさん「私は学徒で」
小野田くん「私は鬼軍曹で。そしてさやかさん(の演じた役)は家に帰りたがってて」
さやかさん「そりゃみんな家に帰りたがってますよ」
小野田くん「そりゃそうですね」
さやかさん「で、『こわもて』な役で」
小野田くん「え、もててなかったですよ」
さやかさん「え」
亜弥さん 「え」
やんさん 「え」
会場内一同「え」

さやかさん「もしかして『こわもて』って”もてる”ってこと
       だと思ってます?」
小野田くん「え、そうじゃないんですか(会場内爆笑)」
さやかさん「違いますよ、顔ですよ」
小野田くん「え、ずっとそう思ってました(笑)」

…と、小野田氏に笑いの神が舞い降りました(爆)。

面白かったのはさらに後半の小野田氏登場シーン。

小野田くん「(GalaRibbonの後ろに)そっといるという
       のができないんですよね。
      前世に置いてきちゃったんです」
さやかさん「その返しいいですね(←気に入った模様)」
小野田くん「できないこと言われるとそう返すんですよ。
      『おじいちゃんの遺言でできないんです』
      いうのもあります(会場内笑)」
一同   「なるほどー」

小野田くん「GalaRibbonと同じ日にGesuRibbonって
       やろうかなと。同じ駅で」
さやかさん「同じ日やめてください(笑)」
小野田くん「じゃ隣の駅で」
さやかさん「だから同じ日やめてください(笑)」

…という仲良しペアが見ててとても楽しかったです。

3人のコーナーでは
「3月なので、今年の目標」というお題で。

さやかさん「今年の目標は『食生活を充実させること』で。
      私あまり料理が得意じゃなくて」
やんさん 「え、家行ったときに作ってくれた『やん』って
       ケチャップで書いてくれたオムライス
       美味しかったよ」
さやかさん「え、嬉しい(本当に嬉しそう)」
亜弥さん 「いいなー。私も『あや』って書いて
      作ってほしい(笑)」
さやかさん「あ、もちろん。
      というか、ただの3人話ですねこれ(笑)」
     「家の隣に大将さんがやってる料理屋さんが
      あって、週1ペースで行ってるんですけど、
      行かないと『元気にしてる?』とか気に
      かけてくれるんですよ。
      でもその大将さんも結構なお歳なんで、
      これからは自分でもちゃんと料理するように
      しなきゃって」
亜弥さん 「え、それ矛盾してない?(笑)」
やんさん 「だね(笑)」
さやかさん「じゃお店にも行って、自分でも作るって
      ことで。
      あと仕事の上では、ミュージカルにも出たいし
      ストレートにも出たいです」

ときて、やんさんのパート。
やんさん 「貯金したいです」

それで終わる(笑)

亜弥さん 「(いろいろ悩んで)【強く生きる】ですね。私と
       池谷さんの共通の恩師の方が去年年末に
       亡くなられたこともあって、
       いろいろ考えることがあって。
       恩師の方、その方は(今日のピアノの)
       酒井さんと(今日のドラムの)やまださんと
       出会わせてくれた方でもあるんですけど、
       その方に恥じないような生き方をしたいと
       思っています」

そんな三者三様のお話から、再び3人のハーモニーへ。
主にハーモニーの構成は亜弥さん、やんさんで、それに対してさやかさんがとっても感覚的な注文をなさるそうで(笑)、「それでもわかる2人は凄い!」とさやかさんが感動してました(爆)。

そのやり取りを拝見していて、ハーモニーを聞いていても思ったのですが、お3方それぞれが持っている長所を、お互いが感覚的に分かっていて、音楽を通した気持ちの通じ合いが、1人ずつではなしえない音楽の空気を作っているのだろうなと。

「心地よい音楽」「刺激的な音楽」のために、3人のメンバー、そして酒井さん・やまださんそれぞれが持ち寄ったピースが、時には言葉なしでも噛み合っていくのだろうなと思いながら、客席で受け取れる「しあわせの音楽」の心地よさが伝わる奇跡に、ただ酔いしれました。

2人が3人になり、演奏メンバーまで加えると5人にまでなり、よりスケジュール調整が難しくなりそうではありますが、定期的に音楽を聞ける機会がありますこと、心から願っています。

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『リトルマーメイド』(2)

2017.3.11(Sat.) 13:30~15:35
四季劇場夏 1階7列10番台(センターブロック)

自分にとって初四季観劇となった『リトルマーメイド』。
2013年8月に初見で、今年4月9日に東京公演千穐楽を迎える前に、また拝見するとは正直思ってませんでした。

そのきっかけをくれたのは、綿引さやかさん。
昨日、3月10日からアンサンブル、通称:女性4枠(黄色の衣装、長女・アクアータ役)で出演されています。

四季さんは作品に出演する可能性のあるキャストをパンフレットに掲載するため、「パンフレットキャスト」という呼ばれ方をしますが、3月4日に改訂されたパンフレットに綿引さやかさん(びびちゃん)が掲載されたことが分かり。

リトマは東京公演と並行して名古屋公演が開幕済みで、今年8月には福岡公演も予定されていますので、キャストを増強したがっているという話は聞いていたのですが、今年東宝作品も控えているびびちゃんがこの作品がこのタイミングで出るとは、ちょっと予想外でした。

通常、四季さんの週間キャスト発表は休演日(月曜日)なのですが、出演が発表されたのは3月9日。
3月10日からの出演ということでさすがに平日の今日の明日、というのは無理で、出演2日目であるこの日、行くことにしました。

とはいえ、10日の開演時点では10日の出演しか発表されておらず、その時点で11日のチケットを押さえるのは賭けではあったのですが、四季さん的にもさすがに1日で下げることはないだろうし、加えて、何よりびびちゃんの役者としてのポテンシャルが1日で下げられるようなものではないことを信じました。

そんな経緯もあっての、3回目のリトマ。
2回目は、2016年5月22日のマチネ、びびちゃん同様レミ経験者の、磯貝レイナちゃんのアンサンブルデビュー2日目でした。くしくも今日もびびちゃんのアンサンブルデビュー2日目ですから、個人的に何だか似た感情を持ちます。

そしてレイナちゃんは去年夏以降、今年1月末まで東京リトマには出られていなかったので(10月~12月まで名古屋リトマ)、この日久しぶりに拝見でき、コゼエポで並んでるキャストボードを見て、なんだか感慨深かったです。

びびちゃんは長女のアクアータ役、レイナちゃんは次女のアンドリーナ役。
この2人のシーンは初っ端の登場シーンで観られて、エポコゼ姉妹を見られて嬉しい限り。
びびちゃん長女は黄色、レイナちゃん次女は橙色(オレンジ色)がキャストカラーです。

個人的に気になるポイントは、今までずっと演じられてきた姉妹と、びびちゃんアクアータがどう溶け込むかだったのですが、予想以上にぴったりフィット。

長女だけに、姉妹それぞれに対する見方を披露するシーンがあるのですが、いたずらっぽく、それでいて一番年長な「みんなに一目置かれている感」もあって。

「お姉さま」と言われる様がとっても嵌っていて、でも姉妹たちを無理やり従えさせてる様子も見えないのが素敵でした。それに弄られても、それを自然にいなすところも良いです。長女としての余裕でもあるのでしょうが、笑顔で受け流す姿が自然に見えるのがとても良いです。

現実として母親不在のこの家庭にあって、アクアータの位置づけは皆の庇護者という要素もあるわけで、その感じが出ていたのが何より良かったです。笑顔で、何より楽しそうな姿が見られるのが嬉しいです。

そして堅物という感じではなく、そこここにちゃっかりさも見せてて。
「アリエルがこのまま帰ってこないなんて考えたこともない」って言って父親の悩みに寄り添いつつ、「でもこのまま帰ってこないと私がソロよね」って歌い出しちゃう(さすが素敵な歌声!)ところが、台本通りなんですが、嵌りすぎてて噴き出しちゃいました(笑)。

本心が0%じゃないけど、でも、そんな言葉で場を和ませるのを、計算なのか天然なのか分からないようにやれるところが、さすがびびちゃん、と感じ入ったり。

笑顔だけじゃなく、嫉妬もわずかながら見せて、それを嫌味なく見せるところも素敵です。

エリック王子への謁見シーンでのプロシアの王女も良かったし、直後のメイドシーンのえらい老女風なコメディ感も最高です(いわゆるシスアクのすどかなさん風←笑)。

この日のアリエルは谷原志音さん。これまでの2回は別の方だったなので、ようやく見られたアリエル。
皆に愛される姿が自然で、そしてその立場に甘えていた自分が、大切な思いのために自分も変わっていくさまがとても印象的。

アリエルもトリトン王も、自らのこだわりをただ相手に押し付けるのではなく、自分も変わり、相手も変えていく、その空気感の爽やかさが、何より心地よかったです。

この日一番胸に刺さったのは、フィエロ王子の執事が、アリエルに言った一言。

「叶わない夢は、見ないことです」

劇中のアリエルは、叶わないはずの夢を、でも諦めなかった。諦めなかったからこそ、奇跡だって起きた。

アリエルの谷原さんだってきっとそうだろうし、レイナちゃんもびびちゃんも、夢を叶えたいという思いの強さで、周囲が驚くこのポジションにやってきていると思うと、心からの拍手を贈りつづけたい思いでいっぱいでした。

カーテンコールや踊りのシーンで笑顔でくるくる踊ってる姿は感慨深かったです。
びびちゃんアクアータとレイナちゃんアンドリーナはちょうど対角のシンメトリーになるので、そのシンクロぶりも素敵でした。

今後、リトマをどういう形で見ていくか分からなくはありますが、ひとまず、四季の会会員になっておいて良かったというのが偽らざる思いです(笑)。

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『ビッグ・フィッシュ』

2017.2.26(Sun.) 12:00~14:50
日生劇場 2階E列30番台(センターブロック)

日生2月公演のこの作品も、明後日が千穐楽。
良評判を耳にしつつも、上手いこと観劇日程に組み込めずに、ぎりぎりこの日に観劇です。
東京マラソンでいつもと違う日比谷通りを横目に、久しぶりの日生劇場へ。

「家族」をテーマにした作品でしかも日生ということで、舞台は違いますが何となく「屋根の上のヴァイオリン弾き」の空気を感じたりして。

父と母、息子と妻とその息子。ブルーム家3世代の”家族”の中の心の通じ合い、時に反発を描いていきます。

1幕は主に父の武勇伝を息子に聞かせる、それを実際に舞台上で見せるという形で進行。
父であるエドワードは自分のこれまでの歩みを話を盛って話すのが大好き。
昔は楽しく聞いていた息子も、そのクレバーさ故に、父の大風呂敷に辟易している。
そして息子である自分の話も全部、父が自分の自慢話にしてしまうのが我慢ならない。
愛する女性との結婚式、父はあろうことか口止めしておいた秘密まで明かし、息子と父との決裂は決定的になる。

息子ウィルにとっては母、父エドワードにとっては妻のサンドラは、夫のこともわかる、息子のこともわかる、という板挟みになって大層可哀相。
ウィルは頭が良いけど、色んな意味で四角四面で、色々とあけすけなエドワードと似ても似つかない。とはいえサンドラに言わせれば「世界一の頑固者がエドワード、世界2番目の頑固者がウィル」だそうで、それを言われた時のウィルの不満そうな表情がたまらなくツボでした。

そう、男性にとって「父と似ている」と言われるのは、心外と思う人の方が多いと思います(笑)。
「父と同じ道を歩んでいる」のは自分の意思がないようで嫌だし。

エドワードとウィルの決定的な決裂、それをどうにもできないサンドラ。
そんな中、そこに割って入るのが、ウィルの妻であるジョセフィーン。

この方のできる妻っぷりが半端ない。ジャーナリスト(ウィルと同業)ということもあるとはいえ、「言うべきことは言う」女性なのですが、それもいつも怒鳴りたてるような感じは全くなくて。黙っているべき時にはにこにこ、言うべき時にはしっかりと真実を告げる。その佇まいがとても素敵でした。

エドワード役は川平慈英さん。ザ・エネルギッシュで、とにかく前のめりの暑苦しさが、でもなぜだか憎めない。叩く大口も、皆を幸せにしたい、皆のためになりたい、そういう気持ちが見えるから、みんなに愛される。息子以外みんなに。

サンドラ役は霧矢大夢(ひろむ)さん。宝塚在団当時は拝見していないのですが、『ガイズ&ドールズ』の伝説のアドレイド役でお名前は存じておりました。エドワードと出会うシーンでのダンスも見られて、エドワードへの「こまったやんちゃさん」を信じる姿が印象的。

ウィル役は浦井健治さん。見た目上のイメージの「頑なな、こだわり」が見えてて、エドワードと好対照(浦井さんの中ときたら天然ですけどw、そこを見せない辺りは流石)。
彼自身「何でも分かっていると思っていた」ところが、実は「何もわかっていなかった」ところが、後半の物語の感動につながっていきます。

ジョセフィーン役は赤根那奈さん。那奈さん名義での最初で最後の作品になります(日生5月公演の『グレート・ギャツビー』からは宝塚当時の”夢咲ねね”さんに戻ります)。出すぎず出なさすぎず、メリハリのきいた存在感が素敵です。ウェディングドレスを見る人全員を笑顔にしてしまう、翳りの欠片もない幸せ感。がっつりなダンスも初めて見ましたが、恐ろしいほどキレッキレで見惚れます。凄い。

父の武勇伝が主だった1幕とは一転、2幕は父の先が長くないことが分かったあたりから、息子のウィルは「父の真実」を知りたいと、見つけたとある文書とともに、父の故郷に向かいます。
賢妻のジョセフィーンが止めるのも聞かずに。

そこで出会った人から聞かされた話は、息子にとってイメージしていた父とは大きく違って。
話を盛って、いつもホラを吹いているような父だと思っていたのに、でも、その事実を父が自分に明かそうとすることはなくて。

父の笑顔に救われ、父の行動力に救われた人がこれだけいて。
その姿に気づくことができなかった自分の視野の狭さを痛感して。

だからこそ、ウィルは息子に言うわけですね。
「自分の世界を作れ、自分の世界のヒーローになれ」と。

父を否定してしか自分を保てなかった(ように見えた)ウィルが、父の本当の大きさに触れて、心から父のありがたさを感じられたとき、その想いはさらに自分の息子に伝わっていくんだな、という様が感じられて。

そこには、母が父をずっと信じて支えていた思いも改めて感じたろうし、自分を信じてくれる妻の思いも感じたろうし。

父の存在をそのまま受け継ぐわけじゃなく、父の想いも受け取って、息子として、新たな父として変わっていく姿がとても自然で良かったです。

この作品の中で自分が一番印象的だったのは、父が病床に伏せたときに医師が言った言葉。

「(あなたの)声を聞いているかはわかりません。聞こえているかはわかりません」

その言葉を聞いたときに、「(父は)聞いてはいないけど、聞こえている」となぜだか確信して。

意識が消えようとしている瞬間でさえ、無意識は自分への声を聞いている、そう無条件で感じられたのは、自分自身その瞬間を体験したことがあるからかもしれません。

他出演者では、鈴木蘭々さんの芝居が素敵でした。出番は多いわけじゃないけど、ウィルにとっての父の存在をはっきりと変えた佇まいが良かった。
アンサンブルさんでは加藤梨里香ちゃんが一等若さ漲って、ブーケトスでブーケgetしてはしゃいでいる様が可愛かったです。ジャージーガールズな遠藤瑠美子さんの大人っぽい存在感も素敵。

日生劇場のゆったりした空気が、大魚(ビックフィッシュ)がたゆたう海とシンクロするかのようで。
家族の温かさが大海原のスケール感と交わるような、素敵な作品でした。

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『レプリカ』(3)

2017.2.19(Sun.)
13:00~15:45 寺元・千田・蔵重組
17:00~18:50 田村・岡村・妻木組
シアター風姿花伝 昼A列、夜B列 10番台

OneOnOne恋愛ミュージカル再演、前楽と大楽を観劇。

席位置は「10番台」となっていますが、実のところヤヨイちゃんの慟哭ポジションの目の前なので、昼は千田さんヤヨイ、夜は岡村さんヤヨイの感情が直撃してそれはそれは凄かったです。

初演では寺元健一郎さん・岡村さやかさんの固定ペア(初演B組)しか見られなかったので、昼は念願の千田阿紗子さんのヤヨイ。スカートなさやかさんヤヨイと異なり、ズボンパンツということもありサバサバした感じ。とはいえ、さやかさんのヤヨイも相当サバサバしているので、比較論に過ぎませんが。

千田ヤヨイはカッコイイ可愛さ、さやかヤヨイはキャワイイ可愛さ(笑)
※さやかさんはラストパートでキス逃げして全速力で逃げる様が絶品にカワイイです。

さやかさんに比べて千田さんは「恋愛に構えていない」感じがして、恋愛コンサルタントとしての動きの説得力が強くて。前半のテンポのいい芝居は、千田さんの影響をさやかさんが受けているかなという感じ。

マナトとヤヨイのデートの時の食事シーンが

千田さん「ずずずずー(ラーメンをすする大音)」
寺元くん「なんか中に変な人が入ってたぞ(笑)」

さやかさん「大盛二丁つゆだく!最高!」
田村くん「キャラおかしいだろ(笑)」

それぞれのキャラが実に楽しいです(笑)

途中の豹変キャラは、千田さん、さやかさん両方のキャラがそれぞれ現れていて面白いです。
千田さんはニヤって笑ってからの様が自覚的に感じるのですが、さやかさんはニヤって笑ってからの様が無自覚的に感じます。
というのが、千田さんは何だかゲームをやっている感覚(遊んでいる感覚)に見えるんですが、さやかさんは第二人格が出てきている(演じている感覚)ように見えます。
パフォーマーとアクターの違いと言いますか。

さやかさんは比較的役を小さく作ってしまわれる印象があるのですが、千田さんがいてくれたおかげで、今回思う存分、「ここまでやりたい放題やれば面白くなるんだ」というのが出ていて面白かったです。DVDが出ないから自由にできたのかもしれませんが(笑)

自分の想いがコントロールできなくなって、戸惑う様はさやかさんの方が強かったかと。
千田さんの場合は恋愛をコントロールしきっている感じがあったので。

芝居面での深さは、さすがはさやかさん。
自分の過去の傷を振り返り、もがくさま。
自分の目の前に、過去の自分を思わせるような相談者が現れたときの苦しみ。
その自分の苦しみに対して、目を逸らすことなくまっすぐ気持ちを伝えてくれたマナトの存在。
過去、自分が愛した人までも愛してくれるかのような思いに、動かされるヤヨイの気持ち。
歌と表情で表現される悲しみ・苦しみは流石の一言でした。

「人を愛することは万人に与えられたもの」、それは過去「鉛の矢」を放たれたヤヨイも含まれている、というのが興味深かったです。

「鉛の矢」を望まれたからと言ってヤヨイにそれを放ったクピドにとって、その後悔ゆえに、ヤヨイの心を動かせる人物として、マナトを応援しているのかと。

そもそもヤヨイにとってクピドの実態は見えない存在だったのかなと。
「もう恋なんてしない」と思ったヤヨイにとって、クピドはあの日以来、額縁の中に閉じ込めた存在だったのかなと思えて。
「話しかけてくれたのはあの日以来だな」と喜んだクピド。
ヤヨイがあの日以来前に進めなかったのと同様、
クピドもあの日以来前に進めなかったのかなと。

そう考えるとマナトって凄いんだなと。

・・・

この日のキャストは初演と比べてヤヨイだけが変わったパターン。

初演B組でヤヨイが岡村さん→千田さんになったのが昼の回
初演A組でヤヨイが千田さん→岡村さんになったのが夜の回

なお、水曜日がクピドだけ入替、木曜日・金曜日がマナトだけ入替、そしてオリジナルが土曜日でした。

ヤヨイだけ変わった割に、ヤヨイがかなり突出して突っ走ってたのが印象的。
さやかさん、金曜日に比べても相当にやりたい放題でした(笑)。

この日のカーテンコールは特別仕様で、ラストにオリジナルメドレーが昼・夜ともあり。
昼は何事もなく終わったのですが、夜の部、さやかさんが罵倒した先にマナトがいなくて、さやかさんを超動揺させた(大笑)というのが、さすがB太くんでした(笑)

・・・

昨日書いた「左手」の話。

実際には「愛しい小さい左手」と歌詞にあるので、ヤヨイが望んで、マナトとの間に授かった「子供」のことですよね。
自分が小さい頃は「お嫁さん」も「お母さん」も普通になれると思っていたけど、実はそうではなくて。
そのうえ、いくら望んでも「子供」が自然に授かれるわけじゃない。

でも、自分を支えてくれる大事な人と気持ちを一つにすれば、難しいと言われても奇跡も起こる。
そんな物語は、実際にお子さんもおられて創作もされている、今の浅井さやかさんらしい作品に思えました。

再再演は今年8月2日(水)~6日(日)、同じくシアター風姿花伝にて。

今のところ新キャスト(オーディションを2月~3月に実施*)予定とのことですが、「いずれはオリジナルキャストでまたやりたい」と浅井さんがおっしゃられていましたので、新キャスト同様期待です。

*今回のオーディションはこの作品に限らず「OneOnOne」に出たい、という方を募集されるそうで、他の作品のキャストになることもあり得るそうです。

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