『ボクが死んだ日はハレ』(2)

赤坂REDシアター
2019.10.6(Sun.) 18:00~20:40
 B列1桁番台
2019.10.7(Mon.) 19:00~21:40
 D列1桁番台

とうとうmy楽を迎えてしまいました。何とか捻出した3回の観劇の機会も、実は最終日は仕事の都合で2幕からの観劇となってしまい、少しく心残りはありつつも、満喫しました。

びびちゃん(綿引さやかさん)が出演されると聞いて、初演の感想を拝見してからというもの「できるだけ見たい」と努力したものの、何と言っても人気作、しかもメインキャストほとんど変わらないとあってはチケット難になるのも道理。

「この作品がとっても素敵な作品で、そしてこの作品でのびびちゃんがとっても素敵であることを全世界に伝えたいよ!」と思うわけです。この作品の主人公と同じHNを持つ自分としては(笑)。

と言うわけで容赦なくネタバレ参りますよー。回避される方は回れ右で!




かつて一世を風靡した女性3人のソングユニット「ハレバレハレルヤ」。
その最年長であるミミの様子がおかしい。一人息子・ひかるを喪ってから1年も経つのに、まるでひかるがいるかのように振る舞い、そしていきなり意識を失ってしまう。特に3人で歌っているときに。

いわばミミは自分の中のひかると無意識の中で会話しているような状態なわけですが、実はひかると本当に会話できているのは、元子役、びびちゃん(綿引さやかさん)演じる歌織。

歌織はいつしかひかると心と心で会話しあえるようになるのですが、なぜ歌織なのか、が見ていての最大の疑問でした。

確かに気持ちは抜群に通じ合っているし、シンクロ率最高だし、でもそれって何でなんだろうって。

そこに現れる鍵が「母」じゃないかと思うのです。

ひかるにとって大切な人である母だけれども、時にぶつかり、時に反抗し、本当の気持ちを告げないままこの世を去ってしまったから、母もひかるとの思いに区切りをつけられずにいる。

歌織にとっても子役時代、大人たちが喜ぶ姿を見て面白がっていた反面、自分自身(三田村歌織)が何者か分からなくなってしまい、母親の期待に応えられずに壊れて芸能界から一時身を引いてしまう。

登場人物の中で「母」を語っている人はもう一人いて、彩吹さん演じたすみ絵さんが「母」とのエピソードを出しているけれども、そのエピソードはある意味、「自分と母が同じ結論に達した」ことだったので、「自分にとっての母」と「母にとっての自分」が合致している分、ひかるにとって自分をゆだねる相手ではなかったのかなと。

ひかるにとっては「母」との距離感を図りかねている人で、自分の母であるミミとも関係がある人「分かり合える相手」として選んだんだなぁと思うと、ひかるが歌織を選んだ理由がわかる気がします。

2人は2幕最初で向かい合い、お互いのことを話します。いる世界が違うから恋人じゃないのに、あたかも恋人以上に何でも話せるような間柄。それは2人が「ミミさんが大好き」という共通認識に立っているからなのだろうなと。

「死んでる人の前でイキイキしないでよ」とひかるは歌織を茶化しますが、そんなひかるも死んでるのにイキイキしてる。ミミさんはみんなに愛されてて、もちろん2人にも愛されていて、そんなミミさんに愛されたひかるは幸せで、だからこそひかるはミミに、「死んだように生きるんじゃなくて、生きたいように生きてほしい」と語りかけるわけですよね。

そしてミミとSHOKOに圧倒されていた歌織も、周りを見て萎縮するんじゃなくて、自分らしさを出せばこそ光ることに気づく。
他人を演じることを楽しむんじゃなくて、自分を楽しむことを楽しむ。

そんな、歌織のはじけた姿が本当に魅力的だった2幕「ハレバレハレルヤ」のステージ。
ゴージャスなドレスを身にまとい、堂々たる様でアイドルポジションで歌う様は、本当に見られて良かったです。

2幕、あのカメハメハポーズも最高です(笑)



大切な人を失うと、
最初は泣くことも笑うこともできなくて。
泣けるようになるまで時がかかり、
話せるようになるまで時がかかり、
笑えるようになるまで時がかかり、
そして泣くより先にやるべきことがあると思えて初めて、乗り越えたんだと思えるのではないかなと。

生まれてきてくれてありがとう、
そんな暖かい空気に包まれた中、暖かい音楽にふわっと包まれる瞬間は、まさに至高のひとときでした。


ミミ役、浦嶋りんこさん。歌声と人柄が表裏一体の凄い方。まさに魂の思いの強さに圧倒されました。

ひかる役、百名ヒロキさん。この作品の初演が初舞台とは驚愕するばかり。しなやかさと技術とハートを併せ持って素晴らしかったです。

すみ絵役、彩吹真央さん。今回の新キャストなのが信じられないほどの嵌まり役。格好良さに酔わないからこその格好良さ。8月のTipTapで光ってましたし、ショーシーンも流石です。

SHOKO役、小野妃香里さん。りんこさんがソウルなら小野さんはロック。その格好良さがタイプ違いで栄えます。パワフルの向きも違うんですよね。

篠原役、上野哲也さん。サイゴンのアンサンブル時代から知ってますが、本当に何でもできる方ですよね。あの役柄で一切寒くならず(笑)、前座で劇場一杯から大拍手を贈られるのは人柄のなせる技ですよね。

そして歌織役、綿引さやかさん。新キャストながら初演から役設定が若干彼女寄りにした(演出の石丸さん談)こともあってか、特に公演始まってからの進化が凄くて。本当に緊張してるのかと思わせる(笑)1幕の緊張演技も、2幕の遠慮ないはじけっぷりも、この役で新境地だったなぁと嬉しい限りです。

明日で千秋楽。既に当日券は完売ですが、10月24日(木)に鶯谷の東京キネマ倶楽部で「『ボクが死んだ日はハレ』打ち上げライブ」が昼夜であります。本編ごらんになれなかった方もぜひ拝見いただきたいです。

 

 

 

 

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『ボクが死んだ日はハレ』(1)

2019.10.2(Wed.) 19:00~21:40
赤坂REDシアター K列1桁番台(センターブロック下手側)

2017年11月に初演され、この日が再演初日。
シンガーユニット「ハレバレハレルヤ」三女格にびびちゃん(綿引さやかさん)出演ということで、再演初日を見届けにいってきました。

キャスト6人中、4人までが続投。
ユニット長女格の浦嶋りんこさん、次女格の小野妃香里さん、マネジャー役の上野哲也さん、りんこさんの息子役の百名ヒロキさん(この作品の初演が初舞台)が続投で、プロデューサー役の彩吹真央さん(初演は文学座の高橋紀恵さん)、そして三女格の綿引さやかさん(初演は笠松はるさん)が新キャストになります。

※少しくのネタバレを含みます。
気にされる方は回れ右でお願いします。



かつて一世を風靡した三人の女性がプロデューサーによって、今集められ。
「スポットライトを浴び、第一線にいた人には他の人にないものがあるはず」と語るプロデューサーの言葉に、それでも前向きになりきることはできない三人。

そんな中、一番のキャリアを持つ、りんこさん演じるミミの様子がおかしい。リハーサル中にいきなり眠ったりするのだが、検査しても何の異常もないという。

それなのに、メンバーが飲みに誘っても「息子が家で待ってるから」と言って断るミミ。でも小野さん演じるSHOKOは訝るのだ。
ミミの息子さん、ひかるは1年前に事故でこの世を去っているはずなのだ…。

いきなり組まれたユニットとはいえ、今の仲間の異変を何とかしたいと苦悩する皆。そんな中、マネジャーがもってきたとあるグッズをきっかけに、びびちゃん演じるかおりは、ひかるとの接点を見いだす…。

かつて天才子役として喝采を浴びた過去を思わせるように、ひかるとの思いの通じ合いを経ながら、年長であるミミやSHOKOに遠慮するのではなく、自分なりに歌うことで3人のハーモニーを高められることに気づいていくさまが魅力的で。

びびちゃんはデビューが早い女優さんではないので、子役で喝采を浴びた経験もないわけなので、そうなったらいいなぁ、の思いとともに演じられているようにも見えて。それでいて、経験を重ねるほど、迷いを持たざるを得なくなる自分、という姿はそれこそ今の彼女とリンクする部分もあるのかなと思いました。

演出の石丸さち子さんは表面的な演技を決して許さない人だと思うし、初演から続投のひかる役、百名さんとの空気がとても良くて。

何だろう、お互いに「自分のことをわかってくれる人がいるんだ」という喜びに満ちて、2人とも同じ人(ミミ)を大事に思っていて、自分が何とかしてミミの力になりたいと思っている。その軸がひかると、かおり(歌織)とでしっかりと握れていたから、本当に暖かい空気に感じられました。

大切な人を失ったとき、「いない」のに「いる」、という言い方が自分は好きで。
大切な人との思い出は、決して無意味になることなんてなくて。
忘れようとすると苦しくなってしまうけれど、時と仲間がそれを癒してくれる。

過去を否定して未来を絶望するより、過去を受け入れて未来の糧を見いだす大切さを、この作品から感じさせてもらった気がします。

1回だけでは感じ取れるものがまだまだ足りなかったこの作品。あと2回拝見できるので、新たな視点でも見られるのがとても楽しみです。

DVDも発売されます。びびちゃんのこんなシーンは見られるとは!な垂涎のシーンもあり、見返せることにワクワクしかありません。

 

 

 

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『怪人と探偵』(2)

2019.9.29(Sun.) 14:00~16:45
KAAT神奈川芸術劇場大ホール
3階B6列(最後列)10番台(センターブロック)

KAAT神奈川公演千秋楽です。
初日以来2週間、3回の観劇でしたが、今の自分にとってはぴったりの回数だったかなと。

由美子さん復帰ということで今年一番というぐらい緊張して拝見した初日は、作品上の謎をたっぷり お持ち帰り。

KAAT中日付近の土曜ソワレはシーンのブラッシュアップぶりを見ながら、謎を一つ一つ解きほぐして。

そしてこの日のKAAT楽は安心して物語を体感することができ、心地良い満足感で劇場を後にすることができました。

公演を通じて感じたのはヒロイン・リリカ役の大原櫻子ちゃんの変化。
物語にしっかり乗って動くようになってて、その変化にいい意味で驚かされました。
本番に乗ってから深まり度が強くなるタイプのようで、来年の『ミス・サイゴン』キム役では後半に化けそうな気がします。

さて、今週末に兵庫公演を控えていますので、ラストネタバレは避けますが、多少のネタバレは出てしまいます。

お気になられる方は回れ右でお願いします。





では、よろしいですか?

「怪人と探偵」というタイトルになってるこの作品ですが、見れば見るほど違う印象が見えてくる作品。

一つに、「欲望と理性」
原題と比較的に近いですが、「あらゆるものを手に入れたい」怪人の"欲望"と、それを阻止せんとする探偵の"理性”のぶつかり合いとも取れる。

一つに、「愛と正義」
欲望が尽きない怪人がもっとも求めたもの、それが"愛"。怪人が憎み、探偵がよすがにしたけれども、実は万能な道具ではなく、時には愛する人を傷つけるものでもあった"正義”。

この物語を見ていると「愛」も「正義」もそれぞれ厄介なものだなと。

「愛」ゆえの歪みはこの物語の随所に出てきて、愛する故に暴走するマユミ(フランク莉奈ちゃん)が筆頭ですが、「愛していれば、分かりあえない」のではないかと感じることも多々。

二十面相チームであっきー演じる二十面相の横に由美子さん演じるネコ夫人が並び立ち、他のメンバーとともに「愛」を歌い上げますが、「悪(これは世間一般からの理解として)」であれ、「愛」を欲する様が印象的。

愛されることが少ないからこそ、愛することでしか生きられないのかもしれないなというのと、悪だからこそ歪んだものを愛することしかできないのかと思うと、何だか胸に迫るものがありました。

櫻子ちゃんが演じたヒロイン・リリカは、あっきー二十面相に求愛されて彼の元へやってくる、その時に由美子さん演じるネコ夫人が放った「おめでとうございます」は皮肉に満ちて聞こえて。

「愛という厄介なものの世界へようこそ」と、まるで底なしの闇に迎えるかのようで。

ネコ夫人 にとっての自分の存在意義は怪人二十面相の横で欠かせない立場でいることで、愛する怪人二十面相の愛を受けていると錯覚できる。にもかかわらず、怪人二十面相の愛する相手はリリカであり、自分の愛は成就することはない。でも自分の愛する人(怪人二十面相)のためであれば、自分の思いはしまっておくしかない。

「愛は苦しみの始まり」、それが分かっているからこその思いが、由美子さんの低音域のドスがものすごく効果的で(爆)、流石でした。

そして最も印象が強い対比が「仮面と真実」
今回の作品のメインテーマはこれだったのかなと。

怪人二十面相だけでなく、この作品の登場人物はすべからく仮面を被っている。
没落貴族ながらそれを隠す北小路夫妻もそうだし、家政婦とネコ夫人の参謀の2役の由美子さんもそうだし、かつて出会っていたリリカと明智との関係において、明智が本心を過去のリリカに明かさなかった明智の"仮面"もそうだし、言えばリリカの存在も、それこそ"仮面"にまみれている。

ただ、だからといって"真実"に迫る"正義"をもってすれば、全てが幸せになるかというと、それも全く違う。

明智が本心を隠して、当時のリリカに感情をぶつけられなかったからこそ、彼女の中に怪人が産まれたのかもしれない、と思えて。

「人は全て仮面を被って生きている」は奇しくもあっきーのミュージカルデビュー作『モーツァルト!』の後半で語られたことですが、今作品ラスト近くであっきー演じる怪人がリリカに対して"仮面"を脱いで接したことはとても印象的で、それに比べてリリカと明智の、最後までの"仮面"合戦がなんだかなぁ、と苦笑してしまいました。

それにつけても、舞台上の俳優のみなさまが「仮面」をつけて、役の人生を生きていて。

その様を客席から拝見していて、役の本質、役者の本質を知ろうと見ているお客さんも「探偵」なのかなぁ、となんだか不思議な気持ちになった観劇でした(笑)。

キャストで印象的だったのが、怪人二十面相チームのアクション担当、紅蜥蜴役の碓井菜央さんの存在感。
来年3月~5月の地球ゴージャス『星の大地に降る涙』でも拝見できるようで、楽しみです。

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『WEST SIDE STORY』(1)

2019.9.24(Tue.) 18:30~19:30
IHIステージアラウンド東京
11列40番台(開始時は上手側)

現在来日キャスト版が上演中のステアラ東京。
この日は11月から開幕する日本キャスト版Season1の製作発表に当選、ということで行って参りました。

対岸の晴海客船ターミナルから外観を眺めたことがあるものの、実は来るのは初めてな、ぐるぐる劇場(360度回転劇場)。新感線公演をもってクローズのはずが、WSSが決まって延長ということで。

ずっと、ゆりかもめの新豊洲駅が最寄りかと思っていたのですが、もう1駅先の市場前(しじょうまえ)駅が最寄りなんですね。

TBS主催ということでアナウンサーさん進行で紹介VTR(番宣で使われたものと少し違う新作)が流れた後、ジェット団から田極翼さん(アクション役)、笹岡征矢さん(A-ラブ役)、小南竜平さん(ディーゼル役)のお3方がバイクで登場、走り去っていかれました。

そして歌唱披露では、皆が壇上を眺める中、客席後方から流れるWトニーの歌声、そして黄色い歓声。

上手側から宮野トニー、下手側から蒼井トニーが歌いながら登場してのトニーデュエット「マリア」。

Wマリアの(笹本)玲奈ちゃん、(北乃)きいちゃんはどうされるのかと思えば、舞台上のマリアのお部屋(2F)から並んで見守る、という形でした。

この曲と2曲目の歌唱披露はオリコン他サイトで動画があがっていますが、2曲目はトニーとマリアのデュエットの名曲「Tonight」。

この日、(北乃)きいちゃんは喉の調子が芳しくないとのことで大事を取るとのことで…つまり…

Wトニーが玲奈マリアを奪い合う(笑)

歌い終わった玲奈ちゃんは「両手にトニー」と言い笑いをとり(笑)、「どっちを見ていいか(困った)」とMCの天然力を発揮(爆)されていましたが、とにかく流石のヒロイン力。

今までの数多のヒロイン経験を生かした堂々とした様ながら、マリアらしいフレッシュさも見せ、不安さを感じさせない高音がとても素敵でした。

玲奈ちゃん自身は、出来に納得行っていないようで「もっともっと練習して上手く歌えるようにします」と仰ってて、その向上心が頼もしい限りです。

その後のMCコーナーでは、見どころを尋ねられた玲奈ちゃん、「マニアックなところ行っていいですか?」と面白い前置きで(笑)、「セットが細かいこだわりに溢れていますが、実は本物の『川』があります、ぜひ見つけてみてください」とコメントしていました。

あと面白かったのは、「よく食べる人」と聞かれて自己申告する、蒼井さんと玲奈ちゃん(笑)

蒼井さんは(声優では先輩に当たる)宮野さんに「(食べ物の)差し入れ楽しみにしてます」と言って、宮野さんは「了解!」と応じてましたが、差し入れ話を振られた玲奈ちゃん、「食べ過ぎてマリアの衣装が入らなくなると困る(笑)」「お味噌汁飲んでスタイル保ちます(笑)」という、またもやMC天然力w

この作品『ウェスト・サイド・ストーリー』についての思い入れを聞かれた玲奈ちゃん、一つ一つの言葉を噛みしめるように言っている姿が本当に胸に迫って。

「私の父と母がリアルタイムで(この作品の)映画を見ていた世代なんです。この作品のオーディションのお話をいただいたときに、本当に悩んだけれど、マリアの役をいただけて、父母や祖父母に喜んでもらえたことが本当に嬉しかったです。昔から愛され続け、これからも10年、また100年と上演され続けていくであろう、この『ウェストサイドストーリー』の作品に関われることをとても嬉しく思っています」と仰られていました。

・・・

玲奈ちゃんがここ一年ほど、年相応の役をやられるようになった(『ジキル&ハイド』ルーシー役、『マリー&アントワネット』タイトルロール)からすると、再び若い役を演じることに少しだけ違和感を感じて、来たこの場だったけれど、不安を感じてた高音に何らの翳りもなく、堂々とフレッシュを両立した玲奈ちゃんのマリアは、まさにこの作品が求める「マリア」そのものだと思えて。

玲奈ちゃん自身も「自身がこの役を演じる意味」を強く表に出した姿は、初日の待ち遠しさをぐんと高める、とてもいい製作発表に感じられました。

本番が待ち遠しいです!

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『岡村さやかライブ skip 7』

2019.9.22(Sun.) 13:30~15:10
sound creek doppo(四谷)

岡村さやかさんソロライブ
『skip』第7弾です。

この日は昼夜公演ですが、夜は横浜KAAT神奈川芸術劇場『怪人と探偵』を見に行ったので、マチネのみ参加です。

●セットリスト
○第1部
1.ラプソディー・イン・ブルー
 /ガーシュウィン
2.How Do I Survive?/Superfly
3.Always/Scott Alan
4.electricity/ビリー・エリオット
5.Say Goodbye/Scott Aran
6.小さな天使/八犬伝
 ※サプライズゲスト:坂口湧久さん
7.Try me/She Loves Me
 ※坂口さんソロ
8.さようなら/矢野顕子
 (谷川俊太郎作詞)

○第2部
9.夜はやさしい
 (谷川俊太郎作詞)
10.Show White Queen/Evanescence
11.With One Look/サンセット大通り
12.why/tick..tick..Boom!

[Encore]
13.真夏の果実/サザンオールスターズ

・・・

かつてはお茶の水を開催地に、年1回のソロライブとして開催されていましたが、原宿(ストロボカフェ)での開催を経て、最近はここ四谷での開催が定番化しつつあります。

それにしても、あまたなミュージカル女優さんのライブでも、ここまでセットリストが全く予想できないライブは他にありますまい(笑)。

さやかさん自身「マニアック道を突っ走る」と公言しているだけあり、もはや曲の予想はせずに楽しむ!がこのライブ『skip』の流儀と思ってます(笑)

逆に言うと、知らない曲をさやかさんの歌声で聞けて、更に新鮮な印象を持てるわけで、それが他にはないこのライブならではの味。

恐らくお客さんのかなりが知らないであろう曲を、でも絶対に曲紹介とバックボーンの紹介は忘れない(ただしMCは忘れる(笑)ので昼の部は、「何話そうか忘れた」とM2後のMCで言っておいて、なんと最後まで思い出さず「謎をお持ち帰りいただく方式」に爆笑でした(笑)

曲紹介って、他のライブでは結構省略される方も多いのですが(うっかりなのか、あまり重視されていないのか)、それって勿体ないと思うんですよね。選曲するには、歌い手の思いがあるはず。思いがあるからこそその歌の色が、歌い手さんの魅力を纏って聞こえてくる、それこそがライブの醍醐味だと思うのです。それを反芻できないのはもったいない。

ライブって人柄が反映するものと常々思っているのですが、さやかさんのライブは「さやかさんが歌いたい歌を歌う(ことが一番伸び伸びしている)」ことをお客さんが何より望んでいる。

そしてバックで支えるピアノの酒井さん、ギターの福岡さん(たけちゃん)、ドラムの芳賀さんのあうんの呼吸こそがこのライブのもう一つのパーツ。

特にたけちゃんとの掛け合いは洗練されまくって、

さやかさん「(たけちゃん、)バンド始めたそうで」
たけちゃん「はい」
さやかさん「聞いてない」
たけちゃん「言ってない」

ここの間、1秒未満の返しで会場中爆笑。

さやかさん「この返し負けだわ(笑)」
「でもさっき『バンドさんに支えてもらってありがたい』って言っておいて何戦いを挑んでるんだ私(笑)」

・・という、さやかさんの黒いトークもこのライブの売りです(笑)

そしてライブの売りのもう一つはサプライズゲスト。昼は坂口湧久くん!
八犬伝の琥珀の歌が久し振りに聞ける!と喜んでいたら、曲中の信乃(しの)の台詞がマイクで入り…というわけで、大きくなった(現:高校3年)の湧久くん登場。

そして共演作の1つ『She Loves Me』から、わっくん演じたソロナンバーをいきなり歌ってもらう洗礼(無茶ぶり)も岡村さやかライブ名物で(笑)

あっちを向いてもこっちを向いても岡村さやかさんライブ名物に包まれ、ライブメンバーとのあうんの呼吸も含め、「継続は力なり」を実感する素敵なライブでした。

2幕でのパンツスタイルも新鮮で良かった。やっぱりさやかさんはカッコいい系が光るなぁ、と思ったのでした。

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『Dimple Live』

2019.9.21(Sat.) 18:30~20:30
三軒茶屋GRAPEFRUIT CAFE

青山郁代ちゃんとMARIA-Eちゃんのデュオライブ。
この日は2回公演で、その夜公演に行ってきました。

三軒茶屋駅から10分近くかかってちょっと遠いのですが、カフェそのものは50人規模の、大きすぎもせず、小さすぎもしない、いい感じのカフェ。そしてライブもとっても新鮮なものになりました。

まずはセットリストですが、出演者発表がありましたので修正しました。
特記なき限り、2人のデュエットです。

●セットリスト
1.On Broadway/Beautiful
2.お洒落は私の切り札/アイーダ(青山)
3.恋してるなんて言えない/ディズニー『ヘラクレス』
4.Zero to Hero/ディズニー『ヘラクレス』

5.マイケル・ジャクソンメドレー(MARIA-E)
 5-1.Rock with you
 5-2.Billie Jean
 5-3.Man in the millor
 5-4.I'll be there

6.ミュージカルヒロインメドレー(青山)
 6-1.プリュメ街/レ・ミゼラブル
 6-2.夢やぶれて/レ・ミゼラブル
 6-3.I'm Only Thinking Of Him/ラマンチャの男
 6-4.パパみたいに/エリザベート
 6-5.私だけに/エリザベート

7.Out tonight/RENT(MARIA-E)
8.Take Me Or Leave Me/RENT

9.shallow/『アリー』 レディ・ガガ(MARIA-E)
10.ドラえもん/星野源(青山)
11.locomotion/Beautiful(MARIA-E)
12.Does Your Mother Know?/マンマ・ミーア(青山)
13.For Good/Wicked

<Encore>
14.キューティー・ブロンドメドレー

・・・

2人の初共演にして唯一の接点は『キューティーブロンド』の共演ですが、郁代ちゃんがMARIA-Eちゃんを知ったのは彼女の舞台(ミュージカル)デビュー作の『Beautiful』。同作でMARIA-Eちゃんが歌い演じた「locmotion」に射抜かれ興奮して、帝劇帰りにその日キャロル役だったあーや(平原綾香さん)のインスタストーリーでたまたま音がバックに入っていたMARIA-Eちゃんの「locomotion」を聞きまくっていたとの郁代ちゃん談。MARIA-Eちゃん、それは初めて聞いたそうでとても喜んでいました。

実のところ、結構年齢が離れた郁代ちゃん(先輩)・MARIA-Eちゃん(後輩)の関係なのですが、いろんな意味でそんな距離を全く感じないのが良くて、MARIA-Eちゃんも言うこと言うけどサバサバしている(いろんな人に「いーちゃんが男性なら彼氏にしたい」と言われるそう笑)し、郁代ちゃんもMARIA-Eちゃんのパワフル&エネルギッシュなところを推していることもあり、お互いが好き合っている関係。

郁代ちゃん曰く「自分が若かったころ(本人談です念のため)は同年代にそういうパワフルな人がたくさんいて刺激をもらってきて。MARIA-Eちゃんはその時のころを思い出させてくれるようなパワフルさを持っていて、魅力的に映って、今回ぜひ一緒にやりたいなと」

それを受けてMARIA-Eちゃん「そういうアグレッシブさは若い頃にスポーツをやっていたり、母親が厳しかったりしたので、その辺が理由にあるかもしれません」と仰っていました。

とにかくキャラが被らないのに、それでいてお互いの魅力を好き合っているためか、2人してポジティブしかない空間なのはとっても良くて、特にラスト、『キューティーブロンド』での10曲超のメドレー(主に郁代ちゃんがさーやパート、さーや以外をMARIA-Eちゃんが担当)は圧巻で物凄かったです。言われてみれば本編になかったですね、キューティー(笑)。

「パパみたいに」と「私だけに」のエリザメドレーな郁代ちゃんもぴったり。ちなみに、「エリザに出てそう」とよく言われるそうです、郁代ちゃん。あの女官の中に入って前かがみしてる印象があるそうです。たしかに(笑)。

途中は質問コーナーということで、実は「ダブルブッキング入っちゃって、ラジオに行ってきます」ということでお着換えの上ラジオコーナーが始まるという、茶番が(笑)

ここでの質問はメールで寄せられたものと会場で募集されたものを、箱に入れておいてそこから抜く方式ですが、「客席から引いてもらいましょう」と郁代ちゃんから選出された私が引いた質問が、実は私の質問だったという、どんな確率でしょうかそれという話で。

ちなみに私の質問は「お互いの好きなところ、お互いの苦手なところ」でしたが、完全に前者で時間を使い切るぐらいの相思相愛でして、先輩風を吹かせない郁代ちゃんと、後輩としての遠慮がないMARIA-Eちゃんのバランスは絶妙。
郁代ちゃんがMCで話していたのですが、「いつもは同じようなタイプの人とライブをするけど、MARIA-Eちゃんとはタイプが完全に違うので、いつもと違ったものが産みだせていると思う」というのがその通りで、ライブの随所に新鮮な風が吹いていました。

質問コーナーの途中では、郁代ちゃんが「ドラえもんが好きすぎる」ということで、ピンク系のドレスの上に、青色の服(ドラえもんバッチ付き、中国サイトで購入笑)を羽織って大立ち回りしまくってて笑えました(笑)。ちなみに、郁代ちゃんのドラえもん好きは昔からで、海宝直人さんもドラえもん好きということで、郁代ちゃん&海宝さんと一緒のライブでドラえもん歌おうとして、海宝さんは賛成してくれたけど、あとの2人(ちなみにすどかなさんとtekkanさん)に全力で拒否されたので断念したそうです(爆)

・・・

質問コーナーで面白かった回答が「また共演したい人は誰ですか」で、MARIA-Eちゃんは『beautiful』で共演した剣幸さん。剣さんは出番の時間がそれほど長くなかったので、楽屋にいることが多くて楽屋にお邪魔して甘えさせていただいて、とても嬉しかったと話していました。

郁代ちゃんは「前座長(『人生のピース』の花代さん)ということになるのでしょうが、その方以外ということになるとまずは知念里奈さん。私が『レ・ミゼラブル』のコゼットをやっていた時のファンテーヌで、私がコゼットで悩んだり悩んだりした時に、本当に親身になって優しく声をかけていただいて。掛けていただいた言葉がどれも優しくて、本当にミュージカル界のマリア(聖母さま)なんじゃないかと思って、ぜひまたご一緒させていただきたいです。

もうお1方が新妻聖子さん。

『レ・ミゼラブル』だけでなく『ミス・サイゴン』でもご一緒させていただいて、たまたま『ミス・サイゴン』をやっている時に『レ・ミゼラブル』のコゼットの最終オーディションで。緊張している私を見つけた聖子さんが声をかけていただいて。

聖子さん「郁代ちゃん、何緊張してるの?」
郁代ちゃん「コゼットの最高音が出るか不安で」
聖子さん「(郁代ちゃんの顔をじっと見つめて)
     郁代ちゃん、出ない音はないんだよ

それを聞いた郁代ちゃん、「そっか、出ない音はないんだ(笑)」って思えて、オーディションに臨めたのだそうです。

そのエピソードを聞いて「出ない音はあるよ!」とツッコんでいたのがMARIA-Eちゃんだったというのが、中々の面白い空間でした。
「そりゃ、(聖子さんは)出ない音はないと思いますけど!」という(笑)

そして、郁代ちゃん、「聖子さんのように、後輩にそういうことが言える人になりたい」とまとめられていました。

・・・

聖子さんは独立独歩な印象がある人ですが、1年半ほど前に聖子さんがSKE48の歌唱力コンテストで惜しくも3位になった(聖子さん自身は1位の評価をしていた)(野島)樺乃ちゃんを「歌が良かった、伸びしろがある」と励まして樺乃ちゃんの今があったり(AKBグループ歌唱力決定戦第1回で優勝し、今年7月に初のSKE選抜入り)、宝塚雪組トップ娘役の(真彩)希帆さんを「歌声を大事にしていってもらって、いつか共演したい」と励まして希帆ちゃんの今があったり(今年7月のFNS歌謡祭でデュエット)するのを見ていたりすると、先輩からの後輩への接し方って大切だなと。

今回、郁代ちゃんがMARIA-Eちゃんに声をかけたのも、同じように感じていて、余り女優さん同士でそういうことやる方っていらっしゃらないんですよね。単純に「共演したから」以上の、世代を超えた魅力のキャッチボールが、1+1が2以上になっていたのがこの日のライブだと思えて。

MARIA-Eちゃんがイキイキとしていたから、郁代ちゃんもいつも以上に伸び伸びしてた。

郁代ちゃん的には、バンドに成尾さんがいらっしゃったのでいつも通り弾けても大丈夫という確信があったからだと思いますが(笑)、ミュージカル女優さんのライブの新しい可能性を感じられた、素敵なライブになりました。

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『怪人と探偵』(1)

2019.9.14(Sat.) 19:00~21:50
KAAT神奈川芸術劇場
2階E列1桁番台(下手側)

白井晃さん演出・脚本、森雪之丞さん作詞の日本オリジナルミュージカルの初日。

江戸川乱歩氏原作の「怪人と探偵」をモチーフにした作品で、怪人を演じるのは中川晃教さん、探偵を演じるのは加藤和樹さん。2人の間に多くの関係があるヒロイン・リリカ役を演じるのは大原櫻子さん。

内容的には上下左右どっちを向いてもネタバレの嵐でございまして、怪人と探偵が直接対決をすることぐらいしかネタバレ外扱いされないんじゃないか的な(笑)状態で、まず初日感想はネタバレしないよう努力いたします(爆)

作品全体としてはスタイリッシュという印象を受けるのは音楽が東京スカパラダイスオーケストラだからかなと。制作的にもPARCO劇場さんが入っていますから、一言で印象を言うと「PARCOみたいな感じ」でございます。軽やかな音楽に乗せて、重すぎず薄すぎず、ウェルメイドなオリジナルミュージカル。

ウェルメイドって言葉でミュージカル作品を喩えるのって、PARCO作品に多かった印象があるんですよ。昔の『GOLF THE MUSICAL』みたいな。今回の作品と全く色合いは違いますが、「ミュージカルとして肩の力を入れる必要が全くなくて、でもミュージカルでしか表現できない世界観」というのが「ウェルメイド」だと思ってます。

怪人二十面相なあっきーは、「暴走させると光るあっきー」な先入観そのままに生き生きしてるし、対する和樹氏のカッコよさは素晴らしいし、(大原)櫻子ちゃんは華があって好印象。由美子さんは相変わらずただ者じゃない役やらせると印象の強さを醸し出してるし。

登場人物としては和樹氏の秘書のフランク莉奈ちゃんが面白かった。ふと見てて思ったのがジュリエット出身者はKAATで面白いことになる法則でもあるのかと(注釈:昆ちゃんは『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役で彼女史上初めてコメディエンヌをやってました)。

ヒロインの櫻子ちゃんが「リリカ」役で、メイドさん演じるアンサンブルに加藤梨里香(りりか)ちゃん(メイド力が凄い)がいて、それでいてあっきーが「リリカ!」と叫ぶと、私的にはさらに別の方しか思いつかないという摩訶不思議な空間でした(爆)

全体的に1幕はまったり感が強いというか、物語がなかなか進まないもやもや感があるけれど、謎を各所にちりばめた分、2幕でそれぞれが解き明かされていく中で段々とカタルシスになっていくのかと。最後どう仕上げるのか不安だったので、何とかまとまって良かったという感じでした。

オリジナルミュージカルって着地点が見えないから、作り手としても不安の中でやってきたのだろうし、演出家さんを信じてついていくと言っても、本当の反応は客席の熱量でしか測れないのは本音でしょうし。

その意味で自然にスタオベになった初日は「良いもの見せてくれて嬉しい!」が客席から伝えられた、とっても良い初日だったなぁと。
「なんか良かったねぇ」が最初の感想で、話しながら「これも良かったあれも良かった、でも全部ネタバレだけど(笑)」と言い合うのが楽しい。よって今日もネタバレは完全回避です(爆)。

あえて言うなら櫻子ちゃんの役柄上の本名に「日本オリジナルミュージカル」の意味を感じたりして身構えしました。

あと、やはり自分にとっては高橋由美子さんの舞台復帰は大きかった。1年6か月ぶりの舞台復帰は、本当に色々あったけれども、blogでは一切それについて書くこともしてこなかったけれども、まずはこの日を迎えられて、そして作品の中で期待通りの在り方をしてくれたことにまずは心をなで下ろしました。

プライベートをどうこう思うことはしない信条ではあったけれども、同い年の社会人として、プロとして守るべきレベルを満たしているとはどうにも思えなかったので、今回の舞台で「プロとして」「ベテランとして」きちんとした存在で復帰されたことでようやく、自分の中でも一つの気持ちの納得がついてホッとしたのでした。

劇中で、櫻子ちゃん演じるリリカに、由美子さん演じるネコ夫人がかける言葉。
この作品の大きなテーマ「愛」の重さを経験で見せていた。
酸いも甘いも噛み分けた、ベテランだからこそヒロインにかけられる重み。

その2人が、カーテンコールで本当に仲良さそうにわちゃわちゃしていて。
由美子さんはカーテンコールで他の方とじゃれることは本当に少ないんだけれど、初日にたまたま櫻子ちゃんのドレスが落ちてきてしまったのを、由美子さんが自身のマントにさっと隠したのを櫻子ちゃんが感謝してて、何かとっても良い空間だったんですよね。

17年前、あっきーのミュージカルデビューをお姉さんとして見守った由美子さん。由美子さんの1年半ぶりの復帰に、時に触れて話を出していただいたあっきーの恩返しの温かさにも心から感謝しています。

9月末までの横浜公演、内容含め楽しめそうです。

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『スジナシ』(2)

2019.9.10(Tue.) 19:00~21:00
赤坂BLITZシアター E列1桁番台

即興芝居をライブでやる「スジナシ」、3回シリーズの中日に笹本玲奈さんがゲスト出演ということで、いそいそと行ってまいりました。

最近はライブ形式でこの劇場で公演するようになった「スジナシ」ですが、もともとは愛知の放送局、中部日本放送(CBC)で16年間テレビ放送されていて、実は当時、玲奈ちゃんも出たことがあります。

その時(2013年)の舞台はライブハウス。鶴瓶さんとゲストの2人芝居。

当然事前の打ち合わせも一切なし。その時はライブハウスにやってきたボーカルの玲奈ちゃんが、そこにやってきた鶴瓶さんの設定をいつのまにやら「ライブハウスのスタッフの人」ということに仕立てて、「自分のバンドの他のメンバーがやってこない、どうしよう」というていで、慌てつつも、鶴瓶さんに勧められて1人で歌う。

その時鶴瓶さんがリクエストしたのが「オン・マイ・オウン」でして、その時点で既にエポニーヌ10年選手の玲奈ちゃん、それはそれは素晴らしい独唱でした。

その時のことを鶴瓶師匠も覚えていらしたそうで、今回『ノーサイド・ゲーム』でラグビーチーム・アストロズのアナリスト・佐倉多英として評判になった玲奈ちゃんを呼びたい、ということになってから「玲奈ちゃんに歌ってもらう」ことは最初から想定していたとのこと。

それもあってか、舞台は「カラオケスナック」、つまるところ、歌がないわけないですよね(笑)。
何かを感じずにはいられない玲奈ちゃんの微妙な表情が面白すぎます(爆)。

・・・

この日の席番がE列ということで、「あぁ5列目だなー」とのんびりして行ったら、実は最前列(笑)。
そして席番は何と、どセンター。

トークパート(2人芝居やった後に、鶴瓶さん、ゲストさん、司会の中井美穂さんの3人で振り返りがあります)時、自分の目の前に、過去一度も着たことがないであろう、ど派手な豹柄の衣装を着た玲奈ちゃんがいらっしゃるというのは、何とも目のやりどころに困る事態(←いや、観てますよ…笑)。
この日の放送は同日深夜27時から放送がありましたが、4回ぐらい映像に抜かれていました(爆)。

衣装もお2人それぞれが選んで、最初の立ち位置を客席から募って、結局「2人がカラオケスナックのカウンターにいる」ところからスタート。鶴瓶師匠が後で仰ってましたが、これ設定が固まっちゃうんでかえって難しいんですよね(もう一つの候補は「片方だけカウンターにいる」設定でした。この方が方向性が広い、との師匠談)。

客が来ないカラオケスナック(ちなみに店名は「タエ」)で、ど派手な服装の鶴瓶師匠がぼやく、豹柄玲奈ちゃんが愚痴るという流れから始まりますが、いきなり「私も離婚してさ、5千万持ち逃げされてさ」って言い出す玲奈ちゃんに師匠が「いいんかお前」ってびっくりしたそうです(客席に旦那様もいらっしゃったそうですので笑)。

そういえば本編開演前のパート、旦那様がいらしているという話を玲奈ちゃんから聞きだした鶴瓶さん、

鶴瓶さん「旦那様ってどんな方?」
玲奈ちゃん「アラジンみたいな人です」
中井さん「アラジンですか、ランプの精ですか」

というところが中井さんが黒すぎて(ただの天然かっ)爆笑してしまったことを申し添えます(爆)。

話は戻って。

2人の掛け合いで、お互いが探りながら着地点に辿りついていきますが、ここが役者さんごとにアプローチがなかなか違って、玲奈ちゃんの場合は、それほど素っ頓狂なことをやらないタイプ…と鶴瓶さんも客席も思っていたところが…

実のところ後半、「玲奈ちゃん演じる娘は歌手になりたかった」って話でいきなりスタッフさんをステージに上げ(レコード会社のプロデューサーさん名目)、玲奈ちゃんに歌わせる。

師匠がタッチパネルが使いこなせずに(爆)カラオケ屋さんのスタッフ呼ぶという名目で入れたのがAIさんの『Story』(本当は『ミス・サイゴン』の「命をあげよう」を入れたかったそうです)。

玲奈ちゃん、慌てふためき「歌えない歌えない!」と言いながら最後は腹を括っての歌唱。
歌詞を読むと分かるのですが、この歌詞を「娘から母への感謝の気持ち」という空気にして歌い上げた玲奈ちゃんが素晴らしかった!!

実はこの曲、「聞いたことはあるけど歌ったことがない」曲だったそうで、ということはほぼ初見。
それなのに、流れる歌詞で気持ちを構成するなんざ、さすがミュージカル女優さんの本領発揮。

が。それで終わらないのが今の玲奈ちゃん。

舞台終盤、「歌いたい気持ちが高まってきた!」という乗りで「オカンも踊ろう!」ということで、ミュージカルハイテンション曲の1つ、『I Got Ryhthm』(クレージー・フォー・ユー)で玲奈ちゃん踊りまくりに鶴瓶師匠を付き合わせる。

息上がる師匠、そして幕(笑)。

鶴瓶さん「なんで躍らせるんや!(笑)」
玲奈ちゃん「歌わせたじゃないですか!
  目には目を、百倍返しだ!(会場爆笑)」

という、玲奈ちゃんらしからぬ(実はいたずら好きな本性出しての)とっても面白いひとときでした。

・・・

「知る人ぞ知る存在」から、「かなりの人が知ってる存在」になった玲奈ちゃん。

そんな時に、スジナシで今の玲奈ちゃんらしさを前面に出せたのも余裕の証。
ミュージカル女優ここにあり!を軽やかに表現されていた玲奈ちゃん、素敵でした!

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『綿引さやかソロライブ』

2019.8.25(Sun.) 18:30~20:50
六本木クラップス

同所でのライブは1年2ヶ月ぶり、
ソロライブは2月の渋谷以来6ヶ月ぶり。
びびちゃん久々のソロライブということで、「夏の最後の思い出」づくりに行って参りました。

この日は昼夜2回回しでしたが、日程の都合上、夜だけの参加です。
(昼の時間に予定していた別のイベントが抽選に外れ、その段階で昼がもう完売だったのでした。皆さんに「昼もいたんじゃないんだー?」て不思議がられました(笑))

前回の渋谷公演と同じく、第1幕が朗読劇、第2幕がコンサートという構成。
脚本は前回と同様「最高はひとりじゃない~2016~」の共同脚本・馬場巧さん。

渋谷公演の時は馬場さんが相手役として演じられていましたが、今回は「シスター」ということで「姉妹」の物語。
お相手するのは何と、びびちゃんのマネージャー、瀬戸山さんです。

最初の5分前説明の際に登壇されていて「えっ?」と驚いたのですが(しかもお上手だった)、本編も50分ほぼ出ずっぱり。

女優さんのマネージャーさんといえば、FCイベントで司会したりする方はたまにいらっしゃいますが、今回、びびちゃんたっての希望(だったそうです)とはいえ、これだけの長い時間の朗読劇に出演され、全うされたのは素晴らしかったです。

今回のテーマである「シスター」は、同じ父親を持つ、生年月日が同じ2人の女性、でも離れてから16年も経つ2人の女性。

びびちゃん演じる女性を女性A、瀬戸山さん演じる女性を女性Bと便宜的に呼称しますと、女性Aが女性Bのとある近況を耳にして、「この機会しかないかもしれない」と会いに行く。

当時を振り返って「楽しいこと縛り」で話を進めようとするも、どうにもぎくしゃくする2人。
でも話していくことで、当時は近すぎて反発するしかなかったことも、一つ一つ誤解が薄れていく。

同じ誕生日、占いをしたらいつも同じ結果、でも中身は違う2人。
分かり合わなきゃいけないと理屈ではわかっていても、感情が先行した過去。でも今出会えた時を、無にはしたくないと思う2人。

女性Aの女性Bへの気持ち、女性Bの女性Aへの気持ちには忌憚がなくて
普通なら女優さんの相手役は、仲の良い女優さんにお願いしたりするはずなのに、でもそれよりずっと相応しく見える。

女性Aの言葉と行動の節々にびびちゃんらしさが見え隠れして。
笑顔の裏に、普段は出せない苦しみを持っているように思えたり、頼ることがなかなかできなくて強がったりしがちな面だったりを、女性Bを演じる「マネージャーさん」が「頼って欲しい、力になるから」と答えてる様って感動しかなくて。

空想なのか現実なのか、その境目を感じないのがいい脚本なのかなと思いながら、感動のひとときを過ごしました。

第2部でびびちゃんがMCをされたときに、瀬戸山さんのことを紹介するとき「マネージャー」ではなく「クリエイティブスタッフの一人」と称されていたのは、「綿引チーム」として、びびちゃんが一番光るために何をすべきか、というマネジメントをしっかりされたことに対する感謝の気持ちと思えてなりません。

2幕でびびちゃんが語っていたMCで「自分が思う限界より、色んな人から勧められることを聞いてみた方が世界が広がるような気がする」という言葉が印象的で。

そんな流れで歌ってたリトマのアースラは、びびちゃん本人むっちゃ楽しそうでしたが、ホント生き生きしてた(笑)
「NBAバレエ団」からのオファーでしたね(一応ですが去年はちゃんとアリエルのオファーでしたよ(笑))。

というわけで今更ですが2部セットリスト。

●2部セットリスト
1.Don't rain on my parade/ファニー・ガール
2.Part of your world
 /リトル・マーメイド(アリエル)
3.あわれな人々/リトル・マーメイド(アースラ)
4.Before it's over/ドッグ・ファイト
5.スピーチレス~心の声~
 /アラジン(実写版)
6.locomotion/Beautiful
 ※みんなで歌おうコーナー
7.日本の唱歌(四季)
 →2019年3月、スウェーデンで披露された時の動画がこちら
  その時に披露された「オン・マイ・オウン」(英語)の動画がこちら

●アンコール
1.The Big Show
 /In This House~最後の夜、最初の朝~
2.umbrella/original

第2部はMCたっぷりでのコンサートで1時間。

5月のHollywood Bowlで「仲間として『普通』に迎えてもらったことが本当に嬉しかったと(この日に映像が流れてましたが今回はアンドリーナ役。四季では磯貝レイナさんがやってた役ですね)や、3月のスウェーデン国王・王妃の前での場の話もたっぷりと。

度胸はあるのにエピソードも必ず付いてくるのが、びびちゃんらしくてさすがです。いっぱい笑いました。

一番ツボったのは「お酒を飲むと壁とジャンケンしてしまうので皆に飲むのを止められている」でしたが(笑)

それ故、モヒートに憧れていて1部の朗読劇にちなんだオリジナルカクテルは、パインアップル風味ミント混ぜの「シスター」でして、美味でした。

「スピーチレス~心の声~」は「ブラバンディズニー」東京最終日のみで披露された曲でこの日が2回目ですが、このキャパですから、本当にすごかったです。

カーテンコールラストはびびちゃん作詞、久田菜美さん作曲の今回初披露「umbrella」。

友人の辛いことを気づいてあげられなかったことを知って、せめてわたしはあなたの「umbrella(傘)」になりたい、と歌われた曲は、びびちゃんの優しさと久田菜美さんの優しさが寄り添いあって高みに昇られていて、優しさと暖かさに包まれた、「綿引さやかライブ」に相応しいラストだったのでした。

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『人生のピース』(2)

2019.8.12(Mon.) 12:00~14:10
2019.8.12(Mon.) 17:00~19:10
東京芸術劇場シアターウェスト
昼/K列10番台(センターブロック)
夜/G列20番台(上手側)

5日間10公演これにて終演。

千秋楽は「フローラルマリアージュ」パートに客席からの拍手が入るという”千秋楽スペシャル"に5回のカーテンコール。空調効き過ぎ感のあるシアターウェストがものすごい熱量に包まれました。

仕込みとゲネプロ含めて1週間だと、この公演のように5日10公演が限界。
好評でも週末が1回しかなく、評判が伝わる頃には終わってしまうのは、やはりもったいない気がします。

結果として3回の観劇になりましたが、実はA席引換で見た月曜マチネが最後列ど真ん中で、ラストの(青山)郁代ちゃんのソロと目線が一緒、という壮絶な幸福感を味わいまして、なぜこの席が3回中一番安かったのだろうと(笑)

・・・

前回も書きましたが、この作品は婚活をテーマにしつつも、「結婚物語」ではなく「人生物語」なんですね。

それぞれの登場人物が人生の価値観を見つめ直した結果として、「結婚」にたどり着くも良し、「シスター」にたどり着くも良し、「友達」にたどり着くも良し、というのはいかにも今の時代ぽい。

ラストシーン、(木村)花代さん演じる潤子と婚活パーティーで知り合った金子さんとのエンディングをあえて結論を見る側に委ねているのは、そんな今の時代の多様性ゆえなんでしょうね。

今回は音楽が小澤さん(小澤時史氏)ということで、とても似た印象を受けるのがTipTapの”Life3部作"の最終作『Play A Life』。

妻を喪って生きる甲斐を失った主人公が「どう生きるか」を、妻との思い出を軸に、夫婦共通の後輩である教育実習生の前向きさを持って認識していく物語で、花代さんはその「妻」を演じていました。

そのときの花代さんは夫を元気づける側でしたので、逆と言っていいほどの立場なのですが、似ているなと思ったのが、「人生の選択は人それぞれ、だからこそ自分の人生は自分で決めなければならない」ということ。

「この年齢になったら結婚しないと」という世間体は当然、今のご時世にも存在するけれど、自分の人生を見つめて、必要な決断をしていくことでしか、自分の人生は拓けてこないんだろうな、と改めて思わされました。

主演を務めた木村花代さんは四季卒業以降しか拝見していませんが、驚くほどの小規模な舞台から大劇場に至るまで、幅広く務めてきたからこその今回の座長としての居住まいの確かさ。

実のところ、同級生3人娘は原作では34歳の設定なので、3人娘の中でリアル34歳に近いのは郁代ちゃんだけなんですよね(郁代ちゃんはまだ33歳)。座長としての重さとしてはやっぱり花代さんの経験が必要だったのかなと思います。

礼香を演じた青山郁代さんは先述の通り、3人娘唯一のリアル世代ですが、末っ子的な「甘え上手でちゃっかりやさん」というとっても郁代ちゃんらしうポジションを確保しつつ、「綺麗な顔してサラッと直球ぶっ込む」あたりがとってもらしかったです。
まぁ、全編に亘って毒舌担当はピッピとポッポの子役さんだったわけですが(爆)。

今回の作品の中で「マリアージュ」という言葉が出てきますが、語源は結婚とはいえ、「違った良さをもったものが混じり合うことで新たな良さをつくりだす」という意味でも使われていて。

それからすると花代さんと郁代ちゃんの歌声のマリアージュはもう最高で。
『ミス・サイゴン』『キューティー・ブロンド』『メリー・ポピンズ』と共演してきて、郁代ちゃんの花代さんへのリスペクトはもう疑うべくもないことが、歌声にそのまま乗っていて、2人の一心同体ぶりが素晴らしかったです。

・・・

セットを最小限に抑え、背景を絵で映す方式なのも新鮮でしたが、歌と歌声に支えられ、全く簡易さを感じられなかった素敵な作品。

難しいのだろうなとは思いながらも、また同じキャストで拝見してみたい作品です。

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