最近思うこと。

すっかりご無沙汰です。

舞台観劇がなくなってからはや2か月。

私の観劇日程上は、2月29日日生劇場『天保十二年のシェイクスピア』から始まった中止。
3月になると本格化し、多くの中止を経て、3月20日池袋BIG GREEN THEATERのミュージカル座『スター誕生』が現時点で最後の観劇となっています。
3月で観劇できたのは4作品。ミュージカル座『ロザリー』(綿引さやかさん)4回、地球ゴージャス『星の大地に降る涙』(笹本玲奈さん)1回、ミュージカル座『スター誕生』(大胡愛恵さん)1回、そしてライブの『one on one Live』(岡村さやかさん)1回。

そして5月15日現在で延期・中止が決まっているものは18作品54公演。

そのうち、宝塚大劇場公演で見られた雪組『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』、1度は見られた『天保十二年のシェイクスピア』、『星の大地に降る涙』は何とかなりましたが、以下の作品は見ることができませんでした。

・『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』
 (3月、生田絵梨花さん)
・『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』
 (3月、井上小百合さん)
・『ボディガード』(3~4月、新妻聖子さん)
・『CHOICE』(4月、大胡愛恵さん)
・『Violet』(4月、唯月ふうかさん)
・『EDGES』(4~5月、綿引さやかさん)
・『アイ・ハブ・ア・ドリーム』(5月、岡村さやかさん)
・『WEST SIDE STORY Season3』(5~6月、夢咲ねねさん)
・『ミス・サイゴン』
 (5~10月、青山郁代さん、松原凜子さん)

前者3つは1週間以内ではありましたが、3月20日頃から28日頃まで、わずか1週間の間のみ公演で、その期間は仕事の繁忙と諸々の疲れで観劇できず、週末を待ったところ3月20日頃の三連休で一気に環境が悪化し、土曜日から相次いで劇場閉鎖となり、再び見る機会が訪れることはありませんでした。
ちなみに、チケットの払い戻し手続きは大体半分ぐらい完了しましたが、現時点で払い戻し済みの金額合計と、今後払い戻し予定の金額合計が、それぞれで特別定額給付金の金額を超えております(爆)。

ICカードリーダライタまで買ってオンラインで申し込んだんですが、郵送より遅れるそうですね(笑)。

・・・

コロナ禍の中、明るい情報よりも気が滅入る情報が多く、改めて、観劇はじめエンタメは自分にとって大きかったんだなぁと感じます。とはいえ、先行きが見通せない中、あまりまとまった形で見かけない、『観劇する側から見た今後の演劇』に対して、色々感じていることを書いてみたいと、久しぶりにblogを書いています。


■インスタライブほか、配信花盛り

4月下旬あたりから急激に増加したのが、インスタライブをはじめとした動画配信。
インスタライブであれば1時間で強制切断ということもあり、日によっては1日いくつものインスタライブを梯子することになったりして、無茶苦茶忙しくなることも度々(笑)。インスタライブは2人までならコラボ(共同配信)もできるので、交友関係も垣間見れたりしてなかなか面白いです。毎日必ず配信している原田優一氏(15時~、インスタライブ)は凄いですよね。
人によってされない方もいらっしゃいますが、アーカイブ保存していただくとありがたい限り。24時間以内しか見られませんが、実は皆が在宅勤務になっているわけでもなかったりするので、昼間の配信分についてはある程度保存していただいた方が気持ち的には有難く思ったりします。


■動画配信、相次ぐ
普段はネットでは見られない舞台作品の動画配信も相次いでいます。TipTapさん、ミュージカル座さん始め複数の配信がされていますが、気にかかるのは配信が基本的に無料配信であることです。
有料配信だったのはconceptさんで、有料配信プラットフォームの貸し出しもされていたりして、おそらく今後はいかにして広い範囲から課金して収益を上げるか、という段階に入ってきているように思います。

良きにつけ悪しきにつけ、限られた人が見るという演劇の世界に比べれば、例えばアイドルの世界や声優の世界だと、課金ということが少額でラフに行われている傾向があります。SHOWROOMの投げ銭だってそうですし、ゲームの推し関連アイテムとなれば、スマホ連動の課金がかなり容易になっています。
今回のことをきっかけに、今まで舞台を見なかった人に見てもらうような試みをして裾野を広げておき、再開した暁には劇場に新たな層を呼び込むことが必要なのではと感じます。


■動画は見るかというと
ただ、その相次ぐ動画配信を見るかといわれると、実はそのハードルって結構高いんですね。
劇場で舞台を見るのは2時間3時間気にしなかったのに、家で見ると同じ時間集中するには、いろんな雑音(音というより視界に入るもの)が多すぎるんですね。劇場に入れば、その時間はスマホも切れるし、携帯も切れる(切らない人は何でそのメリットを感じないのかよくわからない笑)。もともと物語に没入しようという「意思」を持って行っているから、意識が散逸しない。
それに比べると、家で見るのは存外にハードルが高いんだなぁと思うわけですが、思いつくもう一つの理由が、「舞台映像を見ると、『舞台をやっていない』現実を否が応でも思い知らされる」のが辛いんじゃないかなと感じています。普段は「劇場に行って非現実に浸っていた」のに、今舞台動画を見ると「劇場に行けない現実を知らされる」のではないかな、と思ったりします。


■舞台を再開するには-全国ツアー公演の弱み
空前のミュージカルブームと言われた2020年ですが、どの作品も中止になっているとはいえ、目立つのは、長期間の作品、いわゆる全国ツアー公演を行う作品が、かなり早い段階で中止になっているということです。東宝作品だけでも『エリザベート』『ミス・サイゴン』『ジャージー・ボーイズ』等々。

基本的に東京公演を1か月単位で行い、その演出とセットを基本的に移動させることで行っている全国ツアー公演ですが、今回のコロナでは「都道府県をまたぐ移動を極力避けるよう」が大きなウィークポイントになってしまいました。キャスト、スタッフそしてお客さんの安全をどう担保するか。他地方から公演地に感染者を持ち込んでしまったら、興行元は地方主催者に対して大きな損害を与えてしまいかねず、興行元としてもそのリスクを許容できなかった、ということなのでしょう。


■舞台を再開するには-海外スタッフの存在
今回のコロナは全世界的な感染症であるために、海外が権利を持っている輸入ミュージカルにあたっては、かなり多くのスタッフを海外から招かざるを得ず、これも全国ツアー公演作品の大きな弱点となりました。
海外から持ち込まれた場合、もしくは日本から持ち帰った場合、どちらも大きな問題になることは間違いなく、一国・一興行主・一作品だけの問題ではない、高度な判断が求められたということになります。
公演前2か月の時点で多くの作品が中止になっているのは、具体的な準備に入れないからということが大きいということのようです。


■舞台を再開するには-演者内のリスクとは
当初はあまり言及されていなかったことでようやく認知されだしたのが、稽古や本番における役者同士の空気の共有です。『ミス・サイゴン』の某出演者が「この作品は濃厚接触のミュージカル」と言っていたことは言いえて妙で、他作品の演出家さんですは「今までのように(距離が近い)ラブシーンは難しい」と言及された方もいらっしゃいます。

また、5月14日に公表された業界団体(全国公立文化施設協会(公文協))による「舞台再開ガイドライン」に記載された「(演出上困難な場合を除き)マスク着用が望ましい」という表現は、「そんな姿を見たいと思う人がいるのか」という類の、かなり強めの反発も見られます。

ただ、この表現は「舞台を行うにあたって『必要な対策を講じていた』と説明できるレベルでないと、キャストもスタッフも、もちろんお客も安心して舞台を見ることができない」という前提をきちんととらえる必要があると思います。

舞台好きにとって、大好きな舞台を見られないのは辛いことです。でも、無理矢理に「舞台を開く」ことを目的にし、リスクを見て見ぬふりするのであれば、それは安心して見ていることはできないし、心から応援することはできないように思います。

ただでさえ、コロナに関しては見えていないことが多すぎ、感染すれば、完治しても肺に『舞台の特性上必要な技術』の点で元に戻らない可能性もある(スポーツ選手について言及されていましたが、歌唱や台詞などについて、役者さんも似ている部分があると思います)となれば、一時の焦りで再開を早まるべきではない、と思います。


■舞台を再開するには-客席の座席配置について
もう一点強く反応があったのが、いわゆる客席のソーシャルディスタンス対応という、販売客席の間を空ける手法で、すでに映画館ではこの方法が多く取られてきました。ですが、それを遵守すると収容人員の15%~20%ぐらいしか入れられず、現実には開催するだけ赤字、という状態になります。

この点についての公的補助の要請は今時点では聞いていませんが、「Go To Theater」施策として、販売できない座席について原価ベースでの補助(もしくはそれに相当する会場費用の負担)を働き掛けてもよいのではないかと思います。

舞台・イベント関係は2月末から、他業態に先駆けて自粛をしたものの、その費用は全く補填されていません。「あくまで要請にすぎないので休業補償は行わない」という政府に逃げを打たれてしまうと、それに反駁する有力な理由を出せずにいます。

座席配置の間引きをしたうえで再開するのであれば、前提として補助に類する政策の保証を受けたうえで採算計画を立てるべきと考えます。


■舞台を再開するには-新しい作品を作る余裕があるか
2月末以降の公演の中止に関しては、基本的にすべての作品でチケット代の払い戻し(興行元によっては手数料・送料も含めた払い戻し)を行っており、興行元の損害は甚大なものがあります。生じた損出についてクラウドファンディングを募るケース(ミュージカル座、わらび座さんなど)も出ています。

現実、作品を1つ上演したその収入を持って次の作品の制作費に充てていたケースも少なくないとみられ、次の作品が制作できない、ホールの使用料のキャンセル代が少しでも少ない段階で中止を決断せざるを得ない状態もあると聞きます。

稽古に入れず終わった作品もあれば、稽古はやったが本番ができなかった作品、本番の公演が予定通りに打てず回数を減らした作品、それぞれ様々な事情があります。

ただ、次の作品を作る金銭的な余裕がないことを考えると、現実的にありうるのは、「公演を予定していた作品をスライドして公演する」ではないかなと。権利関係を(この非常時なので)ある程度そのまま引き継げると思いますし。(一部作品では再演の可能性を検討し始めているという話も聞きました。)

スライドの期間は興行主によって違うでしょうし、現時点で知る限り一番短いスライドは6か月(ミュージカル座さんの『アイ・ハブ・ア・ドリーム』が5月中旬から11月上旬へ)。一般的には1年スライドが現実的な線でしょう。

ただ、1年延長された東京オリンピック・パラリンピックが実施できるかどうかはワクチンが開発できるかにかかっている、ということと全く同じ問題点を抱えます。「感染している人かどうかが確認できない」というコロナの特性も、この問題を難しくしています。

各興行主が足並みをそろえてスライドすれば、キャストさん、スタッフさん、劇場もそのままスライドできますが、現実にはすべてそうなるわけではないので、改めての調整となるでしょう。


■舞台を再開するには-ガイドラインは貴重なたたき台
前述した「舞台再開ガイドライン」は原文こちらを読むと、かなり多方向に微にわたり細にわたり記載がされていて、舞台側の立場も、社会側の立場もそれなりに踏まえて書かれています。少なくとも「理由をつけて舞台を止めさせよう」などというものでは決してなく、「いかにしたら舞台をやれるか」ということに対してリスクを抽出した文書に読めますので、その『思い』は大切にすべきではないか、と思います。

・表面上、症状が出ている方は入場不可
 この点については、「払い戻し可」をセットにすべきと考えます。劇場のリスクを減らすためには「調子が悪ければ払い戻しできる」というのはリスクの回避費用として必要なものと思います。

・稽古場、舞台上でのキャスト、スタッフの「三蜜」対策

・入場者のトレース(連絡先の確保)による万が一の時の感染調査ルートの可視化

この3つを最初にやろうとしているのは、今のところ6月下旬から再開予定の劇団四季さん。何作かの新作は断念し、実績のある既存作に限定して作品を間引き、稽古場の蜜を防いでいるとのことですので、それが新しいスタンダードになることを願っています。

東宝さんは海外・全国ツアー公演が多く、おそらく今年内は身動きが取れませんし、宝塚さんは2月~3月に一時的な公演再開が少し早かったという理由だけで最前方でかなりの非難を浴びており、なかなか先陣を切ることは難しいと思いますので、動向を見守っていきたいと思います。

その時に大事にしてほしいのは「なぜこうしなければならないのか」のきちんとした共有です。
興行主の都合だけでなく、キャストとスタッフ、お客さんを守るために、舞台を守るために必要であるという説明と、その理由をきちんと説明すれば、まさに同じ方向を向いて乗り越えようとしてくれるはず

人を動かすのも、舞台を動かすのも、「言葉」「思い」だと信じています。

| | コメント (1)

『星の大地に降る涙』

2020.3.20(Fri.) 14:00~17:00
舞浜アンフィシアター 22列10番台(下手側)

初日公演です。

元々は3月10日(火)開幕を予定していたこの作品でしたが、新型コロナウィルスに伴う大規模イベントの自粛要請を受けて2回にわたって開幕を延期し、この日が初日になりました。

舞台関係は概ねこの日からの再開が多く、前日19日に政府専門家会議からの「主催者がしかるべき対応をとる前提で一律の自粛要請としない」主旨と捉えたものと思われます。

そして個人的な私のことを言ってしまうと、この作品のもともとの初日・10日は観劇予定でお休みを取ってましたが流れ、そしてこの20日・21日は梅芸で『ボディーガード』を観劇するために遠征の予定でした。

ところが、状況を鑑みて3日前に遠征中止。
JR東海ツアーズ様、東横イン様、梅田芸術劇場様のお蔭ですべて無手数料取消となり、まだこの段階では公演予定があったため、若干の心残りはあったのですが、20日午前2時台に3月20日~22日の公演中止が発表され、あのまま強行することにすればどうなっていたか…。

大阪行きがなくなったため、前日に急遽舞浜の20日のチケットを取りました。
今回、仮に公演中止になっても、また万が一体調不良で自ら止めても払い戻しがされるためリスクは低いと判断しました。

今回、主催者の方の配慮で公演を行う場合にも払い戻し可というケースが多いですが、公演のリスク低減のためにも必要な策と思います。払い戻しがないと無理して来ちゃう人もいるでしょうから。

ともあれ、会場の舞浜アンフィシアターは実は初めて来ました。
東京ディズニーリゾートが営業休止中のため、休館中のイクスピアリでしたが、舞浜アンフィシアターへの最短ルートになる関係で、開演2時間前~終演2時間後までチケットを提示しての通行が可能です。

この日朝には、急遽『SHOCK』の当日休演が発表されて、びくびくしながら会場に向かい、開演しそうとわかるまでは結構不安でした。

会場では入り口でアルコール手指消毒があり、係員の方がハンディサーモグラフィーを持って熱を計測。
物販はパンフレットのみで、パンフレット以外はweb(アスマート)のみでの扱いとなり、自販機も販売中止、ペットボトルのみ販売。

滞留しないよう随時声かけが入るのと、退場時の分散退場(ブロックごと)ぐらいが変わったところでしょうか。
特に分散退場は滞留防止にかなり効果があったので、事前告知の上で(帰りが急ぐ方もいるでしょうから)、他でも有効活用できればいいなと思います。

考えられうる最大限の対策を取った感じです。

・・・

作品の話にようやく移行しますが、この作品は「地球ゴージャス25周年記念祝祭公演」と銘打たれ、今まで再演がなかった地球ゴージャスで初めての再演作品となります。

海に投げ出され、島に流れ着いた一人の男を演じるは新田真剣佑さん。
部族・タバラ族が暮らすその島で彼を優しく介抱するのはタバラ族の女神・ステラ、演じるは笹本玲奈さん。
その男を運んできたシャチにあやかり、とっさにその男を「シャチ」と名付けるあたり、ステラはなかなかの天然キャラでもあります(笑)。

タバラ族の女神として、自然に女神として崇められるに相応しい存在感と歌声。
誰にも優しく振る舞い、それでいてその天然さから、お高く止まっていない様を見せる。しかもそれを計算高さを一切見せずにいる様は、「演じている」ようにまったく見えなくて、玲奈ちゃん当てがきですか、ぐらいな嬉しい驚きです。

脚本は再演にあたって岸谷さんが変えているそうで、岸谷さんには玲奈ちゃんの天然さんは見抜かれているようなので(笑)、その辺りがとってもしっくり。

真剣佑さんのシャチが不器用ながらもまっすぐで、心が折れてしまいそうになるとき。
タバラ族と人間(和人)が争うことを止められず、大切な人を次々失ってしまうとき。

それでも、玲奈ちゃんが見せるステラは、人を信じること、人を愛することを決して諦めないんですね。
この人は、本当に人を恨むことも憎むこともしないんだろうか、そんな不思議さにかられるほどのまっすぐな心を感じさせる存在。

母となってから演じるからこそ、自ら子供を育てることのリアルさ、温かさを感じるし、本当の強さも伝わってきて、女性の偉大さをすごく感じます。

この作品は地球ゴージャス唯一の再演作品となり、企画時点では「初演段階で願っていた『反戦』がいまだなくなっていない」ことに慄然としながら決めた再演だったと聞いています。

ところが、もちろん反戦へのメッセージはダイレクトに伝わってくるものの、この日10日遅れでようやく初日の幕を開けられた中で感じたこの作品のメッセージは、「コロナ前」の「戦いというものの無意味さ」だけでなく、今の「コロナ中」の「戦いというものがいつでも発生しうる社会の脆さ」をも同時に伝わってきて。

幕を開けたいと必死に思うだけではどうにもならなくて、そもそも敵がウィルスではなくて人間なんじゃないかと思うような日常の中、人が視野が狭くなると、自分のことしか考えられないようになってしまいかねない極限状態、それを目の前で見せられているような気がして。

だからこそ、「それでも分かり合うことが大切」と説く玲奈ちゃんのステラは、眩いほどに神々しくて。そして、お母様になった玲奈ちゃんだからこそ、いや、玲奈ちゃんでしか出せないオーラで、今この『星の大地に降る涙』のステラ役で拝見できたことの嬉しさに涙が出ました。

元々こういう事態になることを予想だにしていなかったのに、ここに女神そのものの玲奈ちゃんがいてくれる心強さ。
「ウェスト・サイド・ストーリー」のSeason1のマリアシングルキャスト13連投といい、最近の玲奈ちゃんのハイパーぶり凄い…。

カーテンコールでは、客席からの拍手が本当に長くて、いつまでも鳴り止まなくて、舞台上の皆さんもみんな涙を流されていて。本当は泣き虫の玲奈ちゃんは最後は涙涙でした。

そんな中、岸谷さんからのご挨拶も涙涙。
長い長い初日への日々でした。
 世界中がこのような状況の中、この劇場においでくださったお客様1人1人に本当に感謝します。ありがとうございました。また皆さまにごらんいただける機会があることを願っています」

本来なら満席で埋まるであろう舞浜アンフィシアター(1900席)もこの日は6割の入り。それでも、舞台に立った皆さまは客席からの拍手が何よりのエネルギーになったと思いますし、お客さんみんなの拍手は、初日を見届けられ、また明日への一歩が踏み出せる喜びに溢れていて、とても温かい時間になったのでした。

| | コメント (0)

『ロザリー』(3)

2020.3.8(Sun.) 13:00~16:00 J列10番台 月組前楽
2020.3.8(Sun.) 18:00~21:00 A列1桁番台 月組楽
2020.3.9(Mon.) 18:00~21:00 K列10番台 星組楽

六行会ホール(新馬場)

月組前楽、月組楽で観劇を終わるはずが、昨今の時勢で部署単位の強制での時差出勤(1時間前倒し)の結果、まさかの追加公演(星組楽/大楽)に間に合うことに。

というわけで、合計4回の観劇と相成りました。
月組2回、星組2回ですが、土日のジャンヌ・ベメールは入れ替わりだったので、ジャンヌは岡村さやかさん3回、井坂茜さん1回でした。もちろん分かってやったのですが。

久しぶりにパート割りして「ロザリー」の作品を
語りたいと思います。

●キーとなる「ジャンヌ」の存在
フランス革命、マリーアントワネットをテーマにしたミュージカルは多くありますが、『ロザリー』で特徴的なのは、マリーアントワネットの権威を失墜させたことで知られる「ジャンヌの首飾り事件」の主謀者の1人であるジャンヌが、物語を進めるかなり主要な位置にいることです。

今回は月組が井坂茜さん、星組が岡村さやかさん。

岡村さやかジャンヌは生きるテクニックに秀でた女性、井坂茜ジャンヌは生き残るエネルギーに溢れた女性、という印象を受けます。

「自分の生き残りやすいように動いてください」と言われて道が違うような、そんな感じ。

強烈な輝きを放つことでは同じなのですが、岡村さやかジャンヌが魅惑的なのに対して、井坂ジャンヌが魅力的。月と太陽のような好対照でした。

ジャンヌのセリフで印象的だったのが、
「頭の良い方が勝つのよ。私は負けたくない」という言葉。

貧民街で娼婦として生き、何としてでも生き残りたいと思ったこの時代の女性の、生命力を一心に集めた「誰もがなりたいけどなれない」あこがれの女性でありながら、成功者として嫉妬の渦の中に巻き込まれ、最後は裏切られて去っていく。

●フランス革命の勝者とは
かつては「民衆の勝利」と言われたフランス革命も、その後の恐怖政治とのセットで語られるようになってからは、この作品内でも語られるように「革命前の方が言いたいことが言えた」と言われるほど。

「昨日のヒーローが今日は罪人」と言われ、疑心暗鬼渦巻く世界は、同じ時代を描いた『ひかりふる道~マキシミリアン・ロベスピエール~』(宝塚雪組現トップコンビのお披露目公演)をも思い出させます。

誰もが羨むマリーアントワネット。
その権威が失墜した中、誰が勝利者か
…絶対的な勝者がいないとき。

その時代を描くときに、ただの少女の『ロザリー』をタイトルロールにしていることに、深い意味を感じます。

飢饉で父を失い、母を失い、何のために生きているのかわからない少女。絶望し、セーヌ川に身を投げながら、それでも生き残っている女性。
生き延びたいと生に固執するのではなく、脆く弱いながらも、生きる意味を見つけていく姿。

ロザリーは、何も持っていなかったかもしれない。
でも、愛だけはずっと持っていた。

マリーアントワネットは、
すべてを手に入れたかもしれない。
でも、愛だけはずっと持てなかった。

マリーアントワネットが最期を迎える前に出会った人生の最後のピースであるロザリー。
マリーアントワネットが自分の生きた意味を感じられた理由。

マリーアントワネットを演じた尾川詩帆さんは、その外見からどことなく冷たい印象を思わせるところがあります。その「誤解されそうな」ところがマリーアントワネットにどんぴしゃり。

対して、自ら役の上で辛すぎる運命を経験しながらも、他者への愛はずっと絶やさない、ロザリー役の綿引さやかさん。

2つの役と2人の役者が、これほどないほどにお互いを必要とし合った姿を拝見できたことは、何より幸せでした。

そして、ジャンヌとも併せて考えると、フランス革命の荒波の中、「勝つか負けるか」という主軸としてジャンヌを存在させ、対比してロザリーとマリーアントワネットとの関係が決して勝ち負けではない」不可分の関係として描いていたことを、とても印象的に感じました。

●ロザリーがついた一つの嘘
ロザリーという女性は、自分の気持ちに嘘を付かないことに関しては最初から最後まで首尾一貫していて、だからこそヒロインとして清々しいわけですが、ただ一点、ロザリーの言葉に「嘘」を感じる言葉があります。

最後のシーン、マリーアントワネットに対して言う
「あなたに罪はない」の言葉。

あえて言うなら、これはロザリーからマリーアントワネットに対する「優しい嘘」なのかと思うのです。

無実と無罪というのは用語として全く違う言葉で、貴族社会やフランス社会の中でスケープゴートにされた感のあるマリーアントワネットが「無実」だとして、では無実だから無罪かというと、必ずしもそうとは言えない。

しかも、マリーは自らのことを罪人としている。
「自分を愛せなかった」と告白した様は、「自分を愛せなかったのだから、フランス王妃として国民を愛せたなかった、だから私には罪がある」と言っているようにも見えて。

でも。
ロザリーにとってはマリーアントワネットが自らを罪人と思うかどうかには、関心がないのかと思いますし、少なくとも以前は憎しみでしかなかったマリーアントワネットへの感情が、「罪人として咎める必要は全くない」には変わっている。

同じ村で育ち、兄のように慕ってきたアランは投獄され死刑となったけれど、処刑される前に「自分の行なったことは間違っていない」と言い、「今はまだ社会が未成熟、まだよちよち歩きな社会が大人になるには、たくさんの犠牲が必要とされる」と。

マリーアントワネットが根拠のない裁判で死刑になる様を見ていても、いや見ているからこそ、ロザリーの感情も表情も民衆とともにはない。

民衆が我を失い、マリーアントワネットをスケープゴートにすることで、民衆たちは自分を恐怖から遠ざけようとしている…ように見えたのではないかと。

「こうあらねばならない」
…そんな強迫観念に迫られて意志なく決断するのではなく、自分が正しいと思う道を選ぶことこそ、ロザリーが示した道。

持って生まれた立場からは逃れようもない。
それはマリーアントワネットとロザリー唯一の共通点。
マリーアントワネットが逃げずに自分を貫いたからこそ、生き残ったロザリーが大事にしていくのは、どう生きるかということ
それを観客に問いかけているように思います。

・・・

「この時期に公演をすることの是非」は、きっと沢山問われただろうけれども、生きるために最善を尽くし、初日を開け、楽日まで走り抜けたこと、それはこの作品のテーマとも相まって、何だか奇跡のようなものに感じられました。

出演者の皆さま、スタッフの皆さまそれぞれが、抱える思いとともに公演前の期間、公演の期間を送られたのだと思います。そのご尽力に敬意を表しますとともに、とりわけ、久しぶりの主演で作品の幹、笑顔の核として存在し続けたロザリー役、綿引さやかさんの素晴らしさを改めて感じた公演になりました。

月組千秋楽、星組千秋楽の、正に魂を感じさせる思いの強さ。そこには執念すら感じるほど。

それは、今このとき、舞台をできていることの喜びであり、また、いま、舞台をできていない仲間へのエールに他ならないとも感じましたし、だからこそ、大楽カーテンコールでの涙ぐんだ姿は、重圧からの解放だったんだろうなと、心からじんとしました。

それでいて、涙ぐむ、びびちゃんを見つけ、(田中)利花さん、(今泉)りえさんやら、皆様がよってたかって(大笑)びびちゃんを笑わせにかかり(笑)、笑顔になって幕が下ろせるという、何というステキなカンパニー。

思えば、たくさんの舞台が中止になる中、2月いっぱいの千秋楽まで走りきった『Island Song』、そして舞台を開けることを決断されたこの『ロザリー』。楽日のこの日9日には、大規模劇場では初の再開となる『アナスタシア』(シアターオーブ)、そして宝塚大劇場(星組千秋楽)も再開。

バトンを渡した感のある、素敵な千秋楽になりました。
元々は完売公演だったこの作品、願わくば今回の事態が落ち着いたら、またこのカンパニーで拝見したいと、強く強く願っています。

| | コメント (0)

『ロザリー』(2)

2020.3.4(Wed.) 18:30~21:25
六行会ホール(新馬場)
C列10番台(センターブロック)

『ロザリー』3演目の初日、行ってきました。

先月後半以来の新型コロナウィルスの影響により、次々と公演が中止(切り上げ、開演延期)になる中、ミュージカル座さんは対策を講じての開幕を決断されました。

具体的にはマスク着用(持参できない場合は主催者が準備とのことでしたが、おおむね来場者持参だったように見えました。)と劇場内ロビー設置のアルコール消毒液による手洗い奨励の実施。500人クラスの六行会ホールだったからこそできたという考え方もありますが、現状を鑑みると一つの考え方として納得して向かいました。

同作品は2演目の2016年10月、同じ六行会ホールで拝見しており今回が2回目。その時はロザリーが浦壁多恵さん、マリーアントワネットは清水彩花さん。

今回はロザリーが綿引さやかさん(びびちゃん)、マリーアントワネットが尾川詩帆さん。詩帆さんがパンフレットでも(期待通り)触れられていますが、びびちゃんと詩帆さんは小中高の先輩後輩で今回が初共演になります。(ちなみにびびちゃんの先輩が声優の高垣彩陽さん)

「ロザリー」といってもミュージカル好きの方でないとどんな方か分からない感もあるかと思いますが、フランス王妃・マリーアントワネットが死刑執行になる直前まで収容されていたコンシェルジュリー監獄の牢番とされている実在の女性。

とはいえ、東宝版MAに通い詰めた身からすると(爆)MA再演を経て見た『ロザリー』は、MA再演にかなり似ていて(時系列逆ですが)、マリーアントワネットをただ愚かな女性としてだけで描いていないのが現代的。

共通点がまるでないはずのロザリーとマリーアントワネット。貧しい農家に産まれ、大切な人を次々と失い、自分の大切なものも失ったロザリー。ハプスブルク家から自らの意思がないままにフランス王家に嫁ぎ、表面的には栄華を謳歌した末に、全てを失ったマリーアントワネット。生きることに絶望しながらも生きてきたロザリー。そして、生きることに何の疑問もなく生きてきたマリーアントワネットは自らの死を前に自分の人生が何だったのか、その虚無に直面している。

出会うはずのない2人が、出会ったことで結びつき、「お互いの人生が意味のないものではなかった」と思い合う姿を見られたことは、びびちゃん&詩帆ちゃんペアだったこともあって、何だかとても重く深いものに感じました。2人の歌声を重ね合うパートが欲しかったなぁ。「憎しみの瞳」ほどぶつかり合わなくてもいいけど(爆)。

役者さんで印象的だったのは男性では木暮さん。実質的なロザリーの想い人にあたる方ですが、まっすぐを貫き通した結果、ロザリーが革命に対して疑念を抱くようになるピースとしてとっても光ってました。

(坂口)湧久くんも縦横無尽の大活躍。新聞売りの先導役が水を得た魚状態で怖いです(笑)。

そして水を得た魚状態といえば、かの有名なジャンヌは、月組は井坂茜さん。もう反則級の飛び道具で、あの時代を生き抜くための強かな生命力と小悪党感が最高です(←一応ですが褒めてますw)

マリーアントワネットの尾川詩帆さん。AWARDでもひめゆりでも拝見しているので初めてではないですが、先にびびちゃん主演が発表されたときに、予想&期待いずれもから挙げたのが詩帆さんだったので、今回拝見できて嬉しい。
未熟ゆえに貴族社会で孤立し、時代の波の中、フランス国中から孤立していく様は、滑稽な様を含めて、説得力をもって伝わってきました。

そして久しぶりの主演、ロザリーの綿引さやかさん。本来の持ち味のお嬢様的なポジションから一転して、革命を鼓舞するエネルギッシュな役回りをしっかりとこなされていて流石です。良い意味でそれぞれの登場人物と物語をしっかり作れる方なので、一人のパートでもう一段エネルギーが前面に出るともっと良くなるかなと思いました。

とはいえ、特別な思いで迎えたであろうこの日のカーテンコール、詩帆ちゃんとひしっと抱き合い、カンパニーみんなで手をつなぎ、舞台0番で笑顔でお辞儀をされたびびちゃん。そしてカンパニーの皆さまを見られて、本当に舞台初日が開けられて良かったなぁ、と心から胸をなで下ろしたのでした。

振り返ると、公演前日にびびちゃんが「みんなの笑顔が増えてきた」と呟いていたのもとても頼もしくて。
主演として、カンパニーをしっかり見れてるんだなと。

大変なときにみんなをまとめることができるのは、中心にいる人の笑顔と自信と存在感
それが、今この作品を続行できる原動力の一つだと実感できたのは嬉しかったです。

| | コメント (0)

『W FACE CONCERT』

2020.2.21(Fri.) 19:00~20:40
2020.2.22(Sat.) 17:30~19:10

草月ホール SA列20番台(下手側)

シーエーティプロデュースさん主催のミュージカルコンサート、2日間3公演が大盛り上がりのもと終演しました。

初日は固さもあってアンコールがなかったのに、千秋楽(21日夜)に至っては、アンコールが「ミュージカル俳優の集まりなのに、あろうことか締めが不協和音(笑)by西川氏」とのことで、ダブルアンコール。客席総立ちでの舞台上&客席一体のRENTが最高すぎました。

メンバーは男性3人、女性2人。
一色洋平さん、西川大貴さん、内藤大希さん、
豊原江理佳さん、綿引さやかさん。

シーエーティ作品に出演されたことがあるのは西川さん、内藤さん、豊原さん。一色さんと綿引さん(びびちゃん)は未出演です(びびちゃんは4月~5月の『EDGES』が初出演)。

というわけで、まずはセットリストです。
セットリスト付きの当日パンフ有り難い!
制作さんの良心と熱意を感じます。

●セットリスト
 1.心の瞳/坂本九(一色)
 2.Moving Too Fast/The Last Five Years(一色)
 3.A Miracle Would Happen
 ~When You Come Home to me
 /The Last Five Years(内藤・綿引)
 4.wishing For The Normal/ソーホー・シンダーズ
 (西川・豊原)
 5.Old Compton Street/ソーホー・シンダーズ
 (全員)
 6.SARU Don't Think/(愛おしき)ボクの時代
 (全員)
 7.愛を教えて/(愛おしき)ボクの時代
 (西川・豊原)
 8書きかけの小説/DAY ZERO(内藤)
 9.白日(西川)
10.愛燦燦/美空ひばり(豊原)
11.Butter-Fly/デジモンアドベンチャー(内藤)
12.Green Green Dress/tick,tick...BOOM!
 (一色・豊原)
13.30/90/tick,tick...BOOM!
 (一色・西川・豊原)
14.心は愛に溢れて/レ・ミゼラブル
 (内藤・豊原・綿引)
15.オン・マイ・オウン/レ・ミゼラブル(綿引)
16.神よ何故?/ミス・サイゴン(西川)
17.Seasons Of Love/RENT(全員)
18.ひかり(綿引)

アンコール(22日夜のみ)
19.Seasons Of Love/RENT(全員)
20.Seasons Of Love/RENT(全員)

まずは一色さんが登場し、弾き語りの『心の瞳』でスタート。その演奏の間にびびちゃんが上手側から入ってきて聞き耳を立てます。演奏が終わったら、「はじめまして」のご挨拶。

「綿引さやかさんですよね?」
「一色洋平さんですよね?」
と会話しあう2人。知り合いの演出家さんのスタジオにやってきて自主練がかち合う、という設定です。

2曲目L5Yで派手に踊りまくりながら歌う一色さんを見るびびちゃん、千秋楽では「どれだけ回っているのかなと思って数えてたら12回回ってましたね」というMCが面白すぎました(笑)。

そして他の登場人物も集まってきて、お互い「はじめまして」や「お久しぶりです」のご挨拶に。
一色さんは全員が初共演、それ以外の方は1人共演経験があるという感じ。
一色さんも去年クリエ作品(『ラブズ・レイバーズ・ロスト』)に出たので「ミュージカル俳優ということで!」と和気藹々モードに。

この5人は皆さん拝見したことがあって、一色さんはキャラメルボックスに客演したときに「身体能力凄いなー」と思っていたので、久しぶりに拝見できて楽しかったです。ストレートをずっとされてきた方なので芝居の軸がしっかりしてるので、歌っても歌だけで上滑りしないのがよくて。内藤さんが「『RENT』や『L5Y』とか合いそうですよね」と仰った言葉に同意です。

西川さんは進行役のびびちゃんにまで「西川『先生』」と呼ばれてましたが(笑)、色々な意味で「自由を求める」タイプなのかなと今回感じました。少し大人になった部分はあっても、遊び心は決して忘れない、みたいな。

内藤さんはいい意味で大人になられましたよね。やんちゃというイメージをずっと持っていたのですが(西川さん以上に懐に入り込むのが巧みというイメージ)、先月出られていた『シャボン玉とんだ、宇宙までとんだ』を経験されたことで、一回りも二回りも大きくなった印象です。

豊原さんは唯一、今回の5人の中で「意識して拝見したことがない」方で、『タイタニック』は作品として拝見したものの、意識しては見ていなかったので、今回が実質初見。パワフルな歌声が印象的で、とりわけ『(愛おしき)ボクの時代』の「愛を教えて」の気持ちの入り方が素敵。このコンサートでは演出の西川さんとのデュエットというスペシャルバージョンでした。

そして、綿引さやかさん(びびちゃん)。レミゼの「心は愛に溢れて」からの「オン・マイ・オウン」はブランクの欠片も感じさせない、現役感たっぷりのエポニーヌ、素晴らしかったです。『RENT』では一色さんとともにソリストパートでしっかり曲をリードし、『ソーホー・シンダーズ』ではマリリンパートだったそうで新鮮、そして『ひかり』は締めに相応しい、感情籠もった、これ以上ない歌唱でした。

「人は弱いから時には前に進めなくなるかもしれない。それでも前を見ればみんながいて。色々大変なことがある今だけど、それでも前を向いて進んでいけると思えたら嬉しい」とのMC、そしてそれに続くびびちゃんの優しく強い歌唱は、まさに今のエンタメが直面していることへの、一つの「ひかり」そのものに思えたのでした。

歌の面だけでなく、進行面でもびびちゃんは進行役を担当。男性陣3人はいずれもなかなか油断ならないタイプ(何をするか分からないタイプ)笑、ですが3人の「喋りたい具合」を上手に捌き、突っ込みたい内藤さんが突っ込まれたい一色さんをいじり、突っ込みを省エネしたい西川さんを時に引き込み、先輩ばかりで当初は緊張が見えた江理佳ちゃんにも頼りにいく様は頼もしすぎて。

綿坊(西川さん命名、W FACE内だけの愛称らしい笑)
「『ソーホー・シンダーズ』いい曲多いですよね!I-TUNESで配信されたらいいですよね」
西川さん「ぜひアンケートに書いてください。アンケート大事です」
江理佳ちゃん「『ソーホー・シンダーズ』は舞台では音源でやったので生バンドは今回が初めて。ぜひ再演では生バンドでやりたいです!」

そして、バンドさんも客席もみんな笑顔で「良かった」と言っていられるのも、壇上のキャストさんがみんな笑顔で、その楽しさが伝わってこそ。

「W FACE」という”二面性"をテーマにしたコンサートでしたが、それでもキャストの人となりが素敵だったからこそ「どっちを切り取っても素敵」で、その様を拝見できたことが、とても嬉しかったです。

 

| | コメント (0)

『星の王子さま』

2020.2.11(Tue.) 13:00~14:55
東京芸術劇場シアターイースト
22列10番台(センターブロック)

水戸から始まった再演も、東京はこの日の翌日で千秋楽。あとは兵庫の2回公演を残すのみのこの作品。

初演では日程的にどうしようもなく泣く泣く見送ったこの作品ですがようやく再演で拝見。
本来であれば2回拝見できる予定だったのですが、やんごとなき仕事の事情でこの回1回きりとなってしまいました。

翌日同所で開催された「伊礼彼方の部屋」で興味深い話もたくさん聞けたわけですが、そちらはクローズドですので、そちらの内容にはあまり触れずに感想を。

・・

「星の王子さま」で昆ちゃん、と聞いたときにまず最初に感じたのが、「見た目も中身もぴったり」という印象でしたが、それは見終わった後もひとかけらも変わりません。

初演以来2年経ってしまって、初演ではありのまま出来たことも、作り上げる大変さがあった、と昆ちゃんは仰っていましたが、その苦労を感じさせないほどのフィット感がありました。

「星の王子さま」の作品内で有名すぎるほど有名な台詞に「大切なものは、目には見えない」という言葉がありますが、この日の舞台を拝見していて、「大切かどうか、目には見えない」のではないかと感じて。

他の星から地球にやってきた王子さまは、ずっと「何か」を探し続けるために、いろいろな場所を巡り、いろいろな人に会い、そして地球に降り立った1年後の日を前にして、サハラ砂漠で出会い、墜落直後だけに気が立ってる飛行士と、でもなぜだか通じ合っていく2人。

狭い世界の中だけで生きていた自分から、友人を知り世界を知り、優しさを知り温かさを知り、人を思いやることを知っていく。

キツネとの出会いはとりわけ王子さまの心と視野を広げていって、かけがえのない関係を築いていく様は、客席から見ても一緒に旅をしているかのよう。王子さまの旅は、「何が大切か知らなかった王子さまが、体験を通じて『大切なものが何か』を知っていく物語」に思えました。

突っ張っているようで、優しさに溢れた伊礼さん演じる飛行士。
暖かさと経験を併せ持った、素敵な大人を演じた廣川さん。
そして大人になることも悪くない、と思わせてくれる「成長する」王子さまを体現した昆ちゃん。
(大人になりたくない、というピーターパンとは違うベクトルの役に思えます)

一人一人のアンサンブルのキャラクターが立っていて、演奏するお2人も演じることがある場で、あたたかい音楽に包まれた空気感が何より素敵で、無理に物語の結論を1つに収斂させているわけではない進行に懐の広さを感じました。

きっと正しく大人になることって大変なんだろうなと感じたし、そして正しさなんてそもそも人生に付けるべき修飾句としては違うと思うし。

でも登場人物メイン3人を中心に、「生きる」ことへのポジティブな思いを感じさせてくれる、大人向けの作品。
それでいて、これから大人になる人たちへは一つの道標として見てほしい作品に思えて。

理屈から見ても面白くて、感覚で見ても面白い。そういう作品の一つとして、ぜひ3人、昆ちゃん伊礼さん廣川さんのライフワークとして上演され続け、色んな方の目に触れて、心を暖かく照らして欲しい作品です。

この後は2月15日・16日に西宮北口、阪急兵庫県立芸術文化センターにて上演されます。

 

| | コメント (0)

『CHESS THE MUSICAL』

2020.2.5(Wed.) 18:30~20:50
東京国際フォーラムホールC
3階4列20番台(センターブロック)

梅芸主催公演で、大阪・梅田芸術劇場から始まったこの公演。
自身の宝塚遠征とわずか3日ずれて組み合わせられず、my初日は今日までずれ込みました。

前評判通り「凄い」の一言。
圧倒される空気感、黒で統一されたアンサンブルさんの衣装が時代の威圧感を感じさせます。

チェスの世界選手権の対戦がアメリカとソビエト連邦、時は冷戦時代。
ともなれば、その対戦は対戦主の単純な争いに止まらず、2大大国の代理戦争の意味も持ってくる、そういう物語。

この物語で大きく感じたのは「駒」の存在。
チェスにおいて盤上で動く「駒」の意味ももちろんですが、登場人物それぞれがどう生きるか、「駒」としてそれぞれがどうあるべきか、それを強く感じて。

大国の代理戦争に巻き込まれ、チェスでの戦いだけだったはずが、家族、そして恋愛まで含めて、平常心を乱させるようなソビエト連邦の策謀家モロコフ(増原さん素晴らしい)の様に、主人公アナトリーは押されていく。

<以下ネタバレあります>





印象的だったのはラストのアナトリーの人生の選択の後ろに写る空港の出発ボード。

あなとりー(ソビエト連邦代表)はチェス選手権で優勝した後に亡命。対戦相手のセコンドで、大会後もしばらく行動をともにしていたフローレンスと一緒に行くか、それとも妻・スヴェトラーナと国に戻るか。

空港の出発ボードは、
2つの行き先だけが搭乗受付中。

8時30分発のニューヨーク行き、

8時55分発のモスクワ行き。


主人公が取った選択肢は、ニューヨーク行きを「見送って」、モスクワ行きに乗ること。

冷戦時代のソビエト連邦から一度は亡命し、チェスの力量があるとはいえ、また家族を人質に取られているとはいえ、亡命を取り消してソビエト連邦に戻る決断はすごく重く感じて。

大国の代理戦争に巻き込まれ、今後自らが駒のように動かされるのだとしても、それでも駒として必死に生きる決意を感じて、とても納得するストーリーでした。

衣装黒一色のアンサンブルさんも、この作品の「大事な『駒』」として存在していて、統一性がありながらも、一人一人が一人一人の個性を纏って駒として生きる様は、正にプロの仕事と感動しました。

びびちゃん(綿引さやかさん)の定番ポジションは、シュガーさんの直下向かって1人下手側(つまりアンサンブルさんの最上段下手端)でした。エンディング時は最前列下手端。

個人的には領事館のシーンが面白い動きしてて好きです(笑)←ここは上手から2人目

・・

冷戦時代、代理戦争といった事柄は普段使わない部分の頭の細胞(笑)を使ってとても新鮮。

字幕を見ながら場面を追うのは、正直大変でしたが、字幕を見て引きで見ないとやっぱり難解ではあるので、まずはストーリーを理解した上でオペラグラスで細部を見ることをお勧めします。

| | コメント (0)

『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』

2020.1.31(Fri.) 13:00~16:00 2階1列L1桁番台
2020.2.1(Sat.) 11:00~14:00 1階22列40番台
2020.2.2(Sun.) 11:00~14:00 1階25列1桁番台
宝塚大劇場

昨年初夏の『壬生義士伝/Music Revolution』以来のムラ遠征。

雪組さんは最近極度のチケ難で東京でも確保が覚束なかったことと、きいちゃん(トップ娘役・真彩希帆ちゃん)のお茶会があるということで遠征を決めました。

前回は宝塚以外も組み合わせて(青山郁代ちゃんのお芝居とセット)ですが、今回はただひたすらに宝塚に染まりました(笑)。

前回遠征したときも思いましたが、東京宝塚劇場より横にゆったりしていて、客席とロビーは日生劇場に近い印象ですが、舞台は厳しさと優しさを兼ね備えた、帝国劇場に似た印象を感じます。

今回の作品は小池先生演出ということで、よく考えたらあれだけ東宝で小池先生演出を拝見していたのに、宝塚の舞台で拝見するのは今回が初(笑)

トップスター望海さんの男役の色気に感動し、1幕ラストで初恋の人・デボラに求愛して実らなかったのに、いや、だからこそのどうにもならない絶望感と、天を仰いで途方に暮れる様の格好良さと来たらないです。

そしてきいちゃん演じるデボラも、ユダヤ人の移民の中から、アメリカで這い上がるために芸事に励み磨き上げ、自らが輝いていく。
ただ、その努力は裏切られないけど、運命には恵まれないんですよね。

幸せに包まれるのはデュエットダンスとカーテンコールだけなことが多いだいきほペア。
今回もご多分に漏れず、不幸こそ輝くだいもん(望海さん)と、笑顔がトレードマークなはずなのに、悲劇率めっちゃ高いきいちゃん(希帆ちゃん)。

それだけに、2人が時を隔てて再び巡り会い、静かなときの中でお互いが少しだけの幸せを、かけがえのないものとして確かめ合う様は、2人の心の通じ合いの確かさを感じて、素晴らしかったです。

ダイナミックな存在感のだいもんと、笑顔がトレードマークなきいちゃん、でも、静の芝居でこその呼吸の合方こそがまさに相方。

呼吸が合うからこそ芝居も、歌も、デュエットダンスも常に絶妙な距離感で噛み合う。
そしてきいちゃんのソロも静かな様は闇に染み入る繊細さ、そしてダイナミックな衣装に埋もれない存在感が素敵でした。
あの衣装に着られないって凄い。

そんな様が見られたことに、改めて感動に包まれた、大満足の今年初遠征になりました。

| | コメント (0)

『WEST SIDE STORY』(3)

2019.12.30(Mon.) 13:30~16:15 1列20番台(センター)
2020. 1.10(Fri.) 18:30~21:45 14列20番台(センター)
2020. 1.13(Mon.) 13:30~16:15 18列10番台(下手側)
 IHIステージアラウンド東京

『WEST SIDE STORY』Season1も、1月13日マチネで千穐楽。
結局は5回の観劇になりました。

当初予定していた12月頭の観劇が急遽親族の不幸で行けなくなったため、玲奈友さんにお願いして行っていただいた分、1月10日ソワレ(リピーターチケット)で入れました。
結果、玲奈マリアのシングルショットの写真と、アトランダム缶バッチで見事玲奈ちゃんを当てるという、神技を発揮して、しかもこの日は大人組トークショー付きという、我ながらまぁまぁな首尾となりました。

開幕当初、(北乃)きいちゃんの登板遅れもあり、最初の2回は玲奈ちゃんの身を案じながらの観劇で、玲奈ちゃんが”できる人”なのは分かり切ってはいても、自分より若い役を演じることはものすごいエネルギーを必要とするし、万が一ということもあるので、正直びくびくしながら見に行き…でもそんな心配を表に一切出さない玲奈ちゃんのマリアは、シングルキャストだった開幕期間も、そして年をまたいで年明けても衰えを見せることなどまったくなく、千穐楽にベストを持ってくるあたりはさすがの一言。

「Tonight」で全員が歌っていても飛びぬけて聞こえてくる玲奈マリアの歌声。
元はといえばアルト音域なはずの玲奈ちゃんが、『ジキル&ハイド』『マリー・アントワネット』で大変な思いをしながら磨き上げてきたソプラノが、WSSの大舞台で見られたことは、本当に幸せでした。

きっと、玲奈ちゃんが今回目指すことがなければ見られることはなかった玲奈マリア。年齢的にはずっと前に演じていたはずの作品がこれまで縁がなく、それでいて今このときに玲奈ちゃんがマリアを演じた理由を感じたのが、2幕のラストシーン。

ネタバレですが有名すぎる作品なのでご容赦くださいませ



トニーがマリアの目の前で撃たれ、駆け寄るマリア。
皆が遠巻きに見つめる中、チノから拳銃を奪い取ったマリアが叫ぶ。

「私たちみんなで、彼を殺したのよ!」

その時の玲奈マリアの叫びは、皆を責め、自分を責め、客席をも責めているように感じて。

自分以外への無関心。
アメリカ人とプエルトリコ移民の諍いを、身を挺して止めようとしたトニーの本心を、皆取り合おうとしなかった。

それでいて、玲奈マリアは引き金を引こうとはしない。
銃を持っても何かが変わるわけではない。
引き金を引いてさえ何かが変わるわけではない。
起きたことは変えられないし、大切な彼は戻らない。



ふと思うと、玲奈ちゃんという女優さんと「銃」というものにはとっても深い縁があって。

「銃」を持って、人に向けた役は4回目ですが、今回は初めて引き金を引かなかったんですね。
『ミス・サイゴン』のキム役で200回以上。
『ジキル&ハイド』のエマ役で50回近く。
『ラブ・ネバー・ダイ』のメグ・ジリー役で50回近く。
そして『WEST SIDE STORY』のマリア役で44回。
(※『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ役(400回以上)では革命軍の中で銃を仲間に渡すことはしますが、人には向けていません)

「銃」を持ったのに、初めて理性で引き金を引かなかった。
マリアは幼い少女の役ではあるけれど、玲奈ちゃんが演じたことで、はっきりと意志の強さが見て取れた。
愛を知ったマリアが、愛を奪われたことで憎しみを知ってしまった。
でも、憎しみの連鎖が何も生まないことを、玲奈ちゃんはマリー・アントワネットを演じたことできっと身をもって知っている。

若い頃ではおそらく出せなかった玲奈マリアの感情の動きの厚み、それは今の年齢だったからこそだと思います。

にもかかわらずですよ、2幕頭の「I Feel Pretty」のお花畑の完璧さは何ですか(笑)。
千穐楽に至ってはいつもより長く空に浮いております状態(笑)で、テレテレな表情最高だし、足のバタバタ2割増し増量中だし、チャーミングな声色が絶好調だし、改めて玲奈ちゃん史上最上級にかーわーいーいー(笑)。

それにも増して「I Feel Pretty」終了後の”天国から地獄へのシフトチェンジ”が、あぁもう、これぞ玲奈ちゃん。

シュランク刑事に踏み込まれても怯むことなく、アニタに巧みに外部との連絡を依頼したばかりか、シュランク刑事に油断なく対峙する。あの時の表情、いつか見た「マリー・ヴェッツエラ男爵令嬢がターフェ宰相に向かい合う姿」(『ルドルフ・ザ・ラストキス』)そのものでした。



翻って、1月10日の大人組トークショーで印象に残ったことをいくつか。

・回る劇場なのでセットが複数同時に組まれているので、
 役者のスタンバイが早くできるby小林さん
 …これ、意外な話でした。
  「回る劇場」はデメリットばかり言われますが、
  実は方向さえ覚えておければ、役者さんにも
  メリットがあるのだとか。
  小林さん曰く、「cool」の前にはジェッツの皆
  が小林さんの前を通り、一回転してからセットに
  向かっていくそうです。
  (ウォーミングアップ的なもの)

・大人組は影コーラスをやっているbyTOBIさん
 …「せっかくミュージカルに出るので」という
  ことでTOBIさんと小林さんがお願いして実現。
  4人で2人ずつ、「Tonight」でジェッツと
  シャークスをやっているそうですが、
  小林さんはもう1曲、影コーラスに入っている
  そうです。

・みんな写真を撮ってるのにby堀部さん
 …プリンシパルは共演が終わりに近づいている
  のに、自分たちには「写真撮って」と声を
  かけてくれないとぼやいていましたが、
  その横で小林さん「ごめん、今日ジェッツに
  一緒に撮ってって言われた」
と(笑)。

・役名にも意味があるby堀部さん
 …この作品を作ったいわゆる「天才4人組」は
  みんなユダヤ人。
  なので、「シュランク」警部と「クラプキ」巡査
  はドイツ人の名前が使われてる。
  ユダヤ人の「敵」って意味ですね。

・切ない話
 …この作品は大きく分けると
  「ジェッツ」と「シャークス」と「大人たち」。
  でも、この作品のエンディングを思うと、
  「大人たち」は結局なにもできなかったんだな
  と思ってしまうby堀部さん

  自分の演じる「ドク」はジェッツの「Doc(tor)」
  という意味もあって、精神的な救いになりたい
  と思っている。
  みんなは無理でもトニーだけでも、と思って
  やってきたのに、あぁなってしまったことに、
  やりきれなさを感じるby小林さん


ということで、思ってみればあっという間だった『WEST SIDE STORY』Season1もこれで終了。

きいちゃん以外全キャストを見たことになりますが、両トニーの違いも楽しめて、宮野トニーとはなんといっても身長差が萌えだったし(あの玲奈ちゃんとあそこまで差があるのは珍しい。このブログも嬉しかったです)、蒼井トニーとは同じ方向に一緒に向かっていく雰囲気が良かった。樋口アニータは唯一玲奈ちゃんが頼れたのかな?という空気感が有難かったし、三森アニータとは念願の再共演で、当時を知る身としてはまさか姉貴分として共演すると思ってなかったので、とっても嬉しかったです(このブログも素敵でした)。

これからSeason2、Season3と続いていくわけですが、Season1で全く解消されなかった集客難だけが心配。平日ソワレを見たときは18列目以降一切お客さん入っていなかったですし、その客席を見ながら舞台に立つ役者さんに、心理的負担が圧し掛からないよう祈るのみです。

あと参考までに補足情報ですが、カーテンコールが千秋楽の日も(聞いたら前楽も)3回。
これは、回る劇場の機構上、お客さんが1人でも出てしまうと劇場を回すことができず、それ以上は幕が開けない。
当初決まった回数(この作品は3回)のカーテンコールまでしかできないようになっているという話だそうです。
(要はそこから先は、劇場を固定してしまって、お客さんが出場する)
そういうソフト面が残念な劇場ではありました。

| | コメント (0)

2019年もお別れ。

年末大晦日恒例の、一年間振り返り企画です。
※出演者はフルネームの場合は原則として敬称略です。

●アクセス回数統計
  2019年(令和元年) 51,440回(累計1,217,346)
  2018年(平成30年) 88,004回(累計1,165,906)
  2017年(平成29年) 91,787回(累計1,077,902)
  2016年(平成28年)   86,075回(累計 986,115)
  2015年(平成27年)   93,427回(累計 900,040)
  2014年(平成26年) 149,636回(累計 806,613)
  2013年(平成25年) 171,881回(累計 656,977)
  2012年(平成24年) 97,881回(累計 485,096)
  2011年(平成23年) 71,845回(累計 387,215)
  2010年(平成22年) 115,763回(累計 315,370)
  2009年(平成21年) 39,312回(累計 199,607)
  2008年(平成20年) 40,276回(累計 160,295)
  2007年(平成19年) 21,640回
  2006年(平成18年)   30,996回
  2005年(平成17年) 66,481回
 *2007年以前はPCのみ、2008年以降はPC+携帯

 久しぶりに5万件台/年ということで、自分自身もblog更新頻度が減ったと実感していましたが、それを反映した件数になっているのかなと思います。

●月別PV数
   1月 5,074  7月 4,349
   2月 4,084  8月 4,717
   3月 3,970  9月 3,767
   4月 5,080  10月 3,791
   5月 4,601  11月 3,571
   6月 3,803  12月 4,633

 多かったのは5,000PV越えの4月と1月。後半の9月~11月が伸び悩んだ感じです。

●日別アクセス数
    1位 01/13(日)  705PV 『レベッカ』(4)up翌日
    2位 04/07(日)  603PV 当日up記事なし
    3位 04/28(日)  425PV 当日up記事なし 
    4位 02/04(月)  372PV
     『天才作曲家~Composer~』(2)up翌日
     『レベッカ』(5)up翌日
     『ラブ・ネバー・ダイ』(4)up翌日
    5位 07/22(月)  366PV
     『笹本玲奈20thアニバーサリーコンサート
      「Breath」』up日
    6位 05/16(木)  365PV
     『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』
      (2)up日
    7位 05/19(日)  363PV
   「中井智彦 トーク&ライブ -uta friends! -vol.2」up日 
      『Before After』(13)up日
    8位 03/17(日)  349PV
  『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』(1)up日
    8位 09/07(土)  349PV 当日up記事なし
   10位 04/14(日)  339PV 『笑う男』up翌日

 毎年、だいたいどの記事からPVが増えたのか想像がつくのですが、上位10位のうち2位・3位・8位はなぜここまで伸びたのかちょっと不思議な日です。
 今年の1位が去年の6位に相当するので、穏やかな年だったことがわかります。

●ページビューランキング(2019年up記事)
 1位 1,312PV 『新妻聖子コンサートツアー2019
           See Ya!』(1)(3月)
 2位   471PV 『笹本玲奈20thアニバーサリーコンサート
          「Breath」』(7月)
 3位  421PV 『レ・ミゼラブル』(24)(4月)
 4位  320PV 『ラブ・ネバー・ダイ』(4)(2月)
 5位  291PV 『笑う男』(4月)
 6位  283PV 『レ・ミゼラブル』(25)(5月)
 7位  263PV 『WEST SIDE STORY』(2)(11月)
 8位  262PV 『新妻聖子コンサートツアー2019
           See Ya!』(2)(5月)
 9位  230PV 『怪人と探偵』(1)(9月)
 10位  222PV 『マリー・アントワネット』(11)
         (1月)

 新妻聖子さんコンサートが2つ、笹本玲奈さんコンサートが1つ、あとは舞台記事で、ある程度均等に分かれた感じがあります。
 上位ページが前半に偏っているのも、先ほどの月別アクセス数にはっきり現れていますね。年後半は2位・7位・9位だけですので。

●ページビューランキング(2018年以前up記事)
 1位 1,689PV 『マリー・アントワネット』(4)
         (2018年9月)
 2位 1,012PV 『レ・ミゼラブル』(1)(2007年6月)
 3位  538PV 『新妻聖子クリスマスディナーショー』
         (2017年12月)
 4位  416PV 『レ・ミゼラブル』(22)
         (2017年5月)
 5位  286PV 『愛と死をみつめて』(2006年3月)
 6位  249PV 『ひめゆり』(3)(2018年7月)
 7位  248PV 『プライド』(9)(2010年12月)
 8位  225PV 『白夜行』(2011年2月)
 9位  221PV 『新妻聖子コンサートツアー2016
          ~The Prayer~』(2016年10月)
 10位  200PV 『相棒』3rd Series最終回(2005年3月)

 毎年興味深いのが、過去の記事がいきなり多アクセスになること。1位のMAは今年まで引きずっていたものの去年の再演スタート時(博多座)の記事なので納得はするのですが、書いて10年以上たった記事が3つも入っている(2位・5位・10位)というのは驚きです。

 レミは今年24回目と25回目の記事を書きましたが、2007年が1回目(レミ初観劇は2003年7月でした)。笹本エポ、坂本(真綾)エポ、辛島コゼ、菊地コゼというラインナップにとっても懐かしさを感じます。

 「愛と死を見つめて」は高橋由美子さんが13年前に出たドラマですが、おそらくは今年再放送があったのでしょう、10位の『相棒3rd Series最終回』(「異形の寺」)も今年再放送組。映像を見ないと何のことを書いているのかわかりにくいblogに、ずいぶん経ってから見に来ていただけるのは、なんだか不思議な気持ちです。公式ページのリンクとか全部なくなっているので、感想見ようとすると意外にヒットするということなんでしょうね。

●観劇回数から見た2019年
 舞台作品   47作品100回(去年43作品104回)
 舞台作品以外 42作品 52回(去年39作品 53回)
 合計     89作品152回(去年82作品157回)

 こう見てみると、意図せずにほぼ前年並み。去年が史上最高回数だったので、今年は結局歴代2位ということに。
 はっきりと外したものも多くあったのに、それでも月平均13回というのは何でこうなっちゃうんだろう…(笑)

●キャスト別よく見ました順(女性編)
    
※( )内は去年の回数
 1位 綿引さやかさん 15回(30回)
 2位 青山郁代さん  12回( 7回)
 3位 岡村さやかさん 11回(13回)
 4位 真彩希帆さん  10回( 0回)
 5位 清水彩花さん   9回( 9回)
 6位 大塚千弘さん   8回( 2回)
 6位 RiRiKAさん    8回(10回)
 8位 新妻聖子さん   7回( 6回)
 8位 唯月ふうかさん  7回( 7回)
 10位 笹本玲奈さん   6回(14回)

 作品数の上下で前年との動きは変わるものではありますが、全体的に回数が少なくなっている(びびちゃん、玲奈ちゃんは前年の半分の回数)の中、とりわけ目立つのが4位、宝塚雪組トップ娘役の真彩希帆さん。初見が今年で、そこから全国ツアーのチケットを取るために現地に泊まって朝からチケット列に並ぶ(笑)ところまでやる(川越公演)とは、本人も想像外です(笑)。

 前年比で非常に増えたのは6位の大塚千弘さん、ちーちゃんですが、彼女は前年がご結婚直後で出演がほぼなかったからですので、前年が異例の少なさだったということかと。

・・・

それでは、2019年私的ランキング、ここから参ります!

●2019年私的ランキング
<作品部門>
 1位 『ボクが死んだ日はハレ』
    (10月、赤坂REDシアター)

 2位 『いつか~one fine day~』
    (4月、シアタートラム)

 3位 『ロカビリー☆ジャック』
    (12月、シアタークリエ)

  4位 『(愛おしき)ボクの時代』
    (11月~12月、青山DDDクロスシアター)

 5位 『人生のピース』
    (8月、東京芸術劇場シアターウェスト)

 6位 『怪人と探偵』
    (9月、KAAT神奈川県芸術劇場)

 7位 『はい!丸尾不動産です。
     ~本日、家をシェアします~』
    (6月、大阪ABCホール)

 8位 『舞台に立ちたい』
    (4月、シアター風姿花伝)

 9位 『天才作曲家~Composer~』
    (1月、六本木トリコロールシアター)

 10位 『スロウハイツの神様』
    (3月、サンシャイン劇場)

 上位3位は迷わず来ました。

 1位『ボクが死んだ日はハレ』は再演ですが、今回びびちゃん出演で初見で、私的に異論なく即決で1位です。舞台に乗せる理由、作品を作る理由、悲しみが昇華して思い出につながるプロセスがあたたかくて、涙せずにはいられなかった作品です。

 2位『いつか~one fine day~』も1位同様「死」に関連した作品ですが、期せずして「悲しみからどう立ち直っていくか」という点では似ていたように思います。それでいて、決して強引でなくそれぞれが道を見つけようする空気感が好きでした。

 3位『ロカビリー☆ジャック』は3位まででは唯一のコメディ系ですが、悪ふざけ未満面白がり以上の空気感が抜群。登場人物が1人残らず本領発揮のウェルメイドな作品でした。

 上位3位はそんな感じですが、再演作品を除くと意外に6位以降に困りました。
(8位も再演作品ですが初見なので入れました。)

 役柄(で光っていた役)はそんなに迷わないのですが、作品としてぐっと胸をつかまれる作品に、今の観劇スタイルだとなかなかたどり着かないのかな、と感じています。

<女性キャラクター部門>
 1位 『WEST SIDE STORY』マリア役
    /笹本玲奈さん

 2位 『ボクが死んだ日はハレ』香織役
    /綿引さやかさん

 3位 『ダンス・オブ・ヴァンパイア』マグダ役
    /大塚千弘さん

 4位 『はい!丸尾不動産です。
     ~本日、家をシェアします~』亜美役
    /青山郁代さん

 5位 『ロカビリー☆ジャック』ルーシー・ジョーンズ役
    /昆夏美さん

 6位 『怪人と探偵』ネコ夫人役
    /高橋由美子さん

 7位 『20世紀号に乗って』リリー・ガーランド役
    /真彩希帆さん

  8位 『ロカビリー☆ジャック』サマンサ役
    /平野綾さん

 9位 『笑う男』デア役
    /夢咲ねねさん

 10位 『ロカビリー☆ジャック』魔女役(代役)
    /真瀬はるかさん

 上位3傑はこちらも即決。

 1位『WEST SIDE STORY』マリア役の笹本玲奈さん。年齢的にはずっと前にやっていておかしくなかったのに、それでもこのタイミングで挑戦してくれ、”ミュージカル女優の凄さ”を前面に発揮。Wキャストの北乃きいちゃんが間に合わない中、ゲネ含め13公演連続でマリアを演じ続けた超人ぶりに脱帽です。

 2位『ボクが死んだ日はハレ』香織役の綿引さやかさん。彼女が過去演じた役の中で一番芝居寄りだったのではないかと思われる役、過去の自分にこだわり続けずに前を向こうとするさまは彼女にぴったりで、その後の『In This House』アニー役も大きく変わって見えました。

 3位『ダンス・オブ・ヴァンパイア』マグダ役の大塚千弘さん。初演・再演とサラを演じ続けたちーちゃんの新境地と言いながら、期待からまったくずれないカッコよさ、女っぽさが素晴らしかったです。

 作品選びに比べてほとんど迷わなかった役柄部門。その中でも特筆すべきは10位『ロカビリー☆ジャック』で2日間だけ魔女役を演じた真瀬はるかさん。本役・岡千絵さんの休演に伴いほぼ1日の稽古で代役登板し、もともとの登場シーンもほぼそのまま演じた凄さにただただ脱帽。

 但し、1位に挙げた玲奈ちゃんのマリア13連投も同じですが、制作サイドのリスクヘッジの薄さがキャストに極めて大きな負荷をかけた失策は明らかで、11月~12月に公演された『(愛おしき)ボクの時代』で採用されたスウィング制度か、それに準ずる形態は考えられて然るべきでしょう。
 WSSは玲奈ちゃんがいなければ、ロカビリーは真瀬さんがいなければ、崩壊していかねなかったのですから。

<ライブ・コンサート部門>
 1位 『笹本玲奈20thアニバーサリーコンサート
    「Breath」』 
    (7月、よみうり大手町ホール)

 2位 『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』
    (3月~5月、Bunkamuraオーチャードホールほか)

 3位 『綿引さやかソロライブ』 
    (8月、六本木クラップス)

 4位 『青山郁代4thソロライブ「CARNET」』 
    (11月、下北沢Cafe音倉)

 5位 『スジナシ』
    (9月、赤坂BLITZ)

 6位 『Dimple Live』
    (9月、三軒茶屋GRAPEFRUIT CAFE)

 7位 『アイリスオーヤマ スペシャルコンサート2019』
    (5月、サントリーホール)

 8位 『久田菜美 Birthday Live』
    (3月、スターパインズカフェ(吉祥寺))

 9位 『ボクが死んだ日はハレ 打ち上げライブ』
    (10月、東京キネマ倶楽部)

 10位 『BKLYN CONCERT』『BKLYN CONCERT2』
    (2月・9月、ラドンナ原宿)

 1位の笹本玲奈さん20thコンサートは、過去の作品のカバー率といい、ゲストのバランスといい、事務所の本気さといい、全てが高水準で素晴らしかったので文句なしの1位に。

 2位の新妻聖子さん全国ツアーも完成度は流石で、公演箇所が多くなっても安定したレベルになっているのが素晴らしいです。

 3位の綿引さやかさんライブは、2月・8月ともに1幕目のドラマ仕立てのパートが絶品で、とりわけ”チーム綿引”の団結力が光った8月公演を3位に。

 ライブ・コンサートは多く拝見していますが、やはり中心に立つ方の思いがどれだけしっかりしているかにかかっていると思っていて、人柄こそがライブ力、という印象は今年も変わりませんでした。

<ライブ・コンサート楽曲部門>
 1位 「something more」
    (『ルドルフ・ザ・ラストキス』)
    /岡村さやかさん、遠山裕介さん
    /『Come A Live』(12月、天王洲KIWA)

 2位 「世界が終わる夜のように」(『ミス・サイゴン』)
    /笹本玲奈さん、山崎育三郎さん
    /『山崎育三郎 LIVE TOUR 2019~I LAND~』
     (1月、NHK大阪ホール)

 3位 「心の声」(『マリー・アントワネット』)
    /新妻聖子さん
    /『新妻聖子コンサートツアー2019 See Ya!』
     (3月、武蔵村山市民会館)

 4位 「somewhere」(『ウェストサイド物語』)
    /綿引さやかさん
    /『綿引さやかソロライブ -DINER-』
    (2月、渋谷JZ Brat)

 5位 「popular」(『Wicked』)
    /笹本玲奈さん
    /『笹本玲奈20thアニバーサリーコンサート
     「Breath」』
     (7月、よみうり大手町ホール)

 6位 「For Good」(『Wicked』)
    /若井久美子さん、綿引さやかさん
    /『若井久美子Christmas Concert 2019』
     (12月、六本木クラップス)

 7位 「ハレバレハレルヤ」(『ボクが死んだ日はハレ』)
   /浦嶋りんこさん、小野妃香里さん、綿引さやかさん
    /『ボクが死んだ日はハレ 打ち上げライブ』
     (10月、東京キネマ倶楽部)

 8位 「All I Ask Of You」(『オペラ座の怪人』)
    /青山郁代さん、神田恭兵さん
    /『青山郁代4thソロライブ「CARNET」』
     (11月、下北沢コムカフェ音倉)

 9位 「I Still Believe」(『ミス・サイゴン』)
    /新妻聖子さん、咲妃みゆさん
    /『らららクラシックコンサート』
     (10月、サントリーホール)

 10位 「ダンスはやめられない」(『モーツァルト!』)
    /岡村さやかさん
    /『Departure』(12月、天王洲KIWA)

 楽曲部門、
 1位はルドルフ初演の「something more」、念願の岡村さやかさんで聞くことができて感涙。この曲については特に本役の笹本玲奈さんのマリーへの思い入れが強すぎる自分ですが、玲奈ちゃんと違った”思いの強さ”をさやかさんに感じて至福でした。

 2位はサイゴンデュエットの「世界が終わる夜のように」。苦楽を共にした玲奈ちゃん&育くんペアの、「今でないと聞けない空気感」でのデュエットが素晴らしかったです。

 3位はマリーアントワネット初演の「心の声」。同作品は再演が叶うことすら信じられなかったですが、初演で大好きだった新妻マルグリットの「心の声」が復活するとは、頬をつねりたくなるほど嬉しかった。本当を言えば、全会場で披露していただきたかったのが本音ですが。

 楽曲部門もあまり迷うことなく選べました。とりわけ「そこでしか聞けない」スペシャルな空気感を感じたものを中心に選びましたが、本役の場合は「今聞けたことでの感動」、本役でない場合は「意外性」が軸かなと。

 いろいろな方の歌を聞いて思うことですが、歌を聞いていて心に伝わるには、音階が合っていることは前提で、その上でその方なりの曲への思い、役への思いがフィットしていることが大事なのではと思います。歌の上手さとは、歌を通して景色を伝える力なのではと思えてなりません。

・・・

 2019年、今年1年も大変お世話になりました。
 観劇回数は前年並みでしたが、blogの更新は大幅に減ってしまいました。

 仕事は益々忙しくなり、年相応に身体の衰えも感じたりして、無理が利きにくい状態になりつつあります。劇場でお会いしたりする方に、「そんなに忙しくてなぜ芝居を観るの?」と聞かれることがありますが、日常では感じにくい視点に触れて、不意に今の自分の感情を腑に落ちさせてくれたりする時間は、やはりかけがえのないものがあります。

 とはいえ、見に行く作品がすべてそんな思いを抱かせてくれるとは限らないのですが、それでもお客のことをちゃんと考えて、少しでも多くの心の豊かさを持って帰ってもらいたいと思われているキャスト、スタッフの思いはしっかり伝わるものですし、そんなあたたかさに触れる時間が来年2020年もありますよう、観劇以外のバランスも考えつつ過ごしていきたいと思います。

 2020年、皆様もよいお年をお迎えください。

| | コメント (0)

«『ロカビリー☆ジャック』