『しゃばけ弐』(2)

2017.9.6(Wed.) 19:00~21:20 E列2桁番台
2017.9.9(Sat.) 18:00~20:20 L列1桁番台
2017.9.10(Sun.) 17:30~20:10 M列1桁番台
紀伊國屋ホール(いずれもセンターブロック)

「しゃばけ弐」終わってしまいました。
初日以降、全部で4回の観劇。

うち1回は会場の紀伊國屋ホールがある紀伊國屋書店新宿本店2階で行われていた「しゃばけツイートキャンペーン」(コーナーの写真をツイートすると抽選で招待)のご招待をいただいての観劇でした。

初日拝見してからの変化も感じながらつれづれと綴ってみます。

前回書いたときに「タイトルは『空のビードロ』『畳紙』の順になっていて、舞台版は逆の順序」としたのですが、確かにそれはそうなのですが、元が”長崎屋”が主の舞台なので、最初のシーンが長崎屋から始まって、最後が長崎屋で終わる。長崎屋に出入りしている一色屋の娘さん・お雛さん(岡村さやかさん)がメインなのが『畳紙』、長崎屋の若旦那と浅からぬ縁がある東屋の実質的な手代・松之助(平野良さん)がメインなのが『空のビードロ』ということで、サブストーリー2つを繋げて、今回は声だけの出演の長崎屋の若旦那の存在感の大きさを見せている物語。

お雛さんを苦しみから救ったのは若旦那の知恵だったし、松之助を苦しみから救ったのは若旦那の心だったし、そんな若旦那の存在の大きさが次の『しゃばけ参』に繋がっていくわけですね。終演後発表がありましたが、来年4・5月に東京・大阪で上演されることになったとのことです。

今回の本編に戻ると、2つの物語共にテーマになっているのが、実はポスターにも載っている「居場所」というキーワード。お雛に関しては、両親ともに亡くして、育ての親に対しての距離を感じ、心引きこもった末での「白粉(おしろい)」。

自分の素顔を見せないことで、他人を遠ざけるようにしか生きられなくなったお雛。婚約も決まった自分は「傍から見れば満たされている、でも私の心には届かない」と。
そんな”自分”に閉じこもりながら、どうにもできない苦しみを屏風のぞきだけには吐露できる。

一時は「このままの自分でいい」と開き直ったお雛、ただでさえ頑固者なだけに言い出したら聞かない。
そんな頑固者な一面は、さやかさんにも感じる一面なだけに、そんなシンクロも見ていて微笑ましくて。
さやかさんとお雛の印象が被るのは、「不器用だけど、分かっているけど、どうにもできない自分」といった印象が少なからずリンクして見えるところ。実のところ、さやかさん自身はもっと実行力あるお方ですが、何というのか「袋小路に入らせたら説得力がハンパない」あたりが別人物と思えない(笑)

「私は幸せ」という歌詞が何度も出てきますが、最初は心細く、「自分自身を幸せと思い込もうとしない限り自分は幸せになれない」と思っている風。そして助けを求めることしかできなかったのが、だんだんと”幸せになるにはどうしたらいいのか”を屏風のぞきとの”忌憚ないやり取り”から感じ始める。
他人に対して心を閉じずに、他人を信じて進み始めたとき、さやかさんのお雛が歌う「私は幸せ」が、強がりでもなく実感につながっていったのだなと。
その辺りの歌い分けをハートで出せるのが、岡村さやかさんの最大の歌力なんだと思います。

自分の居場所が分からなかったお雛が、実は自分の居場所を作れなかったのは自分が理由だったと、そう向かい合えたことが本当の笑顔につながったんだなと。

屏風のぞきの藤原さんのテンポもとても良かった。きっとお雛だけだと湿っぽい祭りと言いますか、な空気を軽いテンションでポップに仕上げてくれる。見ていて安心できる存在です。

もう一方の物語、『空のビードロ』の松之助を演じた平野さん。東屋の”小僧”といいつつ実質的には”手代”レベルの中堅どころで一目置かれる存在ながら、今や育ての親もなく、自分の居場所がどこかを見いだせない様を、丁寧な脚本とともに演じられていました。松之助が真摯だったからこそ、見えない力も含めて松之助を応援してくれたのかなと。

ストーリーとしても大好きな物語ですが、とりわけ『空のビードロ』の感動的な場面は、若旦那に受け入れてもらった自分、ようやく居場所を見つけた自分の喜びのバックに流れる「ここにいていいんだ」のコーラスに、前半でお雛さんをやっていた岡村さやかさんが入られていること。

自分の居場所を見つけられずにいたお雛が、一足早く自分の居場所を見つけて、今度は松之助を応援するかのように後押ししているように感じて、『居場所を探した同志からのエール』のように聞こえて。

ラスト全員で歌い上げる場面でも、自分の殻に閉じこもっていたお雛とは別人のように「誰かを愛したい、誰かの力になりたい」と歌い上げる様は、”自分の居場所を見つけようとして、生きる様”をはっきりと見せているかのようで、毎回感動させられたのでした。

浅井三姉妹(岡村さやかさん、田宮華苗さん、千田阿紗子さん)もそれぞれ大活躍。

田宮さん演じるおみつの役柄上の腹黒さが嵌りすぎて困る(笑)
擬音で言うところの「きしし」って感じの策士ぶりが流石です。

表面上の策士ではなく世渡り上手ということで言えば千田さんも流石なポジション。
奉公人を上手くまとめ、おみつに逆らわない辺りはイメージぴったり。
パフォーマー(アンサンブル)だけでなく、演出助手も兼任されていたとのことで、八面六臂の活躍も流石です。

この日は千穐楽ということで、各キャストからお1方ずつご挨拶。

何だか最初の美木さんが「○○スキー」をテーマに付け始めたもんで、諸々大爆笑な展開が。

両思いだったのはお雛←→正三郎だけで、あとみんな片思いってのも笑いましたが(笑)、

さやかさんが「正三郎スキーで行きたいと思います。あ、今日までそうじゃなかったわけじゃないですよ」と慌てて否定していたの可愛かったです。

珍しく何を言うかすっ飛んでしまったたみさん。「もう明日から他人を騙さないで生きていけると思うと嬉しいです(笑)」

平太くんの成長が凄いと感心していた千田さんだったり。

藤原さんが最後に仰っていた「しゃばけの最初から出ている我々としては、どうやって物語を継いでいくかを意識した」との言葉がとても印象的でした。

「今回は仁吉も若旦那(植田さん)もいないし、『畳紙』やるよって言われて、相手役は岡村さやかだよって言われて…前回はただ楽しんでいれば良かったのに、今回はいきなりメインで、しかもこんな歌上手な方が相手役ってプレッシャーしかなかった」とも仰っていたのも印象に残りました。

ダブルアンコール(歌)もあり、ほっこりとした印象のままでの千穐楽。千穐楽の模様はDVD事前予約特典として収録されます。

来年春の再演は『ねこのばば』原作にて上演となります。今回と同じように2作混成になるかは未発表ですが、どんな感じになるのか興味津々です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『HIBARI』

2017.9.3(Sun.) 14:00~16:10
東京芸術劇場プレイハウス
2階C列30番台(センターブロック)

NBAバレエ団公演で2部制になっているこの公演。
第2部で美空ひばりさんをフューチャーしており、第2部の部分が今回再演です。

第1部は「The River」を日本のバレエ団として初上演。
普段バレエを見ない私のような人間でも、身体ってここまで自由自在に動くものか感嘆させられます。
優雅さや鋭さ、キャストそれぞれの持ち味が見えてくるようで、新鮮な体験でした。

第2部は前回好評とのことで2年ぶりの再演となった「HIBARI」、このパートが再演部分ですが、美空ひばりさんの生涯を、曲とバレエのコラボレーションで振り返る作品。
前回のナビゲーターは元宝塚の和央さんでしたが、今回のナビゲーターは綿引さやかさん(びびちゃん)。

曲のテーマにあわせて、ご自身初だそうな燕尾服をお召しになり登場し、各曲と各曲の「間」をつなぐように、主にナレーター的なポジションで作品を進行されていきます。衣装は中盤の真紅のドレスから、最後の黒い喪服風の服へ。真紅のドレスは以前、ヤマハホールや福岡のコンサートで着られていたものかと思いますが、あとの2着は初めて拝見します。

初演同様、台本は一切持たない志向とのことで、台詞から歌まで台本なしの進行ですが、美空ひばりさんという存在の大きさに萎縮せず、ひばりさんの魅力に魅せられた一人という立場で取り組まれていたように見えたびびちゃん。

美空ひばりさんといえば、日本復興の道のりとともに、皆の中、特にお年を召した年齢層にご自身の歴史とシンクロする大きな大きな存在で、きっとそのひばりさんを分かった振りをして取り組んでも意味がないし、感動してもらうこともできないと思うんですね。

ひばりさんの苦しみも喜びも、まるでそばで見てきた娘さんかのように、心からの尊敬の念とともに進行されたびびちゃんの姿はとても光っていて。過剰に感情を押し付けることは決してなくて、観客の皆さんのなかにある「ひばりさんの存在」をすっと浮き上がらせるように、表情と感情と言葉で優しく温かく伝える姿はとても素敵で。

そしてもちろん、NBAバレエ団の皆さんが作り出す、ひばりさんの空気を再現するバレエとの融合も意識されていて、「演じる側の気持ち」として、「お客さんあっての私」と仰ったひばりさんのハートにも寄り添われていて。

歌こそ少なかったですが、その中でもとりわけ『愛燦燦』の歌唱パートはとても深くて、演技と歌とハートにいつも接されているミュージカル女優の面目躍如で。そのうえ「テーマに寄り添い、お客様に寄り添い」というびびちゃんのポジションがどれだけお客様に伝わったかは、最後の拍手の温かさにすべて現れていたかと。

この公演が発表されてからずっと思ってきたことで、実際に拝見しても思ったことが、びびちゃんが先日まで出演されていた『Beautiful』との共通点。

『Beautiful』の主人公であるキャロル・キングがアメリカの魂を体現する存在だからこそ熱狂されることと、『HIBARI』の主人公である美空ひばりさんが日本の魂を体現する存在だからこそ熱狂されることはとても似て感じて。

そう考えると、そんな2作品に出演されて、主人公に近い位置で佇んだ経験は、いろいろな点でびびちゃんのこれからへの大きな財産になるように思えてなりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『しゃばけ弐』(1)

2017.9.2(Sat.) 18:00~20:10
紀伊國屋ホール M列1桁番台(下手側)

歴史ファンタジー『しゃばけ』2度目の舞台化、この日が初日です。

岡村さやかさん、田宮華苗さん、千田阿紗子さんの通称『浅井三姉妹』(演出・音楽の浅井さやかさん主宰の『One On One』出演の常連お3方で、この作品の現場でそう呼ばれているそうな)揃い踏みということでいそいそと出かけます。

今回舞台化になる短編は、前半が『おまけのこ』に収録されている「畳紙」、後半が『ぬしさまへ』に収録されている「空のビードロ」。フライヤーなどには「空のビードロ~畳紙」と表示されていますが、物語の進行的には逆の順番です。

「畳紙」のヒロイン、お雛さまを演じるのが岡村さやかさん。化粧がどんどん厚くなり、皆から後ろ指さされるほどになるほどの女性の悩みに、藤原さん演じる”屏風のぞき”なるあやかし的な存在が(自身は)不本意ながら相談相手になるというストーリー。

十年近く化粧が厚くなり続けたお雛が、なぜ今いきなり化粧の濃さに悩むようになったのか、誰にも言えない本音を屏風のぞきにだけはぶつけられる。本当の気持ちが明かせないお雛の悩む様と、屏風のぞきには言えるその痴話喧嘩風(爆)のテンポとの落差が面白いです。

岡村さやかさんの魅力を世界一知っている浅井さんだけに、前半はさやかさんの歌声でただひたすらにお雛の心情を表現。さやかさんもただ歌い上げるタイプじゃなく、感情に沿わせて歌うことに長けている方ですから、お雛さんの不器用さが痛いほど伝わってきて、絶品の一言。

なかなか心情を切り替えない意外なほどの頑固さとか、素敵なのになぜだか自信が持てない様とか、なんだかご本人と印象被りまくりだったりして、屏風のぞきが感じるもどかしさになんだか共感してみたりします(笑)。

自分の居場所が見つけられず、自分に自信が持てなくて、でもお雛にとっては、自身が周囲を信じきれていなかったということでもあって。

自分が遠ざけられていると思っていた相手が、実は自分のことを心から心配していたと知った時の心の動き、屏風のぞきには素のままで自分をぶつけられていたこと・・・それらがお雛の化粧という”壁”を崩していく様はとても温かくて。さやかさんのいつもの笑顔が、”お雛”という役で見られたとき、なんだか心の底からホッとさせられたのでした。

後半『空のビードロ』は桶屋の若手・松之助が拾った”青いビードロ”をめぐるお話。
ずっと丁稚奉公のような立場で、天涯孤独かのような自分にとって、これからどう生きていけばいいのかと思い始めた頃にやってきた、身の回りの不思議な出来事についてのエピソード。

桶屋の御主人の娘さんのおりんがこの物語のキーパーソンですが、ここに田宮さん。当然タダで済むわけはなく(笑)、原作以上に某シーンで楽しそう過ぎて笑いを通り越して本気で背筋が寒くなります(爆)。ナイス配役としか言えません。

下働き3人衆の中で紅一点のおかねを演じるのが千田さん。パフォーマーとしての出演ですが、本当に動くと面白いのは相変わらずで、テンポの良さを感じて流石です。

浅井三姉妹は歌のさやかさん、演技の田宮さん、動きの千田さんとそれぞれ本領を発揮して、物語をしっかりと支えているだけに、周囲の男性陣も安心して自由自在に動かれているように見えて。

そして物語的にも、どうやって繋ぐのかと思っていた「畳紙」と「空のビードロ」を実に上手く繋げていて、言うならばお雛も松之助も誠実であればこそ、根無し草でない自分の居場所を見つけることができたのかと感じられたことが素敵でした。

原作のあたたかさと、浅井ワールドのほっこり感が絶妙に混じり合い、歌に物語に、すーっと入っていける素敵な作品。10日まで、紀伊國屋書店新宿本店4階、紀伊國屋ホールにて。是非に。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『新妻聖子「アライブ」リリース記念イベント』

2017.8.31(Thu.) 18:30~19:10
銀座山野楽器本店8F Jamspot

7月にリリースされた両A面シングル「アライブ/天地(あめつち)の声」リリース記念イベント、銀座山野さんでのこの日が最終日。

前回が去年の「この祈り~The prayer」の時ですからまだ1年経っていないわけですが、前回から抽選となった山野さんの聖子さんイベント。120番まで振られた番号で立ち席はなく。結果的に10人ぐらい来られなかったのでもう少し当選者を増やしても良かったんじゃないかと思います。

ではセットリスト。

1.ラマンチャの男
2.天地(あめつち)の声
3.アライブ
4.I will always love you

お馴染みの4曲が揃いました(笑)。

平日の夜ということもあり、「今日も一日お疲れさまでした」で始まる聖子さん独壇場(当然のことながら司会はいらっしゃいません)。今回はピアノ演奏ではなく、収録音源での歌唱でした。

もはやラマンチャに関してはMCで触れることすらしない(笑)で開始。
リリイベは今回は外でのオープンスペースが多かったので、「屋根のあるところ」でのイベントは新鮮と。

なんか会議室みたいですね(笑)」
「みなさんしっかりした方って感じですね(笑)」

という感じでMCスタート。

聖子さんのMCを聞いていて思いますが、最初の第一声が突拍子なくても、その後の修正力が流石。「先日グラビアが載った週刊誌が出まして、その手の雑誌を初めて買いました」という話に意外に反応が薄かったのを読み取ると、即座に説明に入るとか。まぁ結局、恥ずかしそうでしたが(爆)。

前日テレ朝系で放送された『あいつ、今どうしてる?』の話も出まして。出身校の愛知県祖父江町立長岡小学校(現在は市町村合併により稲沢市立長岡小学校)の同級生のうち15人が出てくれた話をされていましたが、今回の件もあって実はグループLINEで40人と繋がっているんだそうで。

今まで出会ってきた人たちがあって今がある、そんな思いを再認識できた今日に歌う『アライブ』はとっても深く感じるところがあります」という聖子さんの言葉は凄く印象的でした。

番組の最後に言ってた「芸能界に入る時に決めていた2つのこと、『必ず本名で活動する』それは昔の仲間が自分の存在を知ってくれるから、『プロフィールの出身地には必ず祖父江町まで書いてもらう』それは祖父江町が大好きだから」の言葉、それが表面的な言葉だけじゃないからこそあれだけの昔の仲間が集まってくれるし、「聖子さんの歌」にも「聖子さんの想い」がしっかり投影して聞こえてくるんだろうなと。

しっかりしているようで、実は突拍子もないところもあるという一面をこの場で覗かせつつ(まぁ以前から見ていると分かりますけど笑)。

某ラジオに出たときの聖子名言録「だいたい私は食い意地で失敗しています」にすべてが集約されていますが(笑)

来週からのコンサートツアーの内容は今のところこの場での片りんはなく(フォロワーさん曰く、前週の音霊(神奈川県三浦半島)ではちょっとした前触れがあったそうです)、ちなみに新潟が良席まだご用意できる模様(爆)。

短いながらも中身の濃いイベントはあっという間に過ぎるもの。終了後は舞台上でのサイン会を行なってそのまま流れ解散となったのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『beautiful』(5)

2017.8.26(Sat.) 12:30~15:40
 帝国劇場2階L列30番台(センターブロック)

この作品もこの日が千穐楽。

日々盛り上がりを見せてきたこの作品、「Locomotion」では手拍子も技術が上がり(笑)、かなり高度な手拍子が揃う揃う。当初は2階ではあまり拍手が起こっていなかったんですが、流石この日は千穐楽ということもあり、観劇馴れというより『beautiful』馴れした皆さまの拍手があたたかい。

この『beautiful』の作品の空気を一言で表現すると「あたたかい」の一語に尽きると思います。
キャロル・キングの曲が愛に溢れているだけに、キャロル・キングの曲のストーリーを展開するカンパニーのみんなが纏う空気も、刺々しくなく自然で、それぞれ美しい(beautiful)。

曲や物語が作り出す包み込まれるような温かさに包まれ、癒される時間が素敵でした。

キャロル・キングの曲はどれも聞き手に寄り添うようで、大上段に構えてなくて。
ふと横にいてもらえるかのような音楽だからこそ、物語としても押しつけじゃなくて、「こうしてみたらどう?」みたいな問いかけになっていたようで、構えず聞けたのが心地よかったです。

前日の水樹さん千穐楽は平日夜ということもあり行けなかったのですが、動画が上がっていて、水樹さんの「愛媛県に生まれ、父に演歌を習い、でも今はほら、帝国劇場に立っている!」に大拍手。これ、本編の最初の台詞「ブルックリンに生まれ、母にピアノを習い、でも今はほら、カーネギーホールに立っている!」の忠実なリメイクなんですよね。素晴らしい。

千穐楽は平原キャロル。

チャーミングな水樹さんキャロルに比べて、漢前な平原キャロル。ジェリーとの初対面の後、ジェリーに言われた「バッハも聞いてみるといいよ」に発奮して、バッハを弾いて見せた後、ジェリーに対して「どうだ」と言わんばかりに腕組みして強がる様が大好きです(爆)。

かと思えば、(ドニーやシンシアがいる部屋で)山田さん演じるニール・セダカに「oh,carol」と歌われて、赤面して両手で「きゃっ」と恥ずかしがる様もツボだったりします(笑)

あと平原キャロルはツッコミがどれも味があるんですよね。特に剣さん演じる母親へのツッコミが愛に溢れてて、ちゃっかりしてる感じが実に親子だなと(笑)

そういえば剣さん、この日、歌を売り込みに行きたいというキャロルに対して「この世に地獄とタイムズスクエアしかないとしたら、みんなタ」と言ったところで気づき(笑)言い直されておりました。珍しいですね(正解は「みんな地獄を選ぶでしょうよ」です)。

水樹さんと平原さんの違いと言えば、相手役の伊礼さんからカテコでハンカチを差し出された時の反応が好対照。水樹さんはハンカチで涙を拭くんですが、平原さんはハンカチで鼻をかむんですね(笑)。とっても性格の違いが分かりやすい。

びびちゃん(綿引さやかさん)、「Pleasant Valley Sunday」の歌い上げがとても素敵。他メンバーとは一線を画した歌い上げだけど、それだけに特徴的で、だからこそその後のシーンとの落差が凄い。「あのマリリンが?!」とキャロルの驚きを共有できる。あのシーンのびびちゃんマリリン、訳あり風なのに捨てきれないお嬢様風(爆)。

それからするとビター・エンドで伊藤さん演じる男性からのアプローチをいなす、びびちゃんの女子力の方がある意味新鮮な気もします(爆)。

ソニンちゃんも珍しくゲラってたなぁ。まぁ予測不能なあっきーと対してる時点でそうなることは予測できてたけど。
登場直前にあっきーから「アドリブ入れて」って言われて断ったのに、あっきーがアドリブ待ちの表情で待ってたもんだから、こらえきれずに噴き出してた(笑)。

「You've got a friend」の後の「この流れる涙は何?」の台詞には会場全員「涙です」って呟いたよね(爆)←(正解は「この流れる液体は何?」)ちなみにここのシーンについてソニンちゃんがカテコで語って曰く、「真治君はいっつも泣いてた。あーやも泣いてた。でもあっきーはこれ以上ないぐらいのいい笑顔で」ってのも笑いました。

「You've got a friend」の後の長い長い拍手、あぁこれこそが『beautiful』の真骨頂だなぁと。
ライバルがお互いを高め合い、別れを惜しみながらもこれからも友達でい続ける、一期一会の瞬間。
客席まで含めて、その空気を共有できた一期一会を喜ぶかのように。素敵な空気を共有できたことへの感謝の気持ちで、帝劇が拍手でいっぱいになった瞬間。それは、何物にも代えがたい素晴らしい景色でした。そりゃソニンちゃんも、のまれて台詞間違えるよね(笑)

そのあたたかい空気はカーテンコールでも引き継がれていて、この日のキャロル・平原さんはカーテンコールでなんと、スウィングのお2人を呼び込んで紹介。その上で、アンサンブルさん全員とスウィングお2人をフルネームでご紹介。

「アンサンブルさんも大事な仲間」とおっしゃる座長さんは多いけど、実際に全員の”フルネーム”と顔が一致して紹介することを、こともなげにされる平原さんは壮絶にカッコよかった。この舞台の屋台骨を名実ともに支えた、というよりプリンシパルと一緒に作ったアンサンブルさん1人1人の、紹介された時の充実しきった表情は皆さん本当にbeautifulでした。水樹さんも音声室でご覧になってて、水樹さんを紹介することももちろん忘れない平原さんが素敵。

その上で更に「お客さん皆さんがbeautiful。皆さんの笑顔に、拍手に、どれだけ力づけられたかぜひ知っていてほしい」と仰る平原さんが素晴らしくて、舞台上手から下手までダッシュして手を振る様も、2階席にまで手を振る姿も、投げキスの末に、キスをピッチングで投げたり、キスを右打席からバットで打つ風にしたり、左打席からバットで打つ様にしたり、もうもう何やってんですか無茶苦茶カッコいいんですけど平原さん、な状態。あまりにカッコよくて、カンパニー皆に紹介されるときの名前のコールがまるでプロレス(笑)。主に伊礼さんが主導してたんで、平原さん、伊礼さんに「おいっ」って手でノリ突っ込み入れてました(笑)

カッコよかったのはカーテンコールの皆さんの挨拶も。
演出上の都合(筆者推定)により、平原さんのご挨拶しか公式に上がっていませんが、プリンシパル皆さんのご挨拶はどなたも素敵でした。

その中でもとりわけ、2人のご挨拶だけは形に残しておきたいので、要旨ですが上げさせてください。

武田真治さん(ドニー役)
「この作品は他のミュージカルと異なり、プリンシパルが作曲家(物語側)を担って、アンサンブルが歌を担うという作品です。アンサンブルがスターを演じました。それによって、舞台の世界にはこんなに才能のある人が溢れているんだということを知っていただけることができたことは本当に嬉しいです。バラエティー側の(笑)人間として、ステージの世界ではこんなにすごい人たちがいるんだということを喧伝していきたいと思います。『喧伝』って言葉の意味わかりますか?『喧嘩腰で宣伝する』って意味です!」

…アンサンブルさんをこういう形で表現してくれたのは本当に嬉しい。プロデューサーという役というだけでなく、若い人たちを積極的に乗せていく姿はやっぱり彼らしくて本当に頼もしい限りです。

そしてもう一人の雄、伊礼さん。

伊礼彼方さん(ジェリー役)
「ジェリーを演じ、また宣伝部長もさせていただきました。この作品を帝劇でやることになり、いつも帝劇でやっている作品とはちょっと違うメンバーで・・・・。実際、このメンバーって日生やクリエのイメージですよね(笑)。作品的にもいつもの帝劇とはちょっと違っていて、そういう意味で作品面でもキャスト面でもチャレンジした今回。自分も帝劇に出続けて10年ぐらいになりますが、こういう”芝居”という面を前面に出した作品をやるべきと言ってきたので、とても意味あることだったと思っています。作品の中でジェリーも言っていますが、『時代は変わってきている』わけで(会場拍手)、旧いものの良さを残しつつ、新しいものを取り入れていく、今回空いた風穴を開けていく、それが我々30代・40代がやっていくべきことと思っています。ありがとうございました」

…動画でカットされた理由の部分を外して書くとこんなに良いこと仰ってます(笑)。こんないいこと仰っているんですから社長、あんまり刺激的な発言してオールカットにしないでください(爆)。

ちょうど1カ月の公演。
夏を駆け抜けた(東京は夏らしくなかったですが)、なんだか夏の強化合宿みたいだった『beautiful』。

プリンシパルさんからアンサンブルさんまで、爽快な笑顔が見られたことが何より嬉しくて、前向きなエネルギーを充電させてもらえたことに感謝を。素敵な1カ月でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『beautiful』(4)

2017.8.19(Sat.) 12:30~15:10
 2階K列1桁番台(上手側)

2017.8.20(Sun.) 17:30~20:10
 2階G列20番台(センターブロック)

1週間空きましたが、2日連続で帝劇へ。
いつの間にかmy観劇での水樹キャロルは終わっていて、この回と千穐楽すべて平原キャロル。
土曜日はイープラス&おけぴさんの合同貸切。

貸切ということでまずは終演後のご挨拶から。
いつも滑らかなご挨拶なあーやさん(平原さん)がこの日は珍しくあっぷあっぷ。
すかさず、元旦那様が助け舟を。

伊礼さん「いつも『喋っちゃいけない』って言われるところで喋るのに、今日はなんでそんなにしどろもどろなの(笑)」
平原さん「いや、言い忘れていることがないか心配で」
伊礼さん「そうそう、私の不倫のチラシ(*)を配ってます(会場内笑)」
平原さん「そう!」
エリアンナさん&綿引さん「(恐縮してお詫びのお辞儀)」
平原さん「マリリンと豚まん(の売り場)の前で何やってんの(笑)」
綿引さん「(再びお詫びのお辞儀)」

…という大団円を見て噴き出しました(笑)

(*)おけぴさんの幕間マップ

終演後、伊礼さんはわざわざジャネール(エリアンナさん)とマリリン(綿引さん)との帝劇売店前での3ショットの写真をツイートして、平原さんにキレられてました(爆)

19日マチネはイープラスさん&おけぴさんの貸切ということで、”いつもの帝劇”にかなり近い客層で、男性お手洗いの列が短い(笑)。拍手の入り方も手慣れた感じが漂います。
1幕後半「Locomotion」で手拍子が入りだしていたのも嬉しい限り。
20日ソワレに至っては、2幕最初の2幕overtureで拍手が入ったのもびっくりです。
いつもはあまりない歓声も入り始めて、いい感じで盛り上がりつつあります。

『beautiful』は客層的にいつもの帝劇の客層と違う反面、平原さんや水樹さんのファンの皆さま中心に、新たな客層の方が帝劇に来られているように感じますが、当初は「帝劇の格式」話が多く流れた結果、客席もおとなしめじゃなきゃいけないのかな…という空気だったのかと。

最近ようやくキャストの方から「盛り上がっていいんですよ」という話が出て、客席もつられて盛り上がりだしたのかと。極論、演じられている方の役者の名前の掛け声さえなければ、この作品は盛り上がった方がいいですからね。

逆に言うと、この作品のカタルシスは盛り上がって初めて感じられる部分もあるのかなと思えて。
向こうで上演されていたときと、こちらの上演されているときの違いといえばキャロルキングの曲に対する距離感かなと思うのですが、「誰もが知っててDNAレベルで擦りこまれているかどうか」って結構大きい気がして。

以前はこういう作品だとフライヤーにもキャプチャーのような宣伝文句があったと思うのですが、いつしかなくなって、それこそグラミー賞取ってますは載せるけど、作品そのもののパワーを伝える機会が減っているんじゃないのかなって。

この2回、平原さんのキャロルを通して作品を見て、変わらぬアンサンブルさんの歌のパワーに聞き惚れて。特に20日ソワレは完全にセンターだったので、帝劇のセンターってこんなに音響がいいんだと改めて感じたわけですが、「歌で心を伝えたい。」とか「みなさまのbeautiful、見つけてください」とか、そういうベタなキャッチコピーでも、伝わるものはあるんじゃないかなと。

海外で盛り上がってるから、日本で盛り上がるとは限らなくて。輸入作品だから制作上の諸々の制約があるのは分かりますが、日本で多くの人に見てもらうための梃子は、正直足りなかったんじゃないかなと思います。それがとても勿体なく感じます。

この作品は物語的にちょっと弱いのかなという思いはあって、最初にキャロルが言う「人が壁にぶつかったとき、人は何か美しいものを見つける」がこの作品のテーマなはずですが、それが作品中のエピソードで補強されたりする場面は少ないので、「この作品の中の『beautiful』が一体何なのか、ちょっとわかりにくい面があります。「常に『ありのままの自分』を大切にして走り続けた、キャロル・キングの生き方」こそが「beautiful」であり、そんな生き方を見て元気や勇気をもらえるよね、という話なのは分かりますけどね。

何度か見てきて、印象的なシーンをつらつらと。

「プレザント・ヴァリー・サンデー」は2幕中盤、マリリン・ウォルド(びびちゃん)が仮歌を入れていますが、結局はドニ―Pの判断で、MONKEYSが歌うことに(ちなみに1967年全米3位)。「くだらないドラマの曲になって何の意味がある」とジェリーは言っていますが(MONKEYSのグループ自体がドラマ内のグループ)、これ、本音はマリリンにこの曲を歌わせたかったわけですよね。男としてはいい曲を渡したかったのか、成功させたかったのか、自分の力を誇示したかったのか、そこの辺りは見えませんけどね。(それぞれちょっとずつ入っていそうな気がしますが)

キャロルとマリリンの対面シーン、なまじ以前から知っている(キャロルからしてみれば「いい人」というぐらい信じていた相手)だけに、あのシーンの修羅さは筆舌に尽くしがたいというか、マリリンにしてみれば、よほどキャロルに泣き叫ばれた方が良かったんでしょうね。

キャロルは自分を思ってジェリーが書いてくれたと思っていた歌詞が、マリリンを思って書かれていた歌詞だったと知ったなら、それは「私がみじめ」という言葉にもなるなと。

それは、1幕最後「one fine Day」にも同じことが言えて、この時の対象は歌手のジャネールですが、「私が恋人」と「私=キャロル」だと思っていたのが「私=ジャネール」だと知った時のショックを思うと、1幕最後は直前の幸せからの落差に衝撃を受けます。

ロスのプロデューサー、ルー・アドラーが「今までの曲は恋愛の苦しみについて書かれている」と言及していたのは、ジェリーと別れた直後のキャロルの想いからするとなるほどと思いますし、ジェリーと作った「ナチュラル・ウーマン」が「恋愛のポジティブな気持ちを歌っていて、このアルバムに欠かせない存在」と言ったのも納得がいきます。

次の観劇はもう楽1回を残すのみとなってしまいました。物語的に掘り下げしつつ、あと1回楽しみたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『She Loves Me』(2)

2017.8.13(Sun.) 12:00~14:40 A列1桁番台(下手側)
2017.8.13(Sun.) 16:00~18:40 D列2桁番台
               (センターブロック)
東京芸術劇場シアターウェスト

AKA Company第2回公演「She Loves Me」、あっという間に終わってしまいました。
生バンド(女性4人、男性3人)の贅沢な空間。
4日間(8月10日から13日まで)、うち2日間3公演拝見し、ほっこりな空気に浸れて幸せです。

この作品の温かい雰囲気がどこから来ているのかなぁ、と思っていたのですが、まずは作品の大部分を占める香水店「マラチェックパフューム」。

ボスのマラチェックを有川マコトさんが演じると聞いて、正直度肝を抜かれたというか、面白いなぁと思っていたので期待通り。
氏は強面系の表情でありながら、温かみある深いお芝居をされる役者さん。HOBO当時からとても好きな役者さんだったので、今回久しぶりに拝見できて嬉しかったです。

今回のメンバーでは芝居パートはさやかさんとtekkanさんが支えると思っていたのですが、2人とも歌も担わなきゃいけないので、有川さんの存在が有難く貴重に思っていました。ボスのマラチェックに心から心酔してる様のイローナなさやかさんの表情が素敵。

そしてマラチェックパフュームのポリシーが「いかにしてお客様に満足して帰っていただく(また来ていただけるか)」なので、サービス精神に溢れていて(それは営業故かもしれませんが(笑))温かい気持ちになります。

そしてもう一つの場が、アマリアが手紙をやり取りしている「愛しの君(dear friend)」と初めて会うことになるお店、この店のウェイターさんがとっても良いです。
「愛しの君」が現れない中、落胆するアマリアのことをとっても優しく慰めている…いや、「慰めている」という言葉自体が良くないかもしれないですね、寄り添っている感じがとってもほっこりして。

実際のところ、ちょっとウェイターさんとのシーンは時間的に掛け過ぎな感じもしはしたのですが、実は「愛しの君」がアマリアのことを見捨てたわけじゃない、ということをウェイターさんの言葉を使ってやんわりと伝えていたり(アマリアには伝わっていなかったようで、翌日は復活不能になってますが(笑)←彩ちゃんのやさぐれ感が最高です)。

「人が人を思う気持ち」をその2つの場面を通して表現しているからこそのこの作品の温かさなのかなと。

・・・

この作品で重要な位置を占める「手紙」。
アマリアにとっての「愛しの君」は「手紙」の向こうの相手。
ジョージにとっての「彼女」は「手紙」の向こうの相手。
お互い、その「向こうの相手」は別の人だと思っている(ジョージに至っては、自分と別の人だと思い込ませる工作(爆)をアマリアにしてる)わけですが、実は…という展開。

ミュージカルあるあるの上位に入るであろう、「喧嘩してるペアは最後はくっつく(笑)」の言の通り、案の定のところに落ち着きます。

「手紙」をテーマにしたミュージカルとして思いつくのは、今年再演されるクリエの『ダディ・ロング・レッグス』ですが、ダディの場合、似たようなシチュエ―ションの末、真実が判明したときに、女性側が「騙してたなんて!」って真綾さんが(爆)ブチ切れるじゃないですか。あれが普通だと思うんですよ、反応としては。

それからすると、シーラブの場合は正直、ラストが素っ気なさ過ぎる気がします。休憩含み2時間40分ということもあり、1幕で時間を使いすぎて2幕に時間が残らなかったんじゃないか(爆)と感じるぐらいに後半が駆け足なのはちょっと残念でした。

・・・

さてそれでは各キャストレビュー参ります。

ジョージ役の木暮真一郎さん。『王家の紋章』ウナス役で拝見して以来2役目で、今回いきなりの主役。ウナスの面影をちょっと感じたりして、見ている側の切り替えに困った時もありましたが、若さを前面に出して奮闘されていました。真摯な感じがとても良かったです。

アマリア役の島田彩さん。Tiptap『Count Down My life』の少年役で拝見して以来ですからかなり経つことになりますが、いじらしさと可愛らしさとパワフルさを兼ね備えた魅力的なアマリアでした。何といっても落ち込んで家でぐだぐだになってやさぐれる通称「アイスソング(Vanilla Ice Cream)」が最高すぎます(笑)。歌詞に「ジキルとハイド」が入っているのはネタですよね(笑)←彩さんとさやかさんの共演作

シーポス役のtekkanさん。直近ではAKA Company『tick tick BOOM!』以来ですね(galaribbonのゲスト回は拝見できなかったので)。ジョージの兄貴的な存在で、しなやかな芝居で作品を引っ張ります。実のところできる人だらけの「マラチェックパフューム」にあって、役的には劣等感を持っている役ですが、その辺りの小心者さ加減を表現されるのが流石です。さやかさんと2人のシーン(店2階でのやりとり)の空気感がお互い分かっている感じで凄く良かったなぁ(さやかさんが暴走するところに生暖かく付き合う感じが(笑))

イローナ役の岡村さやかさん。小南さん演じるコダリーに翻弄されるという、さやかさんにしては新鮮な役どころですが、女性らしさに磨きがかかっていて、それ故にイケメンにふらついたりするところが絵になりすぎてて可愛さ全開。以前から女性の厭らしさを見せずに、女性の本音を出すことに長けているさやかさんですが、今回はその集大成って感じ。1幕のさやかさんを見てて、どこかで見た感じの役だなぁと思ったら『ガイズ&ドールズ』のアデレイドでした(彼と結婚したくてしょうがない女性の役)。合う気がしませんか(爆)。

女性と男性をさやかさんの技で魅せきる、1人2役の通称「図書館ソング(A Trip To The Library)」が流石すぎます。
そして、某シーンでコダリーに「コダリーさんは恋愛のプロですから」と言い放つのもネタですよね(笑)←『レプリカ』

コダリー役の小南竜平さん。ダンサーとしては『エリザベート』『ロミオとジュリエット』では拝見していますが、演技を拝見するのは今回が初めて。さやかさんファンからしてみれば役柄的に敵に思えど(笑)、実のところさやかさんの今まで見たことがない面をたくさん見せて頂けてありがたい限り。いかにもなチャラい感じが最高でした(褒めてます笑)。前回も書きましたが、個人的な認識は”満佑子ちゃんのお兄さん”なので、満佑子ちゃんにこの役見ていただいて感想を聞いてみたかった気持ちでいっぱいです(笑)

マラチェック役の有川マコトさん。HOBO以来3年ぶりでしたが先ほども書きましたが期待通り!歌は流石に大変そうでしたがキャラクターで乗り切るって感じ。「入院したら特に男性は弱気になるよね」を地で行ってて納得。オラオラ系に見えながら、ジョージを後任に認めたり、アルパのやる気を認めたり、人を見る目があるあたりを上手く表現されていて流石です。

アルパ役の坂口湧久くん。MOZART(アマデ)→八犬伝と来て今作。「八犬伝」では歌声が不安なところも感じましたが、今回は安定。若者の前向きさがとても心地良かったです。
そういえば2幕後半、マラチェックさんに食事に連れて行ってくれることになって「ウェーバーズで食事!」という台詞が「ウェーバー家で食事」に聞こえてしまうぐらいにはアマデが頭に残ってます(爆)。

ウェイターとケラー、2役の岩義人さん。初見ですがウェイターがいい味出してて良かった。アマリアがあまりに騒がしいので吹っ飛んできて「帰れー!」と大声で歌い上げるところ噴いちゃいました(笑)。

アンサンブル的に複数役をされていた女性お3方、笘篠ひとみさん、白鳥光夏さん、向笠愛里さん。
主に香水店のお客さん役として登場されていましたが、一番良かったのは『Tweleve Days to Cristmas』。
聖歌隊の3人の歌声がとても綺麗で素敵でした。

・・・

カーテンコール、千穐楽では木暮くんからご挨拶。
「この作品は沢山のカンパニーで演じられ愛されてきていますが、今回、素敵な皆さんとご一緒出来、本当に嬉しかったです。ありがとうございました」
とのご挨拶がありましたが、実はその後の締めをせず(笑)、皆さん苦笑しつつ幕が下りまして(笑)

きっと、1)tekkanさんに振る、2)さやかさんに振る、3)彩ちゃんに振る、のどれかをやればよかったんじゃないかと思います(笑)。過去の作品でご一緒した座長さんの見本は…と思い出して「あ!」と思ったのは独り言です(笑)

というオチはありつつ、ウェルメイドな作品、無事(爆)終演です。

AKA Company第1回作品『tick tick BOOM!』がシアター風姿花伝(約100席)でしたので、今回のシアターウェストは270席。正直、上手・下手には空席が目立ち(ほぼ見切れ席とはいえ、前々日で最前列が取れたのはびっくり)、集客的には大変だったのかなと。

何しろお盆時期ということで、遠征組も見込めず、帰省で見られなかった方もいらしたでしょうから、日程設定というのは重要なのだろうなと思う次第だったのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『RiRiKA Solo Live 2017 Summer Sparkle』

2017.8.11(Fri.) 14:45~16:40
よみうり大手町ホール 3列10番台(センターブロック)

RiRiKAさん10か月ぶりのワンマンライブ。
前回(昨年11月)は銀座のヤマハホール(333席)でしたが、今回は席数増やしてのよみうり大手町ホール(501席)に場所を移しての開催です。
相変わらずこのホールは大手町駅の千代田線以外のどこからも遠いんですよね…。

ではセットリストですが、前回同様、当初up時点で1曲目が不明です(爆)。
主催者発表もしくはお分かりの方、よろしくお願いします(ぺこり)。

●セットリスト
1.-
2.it's show time/レジェンヌ(全員)
3.The Girl In 14G/クリスティン・チェノウエス
4.始まりの予感/ハイスクール・ミュージカル(with岡本さん)
5.so close/魔法にかけられて(岡本さんソロ)
6.会いたい/沢田知可子
7.夏の終わり/森山直太朗
8.虹/岩崎宏美
9.In His Eyes/ジキル&ハイド(RiRiKAエマ、ダンドイルーシー)
10.結婚しよう/紳士のための愛と殺人の手引き(RiRiKAフィービー、ダンドイシベラ)
11.明日があるさ/坂本九(全員)
12.あの素晴らしい愛をもう一度/北山修・加藤和彦(全員)
13.元気を出して/竹内まりや
14.素晴らしいことに出逢うため/original

<アンコール>
1.風になりたい/THE BOOM(全員)
2.つばさ/本田美奈子

15分の遅延によりスタートしたこの日の公演(ちなみにリハ遅れが理由だったようです)。

1曲目はRiRiKAさん、赤いドレスで客席から登場。後方席を練り歩いてからの登壇。
RiRiKAさんに「赤」って珍しくて(比率的には白が多いです)、ドキッとするぐらいセクシーだったわけですが、曲が終わった後の本人MC曰く、「ダンドイちゃんから借りた(笑)」という必殺武器「言わなくていいのに」が早速発動(大笑)。

今回のゲストはお3方で、月央和沙さん(振付)、ダンドイ舞莉花ちゃん、岡本悠紀さん。

よみうり大手町ホールは本来はクラシック系とかによく使われるホールですが、恐ろしいぐらいに派手な音響で、恐ろしいぐらいに派手な踊り(月央和沙さま振付)という、このホールらしからぬ事態に(笑)。コンサートというより、特に前半はライブの要素がかなり強かったですかね。

音響のいいこのホールにしては、最初は音響調整が上手くいっておらず、かなり聞きにくかったですが、数曲終わったころにはそれも改善されていました。

前回のソロライブがカラオケバトルから入った方向け、といった趣だったのに比べると、かなりミュージカル寄りの選曲。
カラオケバトル系の曲は本編のM6とM7、アンコールの最後M2ということで3曲だけですからね。

実際、MCでRiRiKAさんから「自分はミュージカルを主に活動しているので」といった言葉があったのはかなり新鮮で印象的でした。「歌をやりたい」から宝塚を退団されて、それで10年来活動されてきた印象があったので、少しくミュージカルをはじめとした舞台に対する距離感の変化のようなものはあるのかもしれません。

ミュージカル曲で印象的だったのは、ダンドイちゃんとのデュエットの2曲。
どちらも「1人の男性を思い2人の女性が歌う歌」というカテゴリで説明され。

M9のジキハイ「In His Eyes(この目に)」はRiRiKAさんがエマ、ダンドイちゃんがルーシーでしたが、正直2人の個性がかなり似ているので、はっきり本役の方(直近版は笹本玲奈さんがエマ、濱田めぐみさんがルーシー)ほどには違いがなくて、「あれ、どっちがどっち?」みたいに戸惑うパートがちらほら(爆)。

M10の紳士~の「結婚しよう」はRiRiKAさんがアンサンブルで出演していた作品での女性2人デュエットで、RiRiKAさんがフィービー、ダンドイちゃんがシベラで、この曲はキャラがぴったり。RiRiKAさんのフィービーが聞けてとても嬉しかったです。そして中に割って入るモンティーは岡本さん。かっきーよりはウエンツくんの方がイメージ近かったかな(振り回され方の振り幅が)。終わった後ダンドイちゃんが「この曲、息継ぐところがなくて」と、はーはー言ってました。ごもっとも。

この2曲、RiRiKAさんが歌った方の役はいずれも本役が宮澤エマちゃん(ジキハイは2018年キャスト)。
そう考えるとエマちゃんとRiRiKAさんはキャラが被っているんだなぁと改めて感じたのでした。

そういえばM3『The Girl In 14G』は通称「14階の曲」で、ライブでは良く聞く曲ですね。
私が聞いたのは笹本玲奈さんで初聴、その後に木村花代さんでも聞いています。この日、別場所で田村良太氏のライブにゲストで出られていた松原凜子さんも歌われていたそうです。
オペラ歌唱から演技まで幅広いものを求められるだけに、玲奈ちゃん曰く「ミュージカル女優なら絶対歌いたくなる曲」であることに納得。
RiRiKAさんのキャラクターにもぴったり合っていました。

本編最後、M14『素晴らしいことに出逢うため』は、この日発売の新CD。先週ラジオで1番は聞いていましたが、2番まで通しで聞くと受ける印象が深くて素敵です。新CDへの収録は3曲で、残り2曲のうち1曲は、直前に披露された『元気を出して』、もう1曲は『My Dearest』で、旧『My Dearest』CDが前日(8月10日)限りで販売中止の理由がようやく理解できました。

本編M12『あの素晴らしい愛をもう一度』やアンコールM1『風になりたい』では、客席に歌わせるRiRiKAちゃんの得意技が発動(笑)。舞台上と客席で一体になって盛り上がる感じは、他のコンサートではあまり体験しないので新鮮だったのでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『She Loves Me』(1)

2017.8.10(Thu.) 19:00~21:40
東京芸術劇場シアターウェスト D列1桁番台(センターブロック)

Aka Company第2回公演は『She Loves Me』。
第1回公演は『Tick Tick Boom!!』(2016年2月)でしたので、1年半ぶり。
奇しくして、岡村さやかさん、tekkanさんが2作連続の出演です。

この作品、2009年にシアタークリエで上演されており、その時はアマリア役が神田沙也加さん、イローナ役が知念里奈さん。

今回はアマリア役が島田彩ちゃん、イローナ役が岡村さやかさんということで、なるほど役柄的なバランスが良く分かります。

印象からして古き良き時代のミュージカルというか、滑らかに流れる最近のミュージカルとは一線を画した印象ですが、その分、ベタなキュンキュンさの魅力にあふれてます。

作品の舞台となる香水店・マラチェックパフュームに入ってくる新人店員のアマリアと、元からいる紅一点の女性店員・イローナ。
アマリアが入店して自分を店員さんとして売り込んできた時のイローナ(さやかさん)の警戒感いっぱいの表情がたまらない(爆)。

でも、アマリアの男性のタイプが自分と違うことに気づいたからか(爆)、ちょっとしてからはすっかり仲良し。ヒロインペアの2人、アマリアとイローナが仲良く恋バナとかしてると、見ててとても楽しい。

今回のアマリア彩ちゃんと、イローナさやかさんはもうびっくりするぐらいに魅力が被ってなくて。

アマリアの可愛さはとにかく真っ直ぐ。変化球とか使えないタイプで、恋するお相手とは手紙でやりとりして顔も知らない。恋バナになると「きゃっ」って言っちゃいそうなぐらいに純粋でキュート。イメージカラー(衣装)はピンク。恋のお相手は会えば喧嘩ばかりの同僚、木暮さん演じるジョージ。

イローナの可愛さは大人のチャーミングさ。同じく同僚の女たらしなコダリーに振り回される日々。
何度も騙されて利用されているのに、コダリーの甘い言葉にフラフラとしちゃう。「ダメよダメよ、この男に乗せられちゃダメ」ってぶんぶん首を横に振ってる、さやかさんが絶品のチャーミングさ。イメージカラー(衣装)は黄色。行動的な感じが印象的です。
いやはや、コダリー演じる小南さん(現コゼットの小南満佑子さんのお兄さん)、この方の「たらし」さと来たらマジにムッとします(大笑)。

それゆえ、さやかさん演じるイローナを応援する気持ちに力が入ります(爆)。
アマリアの恋への不器用さと、イローナの恋への不器用さはそれぞれ違っていて、それぞれにいじらしいのですが、アマリアより年齢を重ねている役とあって、イローナは本音が上手く混じるというか、いい意味で黒くて、ということはさやかさんに合う(爆)。

コダリーへの反撃とか(コダリーには全く応えてないけどw)、力まない女性の本音が客席の笑いを誘うのですが、絶妙なラインで痛々しくないのが流石です。

女性陣は2人以外はお客さん役で3人。こちらも歌上手さん揃い。
男性陣の顔ぶれも個性的です。

店長・マラチェック役の有川マコトさん。劇団HOBOで高橋由美子さんと一緒にやっていた頃ぶりですからもう3年ぶりですが、強面と裏腹の優しさも出されていて流石の存在感。

店員役のtekkanさん。アマリアに対してイローナが相談役の立場なのと対で、ジョージに対する相談役な立場ですが、軽々と動く軽快さが素敵。某シーンでは何やってんですかって感じですが(笑)。

ウェイター役の岩義人さん。初見の方ですが、アマリアが向かったバーのウェイターで、傷心のアマリアに対する心配りがとても優しくてホッとします。

配達員役の坂口湧久くん。アマデから八犬伝で見ての今回、ずいぶん大人になったなーとという目線でどうしても見てしまう(爆)のですが、男性陣の癖のある面々からするとピュアな存在感が貴重です。
イローナに好意をもっているように見えるシーンでは八犬伝で強がってたところとちょっと印象被ったかも。

生演奏で奏でられる、小劇場でのウェルメイドな作品。

「夏に起きるクリスマスの奇跡」はなんだかとっても心地よくて、心からの悪人がいない(チャラ男はいるw)、とっても爽快感感じる作品です。

「手紙」をテーマにしていて某あしなが方面との共通点を感じなくもないですが、構えず見られるこの作品。
島田彩ちゃん、岡村さやかさんそれぞれの可愛さを堪能できる、にやにやが止まらない作品(笑)。
公演は13日(日)まで、当日券あります。よろしければ是非に。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『beautiful』(3)

2017.8.6(Sun.) 17:30~20:15
帝国劇場 2階L列30番台(センターブロック)

『beautiful』3回目。この日のキャロルは水樹さん。

前回感じた「パッションのキャロル」の印象そのままに、歌はよりキャロルに近づいて、芝居的にもとても良くなってた。この劇場サイズでの佇まいを手の内に入れてきた、そんな感じ。

水樹キャロルで好きなのは、年齢を重ねたときの居ずまいのリアルさ。
平原キャロルが、結局のところ成功を収める様が何となく想像できるのに対して、水樹キャロルは自分が成功できることを最後まで信じられていないように見える。
「『ふつうのおんなのこ』が『ふつうのおんなのこ』のための歌を作る」というキャラクターには、実は水樹さんの方が近い気がして。

ただ歌を作るのが好きだった”おんなのこ”が、気持ちが通じ合えたと信じた相棒と巡り合えて、次々とヒット曲を作っていくけれど、成功しても相手との気持ちは近くならない。むしろ遠ざかる。
心が通じ合って作ったはずの曲なのに、「One Fine Day」を挟んだ2人の想いは、交わることがなくて。

シュレルズが歌うシーンから、キャロルが歌うシーンに切り替わってキャロルが歌う「One Fine Day」は、水樹キャロルだとより絶望的に聞こえて深く心に沁みます。

・・

そろそろネタバレ入りますのでよろしくお願いします




今回の作品は、プリンシパルは芝居パートを担い、アンサンブルは歌パートを担う形ですが、アンサンブル中ちょっと異質なのが、びびちゃん(綿引さやかさん)の立ち位置。

彼女はソロパートこそ2か所ありますが、いわゆる歌い上げ系のパートには一切入らず、実際に女性アンサンブルでも声質的にパワフル系とは一線を画しています。

本役は2幕前半でキャロルとジェリーの関係に重要な役回りとして入り込むマリリン・ウォルド、彼女はジェリーの浮気相手。
1つ前のシーンで、新曲の歌入れをしているシーンからがマリリン役のパートですが、思い返すと、1幕2場、キャロルがジェリーと出会う直前に、キャロルの前でジェリーが鼻を伸ばしていた(爆)ナイスバディ―な金髪美女を演じているのがびびちゃん。

それぞれ別の役ではあるものの、”ジェリーのタイプの女性”という見せ方をして、キャロルにしてみればその彼女に対する”敵わなさ”を感じているように見えて。

キャロルはライブハウスで歌うように言われた時に「私はそんな可愛い、綺麗な女じゃない(ので歌い手には向いてない)」と答えていますが、それが女性としてのコンプレックスだったのかなと。

キャロルはマリリンのことを「とてもいい娘よ」と言っていたのに、とあることから判明したこと。
キャロルとマリリンが向かい合った一瞬の、目と目で通じ合った「こういう形で出会いたくなかった」やるせなさが深く胸に迫ります。

キャロルにとってはよりによってマリリンと、という面と、マリリンとは別の女性と会っていると宣言されていた(要は騙されていた)の両面でショックだったのだと思いますが。

・・・

この日は2階最後列からの観劇でしたが、2幕開演時間になっても私の前の2列ともがお戻りにならず、結果的に視界を全く遮られずにB席料金で観劇という、またとないお得感を感じたわけですが、逆に言うと今回、興行的に苦戦しているのはこの作品をA席料金以上で観る人をどう連れて来れるかに対する、策の薄さにあったのではないかなと。

2階最後列で聞いていても、真っ直ぐに伝わってくる音圧が凄い『so beautiful』。
キャロルの背後から聞こえるアンサンブルさんの一糸乱れぬコーラスが、実はたったこれだけの人数で作られていたことを、直後のカーテンコールを見て慄然とするわけで、直後のカーテンコールが帝劇らしからぬノリノリなスタンディングオベーションになっていることが、せめてもの救いと思ってはいるわけですが。

今回、どちらのキャロルでも客席は男性比率が通常作品に比べてかなり高く、逆に言うと女性比率が低いんですね。普段帝劇に通う層を取り込めていないように感じるし、本来は主人公のキャロル・キングが女性から支持されるタイプのキャラクターである以上、女性支持が強く出ておかしくない作品なはずなんですよね。

この物語のキャロルで印象的なのは、本人が1幕で語っている「分からないわ、自分で自分のことは見えないもの」という言葉。だからこそなのか、周囲からの想いにしなやかに答えている。頑なに自分の殻に閉じこもることもできそうなものなのに、最初は断っても、次には受け入れている。

「自分を持ち、かつ他人を受け入れるしなやかさを持つ」ことが成功の秘訣であること、それこそが「beautiful」を体現する鍵ということに思えてきます。

そんな話からすれば、現代の女性への応援歌って側面からもアプローチできたのではと思うのですが、それを考えるとなおさらに、やっぱりこの作品は帝劇じゃなくてクリエだったんじゃないかなと思うんですよね(クリエの開場時のコンセプトの一つに「働く女性のための劇場」というのがありました)。

今回、帝劇でやるにあたってオリジナルプロダクションからは「海外では3千人クラスの劇場でやっているから」という話があったそうなのですが、そもそも海外と日本ではキャロル・キングへの認識度が違うし、誰もが曲を認識できるほど、日本でみんながみんな洋楽を聞き込んでいるわけじゃない。

この作品の直前の帝劇が、名プロモーターであるムラタさんのレミだっただけに、開幕以来作品blogもできず、劇場の動向は伊礼社長をメインにしたキャストさんのtweetで漏れ伝わる姿が、本当にそれでいいのかと疑問です。

前からそうとはいえ、リピーターチケットもなぜか当日購入分しか対象にならないのも違和感です。
「当日限り」ということで我を忘れさせ(爆)ということなのかもしれませんが、「良かった」と思って翌日来ても、リピーターチケット対象にはならない。1席でも多くの席を売ろうと貪欲になるなら、そういうところから変えていかないといけないんじゃないかと思います。
(ちなみに博多座さんは後日でもリピーターチケット対象になりますし、電話予約分も半券持参で同様の扱いです。上限席数の設定はありますが)

・・・

かくいうプロモーション上の不満は多々感じつつも、ウェルメイドな作品の魅力は確かで、1人でも多くの人に良さが伝わるよう願うのみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«『レプリカ』(4)